うそうさ〜第二号室〜

フリゲ!鬱展開!ヤンデレ!万歳

フリーゲーム「アイマス」感想

「素敵なあの子は千変万化、ならば私はどうあるか」

共に変わっていけるならそれは未来を変えることな前置き。

 

 

えー、今回はVIPRPG紅白2015のフリーゲームアイマス」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

ルートとエンド分岐ありのRPG

VIPなノリはかなり控えめで、もしもシリーズの設定も少なめなので初めての人でもプレイはできる――とは、思いつつも。某ルートの演出がグッとくるのは色んな設定を知っていてこそなので、特に餡軍周りをある程度知っている方にオススメします。

 

 

というわけで良かった点など。

 

 

一粒で何度もおいしいルート分岐

 

最も特徴的なのは、特殊な魔法具現化であるヒロインの存在です。SHIFTキーひとつで活発からダウナーまで。見た目のみならず、性格や戦い方まで変わってしまうという設定がまず斬新でした。

自由に変化していく彼女(達)に合わせて、作品のルートも5つに分岐します。各ルート、起承転結をきっちりこなしたうえでほどよい短編具合でした。私の場合はだいたい1ルート1時間ほど。どのルートも濃厚で、初回プレイの時はこれほどのものをあと4回も楽しめるのかと心躍った覚えがあります。

 

大きなルート分岐は前述の通り5つですが、イベント前の会話が軽く分岐したり、ダンジョンの攻略順によってボスイベントが変化したりと、会話分岐はかなり多めに作られています。台詞回収が捗る上に、どれもキャラがより深まって素敵なんだなあ。

 

 

 

時にスローに、時にステップで駆け抜けるストーリー

 

前述に捕捉してストーリーについてもう少し。

基本的には殺伐だったりシリアスだったり、全体的に黒の似合う雰囲気です。ですが、ただ鬱なだけだったりバッドなだけだったりするわけではないところが好印象。

 

はっきり書くと展開が好みと合わなかったルートもあるんですが、そのルートでさえもものすごく説得力があるんですよ。自分が合わないと思った感情そのものがテーマに直結すると言うか……ネタバレを隠そうと何がなんだかわからないね? 追記で語ります!

ともあれ、“四人いる中で一人だけ特別”な描写には必ず意味があり、考えれば考えるほど全てが数珠つながりでテーマに届く、とても論理的に構成されたストーリーです。

 

で、こうして書いてしまうと理屈っぽく見えちゃうかもなんですが!

違うんですよ、まずは感動が先なんです。あらゆる描写に「ヒッ」ってなったり「うわあああやべえええすげえええ」ってなったりした後に、余韻をじっくり噛み締めて、改めて考えなおすと序盤の諸々があちこちに繋がっていることがわかって、改めて「うわああああすげえええええおみごとおおおおお」ってなるんですよ!

なんか、うん、そんな感じ!

むつかしいこと置いといてテンポよく楽しめるし、じっくりこねくり回そうとしても楽しめる、かなり新鮮な味わいのあるお話でした。

 

 

 

テクニカルで休む間の無いバトル

 

さて、ストーリーも勿論ですが、RPGといえばバトルも大事。こちらの面も大満足でした。単なるバフデバフではなくかなり独自性のあるスキルが多くて、敵も直球で殴り飛ばせばオッケーなボスから、ギミックマシマシ・パズルを解き明かせな敵まで多種多様です。

状態異常の有効無効が一発放てばキッパリわかるのもすごく嬉しいところ。

 

中でもかなり斬新だと思ったのは、サザン・ベルの特性、ターンが経過すればするほどスキルの性能が強化されていくというものです。これをデフォ戦(って言っていいのかな)で組み込めるのがまず驚き。長期戦になりがちな敵が配置されているのもなかなかに構成の妙を感じます。

斜視子のエコーも使ってて楽しかったなあ。どの子も、主人公のダリルすらもそうなんですが、とにかく「変化」の多いバトルなんですよ。1ターンがどれも貴重で、敵味方みんながフルに動き回ってる感じ。

 

結論、どの子を使ってもどのボスと戦っても楽しい!

