うそうさ〜第二号室〜

フリゲ!鬱展開!ヤンデレ!万歳

フリーゲーム「カリスは影差す迷宮で」感想

「せめて楽に殺してやろう」

ちょっと善心を見せてる感じが一番悔しい前置き。

 

 

えー、今回は喘葉の森さんところのフリーゲームカリスは影差す迷宮で」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

エンド分岐ありのダンジョン探索RPG。女性キャラに対する好感度要素あり。

ヒロインの見た目、というか豊満すぎる胸部にぎょっとするところではありますし実際作者様はえっちな方面でも活躍されている方ではあるのですが、見た目で釣られると驚かされます。

 

中身はかなり硬派!それでいてコミカルな面も失わない!

とにかく探索好きや読み物好きとしてめちゃくちゃ楽しい作品です。

 

というわけでさっそく良かった点など。

 

 

闇の深い設定を受け流すクールキャラ達

 

とてつもなく強力な魔術師「カリス」を護衛としダンジョン探索をする

――という名目の裏で彼女を暗殺すること。

これがゲーム中に提示される第一目標です。

 

キャラが軍属で生死の概念にやや冷淡であること、世界が名前を呼んじゃいけない最凶の者に一度滅ぼされかけた後であること、人体実験や人造兵器が成り立つ世界観であること、等々。要素だけを見るとかなり陰鬱で、シビアな世界観です。

しかしながら、キャラ達の掛け合いは実にユーモアに富んでいます。本来の意味であるところの“クーデレ”や“無表情萌え”をとくと味わえます。愛着が湧くような会話のおかげで、

彼らを機械的な軍人ではなく責任感と好奇心旺盛な一個人として親しめました。

黒先輩の時も感じましたが、この作者様はクール×クーデレを描かせるともうとんでもなくピカイチですね!!ありがとうございます好きです!黒髪ロングよありがとう!

 

 

おちゃめで豊富な会話イベント

 

もう少しキャラクターの面に触れておくと、語りたいのは豊富な会話イベントです。

ダンジョンを探索していると手に入る遺構、これを持って帰って宿に泊まるとサブイベント的な会話が始まります。これが面白いのなんのって。どれもオチがついていて、世にも奇妙な物語に近い味わいを醸し出しています。

カリスや主人公のキースのキャラが深まっていくのも楽しいんですよね!

とんでもない装備品をつけながらも生真面目な顔で解説を始める主人公は必見です。これぞユーモア、これぞクールキャラの醍醐味。ぬいぐるみイベントがめっちゃ好きです。

 

また、宿屋でのイベントだけでなく、いつでも使える「会話」コマンドの雑談や、ダンジョン内の物体を調べた時の一言コメントもニヤニヤしてしまいます。こういうのがあると探索が捗っていいですよねぇ。

思わぬヒントを得られることもあり、ゲームとしての有用性に長けているのもポイントが高いです。

 

 

 

日数で調整されるストーリー進行度

 

システム面で面白いなあと思ったのは、鍵を使用するのに一定の日数が必要であることです。

鍵をセットだけしておいて解読をしたり魔法を覚えたりして、上層に行くための情報や強さが揃ったあたりで先に進める、みたいな流れ。プレイヤーの進行度の調整が本当上手くできてるなあと思いました。

 

また、やることはあれど多すぎず少なすぎず、その日できることをすべてこなしたらちょうど次の日に探索へ行けるくらいのボリュームなのもありがたかったです。できることが多岐に渡るとどれから手をつければいいのかわからなくなるものですが、優先順位がある程度作品内で提示されていたので、フリーな動きが苦手な私でもさくさくスケジュールを組んで進められました。

 

 

 

濃厚な世界観を読み込める解読文

 

そして解読と言えば読み物、アーカイブ要素!

もうね、とっっっても濃密で幸福でした!!

 “手慰みで町を滅ぼした最凶”とか “獅子・騎士魔術師”とか“女性資源”とか、あっちこっちの情報がツボなんです。鬱要素がぎゅっと詰まった感じや、中二心が真剣な意味でうずうずする感じ、大好きなんです。もう読むのがとても楽しかった!

 

物によって文体や内容の語り口が異なるのも面白いところ。

中にはSCPっぽいものもあります。たのしい。ねこです。

 

これ遺構一つだけでSS一本書けるのでは、と思うくらい発想も目からうろこで興味深いものばかり。意地でもコンプしたくなります。しました。ああ楽しかった。情報が増えるとノートや説明文に追記されていくのも、読み解いている感じが強まってわくわくします。

 

そして例に漏れず、ダンジョン探索のヒントとして機能している面もあります。ただのフレーバーで終わらせない辺り、完成度の高さが感じられましたね……!

読まずとも察せられる仕掛けと、読まないと絶対無理な仕掛けとが二種類あり、それによってストーリー進行度が調整されているのもまた上手い作りだなあと舌を巻きました。

 

 

 

ピンと感じさせるダンジョン、遺構の意外な使い方

 

さらに遺構で言うと、ただ集めるだけでなくアイテムや装備品として使えるところも面白かったです。中には意外な使い道があったり、しれっと使用可能になっていて気づいた時に思わず声が出そうになったりするものも。

それに合わせて、ダンジョンの仕掛けがシンプルながら手を変え品を変えて飽きさせない作りなのも魅力の一つでした。

 

「おや?」と思うところには必ず何かがあります! 意味のないオブジェクトはほとんどない、このマップ作りの丁寧さ! 作者の狙いに気付けた時の興奮がもうすごかった!

