うそうさ〜第二号室〜

フリゲ・鬱展開・ヤンデレ 万歳!

フリーゲーム「雨雲」感想

「後に晴れても土はぬかるみ」

カラリと爽やかにはいかない前置き。

 

 

 

今回はちゃんとするさんところのフリーゲーム雨雲」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

年齢制限ありのサスペンスもの。前半はノベル、後半は選択式のアドベンチャー。舞台は現代日本で、まさにあるあると言いたくなる日常感と、自分の身にも似た危険が起こり得るかも…!といったハラハラ感が楽しめます。

 

 

ではさっそく魅力的な点から。

 

 

臨場感のあるビジュアルホラー

 

一枚絵の使い方がとにかく上手でした!

ただ衝撃的な絵をバンと出すのではなく、プレイヤーの視界を制限してじわじわと迫りくる怖さを演出してあったり、絵の表示をずらすことで視界の揺れを表現されていたり、ビジュアル面での演出力が凄かったです。

また、突如始まる狂劇にぴったりの表情付けも良かったですねー。絵柄自体はデフォルメ寄りかなと思うのですが、それでまさかここまで鬼気迫る表情がお目にかかれるとは思ってもみませんでした。

 

 

 

一目でわかる魅力的なキャラクター

この作品、公式サイトを見て頂ければ分かる通りけっこう登場人物が多めです。なのに驚くべきはキャラ皆に立ち絵があること、そしてその描き分け方でした! キャラごとの絵風を統一したうえできちんと違いが出してあるのは本当素晴らしいです。

キャラの性格もそれぞれ個性的で、内面の描き分けも上手でした。まさにリアルで身近にいそうな感じのキャラも居て微笑ましかったですね~。

お気に入りは西久保さん! ああいうマイペースなキャラ大好きですw オチの付け方も素敵でした!

 

 

 

注意書きの潔さ

「警察の描写がありますが、実際の警察の仕組みとは大きく異なります」

これ大事!本当大事!

なんでだろう、他の職業や機関と比べて警察ものって「こんなのリアルじゃない」って思っちゃうバイアスが強い気がするんですよね。それで変な絡まれ方してる作品も散見します。でも、あらかじめこうやってスタンスを表示してもらえていると、機関構造の云々などに気を囚われず、ありのままストーリーを素直に受け入れられるのですごくありがたいです。

こういう注意書きってつけるの勇気あるんじゃないのかなー、と勝手ながら思っているのですが。よくぞ言ってくれた、まさに英断と感じれる潔さでした。

 

 

 

 

一方気になったところとしては、

 

 

考察整理パート

まず先んじて。死亡スチル等にも関わるコンプ要素や判を押すスタイリッシュな演出など、全体的に見ればゲームらしさ含めかなり良いシステムだと思います。

でも気になったのが、初めてこのパートに入る時の問題の難易度とタイミングです。かなり話に没入したところでこのパートになりテンポを崩されてしまったのが一点。さらにその難易度について、肝心のところはかなりゆるいのに対して枝葉と思われる三択選択肢は紛らわしく、白ける感じを覚えてしまいました。

この難易度はチュートリアル代わりだからなのかなとも思うし、ヒント機能や調書読み返し機能があるので、仕様自体はものすごく親切です。製作者様の優しさが出ているなあと思います。だからこそ、この“いままでのあらすじ”みたいな部分はパスで、それ以降の捜査が始まりだす辺りからこの推理パートが入っても良かったんじゃないかなあと惜しく感じました。

ミステリ的な推理要素を狙ったのかなとも思いはしましたが、第二話でほとんど答えは明かしてもらえているので……。

 

重ねて書きますが、このシステム自体は面白かったです。特に終盤の展開は、刑事さんと同調してかなり手に汗握りつつプレイさせて頂きました!

 

 

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

他にも、即死ポイントに事前セーブの警告が出たりちょっとした記念要素があったりと、親切さや楽しませようとする気概が随所にうかがえる一作でした。

 

余談。××マニア(ネタバレ防止伏せ字)の称号をクリア前に取得できたので思わずふふっと笑ってしまいましたw やったぜ!

