うそうさ〜第二号室〜

フリゲ・鬱展開・ヤンデレ 万歳!

フリーゲーム「Flavor of C'Lover」感想

「薔薇百本より好き百回」

小さく長く続けていきたい前置き。

 

 

えー、今回はOtomE DeviceさんところのフリーゲームFlavor of C'Lover」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

攻略対象は七人、地道に好感度を上げてラブラブゴールインを目指す乙女ゲーです。公式曰く、経営ゲーの皮をかぶった交流ゲーとのこと。選択肢で場所を選んだり、お買い物をして依頼を受けてプレゼントしたりする、選択式ノベル?ADV?な雰囲気です。

 

というわけで良かった点など。

 

小さな好きが積み重なっていく交流ゲー

 

キャラとの会話がめちゃくちゃ多いゲームです。バリエーションが豊富で、好感度によって、季節によって、状況によって、等々かなり細かく設定されています。さらに攻略対象が多いので、ちょっと移動するだけでも色んな人と出会ってお話ができます。

会うたびにニコっと笑いかけてもらえたり、そのキャラのちょっとしたエピソードや価値観がわかったり。仲良くなってくると、明日も明後日も会いたいだなんて口説かれちゃったり、倒れたら心配してもらえたり。

 

細やかにさりげなくあるいは大っぴらに好き好き言ってもらえる!

これぞ乙女ゲー、これぞ明るい愛されゲーですよ!

私なんて単純なもので、好きって言われたらころっとときめいちゃうもんですから、もうすぐさまドハマりしました。ヒロインの反応の選択肢が基本三つあるのも嬉しいんですよね。一度見た会話も別の選択肢を選びたくなっちゃいます。

 

もちろん、キャラごとに大きなメインイベントもあるのですが――やっぱり個人的には、小さな会話が積み重なってどんどん好きになっていくゲームだなあと感じました。

 

 

七股可能の総愛されプレイ

 

そして驚くことにこのゲーム、七股可能です。

というより、複数攻略のデメリットが無いと書いたほうがいいのかな?

二人の攻略対象のうちどっち寄りの選択肢を選ぶか迫られることはあります。ですが選ばなかったからと言って機嫌を損ねられるわけではなく、多少の反応の違いこそあれど好感度は保ったままです。

 

そんなわけで「総愛されゲー」が徹底されているなあと思いました。

なんだろうな、モブに嫉妬したり横恋慕に苦悩したりすることはあっても、ゲームシステムとしてのマイナス要素は徹底的に排除されてるんですよ。これがすごく有難かったです。プレイしやすい、コンプしやすい、素晴らしい。

 

私はブログ説明文の通りヤンデレやドロドロ展開が大好きなので、嫉妬でぐずぐずになったり好感度が下がって冷たい態度を取られたりするのも好きですが、そこはそれ。

このゲームは「明るくて前向きな好き」で押してきてくれる作品なんだなーと思いました。思い悩むことはあっても、皆最後は笑顔で好きって言ってくれるとこが素敵!

 

 

せっせと集めるお金と好感度とステータス

 

基本的には、依頼を受ける→お買い物→料理する→お届け→会話→デートって感じで毎日過ごしてたんですが、これがなんかもう延々と続けられちゃうくらい楽しかったです。

やっぱり会話分岐がべらぼうに多いのが良いんですよねぇ。誰の依頼が来るのかわくわくしましたし、好物を狙いながら試行錯誤するのも楽しかったですし、街をふらついてる間に人と会いまくるのも賑やかでしたし。何か行動したらすぐ誰かと会える、毎日同じようでちょっと違う感じが好きでした。

 

毎日ステータスが1ずつ減っていくというのも、重すぎず軽すぎず良い縛りになっていた気がします。好感度・ステータス・お金の三つを軸に、ゲームの進行度に合わせて高めたいものが変わっていく感じ。この、色んなことやってる感じって経営ゲーならではでいいですよね。

お金が余ってきたらある程度ドーピングできるのもありがたい点でした。メガネを溢れるほど買いまくった思い出……。

 

 

ファン大歓喜の回想機能

 

一番主張したくて一番嬉しかったのがここ!

