うそうさ〜第二号室〜

フリゲ!鬱展開!ヤンデレ!万歳

フリーゲーム「Cinderella~シンデレラ~」感想

「夢か魔法か疑うなら飛び降りよう」

駄目なら現実な前置き。

 

えー、今回はClear Pieceさんところのフリーゲーム「Cinderella~シンデレラ~」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

中編乙女向けノベルゲーム、攻略対象2人、タイトル通りシンデレラの流れを汲みつつ進む糖度高めの作品です。

というわけで、さっそく魅力的な点から。

 

 

 

光の表現が美しいハイクオリティなグラフィック

まず人目を引くのがグラフィック。OPムービーが始まった時は思わず、「これ本当にLivemaker!?」と叫びかけました。最近のフリゲの進歩は本当凄いなあ。とにかくとっても綺麗なOPで、プレイ前のわくわく感がいっそう高まります。おまけで見直せるのも嬉しい!

もちろんOPのみでなく立ち絵やスチル、どれをとってもクオリティが高く、見ていて惚れ惚れします。全体的にライトで照らされているようで、まさに乙女ゲーらしい華やかキラキラしたイメージでした。

お気に入りのスチルは、フレッドだと噴水前、レナードだと光の輪……で既プレイの方は通じるかな。後者は特に、スチル差分の出し方とストーリー演出とがぴったり合わさってとってもロマンティック! 視覚的な演出はもう大満足、まさに眼福です。

 

原典からオリジナルへ動く設定の上手さ

タイトルからしてシンデレラなこの作品ですが、上手いのが設定の味付け具合です。

特にフレッドルートに入ってからのストーリーは、原作シンデレラを離れてどんどんフレッドが一人の男性としてヒロインと寄り添い合っている感じがして、展開がとっても好みでした。

12時の鐘や不思議な魔法、意地悪な義理のきょうだいなど、導入でシンデレラ要素をしっかり絡めつつ、中盤からオリジナル展開へ話が進んでいく……オマージュ好きにも創作好きにも納得のいく流れだったと思います。

童話のふわふわしたところだけでなく、身分差の描写や辺境地等の設定に触れてノベルらしい厚みが出されていたのも好印象。元ネタに乗っからず、自作らしさを出して、かつ乙女ゲーらしく万人向けを目指しているのが見てとれました。

 

 

 

一方。キャラクターの描写面では合わなかったところも多かったです。

正直に書いているので、批判が嫌という人はここで回れ右して頂ければ幸いです。

 

 

豊富な選択肢と噛み合わないヒロイン

この作品は選択肢が細かく用意されていて、そこは凝っていて良いなあと思っていました。選択肢自体も、トゥルーに行くためには基本的に、健気で相手のことを想うようなものを選んでいれば良いので、難易度としても易しく助かりました。

が。

その選択肢とヒロイン像が噛み合わないことが多く、何よりこのヒロインの無神経さが合いませんでした……! 上手いこと言ってやったって感じの台詞が多すぎて引っかかる引っかかる。ウィットに富む言い回し自体は大好きなんですが、この作品だと使いどころが悪くて偉そうに見えたり、私のこと気遣ってもらえて当然という態度に見えたりして、なんだか素直に受け入れづらかったです。

選択直後のシーンと共通シーンでかなり態度差が出るので、まるで腹黒みたいに見えるんですよね。バッド行きの選択肢を選んでいると共通ルートは違和感もないのですが。

これなら初めから選択肢少なめの個性あり常時顔出しヒロインとして行っても良かったんじゃないかなー、なんて。スチルではせっかく可愛いヒロイングラが見れることですし。

 

肝心なところで鈍感になるキャラクター達 

初め、ヒロインがちょっと恋愛事について鈍感すぎるかなとは思っていたんです。けど、攻略対象との関係性を考えると仕方がないところもあるし、何より鈍感ヒロイン可愛い気持ちはわかるので流していたんですが……。

恋愛面だけでなく謀略や他攻略対象の心遣いについても鈍感で、しかもそれがメイン3人全員に共通なのでびっくりしました。ほんのりぼかしつつネタバレ抵触しますが、「○○に酷いことされる!→覚悟を決めなきゃ私達悲劇ね→違った、やっぱり○○のこと信じてたの!」の掌返しっぷりには半笑いでした。両ルートにあるのが凄い。

やりたいシーンがあって、それにキャラクターが振り回されて都合の良い時だけ鈍感になっていたように感じます。

 

攻略対象の扱いの差

フレッドルートだと、レナードはあくまで二人の後押しをする協力者になってくれます。一方レナードルートだと、フレッドはレナードとの悲恋の盛り上げネタ、酷い時は邪魔もの扱いです。しかも後日談でのレナードの横入りが酷いのなんの……。

立場上仕方ないのかもしれませんが、もやもやは残るところです。

レナードの献身もフレッドの誠実さも大好きだから、なおさら両方を立ててほしかったです……!

 

 

 

 

とまあこんな感じで。

後半はっきりしたことも書きましたが、ハイクオリティなグラフィックや、元ネタとオリジナルを上手く組み合わせた設定など、素敵な点も確かに多くある一作です。

興味持たれた方はOPムービーだけでも是非チェックしてみて下さい。