「まさかあいつが結婚するなんて」
手が早い奴ほど見た目は草食系な前置き。
えー、今回はplus pureさんところのフリーゲーム「キスキル・リラ -winter season-」の感想をつらつら書きますね。
同名の前作のベストエンド後日談が見られる短編フリゲーです。後日談であるからにはもちろん前作のネタバレだらけなので、そちらを先にプレイしてからこの作品に移ることをオススメします。
さて、さっそく魅力的な点を挙げます。
短いながらもまとまりのあるストーリー
共通ルートはなく、初めから攻略対象を選んで読みたいSSから読み進めることができます。
どのお話もキーポイントは夢魔の冬眠。キスキルリラの独特の世界設定と、乙女ゲーらしいときめきシーン、どちらもしっかり楽しめるストーリーでした。前作での疑問や気になるところもしっかりと補足されていて、ファンとしては嬉しい限りです。
新規立ち絵込みのグラフィック
前作の続きではありますが、立ち絵は全て一新されており、しかもなんと瞬き口パクまでしてくれます。前作でもクオリティが高かったのに、さらにレベルアップしていらっしゃる……! 元々美形なキャラクターがよりいっそう色っぽくなっていたのでどきどきしました。
口パクも、単に開いたり閉じたりするだけではなく、キャラの感情に合わせて口の形が変わります。ゲーム自体は短編であっても、細かなところまでかなり気を使ってある一作だと感じました。綺麗なスチルはいわずもがな、です!
雰囲気にぴったり合ったBGM
前作ではどうしてもギャグやバトル場面のBGMが合わないなと思ってしまっていたんですが、今回はばっちり雰囲気に合ったBGMばかりで幸せでした! 公式ブログを見たところ、使用曲等も丁寧に管理していらっしゃるみたいでこだわりがひしひし伝わってきます。
タイトル画面と、ジークの話でのBGMが特にピンときました。
とまあ、こんな感じで。
不満点はセーブロードができなかったことかな……。それぞれのお話はだいたい20分もあれば読めるくらいの長さなので、一気読みしようと思えばできるんですが、ちょこっと不便でした。
けれども、前作が気にいったならぜひぜひやって欲しい一作です!
追記にはネタバレ込みで各話の感想を書きますね。
同作者様の他フリーゲーム感想記事↓
それぞれのお話の感想。
ダイレクトには書いてませんが、一応ネタバレ注意。
・ダレル
見ててこっぱずかしくなるくらい二人とも可愛い!なんだかやっぱりダレルはかっこいいっていうより可愛い雰囲気の人だなあと再確認できました。いやあ、ベストエンドの後日談で良かったねダレル君……w
・クラウディオ
両片想いが両想いになるまで。前作で残っていた、テレーゼさんはどうするのかという疑問にも答えてくれて、良い補完編でした。夢魔の性質も絡めてくれていて、新鮮味もあって楽しかったです。
・アベル
陰鬱歎美なあのエンドを乗り越えて、健全に戻ったお二人の話。あのダークな雰囲気ももちろんとてつもなく大好きでしたが、アベルに似合うのは爽やかな笑顔だよなあとも思えました。しこりの残っていた家族の関係がどうなったのかも見れて安心しました。
・ユキヒコ
アベルの直後にプレイしたせいか、それぞれの関係の進み具合にすごく差があって笑ってしまうなど。ごめんよぅ。あぐらとか、さりげない下準備の完璧感とか、ところどころでユキヒコの男らしさを感じれておいしいお話でした。ユキとケネスは表だった協力関係だと思い込んでいたので、当時の彼らがどういう風な距離感だったのか知れたのも嬉しかったです。
・ジーク
BGMが終始好みでした。まずそこです。この調子だとラスボスルミナに認められる日は近そう、かな? 新しい立ち絵のジークはまさに魔性の美形っぷりが体現されててぞくぞくしました。子どもっぽくもあり、大人なところもあるのがジークの魅力ですね!
・ケネス
本命きました。魔界生活中心の花嫁修業なお話。人間界に居た頃と違って、オーラというか格の違いというか高貴さを改めて感じさせられました……。魔族の美しさに惚れぼれと。ケネスのシャイなところも好きなのでちょっと惜しくもありましたが、甘々要素が多かったのは嬉しいです。
・boy’s
まさかこうくるとは。そんな。まさか。びっくりしました。
いや、公式サイトのコンテンツにあったのでこの設定自体は知ってたんですけども。てっきり攻略キャラ視点の話とかそういうのだと思っていたので。びっくりしました。設定そのまんまじゃなくてちょっとずつ変えてあるのも別世界感あってとても好みです。
どちらにせよケネス、良いなあ。あとこうなると主人公の外見年齢16歳かつ内面成人済みというのがたまらなく危なく感じられてなりません。いいぞもっとお願いします。