うそうさ〜第二号室〜

フリゲ・鬱展開・ヤンデレ 万歳!

タップ放置系SEECゲームアプリ9作品感想

「時間を無駄にするVS無味乾燥になり果てる」

どちらがどちらでも案外成立するな前置き。

 

 

えー、今回は普段とちょっと趣向を変えて、スマホでプレイできる無料アプリゲームの感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

SEEC製のアプリゲーをまとめて紹介。ノベル系は別枠で、本記事では短編のクリッカー系のアプリが多め。

 

 

 

『白雪姫と11人のイケメン』(放置・クリッカー

 

[概要]

数がインフレカンストする、クッキークリッカー系の放置ゲー。

 

[システム・難易度]

基本的に放置さえしていればクリアできます。ただ、兵力を増やす方法が複数あるので序盤は悩むかも。

鏡を磨くか、イケメンを増やすか、新たなイケメンと出会うか、既存のイケメンを強化するか。気になってこまめに起動しちゃうタイプの方は鏡から強化するのが良いでしょうし、とにかくモチベが欲しい方はイケメンと出会うのが良いかなと思います。

 

[好きなところ]

まさにタイトル通り、あらゆるイケメンが拝めるところですね!

熱血タイプから飄々ダーク、コミュ障、天然王子様まで多種多様。イロモノタイプは少ないので、奇抜なキャラこそ好きという方は物足りないかもしれませんが、これぞ王道のキャララインナップでした。

デフォルメキャラもちまちまと可愛くて、レベルアップの衣装替えもわくわくしました。それぞれタイプが分かれ、武器種が異なるのもさりげなく良ポイントです。

 

私はリラとシュヴァルツが好きです。そうです闇が深そうなキャラが好きなんです、知ってた。あ、でもストーリーで唯一笑ったのはゴルトでした。私は変化球に弱い。

あとこの手のカンストゲーは初めてだったんですが、億どころか兆にまで膨れ上がる兵力もなんだか見ていて気持ち良かったです。バグかと思うほどの桁数、勢いがあって好き。

 

[合わなかったところ]

時事ネタ系のメタギャグが多く、ストーリーもメタネタで終わるので、その手のギャグが地雷なら冷めてしまうかも。逆に、ミーハー上等の勢いあるヒロインが好きなら白雪姫のキャラはすごく合うと思います。

あと、定期的に襲いに来る魔女のタイミングについて。キャラストーリーが進行している間も魔女がやってくるので、せっかく成長させたイケメンの話が途切れちゃってもやっとすることがありました。せめてストーリーの時は止まって欲しかったかなと思います。

 

[総括]

色んなタイプの男性攻略キャラを見たい方、キャラゲーが好きな方向け。

 

 

 

 

『闇の国のアリス〜アリスインダークサイド〜』(放置・クリッカー

 

[概要]

『白雪姫~』同様、放置してインフレカンストさせるクッキークリッカー系。

 

[システム・難易度]

先にプレイした『白雪姫~』とつい比べますが、必要な兵力や進化のための総数が少々減って、よりコンパクトにプレイしやすい作りでした。このくらいのボリュームのほうが気軽に楽しめるし、ストーリーも忘れずに済むので好みですねぇ。

 

[好きなところ]

アリスのスパっと軽快なブラックジョーク!

短い会話の中にザクザク切れる不機嫌さが垣間見えて、あまりの正直さに笑ってしまいました。ダークサイド、というより、ブラックサイドかなー、なんて。博士のやや引き気味なツッコミも冴えわたります。

 

また、アリスがゲーム開始時点ですでに一度不思議の世界に来たことがあり、現実世界から出戻りしているという設定もなかなかに面白いなあと。アリスと住人たちにもう関係性ができていて、かつさらっと理解できる程度に流されるSSな会話がすごく楽しかったです。

ガクブルする双子がお気に入り。

 

白黒から色がついていく流れは見ていて楽しかったですし、ホーム画面のキャラクターは小さめなのでわちゃわちゃいっぱいの数が目立つのも良い感じ。色んなキャラが動いても目がちかちかせずに済むのも助かります。進化させれば色がつくというのも良くて、目で見てわかる楽しみが増えていきました。

最終進化が意外な形に収まるのも良ポイントですね。グロとまではいかないにせよ、こう、異形っぽいものが好きな方にはツボだと思います。

 

[総括]

ブラックな世界観で、軽快なギャグを気軽に楽しみたい方にオススメ。

 

 

 

 

『笑わない少女と異形のサーカス』(放置・クリッカー

 

[概要]

『白雪姫~』『闇の国の~』のシステムを基盤として、ストーリーもイラストもプレイ感もまったく新しく&ハイクオリティに仕上がった名作。

 

[システム・難易度]

ただのお邪魔要素だった敵キャラが廃止され、代わりに訪問という形で団員がやってくるようになりました。集めた観客がずっと溜まり続けるので、ものすごい勢いで増えていく観客数を眺めるだけでも満足感があります。

遅くて数日もあればエンディングまでたどり着けるはず。

溜まった魂をタップで与えるだけの簡単育成「シェラの花」や、一日数回手動で始められる「ビリーのナイフ投げ」など、新要素も増えました。次のお話を見たいけどお客さんがまだ集まっていない、といった時にもちょこちょこ作業を進められます。

お花を育ててランプを揺らし、気づけば新たな団員がやってきてお話が進む――というのがだいたいのゲームサイクル。まったりペースで楽しめました。

 

[好きなところ]

あのサーカスな世界観が一番好きです!