 

そんなわけで、サスペンス好きの人やノベル型アドベンチャーが好きな方にオススメです。

 

 

 

同作者様の他フリーゲーム感想記事↓

 

shiki3.hatenablog.com

 

フリーゲーム「婚々痴気」感想

「孫の顔を早く見たいVS親の顔が見てみたい」

肉親ほど大切なものはないよねな前置き。

 

 

 

えー、今回はカランコリックさんところのフリーゲーム婚々痴気」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

乙女向け男女恋愛短編ノベルゲーム。選択肢での分岐がありますが、分岐点は限定的なので難易度は易しめです。ここで紹介するからにはヤンデレです。フィーバーです。やったね!

 

 

というわけでさっそく良かった点など。

 

 

 

 

ヤンデレホイホイゆえに経験値高めのヒロイン 

どうしようもない男にばかり好かれるヒロインが「まともな男と結婚したい!」と神頼みをするところから話は始まります。どうですこの思い切った導入部。これだけで早くも心が躍ります。

そしてこのヒロインがとにかく強いこと強いこと! 何せ数多のヤンデレをいなしてきた経験があるので、ヤンデレにおけるベストな対応を心得まくってます。途中の展開なんてもう武勇伝を見ているかのような気分です。超楽しい。

とはいえ、あくまで根は思いやりのある真面目さんなヒロインなので、追いつめられたり弱ったり姦計に巻き込まれたりもします。なのでそっち方面を期待している方にも喜ばしいキャラづけです。

勘違い男はぶっ飛ばしたい、がしかしヤンデレとのドロドロ恋愛は見たい。そんな乙女にぴったりのヒロイン像でした!

 

 

 

軽妙に鋭い迷言の数々 

とにかく冒頭から会話のテンポが最上級です。ツッコミ不在の面白さの真髄を見ました。

これはもう引用するのすら惜しい、是非実プレイであの軽妙な空気を感じて頂きたいところです。4人目の彼氏さんとの会話にはもう腹筋が鍛えられました。

多少のとんでも話もヒロインがすんなりと受け入れるまたはスルーしてくれるのでお話自体もスムーズに進んでくれます。まさに時間を忘れる楽しさでした。

 

 

 

がっつり愛が重いエンディングの数々

さて、見どころはギャグ要素だけではありません。中盤以降ではがっつりヤンデレらしい鬱展開や病みエンドが堪能できます。一応序盤から危うい雰囲気はあったはずなんですが、明るい展開に油断していたところもあって、後から背筋が寒くなることもしばしばでした。

流血描写がない辺りはお慈悲というやつでしょうか。逆にもっと酷いことになっている気もしますが。えへへ。

詳しいことはまた追記にて。

 

 

 

最後気になった点として。

おまけの補足話だけメニュー表示ができずオートモードになれなかったのが残念だったかな。でも、話自体は短めですし本編ではシステム面も快適なのでご安心を。

あとおねショタという紹介がされていますが厳密に言うならショタおねに感じました。

 

 

 

とまあ、こんな感じで。寂しがりでちょっと危ないショタに愛されたい皆様にオススメの一作です。

 

最後におまけでネタバレ感想ちょこっとだけ。右下追記よりどうぞ。

 

 

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フリーゲーム「月光妖怪」感想

「惚れた弱みで金貢ぎ」

ずぶずぶ溶けていっちゃう前置き。

 

 

 

えー、今回はtachiさんところのフリーゲーム月光妖怪」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

ツクール勢のホラー、と見せかけてほのぼのギャグなアクションパズルゲームです。これは本家の紹介文が一番キャッチーだなと思ったので引用させて頂くと――

「ホラーを "やる" 逆ホラーゲーム! 怖がらせるのは、プレイヤーである、あなた!」

とのことで。まさに発想の勝利!な一作でした。

 

 

 

ちょっと不思議な町の心温まる物語

ゲームは4章に分かれており、各章ごとにストーリーパート→ゲームパート→ストーリーパートといった流れで進んでいきます。

不思議なことが不思議なままで終わるので少し消化不良なところもありますが、メインのほんのり温かい恋愛や街の人達のドタバタストーリーが魅力的に描かれているので、結果としては大満足。短編らしく推し所をしっかり決めてあるお話だったなーと思います。なんだかんだで「まあいっか!」で明るく笑ってエンドロールに行けました。というわけでハッピーエンドが好きな方にもオススメです。

 

 

 

仕掛けを使って音で脅かせ!

街の住人を脅かすことがこのゲームの目的です。限られたマップの中で置いてある仕掛けを動かしたりちょうど良いタイミングで壊したりして、がんがん住人をビビらせてしまいましょう!

