うそうさ〜第二号室〜

フリゲ!鬱展開!ヤンデレ!万歳

フリーゲーム「棺の魔女」他3作品感想

「幾度となく生誕し幾度となく消滅し、希望ばかりが降り積もる」

概念は朽ちずそこにある前置き。

 

 

えー、今回は高野M明さんところのフリーゲーム「I am ...」「CLEAS(綴りワカンネ)」「Re-birthday -再誕の日-」「棺の魔女」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

ノリ含め諸々容赦なくVIPRPG。魔法具現化ネタ多め、でもよくある設定よりは独自設定はい説も多め。ある程度慣れてる人向けかなと思います。

台詞や言い回し自体は厨二マシマシ退廃上等のすっごく好みな雰囲気です。

 

目次はこんな感じ。容赦なくネタバレします。

 

 

 

実際の私のプレイ順は前後するんですが、個人的にこの順番でプレイするのが理解しやすいな~と思ったので記載順は変えてます。一番初めに「ごめん、まだわかんないや(以下『ごめん、』)」をプレイしておくと、キャラの伏線っぽいセリフや全体像が理解しやすいかも。

せっかく別記事も書きましたし、『ごめん、』をプレイ済み前提で書いていきますね。

 

 

 

『I am ...』

 

[概要]

一本道探索。凸シェイドⅢメイン、他シェイドがサブ、そのほかミルミなど『ごめん、』キャラと、餡軍が少し。さくさく行けば10分強でクリア。

 

 

[システム・演出]

 

あちこち回って調べればいい感じにストーリーが進行していくタイプ。謎解き等はほとんどなく難易度低め。

唯一あるバトルシーンがすごく好きです。RPGじゃないゲームでRPGのバトルを上手いこと使ってる作品、心から好き。勝ち負け殺し殺されではなく、あくまで誕生として演出されているように感じられるところも好きです。この方のシェイドⅢの持ち歌みたいになってる例の曲も、元々すごい好きなので嬉しかったり。

 

 

[そのほか感想]

 

『ごめん、』プレイ済みだとものすごく響くシーンが多かったですね。あれは『ごめん、』の前日譚およびバッドIFってことでいいのかな。特にミルミのシーンが印象的。『ごめん、』だと見えづらかったミルミの内面がダイレクトに伝わって、かなり刺さりました。ああいう、後からモブがざわざわ不名誉な好き勝手を塗りたくっていくタイプの鬱展開、しんどいけど好きなんですよね。どうしようもない感じが……。

 

全体的には凸シェイド創生記。

まさに影ながらみんなの道筋を少しだけ変えていく、運命の糸に干渉するような構成と距離感が好きでした。『ごめん、』キャラ達の行く末といい、後述する「CLEAS」と比べて凸シェイドⅢの誕生経緯が異なることといい、あらゆる作品群よりも一つ上の次元に本作の凸シェイドがいるような設定ですよね。ですよね(やや自信がない)。こういう、万華鏡みたいな形の作品って色々と考え事が増えて好きです。

あと小さいお人形たちが可愛くてよき。

登場するどのキャラも鬱展開まっしぐらな雰囲気ですが、その中で生まれることを選んだシェイドⅢという構図がとても美しかったです。

 

 

[一言]

全体的にサイレント寄りなところや仄暗さがとても好きでした。

 

 

 

 

『CLEAS(綴りワカンネ)』

 

[概要]

おっksgかな? と思いきや本編はしっかりがっつり良作。凸シェイドⅢと棺シェイドメイン、魔王様一家と魔王VS勇者がサブメイン。探索ゲー。

 

 

[システム・演出]

 

導入のksg部分はまあ、その、お疲れ様でございます。いつもありがとうツクラー様方。

置いておいて本編。アイテムが自動仕様ではなく、使えそうなところで選んで使う必要があるところがポイント。通常なら面倒に感じるところですが、本作で自動仕様だとあまりにお使いゲーと化すだろうことは予想がつきます。アイテムを使う時のシェイド二人の掛け合いや、使った後の会話反応をしっかり仕込んであるところなども細やか。なのでこと本作においてはこの仕様が好きです。