団員はみんな異形頭だったり人外だったり。これだけで好きな人も多そうですよね。人外と少女のペア、皆さん好きでしょう(過言)。一枚絵や記念絵も多くて、プチイラスト集として持ち歩くのにも良い感じ。

 

それぞれの部屋の背景もサーカスらしく奇抜でお洒落。デフォルメキャラと手描き背景と実写っぽいイラストが綺麗に組み合わさって、サーカスらしい奇天烈でごちゃごちゃした雰囲気がよく出ています。ダークなグラフィック重視の人はこのアプリ画面を眺めているだけでも十分満足できるはず。

 

ストーリーは切なく優しい感じ。

オッドマンの謎やノアの心の壁を溶かしていく過程なども丁寧で、短い話の中でうまくまとまっている印象でした。一部の物語は漫画風に進み、演出面もばっちり。

 

[惜しかったところ]

団員の来る順番がランダム(おそらく)なので、狙ったキャラが来てくれないせいで、お客さんは溜まってるのにエンドまでいけない展開になりました。集客ブーストアイテムよりも、狙った子を挨拶に呼び出せるアイテムが欲しかったです。

また、話の中心がオッドマンとノアだと理解はしているものの、終盤になると団員紹介より二人の話が主になるので、終盤に解放される団員たちがちょっと割をくっているところはもったいなかったかなと思います。

 

[総括]

静かな夜と切ない温かさが残るお話、サーカスモチーフ、人外キャラなどが好きな方向け。

 

 

 

 

ヤンデレラ』(放置)

 

[概要]

シンデレラが病んじゃったら?なメルヘンダーク。

勿論ヤンデレの単語に惹かれてインスコ。部屋に湧くネズミをタップしてレベルアップ、カンストしたらエンディングの超簡単お手軽放置ゲー。

 

[システム・難易度]

たぷたぷするだけなので難易度は超ゆるめ。

エンディングは2種類。一つエンドを見たら初めからプレイしないといけないため、時間と手間はけっこうかかるかも。私は幸い先に「いいえ」のエンドを見たため、まだ見ぬヤンデレと出会うためのモチベが残っていたけれど、逆の人はその時点でアンインスコしちゃいそうだなーという印象でした。

まあそもそも、「いいえ」エンド自体が残念でした諦めよう、な実質BADENDなのでわざわざやり直して見るほどではないかもしれません。

 

[好きなところ]

何よりもボイスがかわいい。これだけでプレイした甲斐がありました。序盤の良い子ちゃんなボイスと、ぷっつんきて病んでる時のボイスの差は必聴。しかも声色が変わるんじゃなくて、きちんと「同じキャラの豹変」だとわかる演技なのが素晴らしい。

「なんでよなんでよぉ!」(だったかな)なボイスが必死さといじらしさいっぱいでめちゃ可愛かったです。あと「アァーー!!」って叫びが本当狂いかけって感じで見事でした。

 

ヤンデレのみでなくメンヘラも混ざってきている感じ。自傷・危害タイプのヤンデレが好きな人にはきっと合います。好きを押し付けてくるんじゃなくて、基本は「信じて待ってる」態度なのがもう100満点可愛すぎます! やっぱな~私はヤンデレに健気さを入れてほしい派なのでこの不安定で壊れちゃってる感じがすごいツボでした。

 

ボイス数も多く、お着換えのバリエーションやお部屋の内装の変化なども細かいので、なんだかんだで飽きずにたぷたぷしてしまう魅力あり。見た目的には魔女っ子、ボイス的にはぐるぐる巻きが一番好き。

 

[惜しかったところ]

クリアした後でも思い出してコレクションとか見たい派なので、そのたびにエンディングを見ないといけないのがちょっと面倒だったかな。スキップボタンがあると嬉しかったです。

また、視覚面の変化はとても多かったので、BGMにも変化が欲しかったなー、なんて。

 

[総括]

暇つぶしにさくっとヤンデレ! ミニキャラかわいい育成ゲーでした。

 

 

 

 

『狂気のサイコパス育成』(学校・放置・ホラー)

 

[概要]

誰にも理解されない黒ゴス少女に黒い塊を殺させまくって色んな衣装を集めよう、なタップ中心放置ゲー。

 

[システム・難易度]

集まってきたエモノをタップするだけなので難易度はあってなきようなもの。ただ、エンド2種を見るためには初めからやり直さないといけないので、時間はけっこうかかります。

システム全体は『ヤンデレラ』と同様なんですが、こちらのほうはバッドエンドもハッピーエンドに負けぬ後味の悪さだったのでモチベは保てました。

選択肢だけちょっと引っかけっぽいかな? でも日記等から見られる彼女の気持ちはどことなく察せるので、中二病を更生させるつもりで選べばハッピーエンドだと思います。

 

[好きなところ]

レベルアップごとに見違えていく背景の変わり方です! 初めの内はアハ体験のような些細な変換なんですが、だんだんと不穏さが増し、ホラー映画もびっくりのおどろおどろしい背景へと変わっていきます。

赤が目立ち始めてからが本番ですよねぇ。ただ不穏に血しぶきをまき散らすのではなく、レベル10辺りで最後この教室がどんな背景になるのか察しがつけられる辺りが、グラフィック面のこだわりを感じて好きです。

 

また、異形たちが容赦なくおどろおどろしい外見で蠢くのも、不気味さがしっかり出ていて花丸満点。処刑方法がバリエーション豊かなのもポイント高いです。デフォルメでもしっかりホラーしてるなあという印象。

ハッピーエンド後の背景が素敵な幻想ゴシックで、いつまで見ても飽きないぐらい美しいので、気に入った方には是非見て欲しいなあと思いもします。

 

BGMが変わらなかったのも『ヤンデレラ』と共通ですが、今作の曲は陰鬱で聞き入る曲だったので、雰囲気にぴったりで延々と聞いていられました。処刑方法に合わせてSEが異なるのも丁寧さを感じました。

 

[合わなかったところ]

背景や異形へのこだわりは見える一方、ストーリー面は正直お粗末です。

まず、ハッピーエンドの重要人物の登場が唐突過ぎるのが一点。サイコパスを謳っておいてその実、理解されないはみ出し者程度にとどまってしまっていて、ファッション狂気にしか見えないのが一点。

後者はゲームタイトルがメンヘラとか、嫌われっこ育成とかって名前ならまだ許せたんですよー。サイコパスってつけちゃうのは、インパクトのある名前をつけて釣りたいって意図が丸見えで引いちゃいますし、実際期待外れで残念でした。

 

次にボイス。声自体は可愛らしいんですが、“悲哀”とついているボイスの時ですら常に変化が無く、キャラの演技をしているというよりはそれぞれのセリフを個別に読んでいるだけという感じでした。設定されてるセリフ自体もブレブレなので、これで演技しろって言うのは難しいのかもしれないんですけどね。無理解や壊れた表現としての感情薄めな喋り方じゃなくて、全然深みを感じないクールボイスだったのでもったいなかったです。

