うそうさ〜第二号室〜

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フリーゲーム「ひとりぼっちの竜の神話」感想

「俺達がアダムとイヴなら愛の結晶が生まれるはずだな!」

さくさく子孫繁栄敬老長寿を願う前置き。

 

 

えー、今回はゆきやどりさんところのフリーゲームひとりぼっちの竜の神話」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

お話自体は一本道、収集要素はがっつりの短編RPG。気づけば一気にクリアしており、特にマップ探索の熱中度が高い作品でした。

 

 

というわけで良かった点など。

 

 

仄暗い舞台をコミカルな会話で駆け抜ける

 

主要人物は主に男女二人、仄暗い世界観で世界は緩やかに衰退しかかっている――けれど会話はとっても明るくコミカルでセクハラネタあり。同作者様の他ゲー、『AshSnow Eve』でも似たことを語りましたが、本作も近しい感じの雰囲気です。

ボケとツッコミがいい具合に入れ替わるのも飽きないところ。

私のように暗いもの好きな方は全体的に退廃としている世界観に惚れこむでしょうし、明るいのが好きな方は道中の漫才に笑いながら進められると思います。

 

 

 

ミニマムなマップと遊び心のある隠し通路

 

独自性が光るのはマップのサイズ。視点がかなり遠めで敵シンボルも宝箱もかなりミニマムに見えます。特に妖精の巣はちまちましててとってもキュート。

それでも意外なことに、かなり見やすくて歩きやすいマップなんですよね! 動線が二つくらいに絞られてるからかなあ。

行けそうで行けないところに宝箱があったり、マップの一か所だけちょっと他と違っていたり。隠し通路があるんだぞとしっかり示してくれているところも、イジワルではなく遊び心だという信頼がおけてとても楽しかったです。アリだー!!

 

 

 

集めたい探したい、やり込み要素

 

マップと併せて注目したいのが収集要素の数々です。称号、会話イベント、合成レシピなどなど盛りだくさん。道中のあちこちにこれらのイベントマークや宝箱が置いてあるので、進むばかりのダンジョンマップも目新しい気持ちで楽しく進められました。

優しいなあと思ったのは称号について。確率を狙わないといけない収集要素が苦手なので、閃き技の制覇は称号の条件から除外されていてとても心が軽くなりました。ありがたい………。

 

中でも注目したいのは会話イベント!

メニュー画面に収集度合いが表示されるので見逃していてもある程度察せられる、とてもありがたい仕様でした。さらには会話が読み返せる機能付き! こういう回想機能もRPGにはまだまだ珍しい印象が強かったので、予想外の喜びで飛び跳ねました。

緑色の!マークは妹さんの話ってことで共通なのかな? 前述の通り漫才が明るくて数も多いので、つい全部見たくなる魔力があります。

 

 

 

ぽこじゃか閃いてガンガン使う術技システム

 

術はたくさん使ってレベルを上げることで、技はたくさん使ってランダムに閃くことで、どんどん増えていく仕様になっています。普段もったいない症候群の私ですが、本作ではリソース考えずに連発して進みまくりました。

戦闘終了時に、レベルアップやら閃きやらでぽこじゃか吹き出しが増えていくのがもう楽しくって。むやみやたらと敵シンボルを全て屠るの、あるあるですよね。

 

合成で簡単に回復アイテムが造れるのも良いバランスだなあと思います。一気に10個ずつ作るなど、量産しやすいシステムになっているのも助かりました。特に私は確率閃きを信用していない人間なので、術主体で戦っていたのですが、そうなるとマナがいやあ枯渇するのなんのって。

ぽこじゃか作ってパクパク食べてガンガン進む! 

そんな二人がどことなく想像できるのも微笑ましいかも。

 

 

 

時には幻想的に、バトルでは爆発的に動くドット

 

前述に一部被りますが、ミニチュア的な見た目も伴ってとにかくマップが見ていて楽しかったです。賑やかな妖精達もそうですが、塔から続く幻想的な風景もとても好きで……。逆十字の通路を進んであの頂上へ辿り着くという設計にとてもロマンを感じます。

何より、滅びた町からオープニングというやり口がもう好きなんですよね。荒れた街路とか、割れた瓶とか、人の生活が終わって草が茂ってる感じとか、丁寧で素敵でした。

あと、エンディング、スタッフロールに入る直前の構図が本当に大好きなんです。セリフと併せて、もう、わかっちゃいるけど泣いちゃう。

 

さて、感動的な一方で、熱い絵もやり遂げちゃうのがまた見どころです。そう、バトルモーションです。他作品でかなり動き回るグラフィックを見せてくれるのは重々実感していたのですが、本作も飛び、蹴り、跳ね、突っ込み、爆発する、実に賑やかなバトルを見せてくれました。

バトルだとドットが大きくなるおかげでとくと味わえるんですよね。

演出として好きだった戦闘中会話も健在。「蒼い月が恐ろしいか」のセリフが詩的で印象に残っています。優しさに溢れた終末……。

 

 

 

惜しかった、合わなかった点

 

個人的に合わなかった点もあるので、そちらについても正直に。

  • スキル数が豊富過ぎる
  • 本編の重要キャラに愛着を持ちづらい

この二点ですね。

 

スキルこと術技については、単純に覚えるのに必死で、覚えきってしまうと実際あまり試行錯誤して使う機会が少なかったという点が少し惜しかったかなあと思います。とはいえ、すでに書いた通りどんどん新しいスキルを覚えていくのがとっても楽しかったのも確か。ここはジレンマだなーと思います。

 

重要キャラは、はい、例の後半出現する二人です。

ちょっとここ以降ネタバレ掠る気がするので要注意です。

本当に私の主観が駄々洩れるところなんですが。先に出会った方はどうしても立場上警戒してしまうし、次に会う方は仲の良さを感じる前に違った方向へと話が進んでしまったので、主軸となるはずの存在に思い入れが持ちづらかったんですね。

先に出会う方は、設定上あそこでしか出会えないのも致し方ないとしても、ラストに繋がるならやっぱり好感を抱けるイベントが欲しかったところです。お話の中途で例の話を実際に回想シーンとして挟んじゃうとか。でもテンポの良さも売りだと思うからなあ……うーんうーん。

次に会う方は、例えば住処でちらりと人影を見せてみたり兎が何故か数匹消えてどこかへ行ったり程度の伏線はあっても良かったんじゃないかなーと思いました。ちょうどあの場所って初めて到達する時は特にメインイベントも起こりませんでしたし。よね。よね?

 

しかしここの項目伏字ばかりで読みづらいですね。追記に格納したほうが良かったかも。

ともあれ、設定やOPの語りが非常に良かっただけに、惜しく感じるところでした。

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

 

後半余計にぐちゃっと書きましたが、軽妙な会話と探しがいのある収集要素のおかげでかなり熱中したのは確かですし、コンプして愛を溜めるくらいにはやり込みました。なので総括してやっぱり楽しかったです。

 

ハマれるRPG、退廃の舞台設定、暗くなり過ぎないストーリー、竜、のじゃロリ、クールな変人等々にピンとくる方へおススメです。

 

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