これが単なるいたずらとなると気が引けてしまうところもありますが、ステージごとになかなか良い動機づけがされているので、こちらも全力で頑張れます。

樽やツボから始まり、広範囲に驚きを提供できる仕掛けや、時間差で音がなるものなど、仕掛けの内容も様々。また、最終ステージではプレイヤーのほうが驚かされるギミックもあります。あの演出はまさに胸熱でした!

 

 

 

コンボで爽快スコアアタック

単に驚かせるだけで終わらないのがまたこのゲームの面白いところ。

相手を連続で脅かすのに成功するとコンボが発生しスコアが伸びます。「どういうルートで」「どのタイミングで」仕掛けを使うかというアクションパズルな要素が光ってくるわけですね!

スタートの合図が始まる前のわずかな時間で計画を練るのが楽しく、わからなくてもわからないなりに動いてみたら意外とできちゃったなんてこともあって、普段アクション苦手なはずなのに気づけば時間を忘れてハマってましたw

何度かクリアに失敗すると、必要なスコアを下げてくれる親切な提案もあります。ありがてぇ! ラスボスで大変お世話になりました。

 

 

 

大ボリュームなやり込み要素

クリアするとおまけ要素が解放されるのですが……このボリュームが予想以上で、これまた驚かされました! 一部のコンプは運次第でもありますが、条件は軽めなので少なくとも「出なくて苛々~」なんてことは無いはず。

やり込み要素も、詳しく書きすぎるともったいないので詳細は伏せますが、かなり解放感と勢いがあって楽しかったです! レベルが上がるとそりゃもう大暴れで。はっはっは。

同作者様の他ゲームに関係するゲストキャラが見れたり、くすっと笑える台詞が随所に効いていたりして、見どころたっぷりでした。

 

 

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

他にも味のあるボイスや雰囲気ぴったりのお洒落なBGM選曲など、さりげなく良いなーと感じる点が多かったです。その発想にまずDLし、ゲームシステムにのめり込み、後味良いお話にすっきりする爽快な短編ゲームでした!

 

 

 

同作者様の他フリーゲーム感想↓

shiki3.hatenablog.com

フリーゲーム「わたしの魔術師」感想

「選ばれし者がここにいる!」

バッシングは気にせず行って欲しい前置き。

 

 

 

plastic pocketさんところのフリーゲーム「わたしの魔術師」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

選択肢あり、攻略キャラ3人の乙女向けノベルゲーム。

魔法学園もので、ちょっとした転入生とハプニングを交えつつも、ほのぼのと恋を芽生えさせていくような展開になっています。

 

 

シナリオ自体は場面場面が短めに区切られているので、少々淡々とした印象があったようにも思います。でも、ときめくシチュエーションは用意されていますし、ハマるシーンはそれこそ数行のさらっとした描写でもグッとくるところがありました。多分夜の独白を昼に持ってきてシーン切り変え少なくしたらもうちょっとのめり込む感じが出るのではないかなー、なんて。

 

 

で、この作品、何より特筆すべきはキャラ設定!

表面だけ見ると王道ファンタジーなのですが、ちょこっと変化球のあるキャラがいまして……そのキャラが本当、もう、むちゃくちゃ好みでした……っ!深くは追記に隠しますね。

 

 

あと、グラフィック面も推していきたいところ。

立ち絵もスチルも乙女ゲらしく、例えちょっとキワドイシーンでも品のある感じがする絵柄だなーと感じました。戦闘シーンで見られるデフォルメイラストも魅力的ですね!

あと、コンプおまけで見られる一枚絵の構図がすごく良かったです! ちゃんとそれぞれ平等に絡んでてかつキャラの個性が垣間見える感じでとても好き。

あ、プレイ済の方はスチル一覧のハートマークをお見逃しなく。

 

 

 

とまあこんな感じで。

変化球を推したいけどそこを推すとネタバレになるし何よりそれだけがメインじゃないので何とも言い難い難しさ! このブログの常連さん(がもしいらしたら)「年齢制限ありのバッドエンド」で通じるかな?通じるといいな? そんな感じの魅力もあります。もちろん回避可能です。

 

以上!王道魔法ファンタジーな乙女ゲをお求めの方は是非!