 

最後、変化形態がゴスだけじゃなくてコスプレ交じりなのも合いませんでした。とたんに陳腐になっちゃうんだよなあ。

 

[総括]

グラフィック重視で、モノクロームなホラーの世界観に興味がある人向け。

 

 

 

 

『私を魔女にしてください!』(放置)

 

[概要]

魔女狩りから逃げ出してきた少女にカエルを与え続けるゲー。

お話としては全く関わりがありませんが、上記『ヤンデレラ』と似たシステムのゲームです。

 

[システム・難易度]

やはりタップするだけのお手軽ゲー。

ただ、タップしてカエルを集める→タップして使用するという二度手間感があります。経験値倍増アイテムがあるのはありがたかったですが、初めからカエルは自動使用で良かったのではと感じますねぇ。それか1タップでまとめて使用か。

 

[好きなところ]

グラフィックは可愛いです。成長過程も、キュートな魔女っ子からおどろおどろしい魔の遣いまで、どんどん豪華になっていくのは見ていて楽しかったですねぇ。

また、アイテムにストーリーが挟まってる感じなので、好きな時に断片を読み返せる形式なのは肌に合いました。

 

[合わなかったところ]

そして膨大にあるのが合わなかった点。これを書いてる間にアンインストールすればいいじゃないって話になりそうなので、箇条書きにしますが。

・二度手間が面倒

・成長までに必要なカエルが多すぎ

・エンド分岐を回収するためには初めから3周しないといけない、役立つ引継ぎもなし

・キャラが動き回るのでせっかくのモーションがじっくり見れない

・キャラが動き回るのでアイテムが拾いづらい

・コインが拾いづらい

・2回目くらいの成長で少女が自らネタバレする

・そのうえ話に捻りが無い、鬱展開ですらない

・長すぎてボイスが早口気味のセリフがある

・ボイスが同じキャラなのに演技以上に声色を変えすぎ、様々な種類のサンプルボイスを聞いてる感じ

という感じ。

ヤンデレラ』のほうは性癖が合ったからやっていけたんですが、こちらはモチベがまったく続きませんでした。というわけで1エンド回収して以降はさくっとネタバレ見て終了。

 

[総括]

暇で暇でしょうがない人や、グラフィックが好みド真ん中なら続けられるかも。

 

 

 

 

赤ずきん ~開かずの森の物語~』(放置)

 

[概要]

『私を魔女にしてください!』と同じシステムのお手軽放置ゲー。魔女狩りなどの世界観は共通のようです。「本当は怖い童話系が好きな方~」といった紹介文が公式にはありますが、怖いというより鬱展開や切ない展開が好きな方向けかと思います。

 

[システム・難易度]

やっぱりタップだけの簡単操作。二度手間仕様なのは健在ですが、今回は多少改善されたところも見られ、ストーリーが私好みだったので前ほど苦痛を感じずちょうどよい暇つぶしとして楽しめました。

 

[好きなところ]

まずはストーリーのギミック。

周回必須のシステムを上手く生かした構成だなあと思います。手に入るアイテムもバラバラに見えて集め終わると一貫性があって、ちょっとしたSS気分で楽しめました。

あの人と育て親の出会いとか、過去の云々とか、赤ずきんの記憶の云々とか気になるところもありはするんですが、深くは突き詰めず想像できる隙間があるのも良いかなと思います。

ボイスの演技も良かったですねぇ。ちょっと後述する通り一貫性がぶれる時もありはしたのものの、セリフをただ読むだけでなくきちんと演じているのが伝わってくるボイスで素敵でした。嬉しそうなセリフの時は思わずこちらも釣られてにこにこしてしまいます。

あと忘れちゃいけないグラフィック、デフォルメ絵がすごくかわいくってたまりませんでした。チーズ赤ずきんがもふもふエモノを食べてる姿が好き。

 

[惜しかったところ]

インパクトがあるのは初めの赤ん坊くらいで、中盤以降は成長というよりただのお着換えに収まってしまったのが残念でした。せっかくシステムにストーリーが噛み合っているので、もうちょっと段階を踏んで育っていく感じが得られたら良かったなあと思います。

あと、成長段階が同じなのにボイスが極端に幼いものと大人びたものが混ざっているのもちぐはぐでした。子どもが舌足らずに鋭いことを言う、みたいなところは好きなんですけどね。

 

あとは『私を魔女に~』でも挙げたような、二度手間タップ・キャラが大きすぎてタップが広告アイテムやストーリーアイテムの取得の邪魔になる、などは改善されないままです。

一方で、成長のための必要数が(たぶん)減っていたり、コインやエモノがきちんと引継がれたりと、改善されているシステムも多かったので、今回はしっかりコンプまで楽しめました。

 

[総括]

ダーク寄りのハッピーエンドが好きな方や、色んな要素から物語の伏線を感じられるようなつくりが好きな方向け。

 

 

 

 

『本当は怖いお人形の話』(放置)

 

[概要]

同じく『私を魔女に~』『赤ずきん』と同じシステムの放置ゲーム。ただ今回は世界観が独立しているので、システム以外の繋がりは見られません。

 

[システム・難易度]

同上。今回は特に変化なし。

 

[好きなところ]

今回は成長によって得られるストーリーが一続きになっていて、誕生・出会い・現在、なイメージの三章構成になっていました。感情移入もしやすく、心情描写重視の人にはおススメしやすい感じ。

進化した際のコメントをボイスで読み上げてくれるのも前作からプラスされた点です。狂気と正気が行ったり来たりするのではなく、順序だててヤンデレていく展開だったので、演技も一貫してて素敵でした。

進化グラフィックもすごくかわいくって、まさにドールな姿で共通していたのも良点です。鳥籠とアリスとサーカスが好き! 髪色や瞳の色まで変わっていくのも、代替可能なお人形だからこそですよね。

 

[惜しかったところ]

お人形の心情描写が濃くなったぶん、想い人のご主人様の心情がエンドによってころころ変わってしまうように感じたのがマイナスです。特に3周目で解放されるエンドは、ハッピー感よりも急展開感が強くてもやもや。

その他不便な点については前作同様です。

 

[総括]

人形・一途ヤンデレ・廃墟っぽさが好きな方向け。

 

 

 

 

