うそうさ〜第二号室〜

フリゲ!鬱展開!ヤンデレ!万歳

フリゲサイト「ぱんけーき」5作品感想

「強く強く求め過ぎて時々うっかり踏み外す」

てへぺろでは済まなさそうな前置き。

 

えー、今回は、ぱんけーきさんところのノベルゲーム「トキシックブルー」「夜想蒼瞳のデザートパレス」「悲願心中フラクタル」「求愛食葬」「鉢の底」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

こちら、そもそも私がフリゲハマったきっかけのサイトさんなんですよねぇ。「歪ミ回廊」はもうかなり有名なので、ご存じの方も多いかと。ヤンデレ好きなら嗜むべし!な勢いです。

なお本記事は移転前のもので当時はシェア作品混ざってましたが、諸々の事情により現在はフリー公開されている模様です。ただデザートパレスだけ挙げられていない?みたいなのでそこだけご了承あれ。

 

  

『トキシックブルー』

[概要]

R18ベタベタ身勝手百合ノベル。衝動的に凶行に走るタイプのヤンデレが楽しめます。

 

[ストーリー]

一人称で、心理描写が多め。大人っぽい関係性ではあるけれど、肉体的には小学校中学年くらい? と考えると思考が幼くて行き当たりばったりなのも納得です。

展開としてはまあ、序盤の感じからテーマの察しはつくかなという感じ。しかしながら、青というキーワードをじわじわ浸透させて、ああいうラストに持っていくのは面白かった。

振り回される狂信者の千佳がメインだったぶん、文子さんの心情は分からずじまいだったなぁ。あの男の人は本当に文子と恋仲だったのかとか、あの愛してるはどういうつもりで吐かれたのかとか。それこそ本文中にあった、文子を知りたいという気持ちのままで置いてけぼりになった気分でした。千佳は知らないことを選んだので、わからない部分が残るのはストーリーとして正しいんですけどね。

 

[グラフィック]

黒髪CPは素晴らしい!

立ち絵はありませんが、スチルで出てくる彼女達はどちらも危なっかしい雰囲気の可愛さがあってグっときました。めっちゃガリガリ体型なのは絵師さんの趣味かな? いわゆるメンヘラ少女って雰囲気が魅力的でした。

 

[一言]

王道的なヤンデレ百合や、依存関係が好きな方向け。

 

 

夜想蒼瞳のデザートパレス』

[概要]

頭おかしい系の超短編電波ノベルゲー。R18。お食事中の方は注意。

 

[感想]

いや、なんというか、発想の勝利な一作でした。

色んな液体かけた時のぬらぬらした感じや、脂がのってぎとぎとしてる感じの描写がかなりきます。ちょっとしばらく秋刀魚は食べれないかなと。いやでもそのくらい描写力は凄かったです。

謎の周回プレイもまた面白い。どんどんでろでろしていく彼女の姿に、真なる意味での狂気を感じました。案外、電波とか狂気とかはこういう日常の中に生まれるのかもしれません。

 

[一言]

人によっては馬鹿ゲー、人によってはニッチな性癖を満たしてくれる神ゲー……かも。

 

 

『悲願心中フラクタル

[概要]

大正浪漫な世界観で、とある事件を追って色んな話を聞く、一本道ノベルゲー。R-15になっていますがえろいシーンはしっかりあるし全裸スチルもあるので苦手な人は注意です。

 

[ストーリー]

分類は群像劇、でいいのかな。インタビューという名目で、一人称視点が代わる代わるバトンタッチしていく形になっています。登場人物が多いほか、それぞれの話を継ぎ合わせて事件の全貌が明らかになっていく感じなので、正直ちょこっと把握が大変。私は苦手な構成でした……。

でも、随所に見られる大正ロマンらしいしっかりとした世界観や、ミステリとして事件の犯人を詰めていく展開は魅力的です。

また、少女を少女として扱うための偏執的な描写にも注目したいところ。性嫌悪にも近い感じかな。自己否定と性嫌悪と虐待みたいなのが入り混じって地獄の様相をしているのがとてもツボでした。

そして何よりぐっとくるのが、事件渦中の回想、壊れていくヒロインと狂乱する父親の歪みが歪みを生むような描写です。あの、絶妙に話が通じなくてぐるぐるしてる感じがたまりませんでした! 「おとうさまはおとうさまのすることをしないといけないのよ」という、純然たる狂った響きがあまりにもあんまりで好きです。

 

[グラフィック]

まず目につくのがタイトルロゴ。めちゃくちゃお洒落で、センスにあふれてます。カットインの度に見惚れてました。

あとはやっぱりスチルですね。自分はお絵かき門外漢なので、描き方がどう変わったのか詳しくは語れませんが、普段の作品と雰囲気が違って見えるのは確かです。なんて書けばいいのかなあ、とにかく瞳がものすごく綺麗なんですよね。

