「ふと、あなたが窓を見やるとそこには名状しがたき混沌が来訪していた!」
どうもどうもお久しぶりです的な前置き。
えー、今回は猫ノ事ム所さんのところのフリーゲーム「クトゥルフの弔詞 ~夢声慟哭~」の感想をつらつらと書いていきます。一部レビューっぽくなっているかもしれません。
初めにゲームの簡単な紹介を。ノベルゲームで、プレイ時間は3・4時間くらい。主なテーマはタイトル通りクトゥルフ神話です。
クトゥルフ神話自体は知らずとも、ネクロノミコンやらティンダロスの猟犬やらは聞いたことある方もいらっしゃるのではないでしょうか。ダーク系のファンタジーに多々引用されている架空神話です。
最近は萌え系クトゥルフなどと呼ばれるものも目立ってきています。うー!にゃー!
で、自分はTRPGの知識のみしかなかったんですが、これがなかなか楽しめました。出てくる神話生物についての詳しい説明はメモで見られるようになっているので、事前知識ゼロでも十分楽しめると思います。
この「クトゥルフの弔詞」では、何だかもうリアルにSAN値がガリガリ削られるような気分を味わいました。はい。おっそろしや。
見どころとして、以下に挙げますと。
凝った演出
メモが9つ、つまり9つの事件に主人公は関わっていくわけなのですが、このメモが凝っていて面白いのです。フォントや、メモの形態などに特徴があって、この内容は確かこのメモ、というふうに強く印象つけられました。
ラストの並び替えにもぎょっとしましたね。
用語自体は初めて知ったのですが、もうこれで忘れられそうにありません。
TIPシステム
このゲーム、本文の途中で青文字になっているところがあって、それをクリックすると補足説明が見られるようになっているんですね。この説明が、大変味があって良かったです!
もちろん難しい単語にも説明があるのですが、面白いのは、逆に我々が知っているような簡単な単語にもこれがついていることです。フロッピーディスクとかね。だからといってクリックせずに無視してしまうのは実にもったいない! ブラックジョークにも似た、シニカルな説明文に自分はすっかり惚れこんでしまいました。
謎とき文字入力
基本は選択肢なしの一本道なのですが、途中で質問をされます。といっても、メモを見直せば解ける簡単なもの。ただ、こうやって自分から能動的に文字を入力するとこう、なおさら恐怖を実感できるといいますか、忌まわしきものの名を口にしてしまう怯えが感じ取れるといいますか、わくわくしました。うん。
ちなみにプレイするに当たっては、1つだけで良いので、文字入力画面でセーブしたデータを一個作っておくとのちのち楽しいことになると思います。
ストーリーはラストへ進むにつれどんどん超展開のオムニバス形式になっていきます。まさに夢か現か。この掴みどころない恐怖にぞくぞくきました。
ホラー、クトゥルフ、電波、狂気、病んでる、辺りがキーワード。少しでも興味を持たれたなら、試しにプレイしてみることをオススメします。