うそうさ〜第二号室〜

フリゲ!鬱展開!ヤンデレ!万歳

フリーゲーム「OFF」感想

「知的な君であるならば言うまでも無く気付いているとは思うが」
プレッシャーのかかる前置き。

 

えー、今回はUnproductive Fun Timeさんおよび翻訳陣によるフリーゲームOFF」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

ジャンルはRPG、ラストのみ分岐あり、見ようによっては鬱展開の作品です。


もともとかなり話題になっている一作なのでご存じの方も多いかと思うのですが。この作品、もともと海外で作られたものです。と言っても、例えばアメコミと聞いて連想するような勧善懲悪で色鮮やか俺がヒーロー的な作品ではありません。かなり静謐で、かつ皮肉の効いた良い一作でした。

 

 

 

というわけでまず魅力的な点から。

 

堂々と挟まれるメタ視点

初めに聞かれるのはプレイヤー名です。と、言ってもキャラクター名ではありません。そう、あなたの名前です。私は自分のHNを入れたんですが、カタカナなおかげか世界観にも馴染んでラッキーでした。
登場人物はもう堂々とメタ視点を持っています。そのぶん私もかなり心を揺さぶられました。だってあの人達こっちのこと見透かして来るんだもの。

 

 

哲学調にスパイスの効いた台詞

翻訳作であることを知った時は正直ちょっとためらいがあって、言語感覚が違うんじゃないのかなあなんてことを考えてもいたのですが。これも杞憂で、プレイした結果、プレイして一番気に入ったのはセリフなどの文章面でした。
なんだろう、ちょっとお固くはあるんですけど、シニカルな感じがすごく好きなんですよね。チュートリアルのジャッジの口調でもうめろめろでした。OFF語録とか作って欲しいくらいです。
一番好きなのはヴァレリーの住民街での大演説です。

 

 

BGM

さすが、最初に注意書きがあるだけあって、かなりクオリティが高いです。
エレクトロニカ時々インダストリアル系?だと思うのですが私の音楽知識は乏しいので何とも。とにかく、主だった曲はどれも聞いていてどことなく沈んでいく感じがして好きです。
やっぱり初印象が強烈だったからか、zone0の曲がお気に入り。それと戦闘時の曲の、途中のガンガン鳴ってる音が野球の応援歌っぽくて好きです。

 

 

ちょっと頭を捻らせる必要のある謎解き

RPGではありますが、おつかい要素より謎解き要素の方が強いです。
初めはなんとなく察しのつく簡単な難易度にして、次は少し捻った展開に。基本→応用の流れがしっかりしている謎解きが多くて楽しかったです。
ギミックの箱がぷかぷかするのが可愛くてなんか好きです。図書館も考察しがいがあって、謎解きだけに収まらない色々を感じられました。この辺りをがっつり考察していくと世界観が深まるんだろうと思うとたまりませんね!

 

 

癖になるキャラクターとグラフィック

黙々と浄化を進めるバッター、軽薄おちゃめなザッカリー、皮肉屋だけど純粋なジャッジ。メインキャラがどれも良い味出していて、会話イベントになる度わくわくしました。街の住人的なポジションのエルセン達も、疲れた心にぶっ刺さるような一言をさりげなく漏らしてきて癖になります。
キャラクターのグラフィックはかなり独特です。仲間キャラは輪っかですし。敵キャラのグラフィックもモノクロでどことなくバケモノじみた感じ。それがいい。デザインの発想はまさに感服の一言です。この作品でしか味わえない個性感があります。
それぞれのマップは単色ながらも色鮮やか。特に終盤の狂気的な演出には良い意味で鳥肌が立ちました。一つのマップをあそこまで効果的に使い回せるのは流石の一言です。
とにかく、癖になる。これに尽きます。

 

 

 

とまあ、こんな感じで。
不思議な世界観や、色々考えたくなるストーリーに惹かれる方、作品の画像などを見てピンと来た方は是非ともプレイしてみて下さい!

追記にはネタバレ感想、興味のある方は以下追記よりどうぞ。

 

 

 

 

 

 

 

ネタバレがっつりです!
ご注意を!!

