うそうさ〜第二号室〜

フリゲ・鬱展開・ヤンデレ 万歳!

フリゲサイト「red planet」7作品感想

「年中無休で毎日ときめくハッピーライフ」

年末年始など関係無い前置き。

 

 

えー、今回は、red planetさんところのフリーゲーム感想をどばっと書き連ねますね。一部レビューっぽいかも。

 

がっつりネタバレになるところは薄色字になっています。

 

 

 

 

先んじて紹介しておくと、

  • 断然推し「たとえば明日、世界に別れを告げるとして」
  • 暗い展開も大丈夫な乙女ゲーマーさんには「ソラモなキ」
  • 万人向けなのは「ラストフォーデイズ

かなーという印象です。

 

 

『ラストフォーデイズ

 

[概要]

男性視点、ほとんど一本道の一般向け短編ノベル、鬱展開あり。

記憶喪失の男が家族のあたたかさを思い出すハートフルストーリーです。なんかこのブログで正しい意味のハートフルって使ったの久しぶりな気がする。

 

[ストーリー]

startから始まる物語はどれも穏やか、しかしながら終盤はとても唐突です。初めは失った記憶の謎、2周目以降はあの結末の謎を解決させるために読み進めていくといった形で、最後まで続きを見届けたくなる構成でした。

といってもサスペンスのようなややこしさはありません。少しずつ全貌が明らかになっていく感じと言えばいいのかな。優しい気持ちで読める一作です。

鬱展開もありますが、悲愴というより切ない方面ですので、読後感は綺麗でした。

オリーザがハンカチを持ち出すあの決意のシーンは震えがきましたね……。

 

[システム]

全クリまでの道のりがちょっと変則的です。とはいえ、公式サイトにダイレクトな攻略が載っているので、ご安心を。

システム面でノベルゲーに求める要素は一通りそろっていて快適でした。

 

[一言]

家族愛もの、メイド、切なさハートフル、などにピンときた方向けです。

 

 

『ラスティングデイズ』

 

[感想]

以下ネタバレ。

なるほどエイプリルフールね!!!

前作から日にちを置いて手をつけて良かった、とひしひし感じました。

締めはとても綺麗なのがまた、ずるいですw

まさかの他作品ネタバレを喰らったのですがこれがこの作者様のゲーム全てに手を付ける道へ続くものだと当時の私はまだ気付いていなかったのだ――

 

[一言]

オリーザ好きならやめておくが吉、サクロ好きならやってみてもよいかも。

 

 

 

『はなしぐれ』

 

[概要]

和風短編乙女ゲーム、主人公(ヒロイン)は個性強め、システムなどに難はあるものの、ちょっと暗めで萌えるエンドもあり。

『ラスティングデイズ』のほうで……な兄がいるという情報を得て大急ぎでDLにかかりました。いました。ネタバレっちゃネタバレなんだけどそれがDLのきっかけでもあるのでなんとも複雑な心地というかとりあえずありがとうございました。

 

[ストーリー]

まず触れておきたいのが、細かい小道具や設定の使い方がかなり上手な点です。匂い袋の贈り物や、三日の餅の風習など、日本古来の伝統がしっかり盛り込まれています。ではお固い話かと問われればそうでもなく、登場人物の心の動きや素の態度は現代的で、とっつきやすさと世界観構築のバランスが良い作品でした。

あえて言うなら、あやねの名前はラストまで伏せておいた方が劇的だったかも? ただ、それだと為敦の台詞に制限がかかるので難しいところかな。

甘い台詞もあり、ちょっと危ういエンドもあり、乙女ゲーとして求める部分もきっちり埋められていて満足でした。

 

[キャラクター・エンディング]

とにかくてんじが好みです!!

やー、GOODENDにやられましたね。これはついて行かざるを得ない。立ち絵の瞳が時々縦長というか、猫っぽい目?になるのもドキドキしました。

一方彰達様は、物腰柔らかで優しく、話の展開もロマンティックです。ただ、物語の始まりやあやねの態度などを考えるとどうしても素直に彼の元には行きにくいかなー。

あやねは、良くも悪くもお姫様という印象。「意味わかんない」を選んだ時のズバズバ毒舌っぷりには正直ビビりましたw

好き放題なところが目につきますが、その行動力や素直さは魅力でもあります。世界観が古風でもすんなり馴染めるのは、あやねの価値観が現代のそれに近いからなのかもしれません。

 

以下、ネタバレ。

このブログ的にはヤンデレを応援したいということで、巷で話題の為敦様に熱が入るかなーとプレイ前には思っており、実際彼のエンドもものすごく萌えたのです。特にあの、名を呼び続ける勢いは、タガが外れる感じがしてとても好きです……。最後のあやねのモノローグも、堕ちるところまで堕ち切っているようでたまりません。

