うそうさ〜第二号室〜

フリゲ・鬱展開・ヤンデレ 万歳!

フリーゲーム「Love」感想

「愛されて生まれてきたあなたも、愛を知らずに育ったあなたも」

手を伸ばして誰かを救いたいと思えるはずの前置き。

 

 

えー、今回は便乗 ◆rodt4vEAgU さんところのフリーゲームLove」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

ジャンルはモナーRPG。以前取り上げた「Will」の続編です。エンド分岐はありますが、クリア後に条件を満たして再度クリアする形なので、実質一本道かな。でもサブイダンジョンは豊富です。

 

というわけで、良かった点など。せっかくなので前作との違いにも注目しながら書いていきますね。

 

 

 

躊躇わずポイントを次ぎ込めるステアップ手段

 

途中加入したり脱退したりすることもありますが、基本パーティメンバーは四人固定で進んでいきます。

で、独特なのが、キャラのスキルをプレイヤーの好きな順番で覚えさせられること。戦闘後に自動で手に入るポイントを割り振って育てていくシステムです。単体火力特化にしてもいいし、状態異常を優先してもいいし、ステータスアップに次ぎ込んでもいいし。

 

各地に置いてあるボス攻略のヒント等から、状態異常技のウェイトがある程度大きいことが事前に示してあるのも、親切で好きです。SP減少技とか、作品によって重要度が段違いですもんね。私なんかは攻撃特化が大好きなので真っ先に単体火力技と回復技を取りましたが、搦手好きな方はもっと選択肢が増えて楽しくなると思います。

あっでも、さすがにⅠ・Ⅱ・Ⅲみたいに技の威力が上がっていくタイプの同型スキルは順当に覚えないといけないので誤解なく。

 

これに合わせて、前作で主なステータス上げ手段だったスフィアは、あくまで補助的なステアップアイテムへ。使いきりなのに変わりはありませんが、ステアップ手段が誰にでも使えるものとキャラ固有のものの二分化されたのは大きいです。

終盤になると9999ポイントを一気に次ぎ込んで習得できるスキルも出てきて、数字がでかいってだけでなんだか爽快でした。

 

 

見せる絆と個々の物語

 

仲間が固定なのに伴い、前作と比べていわゆるメインキャラクターがはっきりと浮き彫りになりました。前作ではメインの不老不死AAたちについて知れるのが中盤以降というのもあって、どうしてもシナリオフックが掴みづらいところがありましたが、本作はより早めに物語やキャラへ感情移入できるようになっているかと思います。個人的には良改変。

キャラが学生というのもあるかもしれませんが、なんだかんだと言い合うことがあっても、お互いに仲良しな絆を見せてくれるストーリーです。仲間三人それぞれにスポットを当てることで、三者三様の成長が見られるのも、健全前向きなRPGって感じがしてあたたかかったです。

 

好きだなあと思うのが、仲良し相手にも言わないエピソードや過去があるところ。

例えばモナニールが遅れた理由をギコルトは知らないし、シーちゃんの家族との軋轢をモナニールは知らないし。特にモナニールのごたごたは、実は理由があって~それなら仕方ない誤解してごめん~万々歳で解決するものだと思い込んでいたので、知らないままで終わるところがかなり意外でした。言い訳にしないところがいいんだよなあ。

本当はこのくらいの距離が自然だとも思うんですよね。自分に起きたことをわざわざ仲間全員に言って聞かせるものじゃないだろうし。知らないところや触れられない部分があっても一緒にいて互いを気遣いあえるからこそ、信頼や絆と言えるのかもしれません。

 

小ネタとしては、寮に戻ると皆がロビーに集まってるところが好きでしたねー。和気あいあい感。テレビを調べた時のセリフも好き。

 

 

フリータイムとストーリーの切り分けを意識した章構成

 

前作と違う点としてもう一つ、ストーリーが章立てになりました。

といっても時限イベントはないのでご安心。

前作ではふらふらと旅をしているようなプレイ感でしたが、今作は章立てになったおかげで、メリハリがきっちりついてくれたように思います。実地試験がある時は行動も制限されるし、休暇中はあちこち遊びにいけるし。合間合間に行動範囲を広げたり、おまけダンジョンに進んだりすることで仲間も強化できて、お話を進めるごとにどんどん自由度が増していくような感覚でした。

私はこのくらい誘導があるほうが進めやすくて助かるかなあ。

後から開くようになる水晶の扉など、フリーシナリオっぽい雰囲気のダンジョンもきちんとあって、探索する楽しみを残してくれているところもありがたかったです。

 

 

私服チェンジと名産品集め

 

学校がお休みの時はみんな私服に着替えます。

この私服を歩行グラフィックに反映してくれるのがすごく嬉しかった!

