うそうさ〜第二号室〜

フリゲ・鬱展開・ヤンデレ 万歳!

フリーゲーム「SElementAct」感想

「崇拝する者に崇拝される者が負けるはずがないのであれば」

しかしながら信仰を捨てれば茫漠とした世界が待っている前置き。

 

 

えー、今回は雨夜曲切さんところのフリーゲームSElementAct」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

ストーリーは最低限、カードのコンボは無限大なカードゲー。プレイヤーがいるかはともかくとしてオンライン対戦要素もあるので、TCGとしても楽しめるかも。

 

 

さっそく良かった点など。

 

手持ちのカードで十分強く、収集するとより強いデッキ

 

ゲーム開始時点ですでにデッキは用意されており、1戦取得できるカードも多め。集めやすく入れ替えやすいゲームです。初期デッキでもある程度立ち回れる程度には強いカードが揃っているため、初めから敵も味方も手加減なしの全力バトルが楽しめます。話が早いって素敵だよね。

カードゲーの序盤って、ルールを把握するまではひたすらフルボッコされまくる印象が強いんですが……。本作は初期デッキの優秀さや敵AIの丁度良さのおかげで、勝つ喜びを味わいつつ進められました。

 

作中の説明が簡素なこともあって、難易度や敷居は少し高いかと思うのですが、そのぶんカードゲー好きにはガッツリ楽しめる仕様になっているかと思います。

あ、でも私みたいに軽くヴァンガ齧った程度のライト層でも楽しく遊べたのでご安心。公式サイトや同梱ヘルプはかなり丁寧に説明があるので、取扱説明書を読んでから挑みたい人は是非そちらもどうぞ。

 

 

 

予測不可能のスタートから生まれる予測可能のバトル

 

デッキからランダムで5枚選出され、そこから手札を自分で3枚選ぶ。このシステムがまた熱いんですよね。上手いコンボを考え付いても、ランダム選出で選ばれるかどうかも考慮する必要があるという。

自分はシナジーを考えるのが苦手なので、そこまでガチガチに詰めたデッキは作れなかったんですが、それでもラスダン周りで勝率八割くらいまでは上り詰められました。好きなコンボとかは追記にて。

 

対戦相手の手札もこちらの手札も全て明かされた状態でバトルがスタートするので、場にカードを出しさえすれば、以降の動きは全てが計算可能です。もちろん、対戦相手の動き全ては開示されていませんが、読もうと思えば所詮は3パターン。きっちり計算して封殺したいタイプの方はものすごく気持ち良いバトルだと思います。

私はけっこう感覚やノリでデュエルしてしまうタイプなんですが、それでもなんとなーく起こることの予想がつくところが興味深かったです。

 

スキルの効果や属性相性を自動計算して、計算過程を画面上に筆記してくれる点もすごくありがたい。反省点やバッドシナジーの考察がしやすいんですよねえ。TCGは理路整然と動くもの、ということを再認識しました。

カード説明を相手自分問わずいつでもチェックできるところもポイントですね! リアルバトルだとなかなか何度もカード見せてとは言いづらいので……こういうところは電子ゲーならではの良さだと思います。

 

 

 

アイテムゴリ押しも許される難易度

 

すごろく式にダンジョンを進んで、歩数などの条件を満たしてボスと戦う、というのがおおまかな流れ。私も初めは道中敵でも律義に戦ったり、歩数が多すぎでバーストしたりしていたんですが、なかなか進めない理由がアイテム縛りしていたことだと数時間して気づきました。遅いな?

