うそうさ〜第二号室〜

フリゲ・鬱展開・ヤンデレ 万歳!

フリーゲーム「シュガードロップ・ブレイクアウト」感想

「あなたはあの人を知らないから私を見つけられたのだわ」
幸福なのかは結末次第の前置き。

 

 

えー、今回はStudio F#さんところのフリーゲームシュガードロップ・ブレイクアウト」の感想をつらつらと書きますね。一部レビューっぽくなるかも。


15歳以上推奨、分岐はいくつかありますが恋愛というよりはビジュアルノベルに近いと思われます。
元々は有料のシェアゲームとして販売されていましたが、フリー版が配布されるようになりました。メインストーリーが全て読めるという太っ腹な仕様です。すげえ!

 

 

ストーリーについて

 

長編だけあって、やっぱり一番の魅力は重厚なストーリーでしょうか。
シーンの切り替わりで一人称視点と三人称視点が混ざるので少々違和感はあったものの、文章自体は丁寧で読みやすく、描写がしっかりされているおかげでどっぷり夢中になれました。


侯爵の争いや歴史、皇女としての振る舞い方など、知識的な部分も綿密に書かれていて、世界観ががっちりと創られています。それでいて難しい単語や専門用語は少なく、理解しやすいです。

 

途中、年齢制限もなるほどと思わされる展開があります。鬱展開や歪んだ愛情が好きな自分としては嬉しいところが多いです。どうなるのかと思いきや、トゥルーエンドでは綺麗に収まって、読後感はすっきりでした。

 

 

シーン撮影、一枚絵システム

 

珍しいなと思ったのは立ち絵がないこと。
代わりに常にスチル(というか一枚絵?)が表示されて、その上に文章ウィンドウが表示される形になります。そして、スチル閲覧がないぶん、好きなイラストをゲーム中に撮影することができます。
こういったシステムには出会ったことがなかったので、新鮮でした。

 

 

 

とまあ、ネタバレせずに語れるのはこんなところになるのですが……
王宮やらファンタジーやらに興味があって、シリアスや紹介ページの注意書きに抵抗がなければ、是非ともオススメしたい作品でした。ボリュームもたっぷりで満足です。

 

さて、追記にはネタバレだらけの感想。 

 

同作者様の他フリーゲーム感想記事↓

shiki3.hatenablog.com

shiki3.hatenablog.com

 

 

 

 


以下、ネタバレ注意!

 

 

 

 

 

 

 


印象的だったシーン、ED

 

ゲーム中、一番印象的だったのが、剣舞のシーンです。
そこ?って驚かれるかもしれませんが、そこなんです!
音楽と、なんともいえない不安と、剣舞の緊迫感とが混じり合って、すごくハラハラドキドキしました。さらにそこから続く公爵の計画、ストーリーがよくできてるなあと思います。

 

EDで印象的だったのは、ED5。恋が叶ったわけでもないし、むしろ悲惨な結末ではあるんですが、ああいう哀愁ただよう終わり方好きなんですよねぇ。成長したジェラルド君が見られたのも嬉しいです。
もちろん、トゥルーエンドも素敵でした。ロディスがマロゥに、罪が無くなるとも塗り替えるとも言わずに、ただそのままで良いと認めていたのが特に良いなあと思いました。

 


キャラクター


マーゴット

純粋無垢の頑張り屋さん。一人称視点では、彼女の色々な感情が伝わってきて、たまらなかったです。お披露目の式イベントでは、一緒になって緊張してしまいましたw
良い子なぶん、父上様との雷の夜の後が辛くて辛くて……いや鬱展開好きとしては楽しめたんですが…。
どこまでも、母親の影が付きまとう描写が深かったです。


ロディス

希望のヒーロー。
どこまでも明るく爽やかで、まさに王子様。彼が登場するととても安心しました。言い回しがお洒落でかっこよすぎます!
えっと、ロディスはマロゥの母親とは会ったことない、ですよね…?
唯一、マーゴットを誰にも重ねずに見ていたのがロディスかなあと思います。そういう意味でも、マロゥの希望になれたんだろうなー、なんて。


オルグ

狂気のお父様。
初めは不器用さとか近づけない距離感とかに悶えて、中盤はデレデレ具合に微笑ましさを感じていたんですが、まさかの暴走っぷりにぎょっとしました。注意書きに近親相姦なんて無かったからなおさらです。しかし父親と、って……すさまじいですね……。
一番マーゴットを認めるべき存在が、母親とダブらせてしまう、致し方ないとはいえ虚しいです。


エリン

就寝時の三つ編みがツボです、可愛いです。
厳しい面が強くて、プレイ中は少し怖いイメージが強かったんですが、あのエンドのおかげでちょっと印象が和らぎました。オッドアイ素敵…!


ジェラルド

弟くん。水路でのバトルっぷりには惚れ惚れしました。
彼も何だかんだで、母上というか、剣のしきたりに縛られているのかなあと思います。姉と弟としてまったり過ごせたら、と思うと複雑ですね……。


イノセント

キャラグラが好みで、殺された時は思わず、ありがとうございます!という感想を抱いてしまいました。オフィーリアちっくなエンド3の彼が一番好きです。退廃的な魅力…!

 

キャラクターも魅力的で、生き生きとしていました。
愛着の持てるキャラってのは良いもんですよねぇ。

 

 

 

とまあ、ネタバレありの感想はこのくらいで。
サブストーリーというか、ほのぼのなアフターストーリーのゲームも出ているらしいので、またプレイしてみます!