戦略バトルやバフデバフ状態異常万歳マンも一本満足な出来栄えだと思います。

 

 

 

耳と目を通して心を奪われるマップづくり

 

あと語りたいのが、ダンジョンマップ!

各マップに専用の名称がついてるんですが、もうこれがどれも素晴らしいんですよ! 行き先一覧に並ぶマップ名を眺めるだけで色んな感傷がやってきてたまらなくなります。

特に各ルートのラスダンはどれも本当、必見でして。BGM選曲、マップ作り、展開に合わせてここにこれを持ってくるという見事な噛み合い方! 普段は「ここが一番好き」と軽率に言いがちな自分ですが、この作品は本気で一等が決められない。どれも惚れ惚れです。

また、マップに分かれ道がありつつも簡明だったところも好きです。行き止まりにはなんかある、他は正規ルートに繋がる塩梅。迷子になりがちな私としては、非常に助かりました。

 

ついでに。

フリー素材曲ってこう、ついつい、初めて聞いた作品のイメージが強くなっちゃうこともあると思うんですが、この作品は有名どころの曲を使ってなお圧倒的に自作の演出として組み込めている辺りもパーフェクトでした。「あのゲームの曲」という固定観念をフラットに変えてくれた感じ。好きな曲に思い出が一つ増えた、嬉しい体験です。

 

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

 

トリッキーなバトル、感情が揺さぶられるシリアスストーリー、圧倒的な説得力と演出力のある一作、と聞いてピンとくる方には強く強く強くオススメします。

 

追記では既プレイの方向け感想文。

各ルートの感想とか考察解釈とかバトルとかです。

 

同作者様の他フリーゲーム感想記事↓

フリーゲーム「死がふたりを分かつまで」感想 

 

 

 

 

ネタバレ注意!

 

自分の考えも好き勝手書いてます。断定口調だけど全部の前置きに「たぶん」をつけてもらえると嬉しい。ツイッターでつらつら語ってるののほぼ転記です。

 

 

 

 

サイドキックルート

 

[ストーリーと思い出]

 

初回プレイ、OPの流れから彼女を選択。

大好きなブラインドがメインを張ってくれたこともあり、初期から幸先が良かったです。

当時は敵魔法具現化の位置取りがわかっていなかったので、終盤のやり取りを理解しきれなかったのが少し悔やまれるなど。でも、シャンディがラスボスにかけたあの、シンプルな台詞が心から大好きです。

ストーリーも全体的に、明と暗の中間、終始冷静だった印象。雰囲気や距離感がとても好きで、すっと頭に入ってくる感じでした。

 

 

[解釈とか考察とか]

 

一切の言い訳がなく、潔く、完璧にできているルートだなあと思います。

他ルートを全部回ってから改めて見て見ると、このルートだけ、ルート決定前の会話シーンの作りが違うんですよね。他のルートはダリルからヒロインへ働き掛けているけど、シャンディだけは逆にダリルの聞き手に回る。だから、ラストでああいう風な立ち位置で呼びかけられる。一番ダリルの話を聞いて、彼を理解した子だから。

上手いですよね、本当。これ気づいた時、どこまでも続く完璧さに、震えました。

 

ラスダンの鏡みたいな場所も、マップタイトルとBGM含めもう、一歩入った瞬間に止まって見惚れましたもん。曇りのない鏡みたいなこのマップこそが、このルートの全てを表していると思うんですよ。ダリルを映すシャンディ、自らと同じ存在に討たれるサイレンス、あらゆる要素が鏡写し。ここまで演出に組み込む手腕よ。

 

なので、完璧だと言いたい気持ちが強く……完成度が高い、ではなく、完璧。

球体の様に美しいルートだと思います。

 

 

[バトル]

 

性能面。

とにもかくにも【臨戦】が強かった! 色々装備させたほうが楽しいと知りつつ、ずっとこれを装備させていた覚えがあります。あとジェムがメイン装備を引き継ぐ仕様を失念していて、いざって時に思わぬスキルがあることに気付くなど。

序盤の二人旅時はとにかく倒れる前に倒す勢いで進み、終盤はシャンディをヒーラーとして活用してました。よくよく考えればジャンヌが経戦力高いので、ダリルとシャンディで速攻決めるのが良かったのかなあと思いはするんですが、ジェムちゃんがすごい高火力だったので。

そういえば何故かこの時ダリルをガーディアンで運用して何度かがめおべらったんですよね。なんでソドマスにしなかったんだろう……?

