うそうさ〜第二号室〜

フリゲ・鬱展開・ヤンデレ 万歳!

フリゲサイト「とらねこさんの小屋」短編作品感想

「ここぞで決め台詞を噛まずに言える、これぞ主役の才能」

善悪問わず最重要ポイントな前置き。

 

 

えー、今回はとらねこさんの小屋さんところのフリーゲームこそっとロビン」「こそっとスティーナ」「従僕たちのクリスマス」「脱出!本日のディナーはレオン!?」「従僕たちの特製ケーキ」「魔法学園の特待生 ~パウルと退学の危機!?~」「グリム・ゲートの銀銃」「マジョマモ」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

先に述べます、文字数めっちゃ長くなりました。すまーん。

作品同士をリンクさせたりゲストキャラに別作品の主人公が登場したりするスタイルがお好きな作者様のようなので、『エインワーズ家の従僕たち』シリーズをプレイした流れで一気に色々とプレイしてしまうことにしました。

全体的にギャグ寄りの作品が多め。

 

軽いあらすじやイベントのネタバレを含むので、未プレイの方はご了承ください。

 

 

 

 

 

 

      『こそっとロビン

 

[概要]

おちゃめなコソドロの楽しい会話を聞きながら家探しをするゲー。5分で1プレイのお手軽さと、エンディングの代わりのリザルトコメントが魅力的。

 

 

[良かった点]

 

・探索ポイントの会話の多さ

まず、会話の多さ! いたるところに家探しポイントがあって、それら全部にロビンのセリフが仕込まれているところがすっごく細やかで素敵でした~! 危ないとわかっていてもついセリフが気になって調べてしまったり、明らかにアウトとわかっていても突撃したくなる時があったり。調べることの楽しさがぎゅぎゅっと詰まってます。

 

・こんなところに隠し部屋

単純にお金探しの運ゲーかと思いきや、意外な隠し部屋もあり、5分の中にちょっとした謎解き?要素もあるのが良い捻りでした。5分の短さに応じてわかりやすいところにあるのもグッド。

やろうと思えばコンスタントにMAX金額の3万ジル超えも狙えます。やったね。

 

・嬉しいリザルトコメント

探索が終わるとボスからお褒めの言葉やお叱りの言葉も頂けます。何が理由で探索が終わったかによってセリフが変わるという、ここでもかなりの細やかさを感じました!

例えば特殊っぽいセリフポイントを上げると、つまみ食い、犬、鼠、本、隠し部屋の名刺などなど。

やること全てに反応をもらえるのって、プレイヤーとしてすっごく嬉しいんですよね!

おそらくはリザルト会話が一番長くてロビンの意外な秘密がわかる、あの終わり方が実質トゥルーエンド?なのかなと思っています。はぁやりこんだ! 楽しかったです!

 

 

[一言]

さくっとプレイできて、テンポよく楽しいを感じられる良作でした!

 

 

 

      『こそっとスティーナ』

 

[概要]

広めの1マップのあちこちに散らばる人たちから財布をスリまくるゲー。お手軽に数分で一通りプレイできます。

 

 

[良かった点]

 

・ゲストキャラ勢揃いの賑やかさ

見覚えのある燕尾服がいたり、見覚えのある黒帽子がいたり、同作者様の他ゲームで見かけたキャラが盛りだくさんです。スリを成功させたら話しかけられる、というご褒美的な形になっているのも面白い点。MV規格の歩行グラだとけっこう印象の変わるキャラもいて、色々と新鮮でした。

 

・スリにもテクニックが必要

盗みやすいキャラと盗みづらいキャラがいるのもメリハリがあって良ポイント。中には後ろから狙っても気づかれることがあって、やられた!って叫んじゃう楽しさがありました。

一か所他人の視線を気にしないといけないところがあったり、猫が重要だったり、きちんと話を聞けばスリが可能になるギミックが仕込まれているのも楽しかったです。

 

 

[惜しい点]

 

・スティーナの薄さ

似たタイトルの『こそっとロビン』と違い、スティーナ自身のセリフは少ないのが残念。スティーナは単なるアバターという感じがして物足りなかったです。

 

・モチベがスコアだけ

上記と被りますが、リザルトコメントも自分の稼ぎや成果に関するコメントだけだったので、数字ではなくキャラの新たな一面が見れることにやりがいを感じる私にはやっぱり物足りなさがありました。

ゲストキャラのセリフは大好きなんですけどね! 同業者~にニヤリとしました。

 

 

[一言]

ファンなら「こんなところにあのキャラが!」という楽しさが味わえる作品。

 

 

 

      『変装名人ルノワール

 

[概要]

着せられた濡れ衣を剥がすために町中を練り歩く、プチ推理もの風アドベンチャー。ツクール製で数十分でさくっとプレイできます。

 

 

[良かった点]

 

・推理が苦手でも安心のフラグ進行型ストーリー

「犯人はお前だー!」ができるだけでもう良ゲー認定したい!