邪道ですが区画外をノーヒントで見つけられたのはひそかな自慢です。へっへっへ。見てわかるマップ作りって本当いいよねぇ。

 

立札や回答集など、明示される形でのヒントは少なめなので、ハッと気づくまで時間がかかるところもありはしました。けれども古文書の取得は容易なので、解読して読んで意味にさえ気づけば、かなりの数の回収ができるように作られています。

どどんと解答を乗せるのではなくて、主人公のみならずプレイヤーも解読して探索しているこの感じ、シンクロ感がとても気持ち良い作品でした……!!

 

余談ですが、BGMもどれもオシャレで雰囲気に合ってます。コーラス入りのあのBGMが、マップの堅苦しさと設定の息苦しさもあわせて、狂信的な神秘さを感じさせて大好きです。

 

 

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

 

他にも隠しフロアや隠しボス、カリスの細かな反応の変化、敵によって異なる動きやオートバトルと手動バトルの使い分けなどなど、良点は盛沢山。

 

まとめて言えばありていですが、かなり丁寧で完成度が高いです。

短編といいつつも、どっぷりと浸かって楽しめた一作でした!

 

クーデレ、探索ゲー、中二設定、爆乳、軍人等にピンとくる方へ。

 

 

同作者様の他フリーゲーム感想記事↓

shiki3.hatenablog.com

 

shiki3.hatenablog.com

 

追記ではネタバレがっつりの感想文です。

 

 

 

 

 

ネタバレ注意。

 

 

遺構、サブ会話について

 

宿屋のサブイベント的な会話は果たしていくつ設定されているんでしょう。

持ってる遺構の三分の一くらいは会話が発生したような気がしているのですが……見逃してるだけで全部に仕込まれてるんですかね。どきどき。

 

永眠枕のイベントにはびっくりしました。気づいたのがかなり終盤だったので楽々でしたが、手に入れてすぐに気づいていたらけっこう手こずりそうな気もします。

喜々とするキースがまた、考古学者然としていて実に良い。特にボス前の会話が痺れるほど決まっていて、彼もまともそうに見えてなかなかにこじらせている人なんだなあと思わされました。でも実際嬉しいですよね、考古学者としては。

 

使っていて面白かったのは遠隔通話機

あれ、ひょっこりと隠しボス?さん混ざってますよね。本人と未邂逅の状態で初めて聞いた時吹き出しました。想像以上にはっちゃけた性格でいらっしゃった!

かなりバリエーション豊かなのも凝ってて良いです。

 

感心したのは不真実の鏡

私は常に罠発見機を装備して走り回っていたので、これまた気づいたのはかなり終盤だったのですが、これさえあれば貴重なアクセサリー欄をまるまる二個使えたんですよね。早めに気づけばよかったー。

こう、仮に取り逃してもいいように探索における解法が複数存在するのはそれだけでわくわくしてくるなあと思いました。他の人のプレイングも気になるところです。

 

他にも、脳幹移植系や、人体実験、少年少女兵等の設定は鬱ながらいわゆる性癖的なところがあるので、読んでいて大変好みでした。

 

 

 

バトルについて

 

カリスに頼りまくってたら怒られてしまったのは良い思い出。

状態異常の強さに気付けるかどうかで難易度がかなり変わる気がします。

卵&バール最恐。

 

試しはしなかったのですが、やろうと思えばルキュを屠ることもできるんでしょうか。それはそれで今後が不安になるところですが、ルキュを入れる入れないでの分岐やカリスを連れる置いてくの分岐がけっこう細かいので、できる気もします。

でもルキュ殴るのやだあああ。

 

余談ですが私はカリスのぱっと見ラバースーツや隠し(?)キャラの下乳や隠しボスの血濡れハートマークより、ルキュの下腹部の金属的な装飾のほうがエロスを感じます。とんでもないキャラデザですよね。大好きです。

 

カリス殺しにはもっぱらキノコを使いましたが、そこ以外の穴場ってあるんでしょうか。すっかりカリスと仲良しだったので、彼女の言葉の逆を取れば効率的に刺せるということに気付かず、初めのうちは黙々と竜に挑みボロボロの体で殴り勝ちしてました。知性とは!

 

 

 

エンドについて

 

ノーマルエンドかな、月光とカリスが美しいあのエンドに行くのが一番歯ごたえありでした。

カリスを倒したら当然好感度が下がるということに気付かず、バトル前はにこにこ顔だったのに戦闘後はバッドに行くのでおかしいなあと首をひねってたんですよね。数日いちゃいちゃ(回復)(酒)(雑談)してたらすんなり行けました。時間を惜しんでごめんよぅ。

 

でもやっぱり好きなのはトゥルーエンドです。あの一枚絵がめちゃくちゃかっこいいですよね! 考古学者冥利に尽きる環境……羨ましい!

タイトル画面の背徳的なスチルも好きですが、あのエンドのスチルもかなり構図がキマってて素敵です。ようこそ我が城へ、って感じなのがめっちゃかっこいい。

 

あの二人のことなので、会話も展開も淡々としてはいますが、その裏に信頼や今後の展望が見える良いエンドでした。クールキャラはお互いに対してのみならず、プレイヤーに対してもほどよい距離感を保ってくれるのが良いですよね。

 

 

 

 

目下特筆したいところとしてはこんな感じ。

二人の話はここで一区切りとしても、この世界観は継続して別作品でも見たいなあなんて。

 

思っていた矢先にカクヨムで連載されていた(今は完結済み?)小説が世界観共通だと知りました。読まねば。いやっほい。

 

 

とにかく探索と解読が楽しくて脳汁でまくりで気持ち良かったです!