 

3ダンジョン目はシューニャ、つまりようじょ。

毛色の違うボスが出てきて笑いました。こういうところ混ぜてくるのずるい、好き。

 

ボス戦で苦労したのは魔術師戦かな。下手すればラスボス戦より苦労したかも。

それまで敵の残機が一つだけだったので、急に残機三つになっていたこともあり負け戦だろーと高を括っていたらしっかり撃破必須ボスでした。わあ強い。

アイテムをじゃぶじゃぶ使ってなんとか乗り切った気が、します。今でもなんで押し切れたのかよくわからない。

 

 

 

ヒロインルート

 

[ストーリー・思い出]

 

このルートに行く方法自体はなんとなく予想がついていまして。選択したモードによってそれぞれ反応が変わりつつもノーマルエンドっぽい立ち位置で無難に終わるルートなのかなーと想定してたんですよ。なので二番目に選んだんですが……。

甘かった! むしろこのルートがトゥルー……いや正規ルートを決めたくないな……でもカタルシスがある……とにかく総まとめで真髄なルート! でした!

このルートに2周目で入ってしまったのはもったいなかったかもと感じつつ、でも、あれだけの盛り上がりを用意されたらそりゃストップなんてできませんよね! 駆け抜けました!

ラスダンで用意されているアイテム、モード名、ダンジョンのつくり、全部が一本筋でスポットライトを余すことなく彼女に向けるこの演出力ですよ。好き!

 

そして、もしもシリーズの設定と繋がっていく、もっと広い世界が提示されて終わるところも素敵です。だから本記事の冒頭で「もしもシリーズ知ってる人に~」って書きました。餡軍に思い入れがある民としては感涙滂沱ですよ。

個人的にあの子はライチではなく頑なにスターライトと呼びたい。

あと「単細胞だ、故に~」のくだり、こっちが赤面しました。好き。

 

 

[解釈とか考察とか]

 

ヒロインとダリルについてはごちそうさまでした感があるので、ペスについて。

こう、カップルが用意されて、そのカップルに懐いてる子どもがいると、自然と疑似家族になりがちじゃないですか。そこを本作はきちんと切り分けて、ダリルとヒロインの話で終始完結したところがとっても、感慨深かったです。

元々私は「このメンバーで疑似家族されるとやだなあ」っていう不安が先立ってて、どうしてか考えていたんですが。私、ペスが両親に忘れられちゃったかなあって言うシーンがすごく印象に残っていまして。もしスターライトがダリルとヒロインを親代わりにしてしまったら、逆にペスが両親を忘れる側になってしまって、ペスという存在が完全にスターライトに食われて消えてなくなって、本当に忘れられちゃうんじゃないのかなあと思って怖かったんだなとわかりました。

だから、そうならなくって本当に良かった。サンキューダモン。

 

ヒカリのキセキⅢでの会話分岐も興味深いですよね。

シャンディは決して冷血マシーンではなく情も踏まえたうえであのシャンディルートでのセリフを叩きだしたのだと気づけますし。水煮とスパニも、同じお姉さんでも年代が違うことによる雰囲気の違いが出てて、しっかり個性付けができていて好印象。モモは……ここでも“女”と“拒絶”を押し出してきていて……後述しますが……好きだけどおまえそういうとこがなおまえーーーってなりました。好きだよ。

 

 

[バトル]

 

