うそうさ〜第二号室〜

フリゲ・鬱展開・ヤンデレ 万歳!

フリーゲームサイト「えむす」作品感想

「お盆休みだ全員集合!」
見えぬ賑やかさを楽しむ前置き。

 

えー、今回はえむす(http://sanmika.web.fc2.com/)さんところのフリーゲームの感想を一気にまとめてつらつら書いて行きますね。


全体的な感想を先に書いておくと、攻略対象のデレ度が基本的に高めだったりほにゃほにゃした雰囲気だったりして、和まされたのが多かったです。一方で、お話自体はうす暗かったりほんのりと闇を感じる設定が見え隠れしたりして、とてもどきどきしました。


もちろん、作品によって色は異なるのですが、あくまで傾向ということで。

 

さてでは、以下、それぞれの作品の感想です。
一応ぼかして書くように気をつけたつもりではありますが、念のためプレイ済みの方推奨です。

 

 

 

 

 

『夜充』

 

[概要]
登場人物は軍属で、主人公は顔グラなしでけっこう個性あり。かっこいいタイプの女性です。充実した夜を提供するゲーとの紹介から、てっきりのんびりお昼寝したりするほのぼのストーリーを想像していたのですが……なるほど年齢制限。選択肢によってはけっこうきわどいプレイもある調教ゲーでした。

 

[イベント・エンド]
ソフトSMな感じ、しかもきちんとサービスSとマスターMしていて実に良かったです。

とことん鬱陶しがっているように見せかけて、話を進めていくと主人公のひそかな恋愛的矢印が見え隠れするのも萌えました! やはり調教には愛と信頼関係がなければ。
直接的なシーンはなく、きわどいところで留めてあるんですが、逆にそれが妄想を駆り立てられるというか何と言うか。中でも夜の街に出かけるエンドはやばかったですね。会話文と心情描写だけでああいう色気と妖しい雰囲気が表現できるのは尊敬します。
リヒダのキャラを受け入れられるかどうかでかなり好みが変わりそうかも。私はああいう狂信者っぽい子大好きなので、大いに楽しめました!

 

[システム・グラフィック]
起動画面にどきどきしました。しかも時々瞬きするという。ああいう乙女ゲーらしい画面は良いですね。リヒダの苛められっこかつ恍惚的な表情がたまりません。斜め上見てにやにやしてる立ち絵がツボです。スチルの方だとびっくりして飛び起きるあれがお気に入り。

 

[一言]
調教、軍人、ドMキャラ、病み気味なくらい一途などの要素に萌える方は是非どうぞ!

 

 

 

 『愛と誠』

 

[概要]
軟禁状態から始まるほのぼの恋愛もの。主人公は顔グラなしの個性あり、攻略対象は従者キャラです。

名家のお嬢様と仕え人の身分違いの恋、となるとシリアスだったり悲恋だったりが思いつくところですが、この作品はどちらかというとゆったりした監禁生活とゆるやかな恋の目覚めを楽しむ感じでした。

 

[イベント・エンド]
意識してない異性から添い遂げても良いくらいの恋愛対象に至るまでの気持ちの移り変わりがとても丁寧でした。天地を揺るがすような衝撃こそないものの、日常の中でふと気付くような、優しい恋の目覚めが味わえます。
あそこの心情描写すごく好きでしみじみ読み入ってしまいました。
終盤の展開は、大それたことをしている分今後が心配になるところもありはしましたが、相子さんの楽天的な性格を鑑みると収まるように収まったなあという印象です。

 

[システム・グラフィック]
一本道なのでエンドは一つですが、好感度が高いとおまけが解放されます。サイドストーリーで、無愛想な彼の想いの深さがわかってにやにやしました。主従は良いものだ。
スチルこそ少なめですが、頬染め立ち絵はとても可愛らしかったです。システム面もあえて言うならメニューの表示に右クリックの手間がいるのはほんの少しだけ手間ってくらいで、必要なところは全部揃っていました。

 

[一言]
主従、ほのぼの、秘めた恋、軟禁などにピンとくる方にオススメです。

 

 

『逆転シンデレラ』

 

[概要]
シンデレラモチーフのゆるゆる明るめな一作。主人公は顔グラなしで、個性控えめ。攻略対象は2人で、一途ヤンデレと捻くれ者です。シンデレラポジションはむしろ男たちで、どちらがシンデレラになれるかはプレイヤー次第といった形。

 

[シナリオ・エンド]
初めはエルタ視点で始まり、途中の選択肢は姫視点、時々三人称視点だけどひそかな心情描写は垣間見えるという、ちょいと混乱する構成です。また、モブキャラを思い切りメタ名呼びするので突っ込みたくなりましたw
本編自体はギャグを織り交ぜつつ全体的に明るい感じ。シリアスやバッドエンドもありますが、ほどよいところで切り挙げられるので、苦手な方もご安心です。やっぱり私はエルタ推しなので彼エンドが好きですねぇ。最後に見たのが特殊エンドだったので、読後感はかなり明るかったです。