どうでもいい場所にもセリフを仕込んで、探索を楽しくさせてくれる探索ゲーって大好き。同じイスというオブジェクトに対してもきちんと椅子の数だけ反応が違っていて笑いました。

 

演出面だとED曲、というか挿入歌?のタイミングが引っかかりましたねえ。この作者様恒例、EDテーマとして持ってこられる曲が展開と比べてけっこう明るくて雰囲気がブレイクするんですよね。歌詞重視で選んでそうだなあという印象は受けるんですが、BGMの力がなくとも雰囲気作りがかなり上手な作者様なので、ここだけは惜しまれます。

あとこっちは良い点、細かい演出として注目したいのが終盤の凸シェイドⅢの顔グラ。停止する→理解できない→理解して目を見開く、という流れが無言の顔グラ切り替えで言わずとも伝わってきて、見ているこちらもはっと息を呑みました。

 

 

[感想]

 

全体的に鬱展開。希望なんてなかった。好き。

ただ本作はシェイド二人の掛け合いがテンポよく明るいので、「I am…」と比べて陰鬱さは薄れています。ただ、こうして愛着を持ってしまうとより辛くなる人もいるかもですね。

 

「I am…」で誕生を選んだ凸シェイドⅢの魂のうちの一つが、この世界に顕現することを選び、嫁様の手によって凸シェイドⅢが具現化したって感じなのかな。向こうでも勇者達にお姉さまなシェイドⅢがやられていましたし、土台となる舞台設定は共通なのかもしれません。

どうしてもプレイヤーの立場が片方に寄っているので、一方的に被害者になってしまっているところは少しだけもやっとしたかも。どこかで2000年前の話も出るんでしょうかねー。

 

凸シェイドⅢの倒置法っぽい独特な喋り方や、システムメッセージも彼女が喋ってくれるところがほんとすごい好きでした。

 

 

[一言]

あちこち調べるのが好きな方、にやにや笑いでジョークをかますシェイドⅢが好きな方向け。

 

 

 

 

 

『Re-birthday -再誕の日-』

 

[概要]

凸シェイドⅢ、わてりがメイン。フレイムⅢとトルネードⅢ、そのほか魔法具現化がサブ。ラストだけイベントバトル、そこで3つのエンドに分岐する探索ゲー。

 

 

[システム・グラフィック]

 

まず注目したくなるのがグラフィック面。

よく見かけるものとは違った絵柄の歩行グラ、英語表記の名前欄、オリジナルなメニュー画面など、かなり独自性を感じる出来です。この自作グラがストーリー上で影響しているところも好きなんですが、そこは後述するとして。

操作方法が一目でわかるデザインがすごく好きなんですよね。探索スタートの画面下枠といい、メニュー画面といい、すっきりした画面構成なのもまた良い。自作戦闘画面もそうですね。どことなくゲームボーイな雰囲気を感じる気もします。

 

キャラクターを切り替えて進んでいく形になりますが、基本的に難しいところはなく、ざっくりとお使いゲー。マップもほどよい狭さなのでうろうろしつつ色んなキャラに合えるのが嬉しかったし、話しかけるキャラによってセリフ分岐があるところも楽しかったです。

BGMの入りも良いし、エンド後も三様にセリフ無しで進行するので色々と考える余地もあって、かなり好みでした。

 

 

[ストーリー]

 

エンド三種がそれぞれ別作品の世界軸に繋がっている気はしています。ざっくり『ごめん、』世界に通じるものと、「CLEAS」世界の結末を書き換えないまま凸シェイドの運命が閉じて終わるものと、何か別作品?金髪の子の世界に通じるものって感じ。こういう繋がっていく話好き。

自分は「I am…」が時系列の最初だと思っているので、あの作品でシェイドⅢが産まれることを選んだ以上、意地でも嫌でも何かしらの形で産まれ続けてしまいどんな鬱展開でも止めることができない的な業を背負っている、という流れだといいなあと考えています。なので生存ルートをトゥルーとして推したい所存。トゥルーだのそうじゃないだのの分類にはならない気もするけれど。