3つ目のダンジョンは星のない夜。

後々訪れるこのルート限定の「てのひら銀河」にうまく繋がるダンジョン名で嬉しかったです。

出てきた野郎も想像以上にこざっぱりした性格をしてて、気持ち良く戦えました。シャンディを使ってたので押し切れましたしね。

 

終盤は色々と皆が強いのでほぼほぼ無双! って感じでした。スターライトがやや倒れがちだったりガス欠したりしたくらいかな……。まあゆるゆるゲーマーなので縛らず遠慮なくアイテムを投げまくりました。

前線で殴れる上に回復までこなせるヒロイン、理想。

 

 

 

サザン・ベル

 

[ストーリーと思い出]

 

ワールズエンド・ダンスホール!! 入り方が最高じゃないですか? 最高。感動をありがとう。ペンライト振って大騒ぎしながらダンジョン探索しました。

直前の「月明かり照らす夜空が~」の一文が本当に美しい!

道中のスピカの境遇や、神父様の一人称変化と熱烈さもとにかくツボ。単純に萌えて盛り上がって楽しんで、そしてラストバトルで試行錯誤して一息ついたプレイ感でした。

 

 

[解釈とか考察とか]

 

一番、色んなことを考えたくなったルートです。

たぶんこのルートがないとこの作品についてここまで考え事をしなかっただろうし、このルートに初回で突入していてもあるがまま受け入れてスルーしていた気がします。だからこのタイミングで入って良かったなあ。

 

で、結論から入ると、サザン・ベルルートは「有り得ない幸せ」が書いてあるルートだと思っています。このルートが好きで思い入れ強い人には申し訳ない。

嫌いではないんです! むしろ大好きなんです!!

でも、このルートってわかりやすく異色なんですよね。

まず暗いシーンが全くない。一応スピカのシーンは暗いですが、ブラサイやシスターのように取り返しのつかない絶望ではなく、成長の過程として用意されたものだと思えます。

もしこのサザン・ベルルート単体で用意されていたのなら、この作品はそういう突き抜けたハッピーエンドの世界観でできていて、「なるほど良い話だな好きだぜ!」で終わるんですが、他ルートがあるからこそこのルートの異色さが際立つんですよ。

 

わかりやすい比較対象がヒロインルート。同じ両想いでも、あっちのダリルは朴訥としつつも優しい不良騎士として走って終わるのに対して、このルートのダリルってなんかこう、らしくないんですよね。

勿論、カチューシャと触れ合う中でダリルになかった気持ちが芽生えるという描写はとても丁寧で素敵ですし、理解しやすい流れです。でも、今のダリルのままならこのルートって有り得なかったのかなとか思い出したら止まらなくなって。圧倒的ハッピーエンドを迎えられなかった他のルートの存在自体が、そのまま、このサザン・ベルルートの反論になっているように思えてきて。

 

繰り返しますが演出はステキだし説得力があるんですよ! 踊って、騒いで、走り抜ける! 美しい、まるで虚構みたいに出来が良すぎるほどに美しい。

ただ、だからこそ、たぶん。あれは、素敵な本を読んだ後にふっと我に返るところまでを描いたルートで、あるいは美しい演劇を見た後に拍手をし終わるところまでを描いたルートで、「こういうことができたかもしれない」 という可能性だけで終わるためのルートだと思うんです。あの徹底した明るさは全部「こうだったらいいな」で留まるものであり、「こうでした、めでたしめでたし」ではない。

 

一瞬の美しい夢、いつかの可能性、そう在って欲しくてでもきっとそうならないもの、その理想の結晶がサザン・ベルルートなんだと思います。このルート自体が、演劇で幕引きをする通り。

 

 

[バトル]

 

