うそうさ〜第二号室〜

フリゲ!鬱展開!ヤンデレ!万歳

GW・短編乙女向けフリゲ6作感想

「疾走しては噛み切れない、咀嚼していては食べきれない」

それでもせっかくならじっくり味わいたい前置き。

 

 

えー、今回は、短編乙女向けノベルゲーをぱぱっと6作取り上げて感想文を書いていきますね。一部レビューっぽいかも。相互に関係性はなく、作品の雰囲気も別々です。

ではさっそく。

 

 

ニカ・トラジディー』(ギャグ・ツンデレ×クーデレ)

 

攻略対象は照れ屋なツンデレ、ヒロインはクーデレな敬語キャラの師弟もの。

ヒロインがなかなか動じないので淡々とした印象ではありますが、その分師匠が照れまくってくれるので終盤は甘さありの微笑ましい恋愛っぷりでした。

 

一番の特徴は難易度選択があること。

ノベルゲームなのに難易度?と思われるかもしれませんが、この謎はEASYまたはHELLが解放されればわかるはず。なるほどこういう意味か、とくすくす笑わせて頂きました。唐突なヤンデレルートもシリアスな笑いが漏れる感じで面白かったです。

 

作者様恒例の眼鏡モードも搭載。

立ち絵だけでなくスチルやエンド絵にまで眼鏡が反映されていて、細やかなオンオフ対応に感動しました。ヒロインちゃん眼鏡似合うなあ。

 

一か所あげるなら縦長テキストウィンドウだとどこからが台詞でどこまでが心情描写かわかりづらかったくらいでしょうか。でも、心の声を漏らしてるシーンが多かったのでこれはあえての仕様かもしれません。何より美麗な立ち絵がドアップで見れるので、これはこれで!

 

クールに押せ押せなヒロインやツンデレ好きさんにオススメの一作でした。

 

 

 

七夕姉弟の話。』(ほのぼの切ない・姉×弟)

※記事執筆現在・公開停止中

 

知る人ぞ知る姉×弟モノの大御所が作成された短編乙女向けノベルゲー。さくっとプレイできる10分ボリュームにお互いの執着心と背徳的なシチュエーションがぎゅっと詰まった一作でした。

 

文章表示の特徴が掴めるまでは、その台詞がどちらの台詞なのか少し迷ってしまうかも? でも登場人物も多くは無いし、基本は二人のベタベタドロドロラブラブな掛け合いが続くので十分補えます。

 

キラキラ透き通る背景と、夏場の蒸し暑さを連想させる夜の濃密さ、このギャップがぐっときます。選択肢も含め、“お互いが唯一分かり合える”という点に深い依存が感じられるのもグッド。

 

近親相姦にピンとくる方向けでした。

 

 

 

Vampire or ……?』(現代ファンタジー・兄、幼馴染、人外)

※作者様の公式サイトは停止中?広告?スパム?注意。

 

勝ち気で元気なヒロインが、ダンピール(吸血鬼と人間のハーフ)や前世の縁者やお兄ちゃんと一難乗り越える乙女向けノベルゲー。イラストに見覚えがあってDLしたのですが、シナリオ担当さんとイラスト担当さんは別です。

 

マイナスに感じたのは、世界観が薄く超展開ぽく見えてしまったところ。

モノローグに吸血鬼の話があるとはいえ、冒頭も登場人物の名前も現代日本的なので、当然のようにエクソシストや悪魔が出てきて戸惑いました。導入を教会から始めるみたいに、もうちょっとヒロインの背景事情をにおわせてから進んでくれると飲み込みやすかったかも。

あとダンピール・ベリアルと来て烏天狗かーいというツッコミもあり、舞台設定は薄めです。
ユウイチ君の前世云々と呪い云々ももうちょっと演出とシーンが欲しかったなあ。

 

一方満足した点として、病み糖度は高く、傀儡化や言霊遣いなどダークに萌えるシチュエーションも多め。ヤンデレがたっぷり味わえたのもベリーグッドでした。

そしてお兄ちゃん! 堅物お兄ちゃんの敬語オンオフがさりげなくめちゃくちゃツボでして、あそこでお兄ちゃんへの好感度が勢いよく急上昇しました。常に元気なヒロインが萎れたりおどおどしたりするのも彼のルート限定で、身内だからこその違いを感じられたのも良かったです。

 

ヤンデレ萌えができれば細かいところは気にならない人向け。

 

 

 

spell』(異世界ファンタジー・双子・裏表展開)

事故で異世界から呼ばれてしまった短編乙女向けノベルゲー。双子キャラに釣られてDL。

無個性ヒロイン・ルートに入るとほぼ会わなくなる攻略対象・気づけば……等々の王道的な要素をしっかり押さえてあり、物語はとてもロマンチックに進み、「めでたしめでたし」と添え書きをしたくなるほど唐突に終わります。

 

いやあ、シナリオが、上手かったですね!