 

地上に出る、というか、再び誕生することで歩行グラも見慣れたものに変わる演出がとても上手かったです。私たちのよく見かけるもしもワールドの次元に戻ってきたんだなあと、言われずとも伝わってくるこの手腕よ。

 

何故四人全員で最後まで進めなかったのか、邪魔してきた白い物体は何者だったのかという謎も残りますが……。

まず途中で脱落するキャラについては、代用品が手に入っちゃうところが痛々しい演出で素敵でした。アイテム持ってたら自動使用してくれるから、キャラを切り替える必要すらなくて、逆に進行上は便利になるんですよね。酷い話で、その皮肉さがなんかとても好きです。

元々あの場は一人しか脱出できないようにできていたのかなあ。キャラが自覚しているしていないに問わず、紫クリスタルみたいな上位存在?からの制限によって無理やり消されたってイメージがあります。実際襲ってきたのは、一瞬映るシェイドの元になった白饅頭みたいなやつなんだろうけど……それがいなくてもそうなってしまうようにできているみたいな……それ。

 

あの白饅頭的な物体がそもそも何なんでしょうね。

あの紫クリスタルが凸シェイドⅢに言ってたことを考えると、白物体・シェイド・凸シェイドの三つで本来完成形だったはずなのかな。だから『ごめん、』で凸シェイドの具現化に三回もかかった(不完全だった)のかもしれません。そういう解釈にしておこう。

 

 

[一言]

演出やグラフィックがしっかりお話と噛み合っていて気持ち良かったです。

 

 

 

 

『棺の魔女』

 

[概要]

凸シェイドⅢが主人公、ウォーターⅠとミルミがサブ、かな。別作者様の作品『黄昏の冒険記』を思い浮かべるキャラがいるものの、未プレイでもおそらくはOK。

基本的に街を行き来しながら行けるところにいけば物語が進行する、謎解き無しのおつかい探索ゲー。

 

 

[システム・グラフィック]

 

まず気になった点から。BGMの切り替えにラグ?があるのと、助けてカットインの主張が激しすぎるところは合いませんでした。カットインの頻度は『黄昏の冒険記』リスペクトなのかなあ。ノイズ暗転→ノイズ暗転メッセージ→ノイズ暗転メッセージ立ち絵、みたいな感じで回数を追うごとに変化があればすっきりした気がします。

続いて好きな点。お金を表示させる欄が所持アイテム数になってたり、装備品にフリガナがついていたりするやり方は好きです。

顔グラがなぜあの顔で統一されていたのかは疑問ですねー。『ごめん、』の世界線だと立ち絵表示で顔グラがなかったからかなー、なんて。世界線ごとに顔グラを統一している印象はあります。

イベントバトルの演出方法やコマンド名なども、この作者様独特の味があって大好きです。オートを「踊る」と称すセンスが最高。

 

 

[ストーリー]

 

いやあ鬱展開でしたね!

狂気じみた哄笑で〆るところがたまりませんでした。痺れる。

言い訳しようもあるだろうに、凸シェイドの性格からしてしないだろうなあというところも含めて潔くて大好きです。

性格と言えば、『黄昏の冒険記』はほぼ無口主人公だったのに対して、本作はきっちり「ごめん、」シリーズの性格が出てるセリフ選択肢が多くて嬉しかったです。あの煙に巻くようでいて貶めはしないセリフ回し好きなんですよね。

 

ばたりと倒れ伏すミルミも、再会する彼女もそうですが、皆が皆恨みつらみを泣き言にせず矜持とともに死んでいく姿がとても好きでした。

この後の凸シェイドⅢはどうなるのかな……。棺桶があればとも思いましたが、残量的に絶望的な気がしますね。

 

 

[一言]

棺を背負って歩く少女というのは実に絵になる良いものです。

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

この作者様は各ゲームがパラレル、あるいはスターシステム的に繋がっているのですが、特にここで取り上げた四作は凸シェイドⅢの誕生にまつわる話が多く詰まっているので、一つ気に入ったなら一連プレイするのをおススメします。

 

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