追記にネタバレ込みでキャラクターについての感想です。

 

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フリーゲーム「救世メガロマニア」感想

「神も兎も知ったことか!」

やるなと言われればな前置き。

 

 

 

えー、今回は30の法則さんところのフリーゲーム救世メガロマニア」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

一通りクリアするまで30時間を越える長編RPG。バトルやシステムにアトラス作品のオマージュを加えつつも、オリジナルのキャラとストーリーで進みます。VIPRPGではありますがVIP独特のネタやノリは少なめなので苦手な方もご安心です。

 

私は前作を未プレイで挑んだのですが、ゲストキャラとして登場するほかクリア後のおまけなどでもけっこう関わってきていたので、せっかくならプレイしておけばよかったかなー、なんて。

 

 

というわけでさっそく魅力的な点など。

 

 

 

綺麗に繋がる設定と熱い盛り上がり

主人公ツカサが転生し目覚めるところから物語がスタートします。ゲームの環境設定が転生システムのチュートリアルとしてお話に組み込まれているという、この冒頭の流れから上手いなと感じさせられました。

ダンジョンの謎解きがきちんと後々のストーリーに絡んでいたり、会話の伏線が回想シーン込みで回収されたりして、風呂敷の畳み方もすっきり。2周目以降限定の分岐ストーリーもなかなかに気持ち良くぶっ飛んでいて、あくまでIFルートとして楽しめました。

一点挙げるなら、物語のどんでん返しと新しい世界説明が一緒に起こり、物語の勢いとは反対に少し手を止めないと飲み込めなかったのが残念だったなあと……主に私の頭が。とはいえ、説明が後である場合はその旨叫びながらボス戦に突っ込んでくれたのでそこはありがたかったです。

プレイしていて気になったところに主人公達がきちんと気付いて自分なりの答えを叫んでくれるので、こちらも一緒になってとても盛り上がりました!

ツカサが皆を説得する時に画面揺れとガオーSEが入るのがお気に入りです。反射的に「せやな!」って同意したくなりますw

 

 

 

各大陸が影響しあうフリーシナリオ

中盤から物語がフリーシナリオに移行します。Aで手に入れたものをBで使用してBからCへ飛んで――あちこちを行ったり来たりして行動範囲を広げていくのにわくわくしました! 進める順番や次の目的地等はある程度ヒントがあるので、自由度高めなのが苦手な自分にも合ったのかもしれません。

まだフラグが立っていないのかそれとも進行不可なのか、わかりづらいところはありましたが、「不思議な力で阻まれている」=進行不可だということがわかってからは躊躇いなく探索を進められるようになりました。かなりストーリーを進めてから序盤のサブイベントが達成可能になる時もあり、遠いところまで来たなあという感慨が湧いてしみじみさせられることも。

とにかくうろうろ探索するのが楽しかったです。

 

 

 

どのマップも目新しい謎解きアクション

音がヒントになっていたり、倉庫整理パズルがあったり、アクション床をダッシュで駆け抜けたり等々。どのダンジョンでも毎回目新しい要素が増え、最後まで飽きることのない探索を楽しめました。

シンボルリセットを利用したギミックがまた楽しかったですねぇ。アイテムで制御できるギミックもあるので、最悪の場合ひたすらうろつきつつゴリ推しなんてことができちゃうのも良い意味でゆるくて助かりました。

 

 

 

耐性と攻略に頭を捻るボスバトル

バトルはデビサバ風、3VS3でリーダーを倒せば勝利というチーム戦です。元々デビサバ大好きなので燃えました。

最終的に「先制スキル耐性殺し」みたいな感じでインフレ化していたところは否めませんが、強攻撃をぶっ放しまくるバトルもこれはこれで楽しいもの。前半は属性攻撃や耐性を重視したバトルでシステムを掴み、後半は物理と万魔で殴りつつ戦闘中の台詞から攻略方法を見極めるという形になっていたように思います。ある意味謎解き要素ありのバトルとも言えるかも。

悪魔合体でスキル継承を色々弄りつつ「ぼくのかんがえるさいきょうの悪魔」を目指して頑張るのも楽しかったです。アリスちゃんかわいい!

