うそうさ〜第二号室〜

フリゲ!鬱展開!ヤンデレ!万歳

フリーゲーム「僕は未だに、わからない」感想

「エンドロールを千切って次いで擦り切れるまで繰り返す」

とうに余白まで書き込み切った前置き。

 

 

えー、今回は高野M明さんところのフリーゲーム「僕は未だに、わからない」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

VIPRPG、選択肢ありでエンドは1つのノベルゲ。R-18を匂わせたり全裸だったりするシーンはありますが、メインはエロよりシリアス鬱です。

同作者様の他ゲーム『ごめん、まだわかんないや(以下『ごめん、』)』を中心に、複数作品を前提とした続編的なストーリー。前提となる作品は同梱テキストファイルにあります。

 

 

 

というわけで、良かった点など。

 

 

意味がなくとも味がある選択肢

 

お話としては一本道、どうあがいても鬱一直線。そもそもが『ごめん、』の凌辱ルートから派生しているので、当然と言えば当然ですね。ですが本作はうっすらと救いも見え、どちらかといえば切なさも感じるストーリーだったかと思います。

面白かったのが、選択肢の分岐について。

展開は一本道でも、一日目と二日目の選択肢によってかるーく分岐が起こるんですよね。例の年齢のところ。凸シェイドⅢの愛嬌が見える分岐で楽しかったです。名前についても『ごめん、』の彼を入力すると反応が変わって、差分回収派としてニヤリでした。

 

 

 

繰り返し繰り返さない展開

 

言ってしまえばループものの本作。しかしながら、完全なループではないところが一番の魅力だと思っています。前述の選択肢の分岐もそうですし、ループの短さにしてもそう。繰り返しだなと思わせておいてズラすところが実に巧みです。

キャンセルキーがメッセージスキップとセーブ両方兼ねてるところも上手いんですよね。うっかり飛ばしちゃった、というのが断じて起こらないシステム。選択肢できちんとストップできるっていうのは本当、さりげなくものすごく重要なんですよ。プレイヤーからするとめちゃくちゃ有難い仕様でした。

 

 

 

痩せぎすで生々しい身体を持つ魔女

 

他作品で見られるとおり、凸シェイドⅢは徹底して「魔女」「毒婦」として描かれます。ダウナーで、色気があって、人を引き付けてやまない女性。これ、こうやって形容するだけなら楽ですが、それを実感させるだけの雰囲気作りができているのは本当かなりの手腕だなあと感じました。

正直、エロの主流って肉感と汁気みたいなところあるじゃないですか。焼肉みたいなこと言ってしまったな。あながち間違っちゃいないな。閑話休題

凸シェイドⅢは真逆を行ってるんですよね。あばらが浮くほど痩せてて、褐色で、コスプレかってくらいあからさまな紫色のバニースーツ着てて、化粧(に見える刻印)もガッツリ。で、これ自体は個々人の性癖によるものなので良いんですよ。

 

言いたいのは、この痩せぎすな体でガッツリとエロティックな熱気が出せているところ! 生気はないけど生々しい熱はある、胸は揺れないけれど舌は蠢く、荒げた吐息が伝わってきそうな描写力がすさまじかったです。これは好きだからこそ書ける文章だなと感じます。

最中の描写抜きでこの濃密さなんだからもうたまったもんじゃないですね。文才が化け物だ。

 

 

 

厨二でお洒落な文体

 

『ごめん、』で魅せてくれた文体も相変わらず、むしろパワーアップ。この方の文って比喩表現が芳醇なんですよね。漢字たっぷりで含蓄のある雰囲気で、良い意味で厨二っぽい文章が好きな自分には本当馴染みました。

一緒にお風呂してる時の「尾」の比喩とか好き。

あと、魔女らしい人を陥落させる面と、少女らしく一途で懸命な面、両方を描写してくれるところも実に好きでした。魅せるだけ魅せていなくなってしまう、そんなところも好きです。まさに影を追う感じ。

そしてタイトル回収がうますぎる! 決め台詞の使いどころとその中身に関しては一番の作者様だなあと思います。

 

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

好きな作品の続編は怖さ半分ワクワク半分でプレイする私ですが、見事に予想を超えて納得の結末を描いてくれた良作でした。

未プレイの方にはこの作品から入るより、他作品から順当に追って世界観を深めていくのをおススメしたいところです。

 

 

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