「データとコードの集合体、失うものは何もない」
完全同一の全く異なるバックアップな前置き。
えー、今回はABARAYA GAMESさんところのフリーゲーム「ランナーズ・エクリプス」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。
詰将棋型戦略ゲー。さくさく解ければ1時間強くらいかな? 一応体感は短編ですが、他プレイヤーが作ったAIと戦うモードもあるので、ガッツリやり込むことも可能です。
有料版としてR-18要素有の「ランナーズ・エクリプス2nd fall」も公開されています。ですが、エロゲー特化というよりはむしろ、ストーリーもキャラも戦法も増えた拡張パックと思ったほうが良いかも。
というわけで、良かった点など。
互いの行動が事前に全開示されるバトル
最も特徴的なのがバトルシステム。敵の行動は事前に開示されており、プレイヤーはそれにどう対応するかを選択します。運要素は一切なく、戦闘は全自動で進行。詰将棋、あるいはパズルにも似たバトルです。
個人的に、プレイ感がすごくTCGに近い印象でした。スキル同士のシナジーを考えて敵の戦略を潰すっていうのが特に。
それと、起動条件を組むという戦い方自体がすごくロマンを感じるんですよ。頭よくなった気がしてテンション上がります。……こう書くとより馬鹿みたいに見えるけども!
リスクなしでトライアンドエラー
バトルに負ければゲームオーバーですが、セーブ地点に戻されるようなよくあるタイプではなく、ただそのステージをやり直すだけになります。戦闘中に負けと気づけばワンクリックで編成をやり直すこともでき、とにかく負けることに対して一切のリスクがありません。
また、ステージが進むとステータスも振り直し自由になります。こちらもリスクゼロ。
これだけでもトライ&エラーが全力で推奨されていると伝わってきますよね。こういう意図がわかりやすい作り、とてもありがたいです。
鮮烈に崩壊へ走っていくストーリー
ストーリーはかなりシンプル、ですがかーなーり痺れる作りです。響く人はあの短さでもザクッと刺さるし、逆に淡々としたお話にピンとこない方は少し物足りないかも。
ステージごとに挟まるちょっとした掛け合いから、舞台設定や世界観が少しずつ明かされていくような作りです。TIPSも世界観理解に役立ちますが、少なくともフリー版であるシナリオA上では重要度は低めかも。ただ、説明書を読むのが好きな自分からするとわくわくする文書でした。
シナリオ中で主人公の台詞が一切出てこないところも好きです。いわゆる無口主人公に当たるんですが、ブルーとの掛け合いの中で彼の姿勢は嫌でも伝わってくるんですよねえ。彼女の態度が説得や誘惑ではなく、あくまで傍観で済む距離感も落ち着きました。
……とか言いつつ、「たぶらかしてみない?」には心がグラっと傾きましたが! こういう茶目っ気を出してくるところも上手かったです。
表面だけ浚えば鬱展開と呼べるのかもしれませんが、個人的には「報われた」という感情が強いお話でした。レベルアップすればするほどできることが増えていき、戦いは激化していく──。そんなゲームのお約束を上手く生かした設定だと思います。
とまあ、こんな感じで。
実質としてはパズルゲー的な楽しさがあるので、攻略を見てサクサクプレイするよりは一面一面悩みつつプレイするのを大いにオススメしたく思います。一緒に知恵熱出そうぜ!
追記では余談としてちょっと自分の詰まった点など。
ややネタバレになるかもなので注意。
同作者様の他フリーゲーム感想記事↓
ネタバレ注意。
軽く自分のプレイスタイルなど。
基本的にはリソースをガンガン上げて、パワーは初期値のままで突き進んでました。で、ヘラクレスを使えるようになった時にめちゃくちゃテンションあがりましたね。リソース上げて正解! っていう保証を得たような嬉しさがありました。
実際のところはパワーガン上げして速攻決める方が早い気もしますが……。
でも終盤はパワー型のほうがキツイかも。
詰まったのがストームの面でした。
感染自体は元々愛用していたので困らなかったんですが、そこから持久戦のための組み方に至るのがむずかったですねー。いつでも回復するという発想がなかなか出てこなかったという。
逆にそこさえ抜けてしまえばあとはスルスル解けていたように思います。
フェイタルアタックが決め手になるステージも印象強いです! もうスキル覚えてからずっと使いたくて使いたくてうずうずしてたんですよ。だからラストの連戦で綺麗にハマってくれて嬉しかったです。
こういう確殺技って実に燃えますよね。良き。
プレイログ語りはこんな感じかな。クリア時レベルは18。
アリーナでのレベリングなしでもクリアできる辺り、やはり良バランスだなと感じました。