うそうさ〜第二号室〜

フリゲ・鬱展開・ヤンデレ 万歳!

謹賀新年・短編ノベルゲーム7作感想

「閉めても明けても変わらない」

今日も今日とて楽しく生きたい前置き。

 

 

 

新年あけましておめでとうございます!

今年も良いフリゲライフが送れるといいなあ。

というわけで、今回は短編ノベルゲーム7作ぶんの感想を書きますね。

取りあげた作品は以下の通り。

 

 

 

俺のレビューが単なる悪口のわけがない』(メタ風刺ノベル)

有名な別のノベルフリーゲームがあるらしく、それのオマージュ作品だそうです。アンチテーゼと言えばいいのか、啓蒙的です。

友人がフリゲ製作を始め、主人公がレビュアーとして暴走していく話。けっこう教訓めいたところが多くて、単純に愉しむと言うよりはレビュアーさんにやって欲しいタイプの作品かも。

 

とげとげしいことばかり書くようなのがいる、件にはすごく納得。いやもう本当、「選択肢ばっかで面倒(なら一本道ノベルゲーやればいいじゃない!)」とか「鬱展開エンドとか最悪(必読にその旨書いてあるのに!!)」とか、よく見かけるんですよ!もう!好きな作品にそういうレビューがついてると怒りたくなります。人を選ぶ作品に好みなものが多いぶん、この手の地雷に当たることが多くてなあ。一個人の感想ならともかく、レビューと言い切ってるならもっと考えて書いてほしい!

 

……とはいえ、私の感想文が上記のように取られていることもありうるわけで。一応、好みに合わなかっただけの時はそう書いてるつもりだし、不満点があったら代わりにこうしたら良かったのになぁという考えを書いてはいる、はず、なんですが……。改めて身につまされるところもありました。

あれ、作品自体よりレビューについての話に移ってしまっている。とにかく、こんな感じで考えさせられるくらいには、鋭いところを斬り込んでいる一作でした。

 

 

 『儚い~堕天使の涙~』(ダークヒーロー・ノベル)

 二視点で進んでいく短編ノベルゲーム。初回は一本道、二周目以降で複数エンドが解放されます。

冒頭で世界設定の説明が出る通り、舞台となる大陸や基礎知識などが濃い目に用意されています。短編仕様で割愛されているところもありはしますが、キャラだけでなく大きな舞台設定が作者様の中にあるのだろうなあと思わされる壮大さでした。

一方、“ゴブレット”に“牛乳”を入れたり(ミルクじゃないんだ…)「10人に5人が死ぬ」等の記述があったり(何故約分しないのか)と文章自体はちょこちょこ突っ込みどころもあります。伝記調を意識しすぎているのか、中には悪文が目立つところも。

 

しかしながらそれらを上回るほどストーリーは面白く、ついつい引き込まれて気づけば一気読みしていました! とにかく読ませる勢いと王道ながらも飽きさせない展開が素晴らしいなあと。

単語クリックで詳細説明が出るTIPS機能も物語の盛り上げに役立っていて、ギャグでもシリアスでもピリリとくる文章が楽しかったです。

 

また、最終話の開放方法には痺れるものがありました。初め疑問を抱きつつもまあいっかで進めたところで、ようやく質問の意図がわかるという。いやー気持ち良かったです!

余韻が残り、彼らの今後に想いを馳せたくなるお話でした。暗い展開やダークヒーローもの、俺TUEE系のバトルが好きな方向け。

 

 

 『RoseRose~バラ薔薇~』(シリアス・男女恋愛ノベル)

一週間で、色々と限られた設定を元にフリゲーを作ろうという企画で作られた作品だそうです。伝聞調なのは企画サイトが既にアクセスできない状態になっていたため……。

私としては一週間でフリゲが一本できるってことにまず驚きです。まとまりもよく、起承転結がしっかりしていた印象。たったの一週間でこんなにきっちりした展開が組めるのは流石の一言です。

ただ一か所だけ、見た目ではなく心の美しさを説いていたけど、主人公とヒロインの始まりが見た目の美しさからだったので、ちょっと説得力が減っちゃってたのが残念かなあ。制限があったぶん難しかったかもしれませんが、もうちょっと内面で恋に落ちていく感じの心理描写が欲しかったです。