ヘンゼルとグレーテルとお菓子の家』(横スクロールアクション・放置)

 

[概要]

タイトル通りの童話をモチーフにしたほのぼのストーリーで、おきがえ要素と放置ゲー要素あり。

 

[システム・難易度]

アクションがめちゃくちゃ苦手な私だと、かんたん難易度でギリギリクリアできる感じです。判定もたぶんゆるめで、半身落ちたくらいなら復帰できました。

一応クリア50回の実績も解放できたので、アクションゲーの中ではクリアし易い部類なのだと思います。

また、置ける家具の効果やログボアイテムのおかげである程度ごり押ししてコンプまでたどり着けるのも有難いところです。

 

[好きなところ]

おきがえのバリエーションに不気味かわいいものが多くて、ほんのりポップグロなところがお気に入りです。ゾンビ兄妹はぱっと見でうわあって感じですし、影兄妹は何か深いストーリーを妄想できて楽しくて。お菓子な兄妹もかわいくて好き。

また、おきがえするとアクション中のグラフィックも変わります。妹が走らず空を飛んだり、腕振りモーションがなくなったりと、細かな違いがあるところも素敵でした。

 

家具の種類や模様変えも色々と可愛かったですねぇ。お腹すいてきそうなこの感じ。

壁紙や床まで変えられるのが嬉しかったです。せっかくならBGMも変えれたら良かったのになあ。

 

[合わなかったところ]

で、ポップに毒々しいスクショや、ダークメルヘンな雰囲気を感じてインストールしたんですが、ことストーリー面においては不満有りでした。

お話は味気ないお涙頂戴系、ところどころに雰囲気ブレイカーな流行りものメタギャグが入ってくる、全体的にお寒い感じ。エピローグで出てくるモンスターは世界観があまり感じられず言ってしまえばお子様向け。

アクションのステージやお着換えのバリエーションはけっこう不気味な雰囲気なだけに、なんでお話がこうもギャグほのぼの?という真逆な方向へ行ってしまったんだろうなあと不思議でなりません。

対象年齢がたぶんもっともっと低いゲームだったんだろうなあ。ターゲット層でない人間が手を出してしまったのかもしれません。

 

あと、諸々のクエストをコンプリートしたらずかんが埋まり完全クリア、となるのですが。ずかんが埋まってもあんまり目立った報酬はなく、衣装が一つ増えておしまい、という感じです。特に私はクリアまでけっこう時間をかけてしまったので、「これでおわり?」となんとも尻切れトンボな印象でした。

 

[総括]

アクション好きならやってもいいかも。

 

 

 

 まとめると、

ブラックジョークが輝く「闇の国のアリス〜アリスインダークサイド〜」

病みボイスが秀逸な「ヤンデレラ」

世界観や雰囲気が濃厚で魅力的な「笑わない少女と異形のサーカス」

 辺りが特にお気に入りでした!

 

 

 

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フリーゲーム「AIAIAIAI」感想

「一手間かければなおいっそう美味しく愛おしく」

そして時々このやろうな前置き。

 

えー、今回はKIJI-N-CHI(きじんち)(kiji)さんさんところのフリーゲームAIAIAIAI」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

選択肢を選ぶのではなく、タイピングで会話をしながら姿形の無いAIを育てていく、ノベルゲーです。ある意味でタイピングゲー? ウディタ製。

 

というわけで良かった点など。

 

ネットスラング万歳AI

 

やっぱり私はけっこうテンプレな人間なので、AIと聞いたらクールだったり知的だったりお堅かったりするイメージが強いんですよ。

いやあ、本作は脱帽でしたね! もとい脱力でしたね! 良いと思います!

こんなすちゃらかAIがどうなるのか、ということで先が気になるパワーもありましたし、導入の力強さがとても素敵です。後からネラー時代のAIをおちょくるのが大好きでした。

欲を言うなら何も変わらないAIルートも見たかったかなー、なんて。でもそしたらCATの末路が後味悪くなっちゃうか……。

 

 

AIと“会話”する

 

良いなあと思ったのが、選択肢で分岐するのではなく、その選択肢をタイピングするという発想です。

やってることは他の選択式ノベルゲームと同じなはずなのに、感情移入度が段違いなんですよ。会話が通じた、と錯覚することも多々ありました。

プレイヤーの動きに返してくれるという意味で、ここまで“ゲーム”の媒体を上手く活用した作品はなかなかないと思います。発想の勝利!

 

 

変わる背景と膨大な会話で魅せてくれる展開

 

言ってしまえば立ち絵無し顔グラなしのシンプルなタイピングゲーなんですが、視覚的な演出はなかなか工夫されていて、キャラの画像だけがゲームグラフィックの全てじゃないんだなあと気づかされました。

時折背景が変わることで、日常の中でいつもCATと話しているんだなということが自然と伝わってきますし。背景画像に重ねて浮き上がっている模様もオシャレ。

 

また、“会話”を売りにしているだけあって、会話パターンもかなりのもの。エンドが確定するとさらに特殊会話が増えるのも楽しかったです。クリア後はいくらでも会話し続けるモードもあったりして、その手の分岐が好きな方には垂涎ものの一作です。

 

 

難点

 

難点としてはやっぱり、手入力の文字の長さとレベルアップまでの時間の長さでしょうか。

タイピングして会話するというのを強く意識されているであろうことは、あとがきを拝見したら伝わる通りなのでそこは良しとして。

同じ会話が続くとだんだん「反応してもらえる楽しさ」よりも「作業ゲー感」が際立ってしまうんですよね。

たくさんの豆知識を披露してもらえるルートは会話がものすごく楽しくて、エンドを見た後もおまけモードでいくつか会話していたくらいなので、他ルートでも分岐が多かったら言うことなしだったかなあと。でも、分岐を求める=手間がかかりすぎる、というジレンマも察しはするので、うーんうーん。

成長前を1段階削るくらいでも良かったんじゃないかな、とは感じます。

 

 

とまあ、こんな感じで。

会話するからこその一手間はあるものの、どんどん変化していくCATの成長が楽しい作品でした。

追記ではネタバレ感想。

 

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フリーゲーム「闇色スターナイト」感想

「闇の中でこそ輝くスターの笑顔」

具体的に1999個な前置き。

 

えー、今回はとらねこさんの小屋さんところのフリーゲーム闇色スターナイト」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

一本道の明るい短編RPGワーウルフの男の子を筆頭に、人外男4人でトップアイドルを目指していくお話です。

というわけで特徴など。

ミニイベントに関してはちょこちょこネタバレしていくので、ご了承ください。

 

 

持ち歌でレッツバトル!