回想機能です!!

好きシーンのセーブデータ取ったりスクショ集めたりする、私のようなゲーム好きにとってはご褒美のような機能です。ありがとうありがとう。

メインイベントだけでなく、細かなデート会話やエンディングまできっちり回想に加えてくださっているのが本当に嬉しかったです。もう、わかってらっしゃる!

また、全クリ後は後日談が解放され、実質的にクリア後のおまけ要素として機能しているのも上手いところ。

 

 

季節を感じる衣替え

 

種類豊富なのは何もテキストだけではありません。経営シミュレーションには欠かせない、季節の変化と衣替えがあります。

ファンテンの夏立ち絵がめちゃくちゃかっこいいんですよ! 惚れざるを得ない! カルバドスのさりげないオシャレさんっぽさも素敵でした。さらにはヒロインにもしっかり外見が用意されているので、メニュー画面が実に華やかです。

お誕生日の設定もでき、新年やバレンタインなどのイベントも豊富。季節ごとに列車での行き先が変わるのも、広い世界を感じさせてくれて魅力的でした。

 

ただ難点もあって、カレンダー等が無いのでいつイベントが起こるのかわからない点や、オリジナルの月名を使っているので今どの季節なのかがわからない点はやや不便。

でもお祭りイベントは大好きです! メニューでもらえたアイテムが確認できるのも、思い出アルバムって感じがして見るだけでわくわくできました。

 

 

惜しかった点

合わなかったところや惜しいと感じたところ、大半はシステム面ですね。挙げると以下の通り。

 

・数値が一目で確認できない

 ステータス表示がクローバーだったりコインだったり、演出自体は好きなんです。

 が、数値が条件になっているのでぱっと視認できるとよりプレイしやすかったかなと。

 

・シーン切り替えがゆったり&移動に距離がある

 特に序盤や終盤、作業ゲー率が高まるとスキップ込みでも長く感じました。

 また、虫眼鏡マーククリックでのジャンプ先に登録されていない移動先がいくつかあり、特に駅とアジトが遠く感じました。距離感を演出されているのかもと思いつつ……。

 でも移動スキップ機能が実装されているだけでも本当に助かりました。

 

・会話条件がわかりづらい

 ここはやり込み派故なので、こう、申し訳なくもあるんですが……

 季節限定、(たぶん)ステータス値条件の会話もいくつかあるので、未開放の会話の条件が見られる場所があるとより楽しめたかなあと思いました。

  

と、列挙してしまいましたがこれらもハマってしまったからこそのポイントです。これだけ色んなことができるゲームだとなおさら、求めるところもつい多くなってしまいがちですし。

なにより、キャラがめっちゃいいので!会話分岐も良いので!! もうそれだけで百点満点なので! そこは熱く主張させてくださいね!!

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

 

ファンタジーでゆるいカフェの雰囲気も、バリバリ戦場に立つブラックな設定も味わえつつ、まったり愛されまくる明るい乙女ゲーでした。

追記ではネタバレがっつりで各キャラの感想など。

 

同作者様の他フリーゲーム感想記事↓

shiki3.hatenablog.com

 

 

 

 

以下はネタバレ

 

 

 

 

やり込み要素について

 

台詞回収熱かったですねぇ。

セオドアの王城二つ目と、オリガのカフェリコリス二つ目!

これだけ埋められなかったんですよー!悔しい。

初めはセーブロードで現実時間換算で1週間ほど粘ってたんですが、新年祭などの時期限定イベントを回収するためにロードなしで進めようと方向転換しまして。ただその後、ステータス上げとお金稼ぎをさぼったせいで真面目度がマイナスへ。なにぶん会話の条件がわからないので、季節だけが条件ならなんとかなるかなと思い、ゲーム内換算で2年間ずっと王城でセオドアとデートし続けたんですが駄目でした。いやあ、がんばったってことにしてくれ!w

 

コンプ特典が無い=無理して集めなくてもいいよ、というメッセージだと受け取ったので、ここでいったん区切ることにしました。普段なら特典系はあればあるほど嬉しいものですが今回は逆に無いことがありがたかったです。

台詞の回想機能自体は本当、めちゃくちゃありがたいし大好きですしね!

