うそうさ〜第二号室〜

フリゲ・鬱展開・ヤンデレ 万歳!

フリーゲーム「ChocolatE」感想

「甘いのにちょっと苦くて舌にどろどろ絡む」

チョコですよ、な前置き。

 

 

えー、今回は、Myrrh・CさんところのフリーゲームChocolatE」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

ウディタ製の短編探索ホラーゲーム。

クリアだけを目指して突っ走るなら10分もかからないくらいですが、色んなイベントが設定されているので、色々寄り道しまくるのをオススメします。これぞ探索ゲーの醍醐味ですね。

びっくり驚かせる要素はないので、苦手な方も安心してプレイできます。尖った部分はありますが、少なくとも私にはグっときました!好き!

 

 

 

では、特徴を上げて語っていきます。

 

 

 

色彩豊かなマップ

まず特筆すべきはこのグラフィック面でしょう。

マップは全部自作のようで、かなりビビッドな色合いで構成されています。あちこちワープしたり、ぎょっとする内装だったりするのもまさに異空間という感じです。不気味ながらも楽しく探索させて頂きました。

反応ポイントが多いのも魅力ですねぇ。ボイスがついてるのも可愛くて好き。とりあえず目につく物体は全てカチカチ調べる主義な自分としては、色んなものにロットが反応してくれるので嬉しかったです。お気に入りのマップや反応は、ママの部屋……で呼び方は合ってるんだろうか。色々叱られるあの部屋です。

起動画面の、どっろどろなあの画像がこの作品の全てを表しているような気もします。

 

 

 

エゴイスティックなキャラクター達

善人はいません。が、悪人というには酷な気もします。どうしようもない人達って印象が強いです。言葉は悪いかもですが……でもこういうキャラ達好き!

あの、ヒントをくれる彼にはお世話になりました。鍵探しの時もあの建物でもお世話になりました。はっはっはこのやろう。良い意味で憎らしいキャラでしたw

千夜子とロットで言語の壁がある設定も独特で面白かったです。カタコトの英語可愛い! 日記イベントや千夜子のモノローグみたいに、随所で言語違いが機能してるのも上手でした。

トゥルーエンドへの選択肢があえてあっちなのもすごくこの作品の世界観が出てて素敵です。もう片方は胡散臭いものねぇ。

 

 

 

ストーリー

根幹のストーリー部分は、けっこう薄味です。キャラ達がビビることもないので、なおさら淡々として見えます。最低限の目的だけ分かればいいかなというくらいで、展開の起伏も少なめ、謎の店の事情など深まったところの言及はありません。が、むしろ物語が濃いと過剰に露悪的だったり説教臭くなったりするかと思うので、この作品についてはむしろこのくらい抑えてあるほうが合うのかも。

ただ、冒頭の牛の死体(?)は平気だったのに捌くのは駄目なの?と疑問に思うところもあり。扉や小屋など、まだプレイヤー視点では見えてない場所についてキャラが先んじて喋るところにもちょっとだけ混乱したかな。その場所に近づいてからイベント開始だと良かったかも、なんて。

 

しかしそれを補って余りあるのがキャラクター達の台詞部分です!

 

とにかくセンスに溢れています。闇が満ち溢れている……の部分ですっかり落とされました。この言い回しはこの作者さんにしかできないだろうなあという感じがします。なんかすごい好きです。

よくわからないことを言ってる人達についても、よくよく見ると意味が伝わるのがまた不気味でたまらんでした。あそこでの二人の冷めた会話も好きです。

 

 

 

公式サイトのcomic

ゲーム内のエンド自体はあっさり味でしたが、漫画の後日談のおかげで味が深まって大好きになりました。素直にポピュラーないちゃいちゃになるはずないよねやっぱり毒は入るよね知ってた好き。

こういう毒持ってる子達が更生されちゃうのってものすごく違和感があるので、ほどよい具合に収まってて感動しました。彼ららしさも出てますし。どうしようもない人達なりに上手くいってる感、本当好みです……。

 

 

 

 

 

謎解きについては必読にヒントがあるので、攻略自体も易しいかと。一番好きなのはやっぱりトゥルーエンドですが、発狂エンド(?)の悲愴さも好きです。

 

とまあこんな感じで。

お化け的なホラーではなく、人間の内面のドロドロや造形の不気味さに身を震わせるタイプのホラーなので、その手のが好きな方は是非にプレイしてみて下さい!