 

 

 

タイトルと浄化について


いやあ、なんというか、タイトル回収が素晴らしい一作でしたね!!!
バッターエンドでのあの一文に鳥肌が立って、しばらく震えていました。
プレイヤーに選ばせるというのがまた効いてます。思わずジャッジにジャッジを任せてしまいたくなるなど。

 

バッターは一貫して浄化(破壊)に徹しているんですが、プレイヤーの私としてはヒューゴに出会うまでずっとその怖さに気付けていなかったと言いますか。それが正義的な行為だと信じていたのでなおさら、ジャッジの責めたてる口調にはおろおろしてしまいました。でも無自覚な正義感ってえてしてこういうものよね。
ラストシーンでは、こっちがバッターを操作していたはずなのに、いつのまにか(むしろ最初から?)逆にバッターに誘導されていたかのように感じました。

ラストの決断を迫る前のジャッジの台詞に何を感じるのかは、どこらへんでプレイヤーが「何かやばいことをしている」と気づいたのかで決まりそうです。

 

 

 

キャラクター


さて、キャラクターとしてはシュガーとザッカリーの関係性が気になるところです。すごく。
どちらも好みなんですよ~、もう。シュガーは出番が少ないながら戦闘前の台詞でキュンと来てしまったのでついセーブデータ残してあります。
ザッカリーはみゃーぉう(低音)でやられました。あれはずるい。かわいい。

 

 

 

解釈色々


さて、考察と言うか私的解釈について。
正解を求めると言うより、私はこう考えたよーって意見なので、まあそういう考えもあるのかとゆるく受け止めて頂ければ幸い。


まずバッターは何者なのか。

とりあえずヒューゴの父側のポジションだとはわかります。が、厳密に言うならバッター≠父とも考えてます。極論、バッターは人間じゃないと言ってもいいくらいです。
話はするし、口調も一応人らしさがあるはあるんだけど、うーん。他のキャラクターが喜んだり恐怖したり怒ったり悩んだりと人間らしい感情をぶつけてくるのに対して、バッターはあんまり感情を見せてくれないんですよね。そのせいですごく機械的に見えます。本編を言い変えただけのような表現になってしまいますが、バッターはスイッチやフラグ装置に近い感じがします。ロボットよりもさらに冷たい感じ。

ただクイーンがバッターに対して言う台詞はどれも母親が父親を詰っている感じなんですよねぇ。ついでに言うと、クイーン戦の直前だけなぜかナレーションが入って、絵本みたいになってるのも気になりまして。結局のところ、バッターは何者かってことの答えは出ないままです。また再プレイしたら気付くものがあるのかもなあ。
そうそう、クイーンが「あなた」って呼びかけてるの、初めはプレイヤーの私に対してだと思っていたのです。そのせいで一時期、作中に登場しないヒューゴの父=プレイヤーじゃないかと考えていたのですが、それだとプレイヤーの性別を選べるのはおかしいですよね。自己却下。
しかも後になって色々周ってると、元の英文はダーリン的な意味のあなただったらしいと発覚しました。あちゃー。


あと重要そうなポイントとして気付いたこと。
チュートリアルの時に、ジャッジが「いかなる状況においても、君の敵対者、~~彼らは画面の左手側に現れる」って言ってるんですよね。で、Roomのチャプター2で、プレイヤーの操作しているボクサーは左手側にいるんですよね。
つまりボクサーは敵、もっと言えば、ボクサーという主人公に感情移入する読み手(=ヒューゴ)は敵ということに。なるのでは。とか考えました。で、ヒューゴとクイーンがあのOFFの世界を作り上げたなら、破壊者のバッターと彼を操作するプレイヤーにとってそりゃ創造者は敵だよなーなんて。

 

 

 

話題転換。
キャラがプレイヤーの分身とされがちなゲーム界で、あえてしょっぱなから境界線を引いてくるのは面白かったですねぇ。あくまでプレイヤー≠バッターだから、OFFになった後の世界(無・黒)も知覚できるという。

 

おまけエンドって言えばいいのか、あの、UFOみたいなエンドがギャグに見えて真相だという感じもしてはいます。一番初めの時から、プレイヤーは誰かに指示されてるっぽかったですし。でもそれで終わっちゃうのももったいないので、また再プレイした時に色々考えてみたいです。

 

 

 

とりあえず今回はここまで!