エンド回想はあってもイベント回想って意外とないので、本当嬉しかったです。

 

 

キャラクターについて

 

好きなキャラトップ3は、

カルバドス・ファンテン・ルーチェ

でした!

なので以下のキャラごと感想文もわかりやすく文量が違います。ゆるしてね。

 

 

ルーチェ

 

原点かつ安心できるキャラって印象です。

エンド回収してた時もトロ剤を最後に渡したのは彼でした。

ギャグ顔が一番多いキャラでもある気が……というかルーチェって選択肢で辛辣なものを用意されることが多いですよね! 「調子に乗るな」とはw いやあ、おいしいポジションで良いなあと思います。

会話の書かれ方も彼だけ他キャラと違ってて、ヒロインがメッセージ枠外でなんかさりげなく好き勝手してる感じがおちゃめで楽しかったです。空回り漫才ふふふ。

 

犬というより舎弟気質ですよね。そのうち、何十年後?かにはヒロインにも敬語オフで話してくれるんですかねぇ。

ラキシスカルバドス、コロなどには口調がけっこう荒っぽくて、年相応の兄ちゃんって感じも味わえて◎でした。「~だよな」「~じゃねーの?」口調で話されるともっと惚れていたかもしれない……危ないところでした……。

 

[好きな会話]移動中、2回会った時のはしゃぎようにいつも和みます。満面の笑み!

 

 

カルバドス

 

もうねーーーー口調がだいっすきなんですよ。

胡散臭い商人な感じかと思いきや、内面はかなり誠実で、しかもちょこっと照れ屋さんだから誉めたら微妙にごまかしちゃうところがかわいいし、決めるところはバシっと決めてくれて漢を感じさせてくれるし。もう。大好きです。

幼馴染ズには「俺~だぜ」口調になるのもまたギャップ萌えでして。素はあっちなんでしょうね。エンドの感じ的にね。たまりませんね。エンドのセリフも、「しよう」とか「します」とかじゃなくて「して」なのがめちゃくちゃ小悪魔度最上級だなって思いました。するよ。決まってるよ。よろしくお願いします。

 

眼鏡オフの立ち絵まで用意されてるの、もう歓喜乱舞ですよね。瞳に意外と光がなくて、ちょっとこう、いつも明るくてひょうきんな彼のまた違った一面を見れた感じがしてドキドキしました。

 

[好きな会話]ブティックでのりんごの会話。すごくナチュラルで、セリフが脳内再生できそうなくらい喋ってる感が出ててよいなあと思います。「そうそ」「おそろ」好き。

 

 

詩人さん

 

一応この書き方で。

イベントの最後がロマンティック駆け巡る感じでびっくりしました。さすが詩人。

最も自由に見える旅人な彼がその実、かなり縛られた身であることや、それらを越えて真の自由を得る展開がとても上手かったです。

選択肢がなかなか私のプレイングと合わず、好感度下げまくったのはご愛敬。

 

[好きな会話]イベントで律義に窓を直しに来てくださる皆さんがすごい好きでした。吹きました。後日のルーチェの反応が気になりますね。気づかれなかったかもですが。

 

 

コロ

 

展開に反して50万取り返せないのかなとふと思ってしまったゲスプレイヤーが私になります。ごめんなごめんな……。

道化師というと怪しげでつかみどころのない印象があったので、等身大の少年なキャラクターでそういう職業という設定から新鮮でした。ツンツンしてて不愛想気味なピエロっていうのがすでに絵面として新しいですよね。鉄道での笑顔を見るに幻術中はにこやかそうですが……親しいからこそ見られる無愛想っていうのもなかなか。冷たい表情の理由がイベントにしっかり絡んでいるところも素敵でした。

 

