うそうさ〜第二号室〜

フリゲ・鬱展開・ヤンデレ 万歳!

フリーゲーム「Green Tea」感想

「君と素敵なものを見よう、敵意の魔物がいたとしても」

本人が平和主義ならあんがい明るく回る前置き。

 

 

えー、今回はGreen PochetteさんところのフリーゲームGreen Tea」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

お茶なホムンクルス猫と、錬金術師の女の子のほのぼの道中。ツクール製の読むだけ一本道ノベルゲームです。プレイは30分ほどの短編。

 

 

というわけで良かった点など。

 

ツクールの表現を生かした演出

 

序盤こそ一枚絵の背景と立ち絵表示でADVのような見た目でしたが、ところどころでドットマップを入れ込んだり、スチルが入ったり、メッセージウィンドウが出てきたりと、かなり多彩な見せ方をしてくれる作品でした。それでもなんとか分類するなら漫画ちっく?

遺跡のマップとかめちゃくちゃ綺麗なんですよねぇ。マップチップで植物に雫がついてる感じとかあちこちから光が漏れ込んでいる感じとかが伝わってくるんですよ。あのマップいいなーと思います。自分でも動かして探索してみたいなー、なんて。

 

 

二人の想い合いがよく伝わる会話

 

おっと思ったのが、二画面に分かれて二人の心情がわかるあのシーンです。既プレイにしか通じない書き方だ。

序盤はコミカルな会話が続くんですが、言葉の端々やちょっとしたシーンから二人の想い合いがよく伝わってきます。言葉にする時もあるし、しない時もあるけど、いつだってお互いを大事にしている……そんな相棒関係に心癒されるシーンが多かったです。

 

 

 

不穏な要素をちらりと見せつつ、ほのぼののんびりする話

 

作中、ちらっと赤色が出てきたり、村が被害にあったりと、ちょこちょこシリアスな要素は出てきます。ハル自身ものんびり楽しく調査をするだけの子ではないようで、モノローグでは色々と重たいことを考えていることが察せられるシーンもあります。

でもそこはチラ見せ程度で抑えられ、やっぱり全体的にはほのぼののんびりストーリーです。そのぶん、色々と深読みや妄想ができて、もっと二人の話が見たくなる作品でもありました。

勇者でも無謀でもない、誇りを持った錬金術師ならではのお話が見れるのも良かったですねぇ。

 

 

 

旅の途中を覗き見るようなプレイ感

 

作中ではハルの発明品や錬金知識がいくつも飛び出してきます。

説明は詳しい理論体系がどうというよりは、ゆるーく研究好きなのがわかるかなというくらいのレベルに落としてあり、「好きなものをいっぱい調べたい!」というハルの気持ちが生き生き伝わってきました。

そして、これらを通じてハルとにゃんちゃが普段どんな調査をしているのかなというのもぼんやり想像できるつくりになっています。

 

本編自体も起承転結というよりは、一つの事件を通じて、二人のキャラクターと普段の生活を覗き見るような感じ。ハルのホムンクルス云々の気持ちや、にゃんちゃの製造経緯についてはまったく明かされませんが、二人の歩んできた道はどことなく察せます。

キャラクターの関係性を想像していきたい方や、番外編、短編連作物の雰囲気が好きな方には合うんじゃないかなー、なんて。

 

 

 

 

難点としては、

 

・セーブまでの間隔が長い

・ノベルゲーム的な機能が備わっていない

 

ツクール製という時点で見るゲと考えればここは黙って飲むべき点かとも思いますが、一応。オートや文章表示速度変更、バックログなど、ノベルゲーらしい機能はありません。

といってもまあ、短編なのでね! ツクール製だから仕様だよ、くらいの話かなと思います。

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

錬金術師の女の子な設定や、ほのぼの信頼感のある二人の物語、先を想像する楽しみのある短編などにピンとくる方向けの作品でした。

 

 

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