これまた特性を読み違えて、死んだらリセットと思い込んでいました。なので初めの内はけっこういらぬ苦労をしましたね……。

リトライしまくったのが、あの無邪気なラスボスたち! 可愛い顔して、残機2辺りから来る猛攻は容赦なく、もう死神の舞踏≪ロンド≫って感じですよ。わけわからんね。

状態異常が有効なのはピンと来たんですが、残機ごとに耐性が変化する(はず)ところはなかなか気づけず、かなりの時間殴り合いました。ふふふ。楽しい。

初めは悪魔のほうを汚染してる間に天使を殴って両方同時に倒すのを目指してたんですが、バフのかけ直しやら何やらを考えると悪魔は切断と重圧入れて放置する方針に切り替えたらようやく一発でした。やったぜ。

 

 

 

トリックスター

 

[ストーリーと思い出]

 

シスターのシーン、すごかったですよね。

展開も衝撃的なんですけど、それ以上に、泣き喚いたり長文説教したりせずにブツッとシーンを区切るところが凄い。このくらいの描写が一番、痺れるんですよ。あれをしてくれる作者様って貴重です。

他ルートと比べて、対話を繰り返して互いが少しずつ歩み寄っていく構図も多かったなーと思います。

名づけがヒロインの姿を固定化する、敵魔法具現化はヒロインにとってどういう立ち位置になり得るか、などなど、基本的な設定開示がわかりやすく示されているルートでもあります。このルートを初めにやると物語理解はしやすかった、のかも。ただ個人的にはシャンディルートから入った自分をほめたいですが。

 

 

[解釈とか考察とか]

 

はっきり書くと、私の好みとはあんまり合わないお話でした。

というのも、シュシュの扱いがなんだか悔しくて、言葉は悪いけどもっと報いがあって欲しいと呪いたくなってしまうんですよね。なのでプレイ後はもやもやとして終わった、というのが正直なところ。

 

でもね、この合わなかった理由が綺麗にテーマと繋がるので、説得力はかなりあるルートでもあるんです。なので自分の感情を除いて冷静に構成とかを見ると納得はできました。

私のこのシュシュに対する気持ちって、リオ本人が序盤に言ってた「だって悪いやつじゃん」にぴったり合致しちゃうんですよね。悪いやつじゃん、なら制裁がないとだめじゃん。この気持ちはすでに作中でリオが代弁してくれているし、その後のシスターの語りがすんなりと納得できた自分としては、もう固執できない。納得しちゃったもん。だから、このシュシュへの呪いを正当化するのは違うなあと思うんですよ。

 

作者様もプレイヤーからこういう反応が来るのは想定の上であのシーンを組み込んだんじゃないかなあ。違うかなあ。違うとしても、こういう葛藤みたいなところを先に紐解いておいて、理論はOK、いざ実践とくる流れが良いなあと思います。

 

 

[バトル]

 

死ぬまえに倒せ!の単純明快さがありましたね。

初めはどうにかこうにかダリルでガードしてリオで回復しつつファイアに切り込んでもらう、みたいなことをしてたんですが、1回目のシュシュ戦で見事に詰んだので速攻パに変えました。この、回答へ至るまでの道のりがわかりやすかったのも気持ち良かったです。

 

 

 

ファムファタール

 

[ストーリーと思い出]

 

もともと私はくるくるやらぴんくへあ~やらの関係で斜視子がかなり好きだったので、斜視子と聞いて最後に取っておいたルートでした。

蓋を開けてみるといやはや、キッパリ斜視子とは異なるスタンスであると提示され、かなり動揺した覚えがあります。

でも好きなんだよなあモモ! 「シャーリーテンプル」の一言が好きなんですよ。あそこで惚れたんですよ人生わからないね。あえて離れた席を選ぶところ、人を寄せ付けない態度、もう好き。そして次のお楽しみでしたねイベントでもんどりうって倒れました。

ファムファタールね……そうね……。

 

エンドは……こう……大好きな展開である一方でこのままならなさに頭を抱えたくなりつつもこのままでいて欲しいし安易なハッピーにならなくてよかったという想いもこもごも……感情が大混乱する感じでした。良い意味で。

 

 

[解釈とか考察とか]

 

圧倒的な「拒絶」を感じる話でした。

嫌いという意味ではないです、悪しからず。むしろ好き。それを踏まえたうえで、なお拒絶を感じます。直前にやったリオルートが理解の話だったと思うのでなおさら。

 