でも、全体的なゴシック風の雰囲気と、ダークな展開、執事の黒さは好みでした。

 

 

 『妹の檻』(ヤンデレ・妹・恋愛)

 

ヤンデレ風ノベルゲーム、クリアまで30分超くらい。記憶喪失の男性視点で、可愛い妹ちゃんと暮らしていくお話です。

全体的に淡々としていて狂気の描写は少なめ。お薬の設定がちょっと無理やりっぽいのと、殺し方等がぼかされているのは物足りなさがあります。が、一方でソフトにヤンデレを楽しみたい方には合うかと。

意外だったのは錬金術師という設定。てっきり普通の西洋設定かと思っていたので初めは戸惑いましたが、ストーリーにもしっかりその設定が絡んできてくれるので、独自の世界観が表現されています。

しこりを残すものの、エンディングは前向き。ヤンデレものには珍しい気がしますねぇ。ヤンデレな妹ちゃんの更生記っぽい感じでした。

 

 

DOKI★DOKIラブパニック』(メタ・ギャグ・乙女向けノベル) 

ふりーむでお笑い賞を取ったと聞いてダウンロード。ジャンルは、うーん、メタ超展開ギャグかなあ。悪意のある笑いも多いので、ある意味ヘイト創作に近いのかも。乙女ゲーのあるあるネタを軽快に笑い飛ばしていくスタイルに、かなりの疾走感を覚えました。わかるわかる、攻略したいサブキャラっていますよね本当。

シナリオがぶっ飛んでるのに反して攻略キャラの立ち絵のクオリティが高いのも特徴ですね。松井さんも逆の意味でクオリティ高いです。すさまじいな。某スチルは夜眠れなくなるくらいの破壊力があると思います。

システムとしては、TIPSが面白かったですねぇ。特定のワードをクリックするとその説明書きが読めるシステムなのですが、ここに書いてある内容がまたふふっときちゃいます。

 ただこれだけは許せない、シスコンキャラの需要はここにあるんだよこんちくしょう!

 ごほん。

ノリは極端に言えばVIPRPGのそれに近いかも。

ボカ……じゃなかった理科室の彼がお気に入りです。

 

 

 『Cybernetics P』(SF?・恋愛・ノベル)

鬱要素、と聞いてDLしました。

どんよりというよりは、切ない悲恋ものに重点を置いてる感じでしたねぇ。ダウナーとありますが、エンド自体は前向きなものが多いので、そこまで落ちこむ印象はありませんでした。

機械・アンドロイド×人。一応、人外×人なジャンルにもひっかかるのかな?

ヒロインのアクがかなり強いので、個性つきのヒロインが苦手なら避けた方が無難かもしれません。会社でのぼっちっぷりは共感できましたが……って書くとちょいと虚しいな。公式サイトにもあるように、性格のきつさより暴言が目立ちます。

近未来な世界設定なのに、ドールの説明部分以外は省かれていたのがちょっともったいないなあと思った点でした。もうちょっと世界観濃くしたのも見たかったー。

でも、Pタイプなどのタイプ違い設定は興味深かったし、単なるカリソメ人格ってだけじゃない辺りの一捻りは面白かったです。

悲恋もの好きさん向け。

 

 

夢檻』(ヤンデレ・メルヘンダーク・現在配布停止中)

 

プレイ時間は30分もかからないくらいの短編です。ヤンデレです。といっても、ほんのりと病み要素があるくらいのソフトさで、まったりと楽しめました。

すっごく細かいことになって恐縮なんですが、地の文に句点を使っていないのが地味に気になってしまいました……。といっても内容自体はしっかりしていて、ほどよい時間で楽しめる一作です。

何よりもまず、絵が綺麗! 立ち絵はもちろんのこと、二枚目のスチルにきゅんきゅんきました。キャラが瞬きしたり、表情が多かったりするのも丁寧で素敵です。

メインの夢留さん、黄色い瞳+敬語+病み要素=私得です本当にありがとうございます。かっこいい!

彼が結局何なのか等々は明確にされないものの、察せられるだけの雰囲気と魅力があり、短く簡潔でとっつきやすいストーリーでした。