が、一番を選べと言われると、逡巡しつつもやっぱりてんじに行ってしまいます。人外キャラにかどわかされる展開って、異端に足を踏み入れる恐怖みたいなのもあって良いですよね。目隠ししてささやかれるのにも萌えました。

ところでてんじって天狗から来てるのかとおもったら全然違いましたねてへぺろ

以上。

 

[システム・バグ]

ルートバグが鬼畜でした……。公式の注意書きを見るにED3はとにかく一番に回収しに行かねばならないようだったので、初めはED3→1→2と行ったのですがフリーズ。改めてDL解凍しなおして別の順番で二・三回試してみたのですが、どれもアウト……。

ごめんなさい、結局コンプは諦めてED1・2・3とED4・5をそれぞれ単品で回収させて頂きました。しかしED4目当てでプレイしたのによりによってそこが拒まれてしまうとは、プレイヤーの邪念が通じてしまったのか。

他のレビューサイトも覗いてみたのですが、同じような展開になっていた方はいらっしゃらないみたいなんですよね……選択肢が悪いのかな。でも好き好き冷たいだとED3に行っちゃったんですよね、うーん?

他にも、シーンによっては音量がリセットされたりゲームが非アクティブだと動作が一時停止されたり、はっきり書くと色々不便なところは多いです。

 

ただこの作品、2009年製作でサポートも終了しているようなので、そもそもDLする時点でその辺りは覚悟すべきなのでしょう。プレイヤーとしては、古い作品だからと配布終了されてしまうのが一番、いっちばん辛いことなので、それを思うと作者様のご厚意に感謝しないとですね。不便さに目を瞑れば純粋に楽しめました。

 

[一言]

和風の乙女ゲーをお探しの方向けです。

 

 

『ゆめしぐれ』

 

[概要]

上記『はなしぐれ』の現代パロディ作品です。短編で、ひとつだけあるBADはなかなかですが全体的にはとても明るい雰囲気が楽しめます。前作と比べればシステム面も向上しているのがありがたいところです。

 

[キャラクター]

現代故のしがらみ等もありますが、基本的に重苦しい設定は省かれて、明るい作風にあうよう設定が弄られています。

一番印象が変わったのは彰くんですねー。前作だとどうしても性急さが目立ちましたが、こちらでは彼の物腰の柔らかさや穏やかさが表現されていて、好青年力がアップしていた印象です。とはいえ、誰のルートでも起きる俺のもの宣言には相変わらずさも見えますがw このイベントは彼のルートだけだと思っていたので、他のルートでも宣言しちゃう大胆っぷりには笑いました。

てんじは前作で達観していたり影で頼れる感じだったりしていましたが、今作では年相応の健司として、拗ねたり照れたりの反応が楽しめました。気の置けない同年代っていいですよねぇ。

敦は安定のお兄ちゃんっぷり。ここまで頼れるお兄さんがいるおかげで、綾音も生き生き過ごせるのだろうなあと思わされます。そして前作と合わせてすっかりハグ好きな印象になりました。

綾音は前作より奔放さが増して、いやー、ぶっちゃけると初めは辟易していたのですが。口調が大人びているだけで、中学生なんだと思えばこんなものかもしれませんね。

 

[ルート・エンディング]

以下、ネタバレ。

BADエンドと思われる、??エンドが一番好きです。私が鬱展開好きというのもありますが、思わぬ形で破れる恋の展開や、綾音の心理描写の表現が魅力的でした。軽率に他人を恨む方向に行かず、やっぱり大好きだもの、と思えるのも凄く良い! 綾音は本当色んな意味で飾らない素のキャラなんだなーと感じました。

彰くんルートは、なんというか、お互いがお互いに対してめっちゃ失礼な言動してますけどそこを恋の芽生えにして大丈夫ですか、と思ってしまったのは事実ですごめんなさい。惚れた理由は明言されていましたしご本人が幸せならそれで、ということで。

健司ルートは告白のシーンがやられましたねー!! 幼馴染ゆえのぎこちなさ、名字呼び、そして何より逃げ出しちゃうあの初々しさがたまりません。大変にやにやできるルートでした。

敦ルートはエンディングで行きつくところまで行ったのが驚きでした。たとえ従兄妹でも世間の目は冷たいと思うのですが、二人の良い関係を見ていると多少の苦難は乗り越えられそうな気がしてくるから不思議なものです。

弥生ちゃんルートはとにかく弥生ちゃんかわいい。女の子同士がきゃっきゃしてるシーンはどうしてこうも和むんでしょうねぇ。癒され癒され。前作では苦労人だった彼女の、楽しそうな笑顔が見れて嬉しかったです。

少しばかりご都合に見えるところもありますが、私のように捻くれた人のためにもおまけ要素が補完してくれているのでご安心を。おまけは前作プレイ者にピンとくる内容で嬉しかったです。

