うそうさ〜第二号室〜

フリゲ・鬱展開・ヤンデレ 万歳!

フリーゲーム「姫の復讐」「姫さまは薄幸がお好みっ!」感想

「Shall We Dance なんて無粋な人ね」
舞台は自分で作り上げるものではなくて? な前置き。

 


えー、今回はおにぎりと四葉のクローバーさんところのフリーゲーム「姫の復讐」「姫さまは薄幸がお好みっ!」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。


どちらもオリジナルのバトルシステムが採用されている、前進のみのノンフィールドRPG。目押しゲー、アクション寄り。

時系列としては『姫の復讐』→『姫さまは薄幸がお好みっ!』、前者が陰鬱暗めなのに対して後者は前向き明るめ。
なお『姫の復讐』のほうはエンド分岐有ですが、トゥルーの条件は体感かなり厳しめ。アクション慣れしてる人向けだと思います。

 

 


というわけで、各作品の感想など。

 

 

 

『姫の復讐』


柔らかな童話タッチと黒塗り背景のギャップ

タイトルからしてちょっと物騒な本作。こちらの期待に応えるように、背景無しの真っ暗な画面からオープニングはスタートします。
なのでてっきり油断してたんですね。戦闘画面に入るまで。
和やかなタッチで案外明るく終わるのか、はたまた可愛いお姫様がクールに無双するのか? ゲームのシステム自体が先の読めない作りになっているように、お話のほうもどことなく先行き未明の不安感を味わえました。

 

 

ある程度ゴリ押し可能な目押し

本作のバトルはオリジナル、タイミングよくキーを押せば大ダメージや華麗な防御が決められるシステムです。
実は初見時かなり戸惑いました。公式サイトからDLしたらreadmeがなかったもので……へへへ。防御時も目押しできることにラスボス戦で気づき、ハイスコアに至ってはクリアした今でも未だにどういう機能なのかわかっていないなど。回復薬使って全快になったはずだけどスコアは999とかじゃなかったんですよね。道中でいかに攻撃を受けずに倒せたかが鍵ってことなのかなあ。


ともあれ、説明無しでもなんとなく掴めるデザインなのは上手いなーと思います。説明入れると一部ネタバレになる気もしますしね。

あと嬉しいのが、最悪ゴリ押しでもなんとかなるところなんですよ! アクションがかなり苦手なので、ラスボスで詰まってしまいまして……。初めは、ここまで来たのにクリアできないのかな、としょんぼりしてたんですね。でも光明はあります。連打です! 


まあそれでもトゥルーは厳しいですが……。でもクソ雑魚プレイヤーとしては一応のエンドに辿り着けるだけでもありがたいので……。仕様かどうかはわかりませんが、連打が可能というのをあえて残しておいて頂けたんだとしたらありがたいなあと思います。 

 

 

 

本作についてはだいたいこんな感じかな。

 


『姫さまは薄幸がお好みっ!』


合わないなーと思う点もあったので、まずそちらから。


BGMがノーツの妨害をしてくる

リズムゲーというより目押しゲーです。コマンド式バトルな時点で当たり前な気もしますが、音ゲー×RPGなものを期待しているとかなりズレを感じます。
単純な話、BGMに引きずられちゃうんですよね! はっはっは。アクションが苦手なのもあってラスボスはBGMミュートにして戦いました。選曲自体は良いBGMがたくさんあったので惜しまれる気持ち。

 


各種コマンドのバランスが悪い

道中、宝箱に出会ったんですが、大半は開けられませんでした。作中のTIPSを見てニーズヘッグに頼るようにして初めて数個開けられたかな、くらい。宝箱自体あんまり旨味を感じなかったのもあり、期待するだけ損な印象がありました。これなら無しにするか、初めからニーズヘッグ頼りの選択肢一つだけで良かったんじゃないかなー、なんて。
併せて、「ゆっくり進む」も必要性が薄く感じられました。HP温存用かと思いましたが、それでも所詮HP1かHP2の違いしかありませんし、「何か探す」で十分補えちゃうんですよね。「探す」がまったく先に進めないコマンドだとしたら「ゆっくり」にも価値が残ると思うんですが、「探す」でも勝手に進行してしまうことが多々あったので、むしろ上位互換な気がしています。
他、ロード直後に敵と会うことがあったり、HP回復=敵との遭遇率向上のせいで回復できず積みになったり、色々と大味な印象が強かったです。

 

 

と、マイナスな話はこの辺にして。
一方で良かった点

 

 

憧れが本物になる少女の成長物語

可哀想なヒロインになりたい! から始まる元気いっぱいの大冒険。
動機こそ一見ミーハーですが、その奥にはしっかりとしたテーマがあり、等身大の悩みがあり、ステラなりの確固たる結論が導き出されます。
冗談みたいに響いていた薬草取りの話が、最後にはグッと真に迫るお話になってくれるんですよ。もうねー、ラスボス手前のニーズヘッグの語りが大好きだ!!


一方ラストの、ギャグとシリアスがしっちゃかめっちゃかな展開は少々置いてけぼりになりましたが……。正直ウェイトとかシーン区切りとか欲しかった気持ち。でもまギャグ作品として明るく整えたかったのかな、という方向性みたいなものは受信しました。
挫けることはあっても折れることはない、一貫して明るい作品です。

 

 

レベル上げでなんとかできる!

アクション苦手な私にとって大変嬉しかったのが、レベル上げができるところ!
その前に「休む」コマンドについて。HP回復は微々たるものなのに敵にはガンガン会って逆にHPが減ってしまうという具合で、初めはかなり困っていたんですね。でも違うんです、このコマンドの真価は無限にレベリングができるという点にあるんです。序盤にレベル上げはしっかりやっておかないと詰むのは確かなんですが、それでも打開策があるのはすっごくありがたい点でした。


RPGってこう、スキルが問われないというか、音痴でも運動下手でも反射神経無くてもクリアできるジャンルの一つだと思ってるんですよ。そう信じたい! なので、ゴリ押ししようと思えばできるつくりなのは本当に助かりました。感謝。

 

 

ポップでキュートなデフォルメ絵柄

恐るべき魔竜ニーズヘッグと、その名轟く魔王の娘ステラ。と肩書を乗せると強面に見える気がしますが、その実見た目はとってもキュート。『姫の復讐』の戦闘画面も可愛らしい雰囲気でしたが、今作もデフォルメかわいくて微笑ましかったです。
前作ではギャップとして良い具合に使われていた絵柄が、今作では逆にお話と合わせて統一感あるものとして使われていたように思いますね。こう、おんなじ絵柄でも受ける印象がだいぶ違うってところが興味深かったです。
要は、タイトル画面のキラキラわくわく可愛い感じがすっごく素敵!

 

 

 

とまあ、こんな感じで。
どちらも毛色は違えどまとまりの良い作品でした。

 

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