「あなたの みぎては のろわれて しまった!」
助けてまもるくんな前置き。
えー、今回はきぎぬさんところのフリーゲーム「勇者の烙印」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。
ジャンルはRPG、ですが感覚としてはADV寄りのプレイ感です。
DL版もあるのですが、知ったのがアツマール経由だったのでRPGアツマールのスマホブラウザ版をプレイしました。
色々語りたくなる半面、ネタバレが惜しい作品でもあると思うので、そのあたりを気にする方は先にプレイしに行くことをお勧めします。
というわけで、さっそく良かった点など。
勇者を定義づけるメタストーリー
まず「タンスを漁るのが積極的に推奨される」という序盤から尖ったセンスを感じさせる台詞回し。ここでガシッと心を掴まれました。この手のメタギャグ好きなんですよ。お約束を守りつつ裏を覗きに行く流れ好きなんですよ。
RPGのお約束をこれでもかと思うほど踏襲した展開。そして怒涛の裏切り。ビターなバッドエンド。いやあ、最後まで飽きることのない怒涛の流れでした。
特にスーファミDQファンは生き生きするところがあるのではないかと思います。DQ6のOPは趣深いよなあ。
既存ネタの流用や、オマージュ展開にもきちんと王道なりの理由があって、そこもたいへんツボでした。
動き回るエフェクトたっぷりのバトル
とまあストーリーの序盤がこの手のメタギャグなので、バトルもゆるゆるかと思いきや、エフェクトが熱く視覚的にも賑やかでした。TP技があったりMP回復率があったり、それなりに戦略も効くバトルだった印象。私はついつい出会った敵を全撃破してしまうタイプなのでボスの難易度は低めに感じましたが、秀逸なストーリーに負けず劣らずバトルもメイン要素の一つと思えるクオリティでした。
DESTINY OVERCOME !
大好きです。ほんっとう大好きです。この表現愛してる、この文をあのシステムメッセージに仕込むところが愛してる。勢いもあるしストーリーと噛み合ってめちゃくちゃかっこいい。
こういう独特のシステムメッセージが見られるのがフリゲの良いところですよね。
一方難点としては、
スマホ操作のもっさり感
これは私のスマホRPGがこの作品だったからここで挙げてしまっているだけで、もしかすると全スマホRPG共通の難点なのかもしれませんが……。
どうしてもちょっと操作感が悪く、ぐねぐねしたマップ等は進みづらかったです。また、街から出た時の初期配置と次の目的地への動線の関係で、進もうとしては街に入り直すという誤動作をかなりやらかしてしまったことも。
ただストーリーにかなり狙ってるところがあるため、この、街から出た時の配置自体はあえてレトロ演出しているような気もします。考えすぎかな。
とまあ、だいたいこんな感じで。
RPG好きな自分には見事刺さる一作でした。
追記ではネタバレに触れる感想など。
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ネタバレ注意。
[キャラクター]
やっぱり印象に残ったのはクレイトスです。
武器は置いていけ!!と叫んだ矢先にセリフが出てきて笑ったのもいい思い出。
なかなかニクくて良いところをかっさらう素敵なあんちゃんでした。
でもちゃらんぽらんなキャラ設定が萌えに刺さったのはデイワーンです。
[ストーリー]
運命力の設定、実はあんまり注目できていませんでした。ごめんなさい殴らないで!
ですが開発室のビアンカの説明を読んで、設定含めてビアンカが大好きになるなどしました。名前からしてメタい子だなあくらいの印象だったのに、いやはや設定とは恐ろしいものです。愛や正義等の感情だけではなくて、こういう理屈込みで説明されるとなんだか心にすとんと落ちてくれます。
なのでバッドエンドのほうが好みとしては合ったり。お話の流れとしてはもちろんトゥルーエンドがかっこいいと思いますけどね!
[女神様]
HNツキシキのままでプレイしていたのでかなり言いづらそうで笑ってしまいました。ごめんな。彼女自身もドン詰まりのムリゲープレイをさせられているところになんというか、どうしようもないえげつなさというか、闇というか、心地よい鬱を感じました。
[魔法名]
スパンキンとチラブラーの潔さと一見魔法っぽさがお気に入りです。
とまあ、こんな感じで。
やっぱりRPGは楽しいなあ。フリゲらしい虚をつく一作でした。