衣装チェンジが起こった瞬間めっちゃテンションあがっちゃいましたもん。しかもこの私服がまた、個性出てて良いんですよねえ。モナニールはそれこそ良家のおぼっちゃんって感じの格好だし、ギコルトとユリアンストリートチルドレンって感じだし。私服の雰囲気が違うからこそ、皆の仲の良さに生い立ちは関係ないんだなとも思わされてじんときました。

また、名産品集めもさりげなく嬉しい収集要素。

自分の部屋とか自分の家があるRPGって好きなんですよね。オブジェクトが増えていくとどんどん愛着がわくし、見た目も賑やかですし。どんどん行動範囲を広げたい、探索したいと思えて素敵でした。

 

 

 

アイテム作成で楽々探索

 

前作で指摘させて頂いていた、お金があまる問題についても今作ではばっちり解決。その理由がアイテム作成です。

店売りよりもグレードの高いアイテムを作成できるうえ、作れば作るほど高レベルなアイテムを作れるようになるので、いやはや捗るんですよね。バンバン作ってどんどん便利に、っていうこの作りがすごく楽しかったです。素材がお手軽にその場で買えるのも良ポイント。

ウィル先輩を操作することで彼も仲間だと実感できるところも良いですよね。実益もあるし感情移入もできる、一石二鳥。

こうして挙げていくとやっぱり、前作を改良していきつつまた違った良さを見せてくれてる作品だなあと思います。

 

 

 

最後に一点、合わなかったところ。

数か所挟まれるアクション要素

 

苦手だったのは、回避不可のアクション要素が挟まれる点ですね。

前作ではどこでもセーブのおかげである程度頑張れたんですが、本作はセーブ禁止箇所が多いので、そのぶんけっっっこう苦労させられました。本音を言えばリスク有りでいいのでスキップさせてほしかった……。

といっても私はアクションがめちゃくちゃ苦手だと自負しているので、得意な人にはなんてことないかも。制限時間ありのアクションシーンも、時間の余裕自体はたっぷりありましたしね。

タイミングを計って進むタイプのアクションです。追いかけっこではないので、そっち系が苦手な方もご安心ください。

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

前作プレイ者はもちろんのこと、未プレイ者にも健全にオススメしたくなる作品です。一応前作の経緯は本棚で拾えるから、未プレイでも大丈夫……かなあ……?

 

ともあれ。学生気分を味わえたり、葛藤や折り合いをつけて成長していったり、手に届くところにいる大切な人を助け出すために奔走したり。そういう展開に惹かれるものがある方にお勧めです。

 

追記ではクリア後要素についてちょこっと。

 

同作者様の他フリーゲーム感想記事↓

フリーゲーム「Will」感想 

 

 

 

 

ネタバレ注意!

 

 

クリア後のボスについてだけ語ります。

詳しい攻略まではまとめていないので掲示板を探してくださいね。

最後の特産品は下記ボスを倒した後にゲットできます。

 

 

クリア後ダンジョン

 

ウィルと超越者フロイト

 

フロイトのバトルグラが見れるのが嬉しかった!

自分の「will」プレイ時のフロイトは斬攻撃特化だったので、普通に打攻撃が飛んできてびっくりしました。先入観って怖いね。自分とは違った旅をしてきたフロイトがいるんだよなーと感傷的な気持ちになりました。

嬉しかったのが待機ターンの表現について。敵が何もしてこないターンは普段だと「ニヤニヤしている」みたいなメッセージだったと思うんですが、この戦闘では「作戦を練っている」になるんですよね。これがすっごくすっごく嬉しかったです!

こういうシステムメッセージ芸?、いつまでも流行って欲しいなあ。

 

 

ミンストレル他英雄たち

 

次々出てくるのは未完でエターなった?らしい次作のキャラ、なんでしょうねたぶん。

倒した後もいまだにあの戦闘の仕様がよくわかっていなかったりします。ミンストレルも属性耐性下げたら普通に攻撃通るので、早く英雄たちを殴り飛ばすのがいいのか、第一形態のうちに削っておくほうがいいのか……。たぶん後者なのかなあ。

ミンストレル覚醒後の奥義で何度かガード忘れてポカりました。ノーガードだと固定500ダメージ食らうんですが、私はスフィア類をけっこう均等に使っていたので一番高いモナニールでもHP400台だったんですよね。メッセージを読み飛ばしてはいけない。

この戦闘に辿り着ける時点で装備も魔法も十分に揃っていると思うので、バフかけながら強い技を連発しておけば、負けはしないはず。

 

 

 

 

モナニールがシーデリアをシーちゃんって呼ぶのが好きでした。