「取り零したものたちが君の轍となりますように」
つい引き返したくなる前置き。
えー、今回はVIPRPG GW祭2015のフリーゲーム「死がふたりを分かつまで」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。
一本道RPGもといやるゲ、ナイ軍と冥界中心。
だいたい一時間前後くらいの短編です。バトル難易度はそこそこで、ノーマルでもやや歯ごたえありな印象でした。試行錯誤できる方なら楽かも。
というわけで良かった点など。
軽くシーン描写やネタバレの匂わせはするので注意。
オリジナルともしも設定がクロスするストーリー
プロローグからすでに旅は佳境入り、一番の盛り上がりを切り取って進んでいくような構成になっています。要はお話のテンポが良い! メインメンバー3人の関係性もすでに出来上がっており、その過程もどことなく独自設定がありそうな雰囲気です。
過去話がほぼほぼ明かされずに終わるので、何があったんだろーと気になるところもありはしますが……他作品とリンクしてるあるあるなのかな。とりあえず本作としてはだらだら二人にスポットを当てるよりナイの話として締めてくれているんだろうなー、なんて。
何より上手いのは、設定回収の仕方ですよ!
よく見かけるもしも設定へのつなぎ方がとても自然でした。まさにもしもの可能性世界を見せてくれた感じ。クリアして、キリのホコグラを改めて考えるとなるほどなあと思ったりね。パチパチピースが繋がっていく感覚も楽しかったです。
熱く、短く、テンポよくの戦闘前口上
本作で注目したいのは戦闘前口上。
街マップがない分、探索→ストーリー→ボス戦→ストーリーというパートを繰り返していく形になっているんですが、このストーリー部分の言い回しが大好きでした。3人の絆やナイの過去を見せつつ、必要十分だけ伝えてさっと切り上げるこの感じ。テンポも良いし、問答無用の潔さを感じます。
淡々としているわけじゃなくて、きっちり言い回しがドラマチックなところも大好きなんですよねぇ。熱いところは熱いんですよ、ちゃんと。トリッシュ戦のとことか、「囚われのお姫様と~」のとことか。印象的な台詞が最後にバシッとハマる感じも素敵です。
状態異常もアイテムもしっかり使うバトル
バトルの難易度はそこそこ歯ごたえあり。
私はぬるゲーマーなのでノーマルで進んだんですが、それでも解法がわかるまでは少し苦戦しました。ファイア強いねー。
MPが枯渇しがちなのも上手いところ。アイテムと状態異常を駆使しつつ四苦八苦しながら進むバランスです。雑魚戦でもサボったら容赦なく死にますが、ほぼノーリスクでリトライ扱いになる辺り助けられました。
テンゼンの自己強化&自己回復なスキルとかは特に、使いどころをミスって一手足りなくなる時があったりして、楽しかったなあ。
とまあ、こんな感じで。
テンポよく進みドラマティックに終わる、濃密な作品でした。
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