うそうさ〜第二号室〜

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フリーゲーム「My gray hugger-muger」「昨日森口が死んだらしい」「asylum」感想

「観客がいなければ彼らの物語は知られず終わっていた」

そして知られど結末は変わらない前置き。

えー、今回はハラワリさんところのフリーゲーム「My gray hugger-muger」「昨日森口が死んだらしい」「asylum」の感想を書きますね。一部レビューぽいかも。

どれも短編のノベルゲーで、単品で楽しめます。うす暗い世界観が好きな方向けのラインナップです。

 

 

 

 

『My gray hugger-muger』(男女・近親相姦)

[概要]

兄から妹への濃厚な想いを描いたノベルゲー。一本道ながらプレイには2時間少々かかりました。18歳以上推奨とあるように、性的な描写も含みます。かなり近親ネタが好みの方ならもう、激しくオススメしたくなる一作でした。

 

[シナリオ]

とにかく、描写と話の流れが丁寧です。手をつなぐ、兄としての境界線に気づかされるシーンと、「良かったな」と言ったあと部屋にこもるシーンでは思わず息を呑みました。単に心理描写を重ねるだけじゃなくて、仕草や耳鳴りなどの感覚の描写も合わせている辺りが凄いなーと。こういう文書けるようになりたいものです。
で、しっかりした描写力に加えてもう一つ挙げておきたいのが会話のテンポです。
家族間とか友人に対してとか、作中の会話がすごくリアルなんですよね。それこそ御近所で聞けそうな感じの。現代ものの会話シーンって、ラノベ調やら台本ふうになりがちだと思うのですが、ここまで日常感あふれるだべりっぽさを出せるのは流石の一言です。
あと、間の使い方が上手い!終盤の感動シーンでは、語り過ぎない「うん」に全てが込められていて、とてもじんときました。

 

[グラフィック]

この手のはコラージュって言い方でいいのかな、色んな色が滲んで混ざって、しかもその加減が絶妙で、お洒落な雰囲気が出ています。クリア後のおまけページがBGMも相まってすごくかっこいい……!
シーン切り替えで出てくるタイトル字とその背景が、ストーリーの行く末を暗示しているようで、それだけでどきどきしました。
なお、立ち絵こそありませんが、代わりにスチルでキャラクターの外見が確認できます。ふみちゃんが想像以上に活発な見た目でびっくりしました。和氏が追い詰められてぐるぐるしてるところのスチルが印象的です。

 

[一言]

近親ネタが大丈夫なら是非やりましょう。嫉妬、独占欲、家族愛、背徳的などがキーワードです。

 

 

 

 

 

『昨日森口が死んだらしい』

 

[概要]


20分ほどで終わる短編ノベル。選択肢はあるものの一本道で、淡々と皆の噂話を聞いていく感じのゲームになります。公式サイトに「「ん?」と思いながらプレイするのが正解です。」と書かれておりますが、まさにこの「ん?」が面白いゲームでした。

 

[ストーリー]


とにかく、タイトルの通り。これが全て、シンプルイズベスト。
地の文はほとんどなく、ほとんどのシーンが「噂話」の形で語られていきます。学校の閉塞感と言えばいいのか、その無神経さがぐさぐさくる良質なつくりです。
勘の良い人は真相まで一気にわかってしまうかも? でも、わかっても冷めることはなく、むしろいっそうどんよりとした気分でゲームを楽しめました。
改めて読んでいると色々伏線もあり、最後で「ああ、なるほどな」と納得できる、良いまとまりっぷりです。

 

[世界観]


画面や音楽なども、お話に合わせて全体的に暗い雰囲気を漂わせています。鬱展開らしい、気だるい感じがたまりません。聞くのはあくまで噂話だけなので、観客というか、盗み聴きする第三者な気分でプレイできるのも新鮮でした。

 

[一言]


さくっと短編で、どんより暗い、なんとも言えない読後感が魅力の一作です。

 




『asylum』(BL・病院)

[概要]


非人道的な内容を含むBL一本道ノベル。おまけ含めフルコンプで1時間くらい。BLとありますが、告白や性的接触はありませんので、ブロマンス系が好きな方だとかなりぐっとくると思います。注意事項を読んで大丈夫そうなら是非やって頂きたい、とても好みの一作でした。

 

[シナリオ]


主人公の、ぼんやりと退屈な病院生活から話は始まります。プレイ中は何気なく読み進んでいましたが、負の衝動がほとんどなかったこととか、単に退屈って読めてしまう時点でよくよく考えると相当――。うん……。
色がついた、と言えばいいのかな。彼が訪れた時の、世界が開ける感じがすごく好きです。
じわじわなつく感じと、彼の寂しげな笑顔が忘れられません。この手のうす暗い雰囲気と箱庭世界なもの大好きです。

 

[キャラクター]


とにかく主人公がお気に入りです。なんといえば良いのか、ああいう無垢な感じの受け好きなんですよね……。ひな鳥の擦りこみができるタイプというか……。
彼、の方も穏やかのピリピリの差が激しくてきゅんきゅんしました。いや、作中で彼と会う人はほとんどが憎むべき相手とかその関係の人なので、態度の違いも当たり前っちゃ当たり前なのですが。主人公以外は興味薄なタイプだと萌えるなあと勝手に妄想。
サブキャラクターもほどよく存在感がありましたし、良い動きしてるキャラが多かった印象です。

 

[おまけ要素]


アフターエピソードは絶対に読むべき!!!
と言い切ってもいいくらい、最高に萌えました。
主人公視点で進んでいる時は、感情豊かで子どもらしくて可愛いなーと感じていたのですが……立ち絵を見てひゅっと息を呑みました。まさかそんな顔をしていたなんて……。主人公を見た時の彼の気持ちが今さらになってひしひしと感じられます。そりゃ見た瞬間寂しい顔もするよね……。
お名前が???の研究員さんは、辞書をくれた人なのかな? 研究員が病状について説明している時、さりげなく、「あれが原因ではないと思うんだが~」みたいに自分の責任から逃れようとしていたのがなんだか印象的でした。そこかよって思われるかもしれないんだけどそこなんです。罪悪感持ってるからこそああいう言い方しちゃうんだろうなーっていう。それで彼がイラっときたんだろうなーっていう。なんだろう、あそこでモノローグとか入れて長々せずに、あの一つのやり取りでぽろっと本音が零れ出た感じを出せるの本当良いよねって思いました。
読んでいる時に気になっていた、カタカナ混じりの表記についても補足があって納得です。

 

[予備事項]


asylum:保護施設、亡命 
phobetor:ギリシア神話関係。悪夢を産む。
morpheus:ギリシア神話関係。意味のある夢、というか、比較的理解しやすい現実的な夢を産む?
タイトルがぴったりすぎて震えました!

 

 

 

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