うそうさ〜第二号室〜

フリゲ!鬱展開!ヤンデレ!万歳

フリーゲーム「ドブネズミアクターズ」感想

「罵倒暴言ブーイング、親指落としてフィナーレへ」

拍手喝采より馴染みの良い前置き。

 

 

えー、今回はSuGicomさんところのフリーゲームドブネズミアクターズ」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

ちょっとしたアクションと謎解きを含む、選択肢ありエンド1つADV。登場人物全員が悪役という、イリーガルアンダーグラウンド万歳な一作です。

 

というわけで良かった点など。

 

スタイリッシュなカットイン

 

語るべき筆頭は演出・ビジュアル面!

とにかくやることなすこと全てがスタイリッシュなこのゲーム。

ボタンを押せばカットイン、

一枚絵はセンスの塊、

セーブ画面すらオシャレに決める!

どこをとってもクールでした!

この演出の凄まじさ、ゲーム開始30秒ですでに味わえます。はんぱない。あまりにかっこよすぎて一度セーブして息を整えて起動し直したくらいにはハイクオリティです。

 

初見の驚きだけでなく、後々こう、ものすごく、痛いくらいの演出として襲い掛かってくるのも素晴らしいところですね……。好きです。

 

条件を満たす必要はありますが、クリア後にスチルや立ち絵の見直しができるところも嬉しいポイント。特に各キャラのアイキャッチは並べるとキャラの魅力倍増です。

 

 

悪が悪を討ち悪が謳歌するゲー

 

前述の通り悪役が全員悪という徹底っぷりも必見です。

それもいわゆる御伽噺的なダークヒーローではなくて、チンピラ盗人噛ませ役夜の蝶等々、サツの目を盗んでチャカ持ってカチコミかけるような世界観での悪役です。

ヤクザ! ドラッグ! 悪は悪! クズはクズ! 他人の命は無関係! この思い切った突き抜けっぷりが非常に斬新で楽しかったです。

 

いやもうあのOPからしてフルスロットルなんですよね。初見プレイヤーはきっと置いてけぼりになることでしょう。でも、この勢いがまた良いんですよね! 

マイペースに進むキャラ、淡々と流れていく(わりにウィットに富んだ言い回しをする)チュートリアル、そして勢いに飲まれながらおもむろに操作を始める私。初めの第一歩から「合う奴だけがついてきな!」という熱いメッセージ性を感じました。好きだぜ。

 

 

過去を臭わせつつさらりと終わるコンパクトさ

 

さて、かなり濃密なこのゲームですが、実際のプレイ時間は1時間弱でした。それでも彼ら、印象は強烈です。

 

本当ありがちな書き方になっちゃうけども、個性的でキャラが立ってるんですよね!

暗い過去を明かして深まりを出してくれるキャラも居れば、説明無しで有無を言わさず魅せてくれるキャラもあり。作中で全てを語り切るのではなく、本筋に関わらないところは雑談としてバッサリ斬り落とされている潔さも良かったです。

いっそ続編、あるいは同キャラのスピンオフとか期待したいなあ。

 

言ってしまえば暴走機関車めいたキャラクターばかりなんですが、それでもすっきり楽しくプレイできたのは、キャラの動き方が爽快だからかもしれません。

確かにどのキャラも一枚剥ぐとかなりどろどろしていそうなんですが……。皆、めちゃくちゃやって誰かが死のうが誰かが倒れようが、マイペースに“やりたいように生きる”で一貫しているところが本当、素晴らしかったです。

 

わざわざ肯定する必要もなく彼らは彼らとして生きているだけなので、悪人賛歌ですらないんですよねぇ。間接的に大事件が起こったとして、キャラ達の人生や考え方は一切変わらない、非日常に見えるけどあくまで日常の一ページ……そんな感じ。

 

そんなわけで、キャラクターが生き生きしているゲームをやりたい!という方には全力でおススメしたいです。

 

 

ウィットに富むパワーワードの住人達

 

見どころはキャラにとどまらず、システムメッセージからアイテム欄、モブの皆さんの会話に至るまで、とにかくそこかしこ至るところに小ネタが仕込まれています。

 