プレイヤーが疑問を抱けるような演出が凝らされているのも感嘆の一言でした。気づかないままで終わる可能性がもちろんあるのも、また恐ろしくも絶妙な匙加減です。エクストラで解放するかしないか選べれるところも親切。

色々見終わってからだと、ラストの「好きでいる限り~」って前置きにも思うところができますね。好きでなくなってしまったら。

 

ただ、エンド2+αの+部分があれで終わりだと判断していいものか少し悩んだところがありまして。締めにもう一手、後日談とまでは言わないものの一言何かあればいいなと思いもしたのですが……物語の構造上それがかなり難しいこともわかります。ある意味、徹底されたシナリオ作りと言ってもいいのでしょう。

根幹の設定等も惹かれるところがあり、双子の切っても切れない陰陽の感情にたまらなく萌えるものを感じました。

 

王道と思っててっきり油断した、かなり巧妙な一作です。

 

同作者様の他フリーゲーム感想記事の代表作↓

(グラフィック担当様)列挙すると多くなってしまうので右柱検索フォームから「へもへも」様で検索をどうぞ。

 

 

 

闇に暮れる』(現代日本・因習村)

 

分岐多めの乙女向け和風ノベル。立ち絵無し・スチル有りの全画面文字表示な形式。

彼氏の実家の片田舎へ行ったら儀式に巻き込まれた、というのが導入ですが、まず既に主人公が付き合っている状態から話が始まるのが新鮮だなーと感じました。

 

一番の見どころは雰囲気づくりの上手い文章力だと思います。

儀式において一部トランス状態に入るのですが、その描写が淡々としていながらもどこか神秘的で、彼岸と此岸を強く意識させられます。静かで神がかり的な世界観を作り上げているのは本当に素晴らしい点です。

 

一方で合わないところもありはしました。

物語の真相や彼氏の事情など、一部の謎の答えは一応どのルートでも察せられる程度に置いてはあるんですが、特定の選択肢に辿り着かないと明言されないんですよね……。しかもそのシーンをスルーして全エンド回収できてしまうので、ようやく物語の全貌を把握できたのは既読率100%になったころでした。

主人公はそのあたりの謎を自分の衝動で片づけてしまうので、特に序盤の真相エンド(結末弐や六など)はプレイヤーとしては置いてけぼりになっちゃいましたねぇ。せめて文さんとの話は強制共通ルートに入れてほしかったです。

 

といっても、真相がある程度隠されていること自体は良くてですね。

例えば結末零、初めて辿り着いた時は勿論彼女を指していると思っていたので、ある程度他の結末を見てからは違う意味に気付き、二重にぞっとさせられました。本人が語りすぎず、スチルと数行の描写でわからせるのも上手いです……! 

 

細かなところでは、PC時間によってヒントのコメントが変わったり、エンド分岐のみでなく小イベント分岐まで管理して既読率の表示が合ったりするところ。特に前者は休日の早朝を狙って起動してみるなどして、本編ではお話する機会の少なかった彼とちょっとした会話が楽しめました。

 

と、こんな感じで、和風儀式ホラーちっくな乙女ゲーでした。

 

 

 

シュレディンガーの白い箱』(切ない・雰囲気重視)

 

当サイトで何度か取り上げさせて頂いている、晴れ時々グラタン様の作品。こちらのサイトの作品はどれも雰囲気が良くて、ちょっと不思議な世界観と合わさってとても素敵です。

ジャンルはノベル、プレイ時間は30分もかからないくらいの短編。

 

淡々とお話が綴られていくのですが、その中にこみ上げてくるものがあって、ラストではたまらなくなって泣いてしまいました。ゲームというより、幻想的な小説を読んだような気分です。

 

シュレディンガーの葛藤と、歪んだ愛。彼女の寂しさと人恋しさ、そしてラストの諦めたような優しい言葉。琴線に響くどころか、かき鳴らされるかのような、良い作品でした。プレイ自体は数年前にしたのですが、今でも思い出して再プレイするくらいお気に入りです。

 

鬱くしい話がお好きな方は是非。

 

同作者様の他のフリーゲーム感想記事↓

フリーゲーム「雪葬」感想

フリーゲーム「WHITE ENIGMA」感想

フリーゲーム「昼の国、夜の国」「今日は魔界もハロウィンです!?」感想 

フリーゲーム「おとぎ話屋」感想

 

 

 

と、こんな感じで。

一部公開停止作品も取り上げてしまい申し訳ないのですが、ちょうどゴールデンウィークでもあるので一気に書かせて頂きました。

 

粒ぞろいの中でも特に『spell』は印象に残る作品でしたね~。

色々な意味で、こう、上手かった! 私のブログに慣れている方(?)なら安心しておススメしたい一作でした。