アイドル業界に求められているのは、歌って踊れて、戦えるアイドル!

ということで一番好きなのは、BGMのチョイスと流すタイミングです。仲間が加入する時のイベント戦闘で専用BGMが流れて、その曲がそのままキャラの持ち歌としてライブシーンで使われるというこの演出。曲に愛着が湧きますし、戦闘も盛り上がりますし、とにかくすっごく楽しかったです!

戦闘もエンター押しっぱなしで早送りができるので、曲のテンポも合ってて良いんですよねぇ。まさにアイドル!なバトルでした。

 

 

昼は人間、夜は人外

で、アイドル要素を満たした次は人外要素。

昼は街でライブして、バトルが必要になったら夜まで寝てから魔物パワーの本領発揮。

それでね、嬉しいのはドット絵がきっちりフォームチェンジしてくれるところなんですよ!!

人外モードだとお耳が生えたり羽根が出たり、きっちり昼夜を使い分けて「人間じゃない」からこその工夫や見た目の違いを見せてくれるところが素敵でした。それぞれキャラの特性が違うのも、違う種族が寄り集まってる感じがして好きなんですよね~。

 

魔族と人との不和がメインストーリーのイベントに絡んできたり、戦闘中のカットインやスキル・ステータスに人外キャラらしい要素が出ていたり、求める人外シチュをガッツリ満たしてもらえました。

 

システム的な面だと、プレイヤー側で自由に昼夜の切り替えができるところが親切でした。あと、お話のボリュームに合わせて武器防具の概念が撤廃されている点もプレイしやすかったです。

 

 

スター度を集めてレベルをあげよう! 

レベル上げが雑魚敵狩りではなく、皆からの人気(スター度)で決まるシステムも斬新でした。口コミから徐々に人を増やして、時々ライブを開いて、地道なアイドル活動をとくと味わえます。

街中の人と話せば話すほどレベルが上がるということで、RPGの街中探索要素がしっかりとシステム面でのメリットにつながっているのもグッド。しかも、NPCの会話がストーリー進行やイベントによって細かく変わるので、話しかけるのも楽しかったです。

初期から応援してくれるNPCのセリフに励まされるのが嬉しかったですね~。

 

初めは街がかなり広めでちょっと歩き回るのが手間に感じてしまっていたんですが……これは軽率な発想でした。

コンテストが近づくにつれて通行人やお忍びキャラが増えていって、どんどん街も賑やかに。この盛り上がりを見越した広さだったんだなー、なんて。

 

なおこの作者様恒例、他作品からのゲストキャラも大勢NPCとして登場します。

シャルロッテ君やロビン君はそつなくこなせそうな気がしますね!

ディーは……がんばれ。いや何故頑張る前提なのかはさておくとして……?

 

 

皆にスポットを当ててハッピーエンドを目指すストーリー

アイドルメンバーの加入から始まり、それぞれメインとなるキャラの過去や背景事情を描いて、どのキャラもしっかり出番があるようにストーリーが構成されています。

それぞれに魅せ場や名台詞があるのって良いですよねぇ。

私はバルドが元々気になっていたんですが、例のコンテスト前のイベントでスピカまで巻き込まれないように率先して動いているシーンにうっかり惚れそうになりました。いやもう惚れたな。惚れました。推します。ファンサして♡のうちわ持っていこうと思います。

 

閑話休題

仲間が加入するごとにドラマが起こるのも、お話として先が気になる構成でした。

それに少し落ち込むことがあっても、前向きに笑顔で、最後はアイドルとして!

喧嘩してても仲が良い、5人のバランスの良さと元気と明るさを貰える、とってもまとまりの良いお話でした。

 

 

気になるところ

 

気になった点を上げるとしたら、

  • バトルの難易度が低めに設定されている(上限Lv10だが7で余裕勝利)
  • スター度をマックスまで上げてもエンドは変わらない

辺りでしょうか。頑張っても見返りがない、という意味では少しがっかり感がありましたね。

でも、あのエンドはプレイヤーの期待する面とリアリティを両方併せた落としどころとしてとても秀逸でした。バトルもある程度ゆるいほうが間口は広がるので、プレイ層を考えれば問題ないかなと思います。

 

 

とまあ、こんな感じで。

 

とにかく元気がもらえて、萌えて明るくて、まさにアイドル!な一作でした。

人型の人外萌えの方、元気いっぱいのストーリーが好きな方、システムとストーリーの噛み合いを重視している方におススメです。

 

 

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ぱぁと賑やかに呵々大笑な前置き。

 

えー、今回はPlanetarium(ぷらねたりうむ)さんところのフリーゲーム逢魔ヶ町桜迷路」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

探索重視の和風RPG。乙女向けのエンドもありますが、基本はギャグ一本勝負のパワフルな一作です。

がやがやしてる夏祭りや妖怪騒ぎの雰囲気が大好きなそこのあなた。絶対合います。珍しく断言しちゃいます。

 

というわけで良かった点など。

 

 

美しく密度の高いマップ

 

もうね、何よりもまずマップですよ!

散る桜、波紋の見える河と池、人が所狭しと行き交う屋台にあちこちに物が溢れる万事屋。箱庭にドットが高い密度でぎゅっと詰まってるあの感じ、大好き!

マップ自体はけっこう広いんですが、もうどこを見ても楽しくて仕方がなくって、まさに夏の夜市を練り歩くような心地でした。さりげなく壁に竹箒が立てかけてあったり、並ぶ着物の柄が全て違っていたり、あまりの細やかさに惚れ惚れです。

 

さらには見た目の賑やかさだけでなく、収集アイテムの「蛍火」を始め、あちこちに有用なアイテムが落ちています。ドットの微妙な画風の違いや、向こう岸に見えるけどすんなりは進めない道など、気づけばにやっとできる探索ポイントも盛りだくさん。なんとなしにぽちっと決定ボタンを押してみたら思わぬアイテムが取れることもあって、いやもう、もう、最高でした。

街中を歩いてたら拾い物ができるRPG、大好きです!