こちらがピンと来ていてもきちんと証拠を揃えてフラグを立ててお膳立てしなければ、相手には言い逃れられてしまいます。逆に言えば街中の人にきちんとお話していけばほぼ自動的にイベントが進むので、そこまで推理が得意ではない私のような人でも楽しくプレイができます。段階を踏んでいくおかげで理解もしやすかったですねぇ。

 

・あっと気づけばやられるトリック

そんなわけでゆるゆるとお気楽にプレイしていたんですが、中盤でやられました。さらには終盤で、某セリフを二度見した後、思わず叫びました。いやあやられた! うまいなあ! 

単純だからこそ使い方が上手くて良く効きますし、良く見ればヒントもきちんと撒いてあるんですよ。顔グラがデフォルメ調なのも気づかせないための意図かなー、なんて。

なお、詰んでしまうシーンもあるのでセーブはこまめに。やり直しも数分なので楽ではあるんですけどね。

 

 

[惜しい点]

前述の通り捕まえるためにはフラグを立てる必要があるのと、フラグのためにあえて誤っている相手を犯人として指定する時もあるので、「3回犯人当てを間違えたらゲームオーバー」のシステムが紛らわしく感じました。

特定の人物にしか選択肢が出ないので推理が不要だったシーンも多かったですし、犯人指定はそれこそラストだけでも良かったかもなーと思います。

 

 

[一言]

全員を集めて推理を披露!なシーンに憧れる方向け。

 

 

 

      『従僕たちのクリスマス』

 

[概要]

エインワーズ家の従僕たち」(以下本編)の番外編。ツクール製、読むだけ短編のクリスマスゲー。

 

 

[良かった点]

 

レオンだけじゃなくてわりとあの家の従僕皆がコメディお祭り体質なんだなあとわかったところが微笑ましかったです。年相応にキャッキャしてる感じ。

チケット制やくじ引きや魔法での選定等ではなく、音に合わせてくるくるプレゼントを回していくというどことなく庶民的な方法もちょっと面白かったり。

あとさりげなくウィルがエインワーズ家に来てまだ1年経っていないことが発覚して驚きました。あれ、そういうことですよね? 新入りなのにすっかり馴染んでてすごいな~。

 

本編では影だけあってお前誰だよ状態だったシャルロッテ君に陽の目が当たったのもポイントですね。今後の活躍が楽しみです。

主要人物だけで閉じるのではなく、モブ従僕さんやネームドの個性的なキャラが交じり合って大所帯を感じさせてくれるのもほのぼのしました。

こっそり逃げていく(←犯人)に爆笑です。あのくだりめっちゃ好き。

 

 

[惜しい点]

本編のロイの買い出しミニイベントが好きで、その理由が皆にきっちり好きなものを聞いていく律義さだったので、今回の相手を考えずに押し付けていく感じは残念でした。猫好きはかわいいけどゴリ押しはやだなあ。

 

 

[一言]

従僕たちの雰囲気が感じられて、世界観がより知れた一作でした。

 

 

 

      『脱出!本日のディナーはレオン!?』

 

[概要]

ツクール製、選択肢で分岐する脱出ゲー。『エインワーズ家の従僕たち』の番外編。スクショでわかるので書いてしまいますが『幻影のビブリオ』の彼も登場します。ほんのりBLネタ有。

 

 

[良かった点]

 

相変わらずのドタバタコメディ感と、テンポの良さ。スピーディに事が運んであれよあれよと言う間にお約束のゲームオーバーに辿り着く流れが楽しかったです。

 

分岐の選択肢が多めで、ゲームオーバーにバリエーションがあるところも素敵。

中身によってはけっこうヒヤっとする展開もあるんですが、レオンが根っから明るい性格なのとギャグ補正のおかげでどうあがいても笑いに収めてくれるのでご安心。

 

後半になるとエンドのスチルまできっちり変わってくれるところに思わず吹き出しました。

アガートの登場のおかげできっちり起承転結がついて、良い話として不思議とまとまってしまうところも、いやあやっぱり上手いなあと思います。

しかし彼がここにいるとなるとリコはどうしたんでしょうね?