 

 

豊満派に嬉しいキャラクター達

柔らかい女の子はいいものだ。

というわけで、キャラの立ち絵も見どころの一つ。グラフィックに惹かれてDLしたという方もいらっしゃるのではないでしょうか? 可愛いだけでなく、衝撃的だったり気迫があったり、シリアスで熱い立ち絵があるのも嬉しいところです。

それぞれのキャラにわかりやすく萌え属性がついていて会話も賑やか。立場上ちょっと出番に差はありますが、しっかりキャラは立っているのが見事でした。

各地で会えるサブキャラ達との絡みも心温まるものが多くてほのぼの。一周目では必要ないはずの絆石をついつい集めてしまったのはやはりこのサブイベストーリーを見てキャラの行く末を見守りたい気持ちがあったからだと思います。

初めに指名できる妖精さんも愛着が湧いて良いですよねぇ。私は初回に青妖精さん、二周目に黄妖精さんにお願いしました。さりげなく顔グラに違いがあるのもまた可愛いです。

 

 

とまあこんな感じで。

他にも冴えた選曲センスや燃える闘技場など、楽しい要素が書き切れないほど盛りだくさんです。プレイヤーに対するヒントの具合や、細かなシステムのストレスフリー具合も絶妙で、操作しやすく楽しいRPGでした!

ちょこっとビターな展開も平気で色々目新しいシステムをお探しの方にオススメです。

 

追記ではネタバレがっつりのプレイ記や感想など。ご興味ある方は右下よりどうぞ。

 

 

 

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フリーゲーム「血染めの花」感想

「知らない人からもらったものに手をつけちゃいけません」

知り合いレベルでも躊躇うかもしれない前置き。

 

 

今回は、KANNAさんところのフリーゲーム血染めの花」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

選択肢でエンド分岐する形のサスペンスノベルゲーム。流血・病み・グロ表現はありますが、全クリした時の読後感は明るめです。

 

公式サイトの注意事項に「BLゲームではないにも関わらずそういった要素が強い」とあるのですが……プレイした印象だとむしろBL要素がメインな気も? 男女恋愛もありはしますし一応主人公役は女の子ですが、彼ら二人を好きになれるかなれないかでかなり作品への好感度は変わってくる気がします。

 

とりあえず、良かったと思う点など挙げていきますね。

 

 

 

臨場感迫るフルボイス

 

真っ先に挙げたいのはここ! サブキャラ含め全員に声がついているのでキャラの感情やお話の迫力が割増です。さらっとした演技の中に、よくよく考えると伏線らしきものが混ざっていることも。

特に好みなのは菫役のボイスの方、演技力が頭一つ分飛び抜けていて、聞いててぞくぞくしました。

一応、音量調整でボイスのみゼロにすることもできるので苦手な方もご安心です。

 

 

引っかかりをきちんと回収していくシナリオ

 初めのうちはちょこちょこ突っ込みどころが見られて、大変失礼ながら「うーん……」と感じていたのですが。見事にひっくり返されました。確かにそこ引っかかってたんだよ!と頷きまくることもしばしばで、納得のいく風呂敷の畳み方でした。

あまり書きすぎるとネタバレになるため、詳しくは追記にて。

 

 

エンド回収が捗る演出

エンド分岐自体は簡単で、基本的に選択肢のどちらかでバッドエンドに直行します。それぞれホラーだったりギャグだったりと色々な味があって面白いんですが、何よりも注目したいのは一読してタイトル画面に戻ってきた時の衝撃です。

特にエンドコンプした後の演出には胸が熱くなりましたね……。エンド内容もあいまって爽やかな読後感でした。

シンプルながらも「全コンプ目指したい!」と思える良演出でした。

 

 

 

 

一方、個人的に合わなかったところとしては、

 

 

 

 

感動路線のテンプレ台詞 

キャラの死亡シーンが多く含まれるこの作品。死亡シーンを盛り上げたいのはよくよくわかるんですが、死にかける→回想シーン→感動的な台詞、の流れを繰り返すので終盤は食傷気味になってしまいました。

台詞自体もよく見るものが多く、先読みができてしまい逆に感動が薄れることも。そのキャラならではの台詞や、ちょっと尖った言い回しなどをもう少し見てみたかったです。

とはいえ、逆に考えるとすごく王道的な展開をしているとも言えるわけで。どんなキャラでも良心が欲しい・辛い展開でも最後は救いを見たいという方には、むしろぴったりくる作品かなあとも思います。

 

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

他にも豊富なスチルや全キャラにある立ち絵など、グラフィック面の見どころもありの一作です。

追記ではネタバレ込みの感想など。

 

