「手を上げろ!でないと死ぬぞ!」
言ってる時点ですでに死んでる前置き。
えー、今回は時雨屋本店さんところのフリーゲーム「1000文字勇者」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。
ツクール製ではありますが、戦闘無しの探索ゲー。謎解きというよりは、先に進むためのアイテムを手に入れる手段を先読みしていくというか……ええいやればわかる! さくっと手をつけやすい短編ゲーです。
RPGをお約束をひっくり返す王道システム
RPGといえば、住人に話しかけてアイテム回収したり進行フラグを立てたりするのが醍醐味だと思われます。が、この作品はそのシステムをくるっとひっくり返したうえで、お約束通りに進みます。といっても何がなんだかですよね。私もです。
これはゲーム開始数秒の説明書きが非常に秀逸なので、まんま引用しますが、
「ちなみに、あなたは1000文字読むと爆発します」
この発想力たるや、さすがの一言です。
人から話を聞いて進むというRPGのお約束をぶち破る発想がまず面白い。しかし、話しかけないと進めないというこのジレンマも気持ちいい。
ある意味覚えゲーではありますが、ヒントも簡潔でわかりやすいしやり直しも速攻なので、トライ&エラーが楽しい一作です。
つい話しかけたくなるセンス
わかっていても話しかけたくなってしまうテキストがふんだんに含まれているのもずるいところなんですよねぇ! 爆発するだろうという予感とともに爆死しに行くことほど楽しいものはないと思います。
なんというか、勢いで殺すタイプと不意に笑わせてくるタイプのテキストが織り交ぜられていたので、不覚にもぶっはぁと吹き出すことが多くて負けました。木曜日ずるいわー好きだわー。
また、「こうするとどうなるんだろう」という好奇心にどこまでも答えてくれる細かいつくりもされています。
おまけモードは特に楽しかったですねぇ。小ネタを拾えた時が嬉しかったですし、そこまで凝ってくれていることも嬉しかったです。
ゆるかわいい顔グラとキュートなオチ
どのキャラにもゆるかわな顔グラがついていて、それがくるくる変わってくれるのもとってもキュートでした。あのゴースト絶対忘れねぇぞ。さりげなくコミカルな動きをしてくれるところもキュートです。
案の定例のキャラにやられました。ウィンクとあのなんとも言えない間がかわいい!
そんなわけでエンドもあれを選んだんですが、あのオチとゆるすぎる神様が大好きです。
とまあ、こんな感じで。
さくっと楽しいゲームをやりたい方にオススメです。
追記ではほんのりネタバレな小ネタなど。
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ネタバレ注意。
いらぬを選ぶと姫行きになるので、エンドは4つですかね。
姫、魔女、魔女姫、おまけ。魔女ちゃんにむらむらきました。
あとギャグ作品にこういうこと書くのも野暮かもですが……。
RPGの主人公はどうして無口なのか、とか、吹き出しアイコンで感情表現するのはアリなのか、とか、そのあたりのRPGプレイヤーあるあるな疑問に対するアンサーがこの作品だと思うんですよねぇ。
何故喋らないのか!喋ると死ぬ!うーん楽しい。好きです。
見つけて面白かった小ネタは、
- お金持ってると宿屋に泊まれる
- 魔女ちゃん連れて雪の街の人に2回話しかけるとドヤ顔ウィンクしてくれる
- 子供を無視して進む
- 魔女ちゃんのおうちのお手紙
でした。
文通相手が気になっているんですがあれも何か仕込んであるんだろうか……あとなまざかなは何のためのアイテムだったんだろうか……。
なんにせよ、練り歩くのが楽しいRPGはよいものです。
魔法屋?さんの女性に全力で頷いた作品でした。