 

 

パワフルに神様をぶっ飛ばすストーリー

 

さて、これほど細やかなマップであるからにはストーリーも繊細……

かと思いきや、まさにお話もお祭り騒ぎ!

神様に見初められるという異類婚姻譚を踏襲しつつ、「知るか馬鹿!殴り飛ばして帰る!!」と意気揚々に帰還を目指す流れは最高に気持ちが良いです。

 

ヒロイン兼主人公の千早ちゃんがめちゃくちゃタフでパワフルなんですよね。脳筋寄りなイケメンどもにばったばったとツッコミを入れつつ元気よく進む姿に笑いが止まりません。

決して超人というわけではなく、常識人らしく不安になりながらも進んでくれるので、ヒロインとしても見どころがあってとっても応援したくなりました。

 

その他の登場人物も正統派から三回転捻りまで多種多様です。

仲間キャラが多いのもすごく嬉しい!

仲間が増えると拠点がどんどん賑やかになっていくのも嬉しい!

みんな個性が違っていて、わいわいどんちゃん騒ぎしてる感じがすごく良かったです。

 

 

そこかしこで起こるミニイベント

 

そして町中を練り歩き多くのキャラが登場するからには、ちょっとしたおつかいイベントや美味しいイベントも多く起こります。

いわゆるサブイベントになるので見ずともクリアはできるのですが、アイテムがもらえるという実用的な理由の他にも、小話がコミカルで楽しかったり和風妖怪の雰囲気を満喫できたりのモチベが多くありました。

 

複数回会話したらイベントが進行したり、

特定のアイテムを手に入れたら倒せる敵がいたり、

見えてるけど拾えないアイテムが条件満たしたら拾えるようになったり、

キャラに後ろから話しかけた時の会話分岐があったり。

そういうの皆さんも好きですよね。私は大好きです。その手の欲を存分に満たしてもらえて、もう大満足でした。

 

 

強さに腕がなりまくるバトル

 

バトルの難易度はめちゃくちゃ高いです。

私はそこそこゲームをやっているほうだと自負しているのですが、その中でも難易度はかなり上位に位置すると思います。レベル上限20かつフル装備が適正くらいで、レベリングでのゴリ押しは効かないので、装備やパーティ編成や戦い方がものを言います。

腕がなるな! 難易度が高いからこそ、勝利時は脳汁出まくりでした。

 

とってもとっても興奮したバトルですが、ただ一点惜しかったところをあげるなら、敵味方共にかなりミス率が高いです。札に種類があることだし術主体の戦闘を想定されていたのかなとも思ったのですが、それだと気力がかなりカツカツなので……。

この辺りのバランスは意図しない部分かと感じたので、ちょっと惜しまれました。

 

とはいえ、戦闘が苦手な方もご安心。ノーリスクコンティニューは勿論のこと、「勝ったことにする」なんていうパワフルでありがたい選択肢も搭載されています。やったね!

強キャラがけっこうはっきりしているので、ゆるっと自力で勝ちたい方もある程度までは戦えるかと思います。私は自力で3回(エンド回収のため)殴り飛ばしました! 詳しくは追記に書いちゃいますね。

 

 

忘れちゃいけない乙女要素

 

パワフルになぎ倒す面ばかりをつい推してしまったのですが、しっかり乙女ゲーもしてます。糖度はほんのり淡く、わいわいやってる印象が強くはありますが、だからこそさりげなくデレたりラブ直前まで行ったりしてるところがすっごくにやにやものでした。

あと、まあその私仄暗いものが大好きなもんで、某エンドは最高でした。

いや本当に……好きだな……好きだ……。弱音を見せてくれるところが大好きだ……。最後に回収したので最高のご褒美になりました。

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

妖怪の宴、異類婚姻譚、パワフルギャグ、探索が楽しいマップなどにピンとくる方へおススメです。

 

追記ではバトルの攻略メモなど。

 

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フリーゲーム「エインワーズ家の従僕たち2」感想

「諦めこそが真の負け犬の証」

遠吠えくらいは効かせて見せろな前置き。

 

えー、今回はとらねこさんの小屋さんところのフリーゲームエインワーズ家の従僕たち2」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。 

以前に感想記事を書いた「エインワーズ家の従僕たち」(以下無印)に続編が出ました! やったね。

 

今回も燕尾服の魔法使い少年がメインのRPG。

パーティ構成やバトルシステムも少し様変わりし、ストーリーの毛色もコメディ一辺倒からシリアス交じりに。それでも根本の良さは安定の、まさに望むべき続編でした。

 

というわけで良かった点など。

 

 

一人にスポットを当てたストーリーへ

 

前作はレオンを導入に据えつつもみんなでワァワァ大騒ぎする感じのストーリーでしたが、今作はなんとディーデリックがメインです。確かにドラマ映えしそうな性格ではありますが、明確に一人がメインポジションに来るとは思っていなかったので意外でしたね~。

焦点が定まったぶん、お話もシリアス寄りになりました。怪しげな薬の出どころ、不穏なキャラクターの正体などなど、伏線や謎も追加されてついつい先が気になるような流れになっています。情報収集パートもあり、前作以上にノベル要素も感じられました。

 

物語のカギを握るキーキャラクターも、ツンツンしていながら根は良い子なところが見えるイベントもあり、自然と一緒に頑張りたいと思わせてくれる子だったのが良かったですねぇ。ディーの成長含め、色々と報われるお話だったのがとっても嬉しかったです!

もちろん洞窟での分岐も両方見ました。キャラの零れ話も見れておいしかったです。

 

 

魔法打ちまくりの一新システム

 

無印では防御でHPMPを回復しながらバランスよく魔法を打っていく、コスト管理が一要素として挙げられたと思うのですが、今回はMPが廃止されて魔法はバンバン打ちまくれるようになりました。やったー! 

彼らの魔法使いとしてのキャパの多さを感じさせてくれていいですよね。

 

このほかウィルが貴重な回復技を覚えることもあり、全体的に難易度は無印よりも緩和されているように思います。

元がアイテムとレベルを縛ってちょうどよいくらいだったので、今作は縛ってなお簡単だったかも? 

