うそうさ〜第二号室〜

フリゲ!鬱展開!ヤンデレ!万歳

フリーゲーム「血染めの花」感想

「知らない人からもらったものに手をつけちゃいけません」

知り合いレベルでも躊躇うかもしれない前置き。

 

 

今回は、KANNAさんところのフリーゲーム血染めの花」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

選択肢でエンド分岐する形のサスペンスノベルゲーム。流血・病み・グロ表現はありますが、全クリした時の読後感は明るめです。

 

公式サイトの注意事項に「BLゲームではないにも関わらずそういった要素が強い」とあるのですが……プレイした印象だとむしろBL要素がメインな気も? 男女恋愛もありはしますし一応主人公役は女の子ですが、彼ら二人を好きになれるかなれないかでかなり作品への好感度は変わってくる気がします。

 

とりあえず、良かったと思う点など挙げていきますね。

 

 

 

臨場感迫るフルボイス

 

真っ先に挙げたいのはここ! サブキャラ含め全員に声がついているのでキャラの感情やお話の迫力が割増です。さらっとした演技の中に、よくよく考えると伏線らしきものが混ざっていることも。

特に好みなのは菫役のボイスの方、演技力が頭一つ分飛び抜けていて、聞いててぞくぞくしました。

一応、音量調整でボイスのみゼロにすることもできるので苦手な方もご安心です。

 

 

引っかかりをきちんと回収していくシナリオ

 初めのうちはちょこちょこ突っ込みどころが見られて、大変失礼ながら「うーん……」と感じていたのですが。見事にひっくり返されました。確かにそこ引っかかってたんだよ!と頷きまくることもしばしばで、納得のいく風呂敷の畳み方でした。

あまり書きすぎるとネタバレになるため、詳しくは追記にて。

 

 

エンド回収が捗る演出

エンド分岐自体は簡単で、基本的に選択肢のどちらかでバッドエンドに直行します。それぞれホラーだったりギャグだったりと色々な味があって面白いんですが、何よりも注目したいのは一読してタイトル画面に戻ってきた時の衝撃です。

特にエンドコンプした後の演出には胸が熱くなりましたね……。エンド内容もあいまって爽やかな読後感でした。

シンプルながらも「全コンプ目指したい!」と思える良演出でした。

 

 

 

 

一方、個人的に合わなかったところとしては、

 

 

 

 

感動路線のテンプレ台詞 

キャラの死亡シーンが多く含まれるこの作品。死亡シーンを盛り上げたいのはよくよくわかるんですが、死にかける→回想シーン→感動的な台詞、の流れを繰り返すので終盤は食傷気味になってしまいました。

台詞自体もよく見るものが多く、先読みができてしまい逆に感動が薄れることも。そのキャラならではの台詞や、ちょっと尖った言い回しなどをもう少し見てみたかったです。

とはいえ、逆に考えるとすごく王道的な展開をしているとも言えるわけで。どんなキャラでも良心が欲しい・辛い展開でも最後は救いを見たいという方には、むしろぴったりくる作品かなあとも思います。

 

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

他にも豊富なスチルや全キャラにある立ち絵など、グラフィック面の見どころもありの一作です。

追記ではネタバレ込みの感想など。

 

 

 

 

 

 

ネタバレ注意。

 

 

【ボイスについて】

 

いやー本当、菫ちゃんのボイスの方すごかったですね!! 感染発覚シーンの茫然とした呼びかけや嫌々する叫びもたまりませんでしたし、逆に弱気になるシーンでもガチで声の震えが表現されてて、聞いているこっちの息が詰まりそうになるくらいでした。そしてめちゃくちゃ魅力的だったからこそ早期退場が残念でなりませんでした……。もっとあの演技聞いてたかったなあ。

 

楓は序盤で「中性的」と表現されていたのに声がけっこう男性らしいトーンだったので、ちょっとイメージ違う感じがありました。豹変する演技も、とっても上手だとは思うのですが、そのキャラっぽさが出ているかと言われると少し違う気も。猫かぶりが剥がれるのを意識し過ぎているのか、一貫した楓らしさがあんまり感じられなくて残念でした。

 

柊は逆に、初めは声質がむしろ優等生寄りで合わない気がしていたのですが、色々真相が判明した後はすっかりハマり役だなと思えるようになりました! 絞り出すように懺悔する演技がもう本当たまらなくって。これは泣かせたくなる、しかたない。

 

あとストーリーに絡めて。序盤で先生が退場した後、皆で対処法を考えている時の楓と椿部長の演技があまりに冷静すぎるなあと思って初めは引っかかっていたんですね。で、直後に菫が「皆冷静すぎる!」って激昂してくれたので、ああこのために抑えた演技にしてたのかなあと思ったんです。

違いましたね!むしろこの二人が動揺するわけがなかった!

後になって考えてみると、ちょっとした演技にまで伏線が入ってるんだとわかって面白かったです。改めて思うと楓だけじゃなくて椿先輩が色々暗躍してたのが良いスパイスになってたよなー、なんて。

 

 

 

【ストーリー・エンドについて】

 

初めに選択肢を外してギャグエンドに行きました。見えてる地雷は踏みに行きたくなる性分なんです。あの勢いの良いメタネタに思わず噴き出してしまいましたが、ネタバレたっぷりなのを考えると後回しにしたほうが良かったかなとちょっと惜しくもあったりw

 

ちょこちょこ突っ込みたかったのは杏の感染が発覚した以降のシーンかなあ。空気感染のところは明らかに間違いとわかっているだけにやきもきしてしまいました。

でも、柊と杏の庇い合いはすごく健気で可愛くて、お気に入りのワンシーンです! 思い切り踏みにじられてしまうのも鬱展開好きとしては悲しいかな萌えまして、また楓の嫉妬等を考えるとグッとくるものがありました。

 

タイトル回収のやり方や、きちんと設定や伏線を生かした上でのハッピーエンドにもすっきり。不謹慎すぎる導入がまさかああやって返ってくるとは思ってもみませんでした。

 

全体的に、完成形がイメージされた上で作られているなあという印象。

良い発狂を楽しめる作品でした。