うそうさ〜第二号室〜

フリゲ・鬱展開・ヤンデレ 万歳!

ボカロ曲「パンダヒーロー」感想解釈

そろそろミリオンが近いのでパンダヒーローの感想。

 

聴けば聴くほどハマるというか、癖になる曲ですね。アヒル船長が好きです。
グミの名を借りたグミに限りなく近い何かと言うか、けっこうはっきりとしたキャラデザでびっくりしました。ああいう絵柄はあまり見ないのだけど、カッコいいなあ。味があって実に好みだ。
あと、「感情制限」の辺りはぞくぞくっとしました。あの女の子の表現はすごいなあと思う。頭に刺さってるあれはしょっちゅう出てくるけど、なんなのかなあ。
フーセンガムの顔もぎょっとしました。そういえば野球選手ってガム食べてるよね。センスあるなあ。

詞の言い回しもとても独特、相変わらず惚れ惚れとします。連想と言葉選びが上手い。売女なんて言葉はとっさに出てこない。「さらば 一昨日 殺人ライナー」の響きがとても好き。

PV、歌詞を含めて全体的に退廃的な印象でした。
マトリョシカに似てるとよく聴きますがどっちかというと雰囲気はリンネに近い気もする。まあ、作者様が同じ方ですから似ていて当たり前か。

 

 

んじゃまあ、これまた言葉遊びに近い考察といいますか語りでもやらかします。
こういうのは言葉にすると台無しになってしまう部分が多々あるため、自己満足であることをご承知おき下さいませ。

 

さて。
これまた随分と荒れた歌詞だなあと第一印象。

白黒曖昧な“正義”のヒーローのくせして、試合は結局負けのまま、終いには一昨日(=決着のついた試合)とさようならしてブラウン管を壊して回る(=無かったことにする)、とまあざっと大筋だけでもとんでもない詞だ。
負の感情がぎゅっとつめられているイメージ。

すでに色んな場所で言われていますが、黄色いダーツ盤(=肌の痕)に注射の針、オピウムの辺りを考えると麻薬中毒も考えられますね。
薬中(=ドーピング)のヒーロー、みたいな。


部分部分を取り出してありがちな考察を加えますと。

犬ラジオ=雑多な周りの輩、身勝手な噂
フラフラにネオンバニーガール=明るい健全さは皆無の裏街、賭け事・色事・酒場
バケツ被った猫が鳴く=猫は審判、目の前すらろくに見えない奴に理不尽に判断される状況
ブザー蜘蛛の子警報灯=試合さえ終わればとっとと去っていく視聴者

とまあ、こんな感じかなあと。


で、改めてちょっとまとまりで考えてみると。

 

・「相場はオピウムの種一粒~何処にも行けないな」の辺りまで

裏街での相場はオピウムの種一粒(=超高い・大変)だが、ヒーローは「一つ頼むぜ、」と手伝うことがさも当たり前のようにカラカラの林檎(=意味なし価値なしの報酬)で助っ人を頼まれる。(こっちの苦労を)何でもないような声で愚図られて、さあ、と声を上げようにも何処にもいけない。
パンダヒーローの苦悩と言うか、依頼人へ期待することへの諦め。はいはい俺はヒーローですよ行きますよ行きゃあいいんだろ、みたいな。


・「カニバリズムと~ほらヒーロー」まで

ここは直接的に作者様の曲についてだろうと思います。
カニバリズム(=悪癖・ひどいもの)と言葉(=伝えたいもの)だけ込めて、歌うアンドロイド(=ボカロ)と遊んでる(=本気には見られないような戯れ事に近いことをしている)。きっと嫌われていて望まれている、白黒曖昧(=賛否両論)なヒーロー(=脚光を浴びる曲自身)。
向上心が高いのか、とても自嘲的。この部分が苦しい。

 

パンダヒーローが作者様自身、という意見も見かけたのですが、なんとなく自分をヒーローと歌うような方ではなさそうなので、“曲”ってとこを強調してみました。雀の雫ほど少しだとしても自信ないとネットに公表なんてできないだろうし。

 

だから、一方では薬物中毒の駄目なヒーローがやけになった話、また一方では期待をかけられてアンチと信者に挟まれてどうしようもなくなっている曲たち、かなあと思います。

そもそも薬中がヒーローになるなんておかしな話は無いんだよね。つまりは凡人なのに祭り上げられている不服感が出ている気もする。全て私の妄想だけど。


私用の用語メモ。

・ビハインド
相手チームに点数差でリードされている状態
・ライナー
野球において、低い弾道で地面に着地することなく飛ぶ打球
・三遊間
2塁と3塁の間
・オピウム
アヘン

 

野球の基本ルールすらろくに知らない私でした。