「魔王別に本気じゃないし!勇者とか一捻りだし!お情けだし!」
よしよししてやりたくなる前置き。
えー、今回はみずのみばさんところのフリーゲーム「Wish Disproportionate」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。
実は先に同作者様の次作「キャンディリミット」のほうをクリアしていまして。そちらのあとがきにこの作品のことがちらっと語られていたのでプレイしてみました。結果、もちろん知らなくても支障はないけれど、知ってるとネタが1cm補完できるくらいな割合かなと思います。
ジャンルはRPGとありますが、私のプレイ感覚だとADVな印象。さくっと一本道な短編です。
というわけで良かった点など。
ぼかしてはいるつもりですがネタバレ注意です。
味のあるランダムコマンドバトル
戦闘のチュートリアルは一切なし、回復すらなし、やってわからせる脳筋仕様のなかなかに尖ったシステムです。
といっても、雑魚敵全てを倒そうとしない限りは詰まない難易度のはずなので、ある程度試行錯誤して慣れる余地もきちんと残してあります。画面もシンプルなのである程度ルールも察せれるつくりです。
そして、ある程度わかってきたところで挑みかかるラスボス戦がまた熱いこと! キー操作も合わせて盛り上がりがすさまじかったですねぇ。
いかんせん難点もあって、バトルに時間がかかるところは気になりました。キックや敵モーションなど、近距離系の技はもうちょっと移動を早くしてさくさくバトル感を出して欲しかったかなという気持ちです。ランダムコマンドの関係で待ちターンも出てきがちですし。
といってもやっぱり短編なので、序盤は気になるかな、くらいのもの。
強技は演出もド派手ですし、ドット絵のマオウちゃんが動き回るので見ていて楽しかったです。パートナーがいる時といない時とで会話にバリエーションがあるのもにこにこしました。
バトルコマンドの名前も良いんですよねぇ。
「カッコイイポーズ」「マオウ☆パンチ」「そして、宇宙へ……」などなど。見ただけで納得いくものから、なんぞこれと思わず手が伸びてしまうものまで多種多様です。
おそらく殺る気の%で発生率が変わってるんですよね。個人的に「おひるね」はレアな気がします。癒されました。
一本筋でまとまりのよいストーリー
クリアして真っ先に感じたのは、このお話の主人公は二人なんだなあということです。
ファンタジーな世界観を構築しつつも設定は最低限に抑えて、ラストに向けて必要な情報が全て回収できるストーリー構成だったように思います。飲み込みやすく、のめり込みやすく、そして驚きもあって熱い。短編らしい良いまとまり具合でした。
おしまいがすっきり爽やかなのも、作品全体の明るい雰囲気に合ってて良い感じ。
思い悩みをぶっ飛ばすな脳筋マオウちゃん
魔王様を名乗りはするものの、つい「ちゃん」付けで呼びたくなる主人公です。コミカルな会話がまたかわいい!スカッと明るい主人公ってやっぱり元気が出ますよね。
とまあ、こんな感じで。
普通にプレイすればシリアスと笑いとが交錯する友情物語なんですが、ついつい百合として見たくもなる、かわいい女の子二人の世界征服ゲーでした。陰陽CPはいいものだ!
熱い友情物語、オリジナル戦闘などにピンとくる方向けの一作です。
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