うそうさ〜第二号室〜

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フリーゲーム「臆病な充電器」感想

「理解しなくていい、解決しなくていい、お小言なんて到底いらない」

だが慰めだけでは先へ進めない前置き。

 

 

えー、今回はハラワリさんところのフリーゲーム臆病な充電器」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

エンド分岐有、攻略対象一人のBLノベル。ルートによっては三角関係になります。舞台は現代日本、全員がジャンルは違えど社会人です。

 

 

というわけで、良かった点など。

 

 

はっきり見えない背景とさりげない演出

 

背景にはぼかしが入っていて基本的にシンプルな画面構成。立ち絵もなく、決めどころでスチルがすっと差し挟まれます。このスチルもどちらかといえばワンシーンの切り取りといった印象が強く、横顔を眺めたり部屋で過ごしたり、二人の日々を覗き見ているような構図が多めです。

で、じゃあ地味なのかといえばそんなことはなくて。

いわゆるヤバイ雰囲気になった時は背景画像にジリッとノイズが走ったり、気持ちのブレを表すように画面が左右にぐらんと動いたり、ささやかながらパワーのある演出が非常に多いです。画面全体で雰囲気作りがしっかりされているような印象でした。

特に某エンドの直前の演出がすごく好きなんですよね……。画面に大写しされるあの単語にざわっとしました。

 

 

 

与えるだけの充電器

 

この作品の雰囲気をどう書こうかかなり悩んでいたんですが……。依存といいたいけどそれほど甘くなく、じっとりとしてはいるけど憎悪ではなく、やっぱり形容が難しい、唯一無二の雰囲気です。それでもなんとかひねり出すなら、終盤は特に「デートDV」という単語がガチッと嵌り込む作品でした。

あくまで主人公は付属品、彼のもの、主導権は君。あくまで付属品にこだわり、最後にあの「概ね」という単語をぶつけてくるこの一貫した展開が痺れました。いやマジであの一文大好きなんですよ……。

GOODとされているエンドでも、言ってしまえば表面上二人の日常はそれほど変わりません。毎日仕事があり、何かに妥協に、擦り減ったり諦めたりしつつ日々を続けていきます。ただし、相手のことを考えるシーンの圧にはかなりの違いを感じます。愛とも恋とも言い難い、ドロリとした感情が滂沱のごとく流れていく様は、まさに圧倒の一言でした。

 

初めはお互いが支え合う物語なのかなーと思っていたんです。私情は入れず常識的にバリバリ仕事をこなすリーマンと、好きなことを仕事にした変人寄りな造形家ときたら、なんとなくお互いがお互いの穴を埋めそうな気がするじゃないですか。

が、そうじゃない。そこが良い。

支えあいじゃなくて、あくまで断絶なんですよねえ。そして別に分かり合いたいと叫ぶわけでもなく、すれ違いながら引っ付いていく感じ。主人公の想いというか、なりたい形が相手にちっとも伝わらないシーンがすごく好きでした。

 

 

 

オススメする際に言っておきたい点

 

留意事項として、けっこう攻略が難しく感じたゲームです。

エンド到達自体は楽なんですが、解放した今でもアフターストーリーの条件がさっぱりわかっていないなど。隠しエンドに至ってはなんとな~く○○君ルートかと思ってたんですがダメでした。無念。

といっても、好感度の表示が「充電量」という斬新さは好きですし、基本的にエンド二つは辿り着きやすい分岐になっています。大筋はきちんと拾えるのでその点はご安心。

 

そんなわけで、コンプ癖ある方やハッキリキッチリした終わりがないとヤダ!って方にはオススメしづらいかも。一方で、いつも通りの日常の裏に濃い濁り、みたいなのが好きな方にはしっくりくると思います。

 

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

 

最後に一押ししておきたいのがタイトル。

この関係性にこのタイトルを当ててくるセンス、「充電器」という表現の秀逸さ、その単語を連想させる描写の自然さなど、どれもが味わい深くて好きです。タイトルを見てピンと来たなら是非

 

 

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