そして、ラストのスチルの笑顔。あの微妙に非対称な笑顔が、こう、不穏なものを感じさせてくれてどきどきしました。結末だけ見るとハッピーな気もするんですけど、スチルを考えるとけっこう怖い、気も。

 

[一言]

大正ロマンや少女性愛、群像劇が好きな方向け。

 

 

『求愛食葬』

 

[概要]

食べる、をテーマに描かれる3編のノベル、さらにそれらが相互に絡む群像劇の要素もあります。

ただ問題として、実は手に入れた際のデータが一部クラッシュしていたらしく、中華編だけラストまでクリアできてないんですよね……。どうも今はメール返信もサポートも終わっているようなので半端な感想文ですがご了承ください。エラー文的にはEDまで行ってるっぽいからなおさら悔しい。

 

[ストーリー]

矢印の方向から和洋中の順で読みましたが、どれから読んでも問題ないと思われます。どれも大正ロマン風な世界観。

話として一番好きなのは中華! ああいう独特の価値観でひっついてる二人組って大好きなんですよねぇ。彼女なりの言葉とデレ方でひたすらなついている姿は見ていてとても可愛く、それにやれやれ付き合う主人公も微笑ましかったです。

とはいえ一方で、“俺”が鈍すぎるだろうと思うこともありw 初対面で血飲んでたんだからお気づきよ、という。それで自分が鋭いだなんて自画自賛してるのはちょっと笑いが漏れました。

 

あと、特に今作は誤字脱字や重複表現、てにをは違いが多かったです。修正パッチがあったのかも、なのですが、今だと公式のメイン頁も404、跡地もデータはなく、復活したブログのデータも旧版みたいなんですよね……。

テーマと注意事項から先はだいたい読めますが、それでもなお読みたいと思わせる、話にのめり込ませる手腕はさすがでした。「これアカンやつや…!」と気づきつつも破滅に向かって一直線転がっていくのを見ているしかないというのは、たまらなく好みです。

 

[グラフィック]

やっぱり食べることがテーマである関係か、口元が印象的だったように思います。

千津は蛇っぽいというか、開けた時の口の空洞が飲み込まれそうな感じ。和食の彼女は牙など獰猛な感じ。差別化されてるのにどっちも怖くて素敵でした。

中華の彼女はなんだろう、怖いところがなくて愛らしい感じなので、口元も控えめなんですよね。つい吸いたくなる感じというか。変態的な感想だな。とにかく3人ともが異なる怖さ・可愛さを持っていて、どの子も魅力的でした。

 

[一言]

草食系×魔性の少女、殺人鬼×クーデレ、ほんのり近親相姦、浮気、カニバリズム辺りが反応ワードになると思われるので、ピンとくるなら。

 

 

『鉢の底』

[概要]

R-15の誘拐恋愛ノベル。ちょっと違うけど、ストックホルム症候群が想起されました。

 

[ストーリー]

一般現代もの、前編・後編・ふろく、の3編が楽しめる一作。時系列に合わせて語り手が変わりますが、複雑な事件などはなく、どこか穏やかにも見えるほどゆったりとした自主軟禁生活が語られていきます。良いですよね自主軟禁。

キャラクターはどのキャラもどこか狂っていて、しかしながらそれが当然のように許容される世界観です。付録にある、狂人同士のたった一言の会話にはぞくぞくさせられました。

あえて挙げるなら前編のラストだけ惜しかったかな。蝶の比喩を使いたいのはわかるのですが、少女があの場でまったくの異物として描かれるのなら、林とさよだけに通じていた蝶のことも気づかないままのほうが良かったんじゃないのかなあと。でも、付録のラストは大好きです。

あとがきでも書かれてましたがひたすらに林萌えです。あのちょっと電波入った感じといい、目つきの悪さといい、たまりません。

 

[グラフィック]

登場人物は全員ダウナーな感じの表情。女の子では梟ちゃんがお気に入りです。今にも指を噛みそうなあの感じがよい。

起動画面など、システム周りの部分は絵本っぽい雰囲気で、いっそう内情のギャップが感じられました。無邪気におかしい感じ、いいよね。あとCGモードと付録が繋がっているのも上手い。あれにはやられました。

 

[一言]

作者様の作品の中で一番好きです。

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

数年前の作品が多いので、どの作品も共通して時代を感じるところはあります。対談式のあとがきとか、オートモード・音量調整なしのシステム不備とかね。でもこれが醍醐味とも言えるかも。

やっぱ自分のフリゲ生活の原点だな~と改めて感じるところもあり、懐かしさと退廃っぷりとヤンデレとを存分に味わえました。