年頃らしく鉄道にはしゃぐ一面と、人の嫌な面を知り尽くしてる厭世観とが良い感じに噛み合っていて、まさに少年だなあと思います。

 

[好きな会話]カフェでの奢る奢らない談義。うっかりお断りしてしまい、めちゃくちゃ怒られたのが印象に残っています。ごめんな……。カッコつけたいお年頃感がすごくショタを体現していてよかったです。

 

 

セオドア

 

父と息子を両方攻略できるゲームってしみじみとすごいですよね。

ちょいちょい賭博話を暴露してくれる等々、生真面目な神官さんというよりは酸いも甘いも噛み分けている大人の男の人という印象。どことなく武闘派なイメージがついて回っていたので、呪文詠唱シーンで惚れ直しました。弱いんですよねぇああいう魔法演出。

 

[好きな会話]王城の会話でふざけると、笑顔だけどしっかり好感度は下がってて思わずこちらも笑いながら姿勢を正しました。人の目や自分の立場をしっかり認識できているところが、社会にこなれてる感じがして魅力的だよなあと思います。

 

 

オリガ

 

序盤は恋愛イベントがけっこう短くてあれっ、となった覚えがあります。でも彼のキャラを知るとそうなるよなあとしみじみしました。言葉で語るんじゃなくて、態度や仕草で優しさが見えてくるキャラなんだなあっていう……。

お兄ちゃんっぽい反応をしてくれるなーと思っていたら、なるほどなイベントでした。恥ずかしながらオリガがはっきり言ってくれるまで、彼が仇敵な役どころだと読み切れていなくって、悲恋・運命どうこう後回しで感心が先に来てしまいました。へへへ。

 

[好きな会話]花園で苦笑してくれるオリガが好きです。おにいちゃん……。

 

 

ファンテン

 

無作為に好き勝手しているのではなく、彼なりの哲学やポリシーに沿ったうえで好き返ってしているところが好きです。

「過大評価が好きだ」あたりが顕著ですよね。普通の人が謙遜や遠慮で逃げ腰になるところを、まっすぐ前を見て何を躊躇うことがあるんだと突き進んでいく姿がめちゃくちゃカッコイイです。好感度の上がる選択肢を見るに、同意や追従は求めていないところも良いなあと思って、価値観が違うからこそ変化がより感じられました。

一緒に列車に乗ってくれるのも素朴に嬉しいところ。短気なだけで手間をかけること自体は嫌ってないみたいなんですよね、たぶん。あえて一緒にしてあげる、みたいな態度に溢れる好意を感じました。

 

通常会話もけっこう我が道を行く感じで楽しかったです。

「ファンテン“が”楽しく話しました」なんてもうにこにこしちゃいますよ。あと別れる時に「バイバイ」って言われるのが、子どもっぽさとか気安さとか、気を抜いたら見捨てられそうな軽さとかを感じて好きです。

独占欲と執着心は強いようなので見捨てはしないんでしょうけどね。でもお眼鏡に叶わなくなる時を考えると怖いキャラでもある気がします。そして恐れてご機嫌伺いをしようとすればするほど離れていくタイプでもある……。

 

[好きな会話]教会。これだから闇属性の人々は。好き!

月光街の忘れんぼう発言も大好きです。興味関心のステ振りが極端な人だなあと思います。会話がどれも楽しすぎる……。

 

 

ラキシス

 

彼女の好感度も設定されてるのがひそかに嬉しかったです。

特に全キャラのイベントをクリアしてからは、お金集めと気晴らしがてら彼女の依頼ばっかりうけて頑張って合法的に()好感度を上げてました。イベントこそ起こらないものの、きちんと赤いハートマークがついてくれます。やったね。

トロ剤を使ってみようと思ったのはきっと私だけではないはず。もちろん結婚イベントはありませんからねっ。

 

[好きな会話]全体的に、酔っぱらってる時のぶっちゃけ具合が元気出ます。

 

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

やり込めるというよりは、やり込みたくなる総愛されの良ゲーでした。