ビブリオ集めする前の時間軸なのかなー。

 

 

[惜しい点]

きっちりゲームオーバーを全回収してからおまけ部屋に辿り着いたので、セーブ頻度の設定にガクッと力が抜けました。初めに設定させて欲しかった……!

以降の作品ではセーブタイミングが小刻みになっているので感謝感謝でした。

 

 

[一言]

ワーウルフ達の流れるような連携が一番笑いのツボにハマりました。

 

 

 

      『従僕たちの特製ケーキ』

 

[概要]

ツクール製、選択肢で分岐するノベルゲー。『エインワーズ家の従僕たち』の番外編、内輪ネタでわいわいする感じ。

 

 

[良かった点]

背景画像がどれもメルヘンでほんわか可愛かったですね~。前作の脱出ゲーが魔物の巣窟ということでおどろおどろしかったので、また変わった味わいを楽しめました。

今作はセーブがこまめにできたのも嬉しいところ。

また、怖い怖いと噂だけ聞いていた執事長の強さがほんのりと示されるイベントでもありました。てっきり全属性魔法を使えるエキスパート的なのを勝手に想像してたんですが、剣使いなんですねぇ。

全員同室というのも驚き。従僕に個室って言うのは確かにあり得ないでしょうけど。お坊ちゃん軍団ということを考えると、特にディーとかは来たばかりの頃には不服そうにしていたのかもしれないなー、なんて想像も膨らむ設定でした。

 

[合わなかった点]

メタネタ! シャルロッテ君は出生?や扱いからしてメタ要員なんでしょうかね。

 

[一言]

番外編を制覇するなら勢いで。

 

 

 

      『魔法学園の特待生~パウルと退学の危機!?~』

 

[概要]

ツクール製、選択肢分岐型の短編ノベル。ファンタジー魔法学園もので、敬語口調の男の子と好き勝手する妖精ちゃんの踏んだり蹴ったりなお話。

 

 

[良かった点]

 

・ちょっとした会話に見え隠れする世界観

まず主人公パウルの特徴でもある鏡魔法の設定! 

これすっごくわくわくして大好きでした!

初めて魔法が発動するシーンがもうかっこいいんですよ~。

攻撃魔法やゴーストが苦手って言うのもこう、特質系ならではのデメリットって感じがして良き良き。パウルの性格的にも納得ですよね、こういう内面とスキルが噛み合うのってすごく好きです。

こういうトリッキーな技ってどう運用するかで戦略や活用場所がガラッと広がるからいいですよね……! 作中でも色んな使われ方がされていて、物語にも幅が出ますし、何より見ていてすごく楽しかったです。

 

・スニーキングに合わせて隠れるデフォルメキャラ

基本的には画面右側にキャラグラフィックが表示されています。で、深夜の寮に忍び込む関係でキャラが隠れたり逃げたりするんですが、お話に合わせてデフォルメキャラもぴょこぴょこ逃げたり消えたりするんですよ。隠れた時の緊迫感が味わえて楽しかったですし、肩辺りの定位置にひょこっと妖精が戻ってくるのはほのぼのでした。

 

・格式高さを感じさせるシステムグラフィック

画面全体に金属のオシャレなフレームがついていたり、背景として表示されるマップチップも豪奢な雰囲気だったり、見てわからせる世界観が味わえました。また、ロード画面で二人が移動する等々、待ち時間や画面切り替えの間も飽きない工夫があったのもアイキャッチって感じで凝ってましたねぇ。

 

 

[合わなかった点]

 

で、世界観や魔法設定、敬語キャラ自体はとっても楽しかったのですが!