 

 

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フリーゲーム「D.D. -黒の封印-」「D.D. Intermission」感想

「投げやりに妥協すれば肩の力はおのずと抜ける」

考えるのはその後にしような前置き。

 

 

 

えー、今回はおはようスタジオさんところのフリーゲーム「D.D. -黒の封印-」とその後日談「D.D. Intermission」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

 

 

D.D. -黒の封印-

長編RPG

 

 

 

最後までギャグたっぷり、かつ熱い王道ストーリー

まず難易度選択の説明で吹き出し、哲学的コレクションのところでやられました。言葉選びがもう、秀逸すぎます! ああこれは好みだと早々に確信しました。

どんなシーンでもさりげなくギャグを取り入れ、見知らぬ町人をふいに召喚し、時に選択肢までねじ曲げるそのパワーはまさに天晴れ。お決まりのセリフが繰り返されるのも、わかっていながらついつい笑ってしまいますw

かと思えばシリアスの演出も見事。ふざけまくっているのにも関わらず心震える演出までできるのはもう流石としか言いようがありません。いやいや今までのギャグを考えればそんな……と思いつつ不覚にもめちゃくちゃ感動しました。細かくは追記に伏せて語りますね。

ギャグをしつつも終盤でメリハリをつけ、しかししっかりと最後までギャグで終わる、いやー爽快なストーリーでした!

 

 

 

ザコ戦いらずのレベルスターシステム

探索等で得られるレベルスターによってレベルが上がります。そのぶん経験値の概念が無くシンボルエンカウントなので、ザコ戦全逃げが推奨です。レベリング面倒な人もご安心、ってやつですね! そのためかボスは歯ごたえありの難易度で、ギリギリの戦闘を楽しめました。

あと何が嬉しいって、戦闘中倒れたり途中加入したりした仲間であってもレベルは他キャラと揃ってくれること。仲間内でのレベル差が存在しないので気軽にパーティを入れ変えできるんですよね。おかげで色々試せました。

 

 

細かな探索ポイントとざっくばらんな反応っぷり

また、あちこちの探索ポイントに仕込まれている、ツッコミを投げ捨てた会話はまさに必見です。どこを探索しても必ず一か所にはネタが詰まっているので、上記のレベルスター探しもとても捗りました。

ちょこっと不思議なことが起こってもそこはそれ、ブラッククオリティでゆるっとスルーされるのも笑えますw

そんなところにまで!?と思えるほど細かなところにも小ネタが仕込まれているので、探してみるのも面白いかも。

 

 

強引で個性ありまくりの仲間達

基本的に仲間は勝手に増えます。疑問を呈してはいけません。拒否権は海の底に沈みました。

と、半ば本気の冗談はさておき、システム面でもう一つ推したいのがこの仲間の多さです。なんと全部で15人()! それぞれ固有スキルや特徴が違っているので、使ってみてその強さに驚かされることも。一発屋と見せかけてすさまじいポテンシャルを持っているキャラもいます。

さらに推したいのがこのキャラ達の濃さです。これだけ個性的な道中で仲間になる人が個性的でないわけがないですよね。うんうん。あくまでスポットが当たるのは主人公のみですが、各キャラに用意されているサブイベントで過去や背景がちらりと見え隠れしてくれます。キャラ萌えとしても攻略としてもまさに必見でした。

 

 

とまあ、こんな感じで。

まとめると、雑魚戦いらずで探索重視なギャグ寄りRPG。ゆるいノリやシュールギャグがお好きな方には全力で自信を持ってオススメできる一作です!

 

 

 

 

D.D. Intermission

見るゲっぽい後日談

 

さて一方、こちらはエピローグを少し広げたファンディスク的な作品です。

戦闘なしで一本道、ジャンルとしてはRPGよりADVに近いのかな。ファン必見のさりげない小ネタが多く、これまた本編と合わせてたくさん笑いました。世界が同じなのでもちろんマップも同じなのですが、NPCの皆さんの台詞は全員変わっていたので、ついもう一度街じゅうを練り歩いてしまいましたw

書きすぎるとネタバレになりそうなので以降は追記で。

 

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

ボリュームたっぷり、濃い世界を遊べて楽しかったです!

追記では好きなキャラとかプレイ記とか色々。ネタバレ注意。

 

 

 

 

 

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