実際、アイテムをしっかり使いながら進むとすごくさくさくプレイになるんですよ。だれそうな部分をカットする術も用意しつつ、使い放題にはならないようコストはきっちり制限してあるところが上手いと感じました。

バトルが苦手な人用に、バフかけまくりの状態でバトルスタートできるアイテムなども揃っています。「詰んだからやーめた」にならないよう、最後まで手を引いてくれる感じが素敵でした。

 

 

 

フレーバーなクトゥルフ要素

 

カード画像からしてその通り、クトゥルフ神話ネタ満載のゲームでもあります。インスマスのカードと漁村でバトルするなど、元ネタをしっかり踏襲しているのが嬉しいところ。カードの属性や能力にも知っているとにやっとできる要素があって、クトゥルフ齧ってる自分としては大変楽しめました。

前述の通りストーリーはかなり最低限に絞ってあるので、できるのはあくまでフレーバーとしての楽しみ方。あっさりした後味で、ラスボス戦後も「これで終わり?」という疑念は拭えない感じです。が、それでもラスボス戦前のイベントにはおっと思わされたことは確か。原作リスペクトも感じましたし、導入イベントと線で繋がるところも面白かったです。

 

 

 

合わなかった点

 

本作のシステムやグラフィックはかなり凝っており、シンプルな見せ方で感覚的に理解できるような形に整えられています。ただその中でもちょっとわかりづらかった点として、

 

・探索中の条件判断がしづらい

 

まず、3/3といった表示について。分母の数ぴったりでも条件としてはアウトということが理解しづらく、説明で理解してしてもうっかりオーバーしてしまうことが多かったです。4/3ならオーバーしているのでアウト、といった形の方が私は馴染んだかなー、なんて。

あと、他要素は基本的に「左or右でクリック」「YESorNO」といった形の二択でテンポよく進められるのに対して、ダンジョンを進む時の条件だけ「赤or緑or青」になるのも混乱しました。作業的に進んでいると頭回らなくなるという自分のスペック問題かもしれませんがっ……!

エスト分類の〇の色からしても、色がついている=意味がある、という認識のようなので、ボス条件に関わりない青は白色にして「赤or緑」の二択にしてあるが理解しやすかったかなと思います。

 

でも、オリジナルルールのカードゲーを組んだうえで、わかりづらいなと思う点がこの一か所だけというのはすごくすごくすごいことなので!

かなり丁寧に組まれている作品だというのは誤解なきよう。

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

まとめると、運要素も含めた上で、丁寧に計算され尽くしているTCG。着実に勝ち筋を積んでいったり、予想通りに事が動く気持ち良さを感じたり――対戦相手を知的に封殺したい人向けです。

 

追記では自デッキについてちょこっと。

 

 

 

 

 

初手で火属性の「ブラック・ファラオ」をゲットしまして。何も考えずに「ウムル・アト=タウィル」とデッキに入れたところ、いやあ不思議と負ける負ける。不思議でもなんでもなくて、この二枚って両方ともスキルが相手のレベル依存で弱体化するんよね。しかも序盤はレベル1と2のカードが頻出するので、そりゃ負けますよねーって話でした。はっはっは。

 

そんなわけで色々ガチャガチャ組み替えた結果がこちら。

 

 

コストの関係で加える必要があるので、レベル1は相手の属性によって強くなるタイプの子ばかりを入れています。ダゴンをもうちょっと他の噛み合わせのいいカードと入れ替えても良かったかもしれないな……。

 

 

個人的に楽しかった組み合わせは「ノール・ウェンディゴ・奈落に棲むもの」で最強要塞奈落君がひたすら殴り続けるバトル。相手が「連続で戦闘したものは~+」の能力持ちだともう無双でたいそう脳汁が出ました。

奈落君といえば驚いたのが「ガグ・奈落に棲むもの」のシナジーですね。「自身の」と銘打たれているスキルが別カードに乗ってくれる、「このカードを選択」>「自身の」という条件文になっていることが意外で、思わぬ強さを発揮してくれました。

 

あと個人的に、色んなカードを交互に使うのが好きなので、シアエガ・ガグ・空鬼辺りがお気に入りでした。

もっと賢い組み合わせもたぶんあると思うんですが、バトル中のアイテムは使わなくても十分戦えるデッキになってくれたので個人的には大満足です。