「あなたのために僕は在り、世界すらもひれ伏した」
ゆえに逃げ道は塞がった前置き。
えー、今回は夜宵空ノ果テ。さんところのフリーゲーム「Rerererebirth りりりりばーす」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。
エンド二種、直前のバトルで分岐。そこまでは一本道短編RPG。起動時の注意書きにあるとおり、流血やホラー要素を含みます。
- 演出はものすごく好き!
- キャラやグラフィックもツボ。
- システムは大嫌い……。
という好みが極端に分かれる作品でした。
いっそADVで良かった……と言いたくなるほど粗はあります。それでもこの話はRPGだからこそ成り立つものだとも思うので、かなりジレンマ。
とりあえず合わなかった点から。
合わなかった点
マップの広さ
歩き回らせることで拠点への愛着や平和さを印象付けたかったのかもしれませんが、プレイヤーとしてはあまり有用さを感じられませんでした。アイテムもなし、セリフも汎用的。ワールドマップも暗転ワープで良い気がします。滅んだ村の印象は冒頭OPで十分根付いているので。
雑魚戦
雑魚戦についても同様、必要性は薄め。全て逃げてもクリア可能なうえ、スタンさせてきたり逃走失敗が起こったり。
ただバトル自体は重要な伏線がありますし、ここを伏線にしてくる演出力は高く評価されて欲しいところ! 物語終盤のシンボルエンカウントの発想はとても良かったと思うので、できれば彼の単独行動時も同じシステムだと良かったかなと思います。それかイベント雑魚戦のみで済ませるとか。
ノイズ演出
音量演出でじわじわと狂いを表現してくれるのはグッド。でも、同じ演出を片手数見せられてしまうと流石に飽きがきてしまいました。立ち絵の変化はもう少し進んでから初めて出すくらいでも良かったんじゃないかなー、なんて。
理不尽即死イベント
RPGでホラゲ的な追いかけっこや即死イベントをやらされるとは思っていなかったので、やや裏切られた感。でもアクションの難易度が易しいところは救いでした。
好きな点
一方で好きな点! ここは生き生き語っていきます。
見てぞっとさせるグラフィック
マップの場所名称の表示とか、増えているアレとか、急に異彩を帯びる画面とか。「おや?」という違和感から「あっヤバイ」と総毛だつ恐怖までバリエーション豊かに感じさせてくれるところが大好きです。
どうしようもない不穏に詰んでいく展開
詳しく語るとネタバレになってしまいますが……。
どうしようもなさと、わかっていても逃れられない展開と、八方塞ぎ感に震えました。本人が言った通りの展開になるシーンが多かったんですよね。だからこそ心に刺さって、楽しかったです。
例の彼は区切りごとに記憶の共有も起きてるのかなあ。例のあれを自分で作ったのかなと思うと微笑ましい、かもしれない。
おまけ部屋
クリア後おまけで見れる未使用立ち絵がすごく嬉しかったです。ああいうの好き。作者様の思わぬ嗜好も聞けて、しかも近しい好みで驚きました。とてもそうだとは思っていなかったし全く情報なしで触ったゲームだったのでなおさら。スタンド使いは惹かれ合うってことなんでしょうね。違うね。
エンドによって聞ける情報が異なるのも嬉しい。ただ、おまけ部屋の選択肢を全て読むと追加情報を何度も聞くことになる点だけはちょっと気になったかな。
とまあ、こんな感じで。
キャラの見た目といい、展開の緩急といい、性癖はすごく合うんですよね……!
挙げた合わなかった点も、短編なので気にならない方もいると思いますし。裏表のある演出に惹かれる方にはおススメしたい作品でもありました。
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