モモ自身の態度も拒絶が多いんですが、それ以上に色んな要素から拒絶を感じるんですよ。敵は常に名前無し、ラスボスに至ってはまさに正体不明、マップ名はラスダンを除いて記号や暗号めいた雰囲気、フィリアは仲間ではなく同行者留まりで、ダリルとモモは想い合っているけどこれといった型は提示されない。あらゆるところが隠され、プレイヤーを弾き出しているように思います。

ダリル→モモのきっかけもダリルの口から語られるちょこっとの言葉で済んでしまうし、モモ→ダリルの変化も暗転や行間で察するような語り口になっているし、モモもダリルもプレイヤーが知らない間にそういう関係になっていて、もうあちこちがカーテンに秘される構造をしてて、上手いんですよね。

 

これで「わけわからん」になるんじゃなく、一見は「不器用な二人の悲劇」に見えてしまうところもすごい。体裁は整ってるんですよ。でも一皮剥ぐとものすごく閉塞的。あらゆるものを拒絶して、部屋の隅っこに逃げ込んだら、そりゃあこんなふうなエンドになるよなあという納得もあります。

感情移入する余地すら奪われるほどにひたすら、「二人だけの世界」が広がっているところが、好きでした。

 

他ルートで登場していた魔術師の正体がこのルートだけでわかるのも、すっごい良い演出だなあと思います。二人きりって構図を当人たちに語らせると、感情移入する余地が生まれてしまうので、もうそれは二人+プレイヤーになってしまうんですよね。そうじゃなくて、魔術師(第三者)やフィリア(観測者)を入れてプレイヤーをその視点に立たせることで、誰一人寄せ付けない二人の世界ができちゃう。

こんな、こんなものを構想できるセンスが、やばい。やばない? 考え抜かれている。やばいったらやばい。

 

エンドを見て真っ先に出た言葉が「羨ましいなあ」だったので、たぶん、そうなんだと思います。羨ましいし中に入れて欲しいけど、それ以上に強く強く、永遠に二人だけの言い回しで世界を閉じる、理解できない存在でいてほしい。

性癖や萌えシチュという意味では最も好みなルートです。

 

 

[バトル]

 

エコーが楽しい、クリティカルが楽しい。クリティカル=即死だと気づくのにかなり時間がかかりました。えっそういうことですよね? そうだと思ってます。

例の黒い球体なボス戦は「なんだこれは……どうすればいいのだ……!?」って感じでしたが、フィリアがなんとかしてくれました。ダリモモが一辺倒になりがちな一方で、フィリアは汎用性があるイメージです。

ラスボス戦はさすがに負け戦、というより耐久戦……ですよね。自分は腕が足りませんでしたが、勝ち差分があったりするんでしょうか。話の流れとしてそれはないかな。

 

 

 

その他ルート共通ごと

 

セリフ枠が見やすかったり各章にサブタイトルがついてたり、メインだけでなく隅々まで凝っていた印象。

OPのボコボコ湧いて出てくる敵を一掃する展開めっちゃ好きでした。ロマンですよね。ヒロインルートの、モードを入れ替えまくってしれっと圧勝するところも好き。

というかモード変化時のSEがかっこよくて好き。

 

あと、Result:達成感。最高。

 

そんで2周目ラストで気づいたんですが、このゲーム、顔グラ一切使ってないんですよね。すごくないですか!? そこに気付くのが2周目になったっていう、この、演出の自然さもすごいし、ドット絵だけでほぅと見惚れて満足できちゃうくらいグラフィック面が充実してるのもすごい。二重にびっくりしました。

 

 

 

 

 

 

 

ああー、語った語った、良点が多すぎる! 書いても野暮になるけど書いてしまった!

色々考えれば考えるほど作中の描写に回答があって、疑問点も突っかかりも全部綺麗に一作だけで解決できる、とても論理的で誠実な設計の作品でした。

まとめるとめっちゃ楽しかったです!!