モブの皆さんのセリフに名言が多すぎるんですよ……! 何度噴き出したことか。

どのセリフもTwitterでバズりそうという印象が強かったので、たぶんパワーワードの類なのだと思います。これらがただの賑やかしで終わるのではなく、天使パートできちんと鍵になるのも面白いところ。

 

物語の構成もそうなんですが、無駄が一つもないんですよねこのゲーム。実装されているからにはどこかで使える、出てくるからにはどこかで役割を持ってる、そんな感じ。

アクタがコンテナで八つ当たりするシーンが自然と、物を押すと動かせる説明およびチュートリアルになっている流れに感服しました。

どこをとっても綺麗にまとまってるなあとしみじみ思います。

 

 

さくっとアクション、お手軽コンティニュー

 

スリや倉庫整理パズル、やくざの目を盗んで行動などなど、随所でミニゲームっぽいアクション要素が挟まれます。特に隠れて進むシーンは、相手の探知範囲がかなり広めなので、油断してるとうっかりゲームオーバーになるかも。

といっても、ゲームオーバーでのデメリットはほぼほぼありません。即コンテニューができるので、ストレスも無くさくさくリトライができます。

私はアクションかなり苦手なのですが、アクタ特有のコマンド「スリの集中力」が時止め機能にもなっていることに気づいてからはまあまあ余裕をもってクリア。なのでアクション要素で躊躇っている方も、ちょっと軽くやってみたら案外すんなりいけちゃうかもしれません。お試しあれ。

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

 

伏線が綺麗に繋がる群像劇を楽しみたい方、

ヤクザや誘拐事件などのサスペンス要素も好きな方、

細かいことは置いておいてタイトル画面の悪役たちにぐっときた方、

とりあえず短編なのでさくっと手をつけてみることをおススメします。

 

 

 

追記では軽いネタバレ感想をちょこっと。

 

 

同作者様の他フリーゲーム感想記事↓

shiki3.hatenablog.com

 

 

 

 

ネタバレ注意

 

 

 

天使

 

天使のあの選択肢がやっぱり印象的でしたよね……!

無駄な抵抗を試みてロウソクを延々垂らしたりしていました。だって、だってなぁ……!

傍から見るとそれは違うぞって言いたくなるんですが、じゃあ現実問題として金はどうするんだ云々、×××の考えを否定しきれないのが何とも言えず、鬱展開で好きでした。

 

 

アクタ

 

アクタみたいなキャラは作ろうと思って作れはしないと思う(変に賢かったり馬鹿を強調しすぎて妙な荒が出る)ので、もし狙って作ってるのなら作者様はものすごくバランス感覚が良いと思います。

はたらくくるま、のインパクト力すさまじいですよね。

楽しかったのは組の輩とアンジャッシュコントをしているシーン。

1万×1万のくだり、たぶんアクタ君的には1万×2(倍)って言いたかったんですよね! この辺りのズレが本当上手くて笑いました。すごく好き。

 

天使とコンテナにいるところでちらっと過去は覗けるものの、さくっと省略された詳しい過去も気になります。子どものままで成長が止まってる? 大人になろうにも身近な大人という存在がいない?

スリはするのに本屋さんではお金を出す、というのも彼独自の理屈が働いていると思うんですよ。もしかしてスリ行為自体、「ひとのものを取っちゃダメ」って教わったことが無いからやっているだけなのでは……? 犯罪という認識がなくてただ大人に邪魔されるからばれないようにやってる、みたいな……。それで「お店ではお金を出して物を買う」ことは教わったことがあるから実践してるみたいな……?

深まる謎です。

 

悪人なんだけど悪く思えない、良くないやつなんだけど距離を取れて眺めている分には応援したい感じ。ダークヒーローとも異なる、良い具合にズレてるキャラでした。

 

 

メズ

 

メズさんは初め、元男がなんとかしてヤクザと共倒れせず生き抜く術を考えた結果性転換して魔性の女化したのかなと考えていたのですが、それだとそれこそ天使みたくお金が足りなくなるのかな……? 子連れ狼の報酬は手元にあって、整形ついでに性転換、というのもありかもしれないと思いつつ。

スタンダードに俺っ娘だった説も否定はしない所存です。