合わないところが本当にとことん合わなかったので語調強めの長文で書きます。

 

・貧乏ネタが無神経

ネタにマジレスします。

貧乏ネタイジリのシーンは見てられませんでした。

アガートみたいな損得勘定しっかりしててお財布のひもが固いキャラに対しての扱いならすんなり納得いくんですけどねぇ。パウルは本人が頑張って苦学生している描写がいっぱいあったので、あれだけ頑張ってるのに馬鹿にされるのはひどすぎるという気持ちが先立ってしまいました。

 

・妖精リリィの性格

この子を「可愛くて憎めないキャラ」と感じられるかどうかでゲームの評価がガラッと変わるゲームだと思います。そして私はこの子大嫌いです。

まともな謝罪はグッドエンドだけだったりこの子自身にはお咎めが全く無かったり、元凶なのにストーリー上は変に持ち上げられたり。

口プロレスしたら映えるキャラだと思うんですけど、パートナーがやり返さないのでなおさらバランス悪く感じましたねー。

いっそ序盤から「妖精は性格に難あり」ってことを提示しておくとか……? 硬派な海外ファンタジーなら妖精=ヤバイみたいな認識はわりとよくあるみたいですし。

まあ何にせよ、扱いと態度が私には合わない!

 

と、合わなかった点をがっつりと書きましたが。

このゲームの全てが嫌いならこんな感想書く時間すら惜しいわけで、実際、世界観が深まること自体はとっても楽しかったです。

 

 

[一言]

理不尽ギャグや、不運・不遇枠のキャラに萌えられる人向け。

 

 

 

 

      『グリム・ゲートの銀銃』

 

[概要]

ツクール製のノベルゲー。アングラな世界と、総元締め的な立場のクールな男、そして彼を取り巻く皆々の一連のドラマ。

 

 

[良かった点]

 

・オシャレなキャッチコピーと興味を引くタイトル

ふりーむさんのキャッチフレーズに惚れました。

いや元々エイ僕のほうで気になっていた作者様だったんですが、各作品の一気プレイをしようと思い立ったのはこの作品のこのキャッチフレーズがあったからです。あのフレーズ、かっこよくないですか!? かっこいいよ!! 銃と心臓という単語選びでぼんやりとお話の色が読み取れるのも良いですよねぇ。

あと細かいツボなんですが、私「ゼルダの伝説」とか「アルジャーノンに花束を」とか、意味深なカタカナが実は主人公名じゃないパターンのタイトル好きなんですよ。いるでしょこういうの好きな人。私は好きです。

 

・小道具の使い方と見せ方

暗器の針やポイズンクッキングなど、作中でドットとして出すには細やかな物に関しては、またちょっと違った見せ方がされます。四角い枠で拡大するあの演出、推理ものでは良く見ますがこういう形式の作品では新鮮でした。

おかげでタイトルとなっている銃により印象がつきましたねぇ。

さりげないところだと画面のフレームやメッセージウィンドウなど、あちこちにオシャレでかっこいい雰囲気が演出されているのもグッドでした。

 

 

・冷徹キャラだからこそ光る特別扱い

イロモノぞろいの悪役軍団みたいなのって燃えますよね。萌えではなく燃え。好きです。

義腕の戦闘狂が暴れ回るとか、美しいお嬢さんが華麗に飛び道具で敵を伸すとか、好きでしょみんな!! 僕は好き!!!

キャラデザも良かったなー。やっぱり私この方のキャラデザ好きなんですよね。他作品になりますがパウルとかドツボですし。ヴァインの紫がアクセントな髪型も好きですし、ピンク髪で選ぶ服によっては甘ロリにもなれるであろうルベッタがあえて青い服なのもクールさが増して素敵ですし。

余談ですがルベッタの顔グラ差分は好みのものが多くてテンションあがりました。こちらは萌えのほう。眇める視線に惚れそうです。

 

で、本題について。常に冷徹であるというヴァインの姿勢を崩さずに、そのうえで本編を描いているのがなるほどなーと思いました。恥ずかしながら初めはまったく読み解けなかったんですが、終わってから改めてもやもやを考え直すと、主軸自体はしっかりしてるんですよね。話を重ねるごとに「なんでヴァインはあんなやつを?」という点へ言及するキャラが増え、プレイヤーの意識もそっちへ流れていき、そしてそれがラストへ繋がるという。意図する流れは理解しやすかったです。

 

 

[惜しい点]

 

・本格的なアングラを求めると食い違う

ヴァインや周りの人達のダークな一面が脅しや暗転で終わることが多く、ライトノベルにおける敵キャラサイドな塩梅でした。報復の面がたいてい爆破で終わるので、怖さが伝わらない感じ。ちょっとイキリっぽくも見えます。