伏せ終わり。

 

[一言]

はなしぐれをプレイしたなら是非セットで。

 

 

『ソラモなキ』

 

[概要]

『はなしぐれ』のネタバレが入っているのでそちらをクリアした後でのプレイを推奨。といっても物語としてはまったくの別物なので、単品としても楽しめます。男性視点と女性視点が入れ替わりつつ進む、ほぼ一本道の和風短編ノベルです。

 

[ストーリー]

序盤は、お相手の色気たっぷりの怪しい雰囲気にドキドキしていたのですが、いやあまさか、終盤であそこまで可愛らしくなるとは。なんだかもうぼかして書けそうにないので伏せ字にしますが、とりあえず公式サイトで匂わされているように、人間×人外ものにピンとくるならオススメです。

 

以下ネタバレ。

夕霧視点でのエンドの彼女がもう可愛いのなんのって!

初めの取って喰らう怖さも魅力ではあるんですが、エンドでの夕霧呼びを求めるところなど、すっかり恋した女性の可愛らしさが垣間見えてたまりませんでした。話としては切ないですが、夕霧自身が前向きに転生を待ってくれているので気分としても落ち込みすぎず、ほどよい余韻の残るエンドでした。

あと与一郎の強引さにやられましたね!!男らしい! あの場面の爆発力というか、起承転結における転の勢いというか、読ませるパワーが素晴らしかったです。好き!

一方与一郎視点では、てんじの切なさも感じられて二度おいしかったですねぇ。

どちらにせよ今生では結ばれないのもまた、人外恋愛の切ないところ……。けれどもこういう設定大好きなのでしっかり入れて下さって嬉しい限りです。

伏せ字終わり。

 

[システム・演出]

視点が切り替わる時の花の演出がとっても好きです!! これが終盤の選択肢に絡むのもたまりませんね。

プレイしたのはver2のほうだったので、システム面も問題なく快適でした。これからプレイするおつもりの方は修正パッチをお忘れなく。

 

[一言]

和風の切ない恋愛モノがお好きな方向けです。

 

 

『たとえば明日、世界に別れを告げるとして』

 

[概要]

男性視点の一本道短編ノベル、青年×少女の恋愛要素もうっすらあり。一直線に鬱展開でした。

 

[ストーリー]

ファンタジーらしい世界観に加えて、魔法等の裏設定も詰められていたのが好印象でした。なんかとにかく強い、で済ませないのが素晴らしい。また、このエネルギー云々が主人公の過ちとも言える行為と関連してくるのも上手です。短編に合わせて綺麗にまとまるように、過不足無しの必要十分な説明が成されていた印象。

話としては言ってしまえば崩壊の話ですが、露悪的過ぎず、淡々と話が進んでいったのも好みでした。キーファが徹底して傍観者だったおかげかな? でも、だからこそ、彼が動く時の理由はいつもルルだと思うとなんとも言えない気持ちが込み上げてきます。

こういう、静かに淀みが積み上がる様なお話は大好きです。

最後の問いかけも、余韻が残って素敵でした。

 

[一言]

鬱展開や、退廃ものが好きな方向け。

 

 

『神さまだった君へ』

 

[概要]

男性視点、選択肢あり攻略ありノベルゲーム。カニバやグロ描写が多めながらも、猟奇面よりどこかもの悲しさが感じられる一作です。

 

[ストーリー]

初めのうちは形のはっきりしないふわふわとした流れで進んでいくお話が、明かされていくうちにどんどん色づいていくのがとても面白かったです。序盤の伏線を思い出して納得することもしばしば。

設定も斬新ながら上手くまとまっていて素敵でした。何も目立った原因は無いのに、という部分や、近くに男性が彼しかいないからという理由は違う、というような独白など、共感や理解のしやすいところも多くて、なんだか価値観が近いなあと嬉しく思いました。

“僕”のキャラ設定が本当ものすごく好きです。

 

[エンディング]

選択肢が出ることは設定と矛盾してないかな、と初め感じたのですが、これはED4を考えるとまた物語の解釈が変わってきそうです。あるいはプレイヤーの意思に反しないと考えてもいいかも。

エンディングでの一言にグっとくることが多かったです。ED3でのアラキへの問いかけとか、煙を見届ける時のモノローグとか。とても響くお話でした。

 

[一言]

カニバリズムやモツ的な意味でのグロ耐性があって、切ない話や鬱展開が好きな方にオススメです。

 

 

 

とまあこんな感じで。おかげさまで充実した休みを過ごさせて頂きました。

ご興味湧きましたら一作品からでも────と言いつつ一時期配布終了していたようなのですが、移転先?を発見したためリンクを繋げさせていただきました。是非ともプレイしてみてください。