 

[システム・グラフィック]
システム面で不便なところは多々あります。スキップが未読も飛ばす、オートモード無し、シナリオ回想不可などなど。とりあえず(当たり前ですが)必読は一読すべきです。
と、言ってもこの作品、ほぼ5年前のものですから多少の不便は致し方ないところもあるんですよね……。フリゲ界の日々の進歩が思われます。過去作を公開停止されて泣くのは数多のフリゲプレイヤーが経験しているかと思うので、こうして公開されているだけでもありがたい話ですね。
グラフィックはどのキャラも可愛い感じ。魔法使いさんがまさかの男性でぎょっとしました。

 

[一言]
ギャグ調のヤンデレや明るい作風がお好きな方向けの一作でした。

 

 

 

『靴』


[概要]
靴屋の彼と幼馴染と私のヤンデレ話。主人公は顔グラ無し個性控えめ。靴屋、という設定が斬新で面白かったです。靴、足、閉鎖へと連想して執着していく流れも自然でグッドでした。あとユイユの名前の響きがお気に入り。

 

[イベント・エンド]
ヤンデレ注意とあるだけあって、危ないエンドが多め。嫉妬から爆発の流れはヤンデレの王道ながらいいものです。ヤマトが軽率に当て馬化せず、きちんと面倒見のいいポジションを保ち続けていたのも好印象でした。善意からの崩壊いいよいいよー。
中でもエンド2が好きです。展開もさることながらスチルにやられました。

 

[システム・グラフィック]
前述『逆転シンデレラ』と同じ仕様なので、不便さはありますがまあまあ。
夢小説的な視点でドキドキするスチルが多かった印象です。エンド3の可愛らしい雰囲気のスチルにぞくぞくきました。エグさと見た目の裏腹な展開は恐ろしさに心躍りますね! ヤンデレ好きとしてはたまりません!
さりげなく消える目のハイライトにもご注目。

 

[一言]
ヤンデレ、嫉妬などなどにピンとくる方向けです。

 

 

 

『けもの道』


[概要]
暗殺する側とされる側の恋物語、ほんのり和風。どちらがヒロインか~というコメント通り、お相手は大和撫子系でした。深窓のお嬢が三歩下がって男を立て……いや性別逆なんですけどもね。

 

[イベント・エンド]
猫の鳴き声が心に来ました。書きすぎず、あそこで留めるのは凄く上手いです。
説明口調もあるものの、短編らしく余計な設定は省いて会話文中心に進んでいくため読みやすいです。初めは頼り無さげだったヒロインが最終的にイケメンになる様は流石でしたw
猫をどうするかでぽろっと零れ出た一言も好きです。責任感大事ね。

 

[システム・グラフィック]
基本システム完備で特に不自由なく。エンド2つを見た後、タイトル画面に戻ってほっこりしました。ああいうのはシンプルながらもきゅんとくる演出ですよね。

 

[一言]
おっとりタイプの攻略対象や切ない雰囲気が好きな方向けです。

 

 

『冷たい熱』


[概要]
依存愛と横恋慕、どことなく和風。作中で明言はされていなかったけど、初めのモノローグ風な描写を考えるとやっぱりあの人は吸血鬼的な生き物なのでしょうかね。和風な雰囲気で吸血鬼ネタを持ってくるのは新鮮でした。

 

[キャラ・エンド]
エンディング3つのうち、幸せと思えそうなのは1つだけ。しかもそのエンドだって先に破滅が待ち受けていそうなのは覚悟済みという……。鬱展開というよりは、もの悲しさの方が強いかも。個人的には肇とのエンドがお気に入りです。どっちも報われないエンド。
エンドといえば、血が散るあれも好きです。まさかヤンデレがこっちの方だったとは。あの一言の後、また何事も無かったかのように過ごしていくのかなとか考えているとほの暗い萌えが漂ってきます。
キャラとしてはどちらも好きなんですが、深く考えたいのは肇さんの方です。紀沙への想いは恋じゃなく後悔なんじゃないかとか、考え出すとお先真っ暗な感じがして、うん。

 

[システム・グラフィック]
衝撃度という意味ではやっぱり血のあれが印象的。
今回も基本システムばっちりで助かりました。

 

[一言]
ヤンデレや献身、暗いエンドがお好きな方向け。

 

 

 

『カスタード・マスタード

 

[概要]
冗談で言ったら本当に付き合うことになっちゃった、年上おっとり彼氏との恋愛ゲー。デレ度はかなり高めのほのぼのな一作。近所の優しいお兄さんって雰囲気に癒されました。

 

