うそうさ〜第二号室〜

フリゲ・鬱展開・ヤンデレ 万歳!

フリーゲームサイト「マテンロウ計画」5作品感想

「あの日仕込んだタイムカプセルの場所はどこ?」

掘り出すためにタイムスリップしちゃいたい前置き。

 

 

えー、今回はマテンロウ計画さんところのフリーゲーム「おいかける」「トネリコさん」「トネリコさんとアンダーワールド」「六面体勇者」「身代わりナイトメア」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

今回取り上げる作品はどれも長らく公開停止になっていたのですが、公式サイトにて「過去のゲーム詰め合わせ」という形で再公開がされました! やったー!!

気になりつつもプレイできない作品がたくさんあったので、とっても嬉しいです。

 

 

というわけで目次はこちら↓

 

 

 

『おいかける』

 

[概要]

数分~数十分、一本道を進み続けるノンフィールドゲー。いわゆる雪道ゲー。

 

[感想]

タイトルとお話とシステム全部が噛み合ってる作品大好きなんですよね。これぞゲームだなあと感じます。

ゲーム画面に表示されている二人の人物とゲージも、こうして文章にすればタイトルと比べ合わせて何のゲージかピンと来る人もいると思うんですが……。最後の最後になっても一切ゲージの説明がされないところが好きなんです。わかったらそれでいいし、わからなくてもプレイに支障はない感じ。気づいてなるほどって思う感じが好き。

 

あと敵の名前も個性的でよきです。初手燃やしてくるあれとか笑ってしまいました。

ゲーム性としてはそうだなあ。私は防御を全部捨てて攻撃力↑ばかり拾っていたので、最終的に防御5くらい。それでも防御したら耐えれる時もあって、意外にも引き返すことなく初見でクリア。やったぜ。

数十分もかからずプレイでき、前述の通り色々なものが噛み合っているので満足感はたっぷりでした。

 

[一言]

シンプルなゲームシステムが好きな方向け。

 

 

 

 

トネリコさん』

 

[概要]

クリアまで30分くらいのRPG。仲良し男女のだらだらゆるゆるほのぼのゲー。ラストどの素材を使うかで分岐。

 

 

[感想]

 

独特のゆるーーいノリがすごい楽しかったです。セリカトネリコも仲良し男女なんだけどベタつきはなくて、だらだらーっと掛け合いしつつ一緒に遊べる良い友達な雰囲気でした。

「はなす」コマンドが大好きなんですよ! 初めての「はなす」はメタく身もふたもない導入から始まりますが、いやはやこのノリが味わい深くって。ストーリー進行によって内容が変わるのも細やかですし、ゲームのアドバイスと二人の掛け合い両方がちょうどいい配分で見れるのも素敵です。

ライバルとして出てくるエンリュウも悪意はなく、ほんとに競争相手って感じがしてほのぼのしました。

 

特徴的なのはセミオートバトルかな。

ランダムエンカウントでも操作要らずでさくさく進めましたし、システム自体かなり斬新で面白かったです。魔法の発動タイミングなどややわかりづらいところもありましたが、キー入力即発動ではないことだけ意識しておけば簡単かと。

難易度についても、私は一時道に迷ったので全クリ時はレベル8でしたが楽勝でした。たぶん5・6辺りが適正レベルなんじゃないかなー、なんて。

 

最後にグラフィック面、装備品でさりげなくバトルの演出やモーションが変わるところも丁寧で好きです。

また、キャラチップのサイズが小さめなんですが、くるくる動いてリアクション取ってくれるので見ていてとても賑やかでした。かわいいし元気いっぱいで微笑ましい。

 

[一言]

タンスを調べると引き出しがきちんと開くところ、最高に凝ってて好きです。

 

 

 

 

トネリコさんとアンダーワールド

 

[概要]

ノンフィールド?すごろく風?なマップ、キャラが倒れても3回は復活できる、ちょっと変則的なRPG。クリアまで数時間。裏ボス有、台詞が一部変更されるくらいのエンド分岐有。

 

 

[バトル]

 

前作と比べてノリとキャラは共通、システムはガラッと変更。セリフも漢字混じりで読みやすくなりました。

特筆したいのはバトルについて。単純に物理で殴り続けるだけだとけっこう難易度高め、LPを理解するとけっこうさくさく。LPというのは気絶から復活すると使えるようになる強力なスキルのことで、あえて回復せずさっさと瀕死になっておくという戦略が加わります。そのぶん気絶からの復活はかなりお手軽で、HP回復アイテムで復活できる他、一度バトルが終了するとHPは全回復。締めるところは締めて、ゆるいところはリスク軽めの良バランスでした。

あと嬉しいのが、気絶してても経験値はしっかり貰えるところ! これだけでも拝み倒したくなるありがたさでした。

 

裏ボスがしっかり用意されているのも、戦闘好きとしては嬉しい点。撃破後のイベントやボス名を見ると、錬金術あるあるの後ろ暗い闇設定も垣間見えて実に良いです。この方の暗い方面の創作も好きなので、片鱗が見れてハッピーでした。

といっても、基本はギャグ一辺倒なので安心してくださいね。深読みしない限り平穏です。

 

 

[ストーリー]

 

ストーリー自体もポップなギャグ。

「はなす」コマンドも強化されて、よりお手軽におしゃべりしやすくなりました。文章量もぐっと増えて、テンポよくメタメタしく元気いっぱいです。

 

