「脳は家に例えられる」
しわの数だけ人がいる前置き。
えー、今回はNANASHINOさんところのフリーゲーム「D.I.D」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。
12禁BL、行き先や行動を選択して進んでいくタイプのADVです。本編自体は一般向けでもいけそう、と思いきやおまけでやっぱりBLゲーでした。
BL的な絡みよりもダウナーな雰囲気を楽しむゲーかなと思います。殺伐としたエンドもあります。やったね!
というわけで項目別で感想など。
ストーリーについて
主人公が記憶喪失な設定で、よくわからないままにガンガン展開が進んでいくので、けっこう長い間「?」マークを浮かべたまま読み進めていました。というわけで感情移入はしにくい構成かもしれません。
しかしですね、終盤でようやく真相と設定が理解できた時のあのすっきり感がたまらないんです!
なので、これからプレイしてみたいって方は、めまぐるしい序盤をとりあえず読み進めていってほしいところです。
ネタバレ怖くて多くは語れませんが……バトルの描写も胸熱でした。
おまけのボリュームにもびっくりですね。一粒で二度おいしい感じ。こっちをやってようやく全貌がわかる形になっていたように思います。
キャラについて
初めにわっとキャラが出てくるので、誰が誰やらで混乱しそうなところですが、進むにつれて彼らの個性もわかってきて、どんどん魅力的に見えていきます。
ああでも、敵の呼び名がふらついていたのだけはちょっとわかりづらかったかな。チエーニと影とか。しかも(彼は知識があるので当たり前ではあるけど)トートがその謎用語をすんなり受け入れているので説明がなくて、白紙状態のプレイヤーとしてはいっそう、どれが誰を指しているのかわからず戸惑っちゃいました。
システムについて
移動したり調べたりを全部選択肢でやるタイプのゲームです。こういうのって何ていうジャンルなんだろう? 選択式ADV、で良いのかな。
探索パートの選択肢が総当たり多めなのが気にはなりました。個人的には、例えば「見る」の選択肢は「調べる」と統合しても良かったんじゃないかなー、なんて。とはいえ難易度高めの探索がお好みなら合うのかも。それに探索パートが難しめなぶん、ノベルパートは比較的易しかったのが助かりました。
面白かった点としては、操作キャラ変更! 選択肢の反応がキャラごとに個性的なのもツボでした。
とまあ、こんな感じで。
バックログが一定頁を超えると見づらくなったりと、ちょこちょこ不便なところもありはしましたが、あの陰鬱な雰囲気やつい引き込まれる感覚はやはり印象的でした。
自分で情報を整理したり推理したりするのが好きな方や、シリアスな雰囲気のBLゲーをやってみたい方は是非。
追記にはネタバレに抵触しそうな感想など。
一応ネタバレ注意。
初めに言い訳。序盤混乱しつつ、バトル等の勢いある描写に惹かれてぐいぐい読み進めてしまったので、けっこう読み切れていないところがあるかと思います。
それは違うよ!となったらコメント等で補足頂けると幸いです……。
キャラクター、お気に入りはコーシカです。
コーシカは結局男の子、です、よね? 私がちょっと描写を勘違いしていたせいか、地の文での表現と台詞部分が少女だったり少年だったりで判断がつかなかったのです……残念読解力で申し訳ない……。でも、ああいうおどおどしたキャラ好きなんですよー。守ってあげたい、んでもって突き落としてみたい。
関連して、エーアリヒとの距離感も好きです。二人の関係は色々と妄想したくなりますね!
キャラクターデータを見て驚いたのはクラウンだったり。彼がドゥニとしている人だとしばらく気付いていなくって……あうあう。あのスチルにもびっくりしましたが、想像以上に彼が一番病んでました。はい。萌えます。
クラウンと言えば、操作キャラが彼に変わった時面白かったですねぇ。軽く吹き出すこともありましたw
そもそもDIDという単語の意味自体を知らなかったので、あとがきでタイトル回収がされてテンション上がりました。知ってたらしょっぱなからネタバレ状態になったのかな…?
こういうアイデンティティだの自己だの云々がどろどろ溶けていくお話大好きなので、どんどん増えて欲しいなあと思います。