[イベント・エンド]
ハッピーエンドが甘々だった一方で、バッドエンドはけっこうばっさりきます。しかも先にハッピーエンドを回収してしまいまして……ほんの少しの勇気の大切さを思い知らされました。
このエンドの違いがタイトルに関係するのかな?とも思ったのですがどうなんでしょう。
付き合うのが先で自覚は後、というのは現実でもままあることかなーと思ったりもして。お付き合いって実は恋にきっかけみたいなものかもなー、なんて。

 

[システム・グラフィック]
上下にピンクの枠がついていて可愛らしい画面構成。スチルになるとぐっと距離が縮まってドキッとしました。
音量調整ができないのは気になったけど、初期音量は適度なので問題なしということで。

 

[一言]
年上好きさんや、草食系彼氏に癒されたい方向けでした。

 

 

 

『さようならの朝』

 

[概要]
一本道の短編恋愛ノベルゲー。攻略対象はややクーデレ。独特のファンタジー設定もあります。

 

[イベント・エンド]
説明口調はほとんどなく、時折挟まれる不穏な展開や、プレイヤーにわからないけど主人公には伝わっている会話で色々察しつつ読み進める形でした。同作者様の「タンタルカの騎士」をプレイした時も感じたのですが、こういうポンとその世界に飛び込むような感じの進み方好きです。
序盤はちょっと性急に感じたかも。けど、新たな登場人物が現れる辺りからキーリの葛藤が見え隠れして、良い具合に深まりをみせてくれました。
世界設定がかなり魅力的だったので、欲を言うなら色々と深めてほしいところです。あの村の人達は自活できるのかなーとか。なんにせよ、二人の未来は少なくとも気持ちの部分は明るくなりそうで安心しました。

 

[システム・グラフィック]
少なめながらもスチルはドアップでかっこいい・かわいいです。システム面も問題なし、何より短編なのでさくっと読み進められました。

 

[一言]
ファンタジーや、裏のある世界観が好きな方向け。

 

 

 

『猫ノ目』


[概要]
ちょっとおまぬけな記者のヒロインが、マイペースなおぼっちゃまに取材をしかけようとして、ツンツンの褐色従者に監禁されるお話。ノベルパートと、選択式のアドベンチャーパートが楽しめます。同じ傾向の選択肢ばかり選ぶとたまに上手くいかないことがあるので、難易度はまあまあ。でも最悪総当たりでも十分クリアできますのでご安心を。

 

[ストーリー]
導入で、けっこうリアル思考の物語展開なのかと思いきや、監禁後のお話は正直粗っぽいです。警察の対応や肝心の事件などには突っ込みたいところも多々ありました。恋愛重視というほど糖度が高いわけでもなく、かといってサスペンスメインにはできなさそう。
と、辛口で書いてしまいましたが、これはたぶん導入の関係だと思うんですね。ヒロインが仕事のノルマとか首とか負のリアルな話題を初めに出すので、そこから先も世知辛いリアルな世界観があるんだと思わされるわけで。序盤でもう少しお気楽な動きをしていれば、後々の展開が多少ご都合主義でもそういうものとして受け入れられていたような気がします。


あ、萌えポイントとしては如月さんの「お前」呼びが変化するところ。あれにヒロインが気付いていないってのが良いんですよね~。その時の如月さんの反応もまた。ぐっときました! 独特の会話のテンポもマイペースさがよく出てて面白かったです。目指せクラゲにはふふっときました。如月さんは深窓のおぼっちゃまと思いきや、けっこう口調が粗っぽいのもまた、きゅんときましたねぇ。大人しそうな外見に反するお前呼びがこう、ギャップ萌えでした…!
水沢さんの方はストーリー展開がドラマチックでしたねぇ。王道少女漫画系が好きな方はがっつりストライクなのではないでしょうか!ラストでは、ツンケンしてた彼がここまで気を許してくれるとは、としみじみしてしまいました。
一番驚いたのはヒロインの年齢かも。

 

[システム・グラフィック]
エンド数は3つとありますが、これに途中退場のゲームオーバーは含まれません。エンドに辿りついたらきちんとendという表示が出るので気付きやすくはありますが、もしこれからプレイするならエンドをうっかり勘違いしないようご注意を。

立ち絵だと実は、変装中の水沢が一番好み。もちろん黒髪な彼も良いですが、金髪も想像以上に似合っててかっこよかったです。 あとグラフィックとしては、憂い顔のスチルが多くて眼福でした。


攻略メモとしては、序盤は壁→壁で如月ルート。部屋→人呼びで水沢ルート。中盤は部屋4連続で如月ルート。ここ→ここ→部屋→ここで水沢ルート。それ以外で中庸ルートです。

[一言]
脱出ゲー、マイペース、ツンデレなどにピンとくる方向けです。

 

 

 

 

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shiki3.hatenablog.com