前作ではトネリコセリカの関係性を友人寄りだな~と感じていたんですが、本作ではセリカ→→→→→トネリコって感じ。第三者のエンリュウ君が突っ込んでくれるおかげで「あっわりとこの二人は距離感がおかしいな?」と気づけました。ありがとう。そんなわけで、ロリコン的なべとつく片想い男が好きな人にもオススメできます。

 

イベントをこなしてとあるキャラを入れているかどうかで会話に差分も加わります。細やかな会話分岐は見るのも探すのも楽しくて好き! 同じダンジョンでもボスを倒す前と倒した後で少し会話内容が変わることがあって、そういう細やかさも素敵でした。

 

 

ところで、エンディングにも関わるので薄字にするんですが、

勇者が魔王を → 六面体勇者

お菓子づくり → Sweet*Sweet

ゾンビと何でも屋 → lostbrave

ゴミ捨て場前の彼 → 停滞少女

なんでしょうかね?

 

 

[一言]

トネリコさん』のノリが好きな方や、ちょっと変わったバトルを楽しみたい方向け。

 

 

 

 

『六面体勇者』

 

[概要]

エンド分岐あり、全クリで30分前後、バトルがサイコロで行われるRPG……でいいのかな。舞台はRPGあるあるの勇者魔王ものですが、プレイ感はアドベンチャーに近いかも。

 

 

[感想]

 

「サイコロの出目で敵を倒すが1が出たら世界が終わる」

この発想がもう最強なんだよなあ!

掴みばっちり進行サクサク、そして時に容赦なくゲームオーバー。王様のセリフを見た瞬間に、ピンとくる人は絶対いるはず。

使うキーがかなり少ないところも上手いなあと思ってまして。会話中にHP確認、即サイコロ、はい次みたいな。特殊なシステムだけど説明要らず、あるいはすぐそこに書いてるのでテンポがめちゃくちゃ良いです。

 

で、ネタで終わるかと思いきやタイトルが効いてくるんですよね!!

六面体。そうですただのネタゲーで終わらないところが魅力なんです。

 

エンド1とエンド6の対比とかもう最高ですね。最高でした。予想外の大好きな展開に狂喜乱舞しました。ヤンデレ大好き。

どのエンドでも1つ到達してしまえば、「じゃああの人がいなかったら/いたらどうなる?」という疑問が出てくると思います。この誘導の仕方も上手。いわゆるRPGのお約束にメタを張るのが好きな方向けです。勇者だけど悪いことしたい、いたずらっ子な人はより楽しめるかも。とかいいつつ私は良い子ちゃんなエンド2でしたが!

 

なおデフォルト主人公名のアールマティは「献身」「心に従う」といった意味を持つとのことで、見事にエンド1と6に当てはまる感じがしてにやにやしました。

 

セーブ画面の数字を0にするためにちょっと捻りが効いているところも細やかで好き。ほんと、色んな側面で楽しめるんですよねこのゲーム。出オチ、探索、RPG、どの面でも秀逸です。

 

 

[惜しい点]

あえて言うならエンド回収の都合で魔王はもう5点分くらいHP少ないと嬉しかった、かな! でも倒した後にセーブできるところは親切で好きです。

 

 

[一言]

発想の勝利に甘んずることなく中身も丁寧に整えてお出しされた作品。

 

 

 

 

『身代わりナイトメア』

 

[概要]

男と女、二つの人格を入れ替えて戦う短編RPGクリアまで1時間強、くらいだったかな。音楽の国がテーマでバトルBGMも凝っているので、MIDI音源再生方法について調べておくと吉。

 

 

[バトル]

 

ステータスは二つだけ、スキルセットは三つだけ、装備品や状態異常はなし。削る部分を削っているからこそ、キャラを入れ替えながら戦うというトリッキーさが生きるんだろうなあと思います。

レベルアップの概念もなく、勝利すればランダムでステータスが上がるというシンプル仕様です。ある程度強くなると頭打ちになるのかな? ほどよく手ごたえを感じつつ楽しめるバトルでした。何より、二人がくるくる入れ替わるのって見栄えが良くてとっても楽しい! 

 

 

[ストーリー]

 

今回はダークのダの字もなく、とにかくポップなギャグ展開でした。

注目したいのはキャラの性別や関係性について。具体的にはクリア後の情報のネタバレになってしまうので伏せますが……。独特の見た目や設定をしていつつも言動はただのラブコメ。このギャップがまず興味深かったです。

というか、設定の盛りっぷりがすごいんですよね。主人公は二重人格、お師匠様激愛、片や関西弁、片や押せ押せ暗黒微笑。これでキャラの属性の交通事故を起こさずに、さらっと短編で終わらせているのが見どころでした。

 

『停滞少女』と明らかに繋がってはいますが、あんまり世界観や設定は重視されていない感じなので、知らなくてもさらっと遊べるかなと思います。

とりあえず、クレイドール男のメカクレっぷりと崩れかけ俺敬語がめちゃくちゃ好きです。

 

 

[惜しい点]

・終盤ppが意味をなさなくなる

・逃げても敵が固まらないから逃げきれない

 

 

[一言]

風代わりなバトルシステムと、ポップなラブコメの温度差が面白い一作。

 

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

 

やっぱり一番刺さったのは『六面体勇者』かな!

正直プレイできないんだろうと諦めかけていた作品群だったので、この機会に触ることができてとっても嬉しかったです!!

 

 

 

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