うそうさ〜第二号室〜

フリゲ・鬱展開・ヤンデレ 万歳!

フリーゲーム「語り部さんとおとぎ話」「語り部さんとおとぎ話-The second act-」感想

「予定調和に安堵の息を」
一文目に犯人の名前が書いてある前置き。

 

えー、今回はmint wingsさんところのフリーゲーム語り部さんとおとぎ話」「語り部さんとおとぎ話-The second act-」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

実は無印語り部さんの方はかなり前に一度プレイしたことがあったのですが、当時はこんなふうに感想文なんて書いていなかったので、ここで取り上げるのは初めてになります。よくよく見たらセーブデータが4年前でした。懐かしい!


実は今頃になって続編が出ていたことを知りまして。せっかくなので改めて、ということで無印も再プレイしてみました。というわけで今回は二作品の感想文になります。

 


まずは、両作品に共通した魅力や特徴を挙げますね。

 

 

本当は怖いおとぎ話達

この語り部さんシリーズは、語り部さんがダークな雰囲気の童話を語り聞かせてくれる形の短編集になっています。各章はそれぞれ赤ずきん、白雪姫、などなど馴染みのあるものばかり。ただし、ダークな改変やバッドエンドなオリジナル要素がたっぷり盛り込まれています。
失礼ながら、展開としては先が読めるものも多く、何よりしょっぱなから語り部さんがネタバレしちゃうので意外性はありません。ですが、中にはわかっていながらも萌える設定等もあり、ほどよくまったりとブラック展開を楽しめました。


余談ですが童話と鬱展開ってかなり親和性が高いですよね。断章とかメルヒェンとか。童話モチーフのフリゲってまとめたらどれだけの数になるんだろう……。

 

 

メタの象徴とも言うべき存在語り部さん

メインキャラクターは一人、語り部さんのみです。
この肝心の彼女なのですが、正直好みが分かれるキャラクターかと思います。ほわほわした外見にあざとい可愛さ、そしてかなりの毒舌っぷり。思い切りメタな突っ込みを入れてくることもあります。ダークなお話が続くこの作品ですが、気楽に読み進められるのは彼女が緩衝材の役割を果たしてくれているからかもしれませんねぇ。


ただ、メタ視点でこちらの思考をトレースしたがるのは良いんですが、彼女の推測がプレイヤーの私の考えとちぐはぐなパターンが多くて……w どうにもとんちんかんにお説教受けてる印象でした。せっかく余韻のある鬱展開も、ゲスなちゃかしが入ると興冷めしてしまいます。


とはいえ、章の途中で休憩をはさんでくれるのは助かりますね。紅茶のお代わりを入れに行く余裕があるのもいいものです。
でもラストの選択肢ではついつい彼女を苛めてしまいました。はっはっは。無印の反応が好きです。

 

 

シルエット中心の絵本らしさ

このシリーズ一番の推し所がこの絵本らしいグラフィックです。童話の登場人物たちは皆シルエットで表示されるのですが、これも単に影というわけじゃなく、カラフルでテクスチャ等もお洒落な形になっています。まさに絵本、ビジュアルノベルらしい感じ。
メインの語り部さんは無印とsecondで少し画風が違うのですが、これについては二つの違いということで後述するとして。
画面端で常に語り部さんが出ているのも、構成として独特で面白かったです。ただの童話絵本ではなく、あくまで語り部の体裁を持ったビジュアルノベルなんだなーと思わされます。

 

 

 

二作品の違い

 

続いて、無印とsecondの違いについて。

 

語り部さんの画風
無印はアニメっぽい感じ、secondはおとぎ話側に合わせた感じ。
サイズ、画風共にsecondのほうが個人的には好きです。でも、無印のほうもあれはあれで、メタ視点持ちの特別感があって良い演出だと思います。

 

・環境設定
無印のほうは起動のたびにコンフィグを開かないと音量が初期状態に戻ってしまっていたんですが、その点がsecondで改善されていたのが嬉しかったです!

 


とまあ、こんな感じで。
語られたおとぎ話の中ではピーターパンが一番、次点で赤ずきんが好きです。

ゆるい気分でダークなものを見たい方にオススメのシリーズものでした。