もう少し実際手を汚す、ヤバイものをどんとお出しするシーンがあれば説得力もあったかもですが……。闇社会ということでこちらが期待値を上げ過ぎていたのも悪いかな。

逆に言えば、流血や本格的な鬱は苦手と言う方でも楽しめる作品です。

 

・主人公はヴァインで主役は別キャラ

こちらの読解力不足を棚に上げて話すんですが、第三話辺りに来るまであの子はサブキャラだと思ってたんですよね。ましてや彼女が心臓に当たるほど重要ポジションだとは思えてなかったので(解釈がこれでいいのかも自信がない)、脳内で軌道修正するのにちょっと時間がかかりました。

ヴァインが言っていた彼女の利用価値、という建前をすっかり信じ込んでしまったのもあります。だからこそ終盤で代わりになる修理技師がやってきて捨てられる展開になるんだろうと期待していたので、思わぬ方向に目が点でした。

 

いっそオークションの話から入ってしまっても良い気がするんだけど、ヴァインの人となりを知ってないと「あのヴァインが!?」という驚きは生まれないだろうということもわかるので、うーんうーん。

キャラの印象と登場順は比例するんだなあという学びも得られました。思えばこの作品、ラスボスも主軸キャラも途中からの顔見せになるんですよね。それこそサブイベントで先行して過去編を出しちゃうのも良かったんじゃないかなー、なんて。素人考えですが。

RPGならプレイアブルキャラになるかどうかで重要度のメタ読みもできるけど、ノベルは難しいですよねぇ。

 

 

・どの話からでもプレイ可能

と、公式にはありますが。回想シーンで章が切り替わるわけではなく時系列も地続き、短編連作という印象は薄いです。キャラが多い作品でどこからでも形式を作るのはよっぽどのことが無い限り無理ではないかなあ。

どこからでも読める作品って日常系ミステリが多い印象なので、少なくとも「銀銃と呼ばれる“まで”の物語」という一続きのドラマを提示するのであれば、どこからでも宣言はむしろ削って良いのではないかなと思います。

 

 

[一言]

銃と悪が華々しく、かつ情も含んで活躍する一幕を見たい方向け。

 

 

 

      『マジョマモ』

 

[概要]

時間制限なしのパズルゲー。1プレイ数分でコレクションシステムあり。『エインワーズ家の従僕たち』と一部世界観やキャラが共通しています。

 

[良かった点]

 

・時間に追われず圧に押されるシステム

私は初回プレイでシステムを勘違いしていたのですが、敵の進軍はパズルを消せば行われるので実質ターン制です。消さない限りゲームも進行しないので、手を止めてじっくり悩んでから一手消すようなプレイになるかなと思います。

属性切り替えとパネル消しが同じ操作なので、感覚でプレイ方法が伝わるのもお手軽でした。アクション性を要求されず、じっくり腰を据えてプレイできるタイプのパズルゲーです。

 

・クロスで燃やす斬新システム

パズルゲーというと消せるラインも重要かと思うのですが、本作は十字型というところに斬新さを感じました。敵は列で攻めて来るのでこちらも列で消したいところですが、考えなしにポンポンタップするだけでは一パネル分しか消せません。この範囲の狭さに頭を悩ませるパズルでしたね~。

そんなわけなのでデフォルトの難易度はかなり高い印象です。そこを必殺技や範囲拡張のパネル、巻き込み消しなどで補ってある印象。救済策としてウィルが活躍してくれるところも、エインワーズ家好きとしては嬉しいところ。

落ち物パズルは好きなんですが、こういうディフェンスっぽい体感のゲームは初めてでとても新鮮でした。

 

 

[惜しい点]

 

スコアによってコレクションやちょっとした駆け合いが見れる、それ自体はとっても嬉しい点。ですが要求点数がシンプルに階段式なので、失敗が込むと萎え落ちしがちでした。

バチバチにやり込み向けのものがあること自体は燃えます。なのでコレクションのレベルデザインをもう少しアンバランスにして、序盤のモチベと終盤のやり込みの段差を用意していれば、もっと中毒性が出たのではないかなと感じます。

 

[一言]

ポチポチクリックでお手軽なパズルゲーをお求めの方向け。

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

特に長編で感じたんですが、起承転結とお話の〆を作るのが上手い作者様だなーと思います。あと萌えポイントや燃えシーンがバシッと決まってて、わかってるねえ!と言いたくなります。

合わないところも感じるんだけど、それ以上に合うところが大きくってプレイした作品が多かったです。

 

 

 

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