それでも特殊条件で勝利するボス戦や、隊列の入れ替わり、継続システムであるODゲージなどのおかげで飽きさせない工夫を感じられました。

 

 

いざという時は全員そろって決めポーズ!

 

パーティメンバーが5人、というわけでバトルのスタメンが3名ベンチが2名の構成で先に進んでいきます。前述で防御コマンドがなくなったぶん、HP回復は控えで行えるというのも面白いシステムでした。HPが削れたらくるくる入れ替えて、それぞれの個性を感じながら戦えるのが楽しかったです。

個人的な好みによりディー・シャル・ロイで歩き回ることが多かったんですが、このメンバーだと喧嘩も無さそうでなんとなく平和でした。うんうん。逆にベンチだとウィルが苦労してそうですが。

 

で、見どころはやっぱりカットインですよ!

無印ではOD技で見られたカットインですが、今作では一枚絵がさらにパワーアップしていてかなりテンションが上がりました! 

レオンの絵が中でも一番好きですね~。

 

ボス戦ではなんと編成が変わり、途中から5人全員で総攻撃ができるようになります。

これもまた熱くって、初めて勢揃いカットインを見た時には思わず叫びました。大大大好きですこういうの! かっこよすぎる!

 

 

幻想的なマップとシンプルなエネミー

 

この作者様は初期作品の『幻影のビブリオ』のころからマップ作りが良いなあと思っていまして、特に分かれ道がすぐ行き止まりになってくれるおかげで迷子にならず宝箱をスムーズに回収できるところがありがたかったのですが。

今作では分岐した道が合流するタイプのマップ作りが多く、より進みやすくなっていた印象でした。さらには妖精の森や謎の洞窟など、マップの背景や小物もパワーアップ。特に森の幻想的な雰囲気はとても美しくて素敵でした……! ああいうマップは歩き回るだけでも楽しいですよねぇ。

 

また、シンボルエネミーも不意に襲ってくるタイプと向こうからは来ずに巡回するタイプの二種類がいて、避けたい時は避けれます。アクセント的にバトルが入ってくる感じ、で伝わるかなあ。

 

 

数の豊富な装備とまさかの衣装替え

 

無印では装備がほぼ固定でしたが、今作では装飾品がかなり増え、選べる楽しみがより大きくなりました。

どちらかといえば補助的な装備が多いんですが……中には見覚えのある人狼の牙や吸血鬼の羽根などもあり、くすっとできる要素が楽しかったです。

 

そして説明文にある通り、実に気合の入った女装イベントもあります。いやすごい似合うな……似合うな!?

特にディー・ウィル・シャルの三人は驚くほど似合っていて好みのご令嬢だったのでエンディングまでそのままでした。強く生きて。

立ち絵と言えば、仲間のパーティ加入時にちっちゃいウィンドウが出てきてくれたり、戦闘中にデフォルメキャラが出てきてリアクションしてくれたりと、色んな所で出てきてくれるのが嬉しかったです。ステータス画面で全体図が見れるのも良いですよね!

 

 

魅力的な敵キャラ・ジャックと味方キャラ・ドーラ

 

今作の新キャラはツボなキャラが多くて! 

とても! 

嬉しかったです!!

 

まずはドーラから、ツインテ無表情キャラが斧振り回すの最高だと思います。ありがとうありがとう。好きです。かーわいーい! 技名見るに優雅な戦い方をしそうな中距離キャラのシャルロッテに、ガンガン勇ましく敵を屠るドーラが揃うとなんていうか、バランスが取れていいですよね(?)。

 

ジャックは飄々キャラということで初対面からほんのりと気になってはいたんですが、例の二階の宴会場イベントでもうそりゃもうたまらなくめちゃくちゃ好きになりました。

積極的!!笑うし惚れる!!! 

相手があのそのあれなところもすっごく笑いを誘ってくれて楽しかったですね。続編が出るならまた会いたいなあ。

 

 

惜しい点

一方での惜しい点も挙げておくと、

 

敵が柔らか低難易度仕様

万人向けを狙ってこその低難易度だろうという意見もわかります。でもでもやっぱり技もカットインも凝っていてとても楽しいバトルだったので、もう少し敵の難易度が高くても良かったのではないかなーとは思います。

 

ボイスの音量調整が難しい

これはちょっとバグなのか私の環境のせいなのかわからないのですが、音量設定で調整しても戦闘開始時のボイスは大きいままでした。なんでだろ?

 

 

とまあ、こんな感じで。

ところどころでコメディを見せながら、起承転結をきっちり決めて熱い展開も見せてくれるRPGでした。

タイトル画面のバリエーションとTHE貴族なBGMが好き!

 

 

 

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「危険なものは非実在とは限らない」

魔法使いが寝煙草で倒れる前置き。

 

えー、今回はspice+さんところのフリーゲームサマーナイトミラクルミッション」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

ツクール製。選択肢分岐はあるものの、基本的には二ルートに分かれる、短編選択肢ノベル乙女ゲー。

ネタバレちょっとだけ触れるので、嫌な人は先にプレイしてみてくださいね。

 

というわけで良かった点など。

 

ドギツイヒロインのラブコメ、ゲー?

 

まず、主人公の夏夜ちゃんがなかなかの濃味です。ガッツリオタクでほんのり夢女子な言動と、THE中二な片メカクレな外見。まだまだ成長途中で前向きにも後ろ向きにもなれる感じが、先行きのドキドキに上手く繋がってくれていたように思います。

やっぱり私が近い陰気オタク気質なので、共感しまくったり、逆にし過ぎてちょっと逃げ腰になってしまったり、色々と面白い視線で楽しめました。

 

 

ぎょっとさせて平坦に戻っていくギミック

 

そして本作、もうこれを書く時点でネタバレになるんですが、おっと驚くギミックがあります。……このくらいまでなら書いても大丈夫かな、どきどき。

このギミックがものすごく自然なんですよねぇ。なんだろう、ゲームとしっかり噛み合ってるのが素晴らしいんですよ。プレイ中も、おや?と思いはしたのですが、それがこういう形で来るとは思ってもみませんでした。

なんというか、にやにやラブコメして油断していた脇腹をハンマーで殴りかかられたかのようなプレイ感。超楽しい。

 

で、興味深いのはその衝撃を引きずらないところです。

結構ガラッと雰囲気が変わるので、てっきりそのまま突き進むのかと思いきや、終わらせ方は原点回帰で締まるという。いやあ、思い切りが良いなあと驚かされました。

プレイヤーをギミックで驚かせて、行こうと思えばきっとそのまま突き進めるし、実際そういう落としまくる展開も私は好きなんですよね。でも、そこで思い切ってブレーキ踏んで、マイルドかつ万人向けにまとめてるのは興味深かったです。

 

 

清涼感と夏の夜を感じるグラフィック

 

この作者様のゲームは常にグラフィックがハイクオリティで、しかしながら他のシステム要素も楽しいのでついつい良点に挙げるのを遅らせがちになってしまうんですが……。本作は特に、作品自体がノベルゲームちっくなので、グラフィックが記憶に残りました。

まるで幽霊みたいな透明感のある立ち絵と、清涼感のある水色、夜を感じさせるほのかな影。タイトル画面の色使いが作品全体に染み渡っているような印象でした。

 

演出も上手いんですよねぇ。差し挟まれるスチル、少しずつ埋まっていくビンゴゲームのカード、ノベルゲーの静かな背景、等々。そして忘れちゃいけないニャーン。素晴らしかったです。

ドンドンパフパフ音とかの効果音も好き。

 

 

 

とまあ、こんな感じで。 

その他、スキップ機能や会話中のセーブなど、ユーザーフレンドリーのシステムもばっちり。プレイしやすく、ちょっと不思議でパワフルな後味の短編ゲーでした。

 

追記ではネタバレありで軽い感想。

 

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以下はネタバレ込々、伏字無しの感想。

 

 

 

ネタバレ注意。

 

 

 

ストーリーについて

 

ここまでまるっとハッピーにまとまるとは思っても見なかったので、かなり驚きました。そういう方向でまとめるのかーという。

虐め一歩手前のイジリ描写もありましたし、夜凪と夏夜の関係もけっこうドロっとしていたので、てっきりビターな味わいで終わると思ってたんですよ。で、それもそれで好きなので待ち構えていたんですが、それがふっと前向きに転じて、あれよあれよでまとまっていった感じでした。

雰囲気がアップダウンするので、ややまとまりのなさも感じたかも? でもパラレル世界線への移動やお願い事周りは綿密ですし、お手紙の流れもきっちり繋がっていてカタルシスはあるので、設定面は詰まってるのは確か。

とりあえず、ギャグとドロドロ、両方書けるのは強いなーと思います。

 

 

スチルについて

お気に入りのスチルは「頭なでなで」です。プレイ後に見ると納得感が強くって。

虫取るの好きな猫ってああいう動きしますよね。なるほどなー。あと単純にデフォルメ寄りの絵が可愛くて好きです。

 

 

うん、ざっくりこんな感じ!

 

繰り返しになりますが、効果音がにゃーんなのが本当好き。

そしてやっぱりギミックが最高でしたね。

ジジッと警告を出して、なんとなくやばいなと思わせて伏線にしている辺りが本当、丁寧で良い具合に驚かされる演出でした。

フリーゲーム「まい、ルーム」感想

「温度差を心地よいと思うか分け合いたいと思うか」

産まれた時からあるがままが幸せだった前置き。

 

えー、今回はへもへもさんところのフリーゲームまい、ルーム」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

選択肢分岐ありの恋愛ノベルゲーム。ルートによってプレイ時間がかなり異なりますが、基本的には短編です。

 

ネタバレ無しに書くのがとても難しい、

ということを書いてしまうことすらネタバレになる矛盾!

そんなわけである程度はネタバレして書いてしまいます。申し訳ありません。

公式サイトの紹介もかなり巧みなので、まずはそちらを見て頂いて。気になる方は先にプレイしてから戻ってきて頂けるととっても嬉しいです。

 

というわけで良かった点など。

 

 

プレイヤーの心を掴むプロローグ

 

エンドは5つ。ですが、この手の作品で見かけるとおり、初回プレイで行きつけるエンドのほとんどはプロローグのような立ち位置になっています。

えっ?と思わせるところが上手いんですよね。平穏なEDにしても舌にざらつくような違和感が残りますし、他のEDはとにかく衝撃度とスチルのパワーが凄まじいですし。初めのうちは疑問点も多かったですが、先を予想するというよりはお話に流されるような気持ちで読み、そして周回プレイで深く心を掴まれました。

 

 

色んな衣装替えと迫力のあるスチル

 

ヒロインは最近閉じこもりがちの女の子、ということで、序盤は動きこそ少なめです。けれども、立ち絵の種類が豊富なうえに表情もくるくる変わってくれるので、終始新鮮な気持ちで読み進めていました。やっぱりピンクのドレス姿が一番似合ってて好きですね!

また、スチルのほうも必見です。異なる雰囲気を描き分け、ぎょっとするものから涙の出てくるものまで、かなり多彩な形で楽しませてもらえました。

 

 

文章の描写がしっかり反映している立ち絵

 

ぼかして書きますが、「違った笑顔を見せている」というシーンが何度かありまして。その時の立ち絵の笑顔が本当に違うんですよね! ああこれは思うところを持っているなと、しっかり見ていれば気づける違いがあるんです。文章でそう書くのはできても、差分まで対応している例はあまり出会ったことがなかったので、かなり心に残りました。

見ていれば気づける、っていうプレイヤーの感覚がそのままキャラの感覚に反映されるところもすごく刺さるんですよね……。感情移入度が段違いです。

 

 

全員に思うところが出てくるストーリー

 

公式サイトの注意書きに少し棘を持って書かれている通り、確かにキャラクターはしこりの残る部分があります。が、そこが一番の魅力であると断言したいです。

根っからの悪人も善人もいなくて、個性や性格が人や環境によって色んな形に見え方を変えていくのが、とてもリアルなんですよね。恨みたいけど恨めないし、幸せを願いたいけど素直に願っていいものか思い悩んでしまう……こういうやりきれなさが大好きです。

 

 

とまあ、こんな感じで。

双子、隠した想い、鬱展開などにピンとくる方向けです。

 

追記ではネタバレがっつりです。

 

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shiki3.hatenablog.com

 

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