うそうさ〜第二号室〜

フリゲ・鬱展開・ヤンデレ 万歳!

フリーゲーム「一週間戦争」感想

「正義が勝つためには正義を殺さねばならない」
力こそパワーな前置き。

 

 

えー、今回はCAT END TURNさんところのフリーゲーム一週間戦争」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

ジャンルは、なんと言えば良いのだろう。ノベル+RPG+シュミレーションみたいな……?


4人の主人公の視点で進めていくんですが、キャラによってゲームシステムも変わるので、一粒でたくさんの味が楽しめます。あと、とにかく長編です。クリアまで最低でも15時間くらいはかかったんじゃないかなあ。


テーマは戦争。もちろんシリアスです。鬱展開があったり、暗かったりします。人もドラマティックにばんばん死にます。熱く重たい展開が好きな人向けです。

プレイ自体はver1.11でやりましたが、現在は色々改善済のver2.0が配布されています!弛まぬ開発ありがとうございます。(202008追記 なんとついにリメイク版まで公開されました!! 息の長い作品は嬉しいですね……!)

 

 

さて、ではさっそく良いなあと思ったところを挙げていきましょうか。

 

 

多視点での重厚な物語

 

このゲーム最大の特徴はやっぱり、四人の主人公の視点からストーリーを見ていくことができる点だと思います。キャラの心情がわかりやすいので、共感できたり感情移入できたりして、ボリュームたっぷりのストーリーにどっぷり浸かることができます。


ストーリーとして楽しかったのはグゼイド編エルミィ編ですね。グゼイドの方は、ジリィガァとの掛け合いと、破滅の道をノンストップで転がっていく様に魅力を感じたから。エルミィの方は、あの溢れる恋愛っぷりと自虐っぷりに、痛々しい可愛らしさを感じたからです。
王道な展開が基本になりますが、ところどころで驚かされる展開もあって、飽きませんでしたねぇ。最終日のグゼイドとエルミィには驚かされたので、そのおかげでこの二人のパートも印象深くなっているのかもしれません。


ゲームプレイ時間のうち、半分以上はストーリーを読んでいたように思います。そういう意味で、上記のジャンルのところにもノベル要素を含んで書きました。

 

 

 

判断が問われるボスバトル

 

自分が操作するパートで一番苦労したのはやっぱりボスとのバトルだった気がします。バトルがあるのは主にレギル編グゼイド編ですね。敵の表情や立ち絵を見て相手の行動パターンを把握、そこから自分の行動を考えないといけません。この行動パターンを覚えるのがなかなか厄介で、メモすれば良いんでしょうけどそれを面倒くさがってうっかり死ぬなんてこともありましたw 手間を惜しんじゃいけませんねぇ。


なんだかんだで、こういう、行動パターンを探していくっていうのはゲームによくある楽しみ方ですよね! ボスパターンを読んでボスチクできた時のあの楽しさといったら。特に回復手段が限られている前半は、一手間違うとゲームオーバーなんてこともあって、緊張感が楽しめました。


ある程度敵キャラのHPを削ると一枚絵が見れるって言うのも、ご褒美感ありましたし話としても熱くて嬉しかったですねー。

 

 

 

豊富な一枚絵

 

イラストの話をしたので、ここにも触れておきましょう。
一枚絵や顔グラの種類が非常に豊富です。お得です。惜しみなくふんだんに堪能できます。
荒っぽいタッチではあると思うんですが、鬼気迫る表情や悪役顔、絶望顔などがとても上手で、むしろこのゲームにはこの絵が一番ぴったりだと感じられました。


平和なところだとティエスの照れ顔がお気に入りです。可愛いなあ。
実際作者さんもグラフィック面は苦労されたとのことで、クリア後のCGルームではその膨大な量に驚かされます。味があって素敵。

 

 

 

個性豊かなサブキャラ

 

キャラクターというとメイン4人に注目しがちなんですが、あえてサブキャラに焦点を当ててみると、大変良い動きをしているキャラが多いなと感じます。ただの変態かと思いきやムードメーカーとして活躍するウィズベックや、口うるさいおばさんかと思いきや忠義に溢れた侍女ルルンなどなど。サブキャラの動きもしっかり書かれているので、読んでいてとても魅力的でした。
エピローグのルルンが印象的だったなあ……ひょっとするとエルミィより泣いたかもしれません。

 

 

 

ナイスタイミングのセーブ

セーブは物語の切れ目と切れ目にあります。章代わりのついでって感じですかね。このタイミングがまた良いんです。ちょっと疲れたかなーと思った頃に出てくれるので助かりました。

 

 

 

とまあ、こんな感じで。やっぱりストーリーとキャラ性が印象的でした。

 

 

 

残念だった点としては、

 

 

 

・ウェイトが長め

いかんせん、文章量に反して台詞のウェイトが多くて長め。既読の文章は飛ばせるんですが、一度見た文章でも視点によってはキャラ名がわからない(「???」表示)なので、そういうところが未読扱いになっているのがちょっと面倒でしたね。
(……と、書いてしまいましたが現在のver2.0ではウェイトが消去されているとのこと!やったぜ!)

 

・ゲームシステムの使い捨てとところどころの不備

このゲームの魅力はキャラごとにゲームシステムが変わることだと思うんですが、一部の使い捨てがもったいなかったと思いました。例えば、エルミィ編での舌戦や分かれ道の選択。システムが変わる毎に説明を読んで把握しないといけないのに、それ自体は一回こっきりで終わってしまう。せっかく面白いシステムだったので、色んなところで活用するか、数を絞って欲しかったかなーと思います。
あと、グゼイド編で敵と接触しても倒せないことがあったり、ミア編で画面に出てきていない遠くのキャラに補足されてしまったりするのも、ちょっと理不尽に感じました。

 

・おまけ

CGルームが閲覧できて、しかも一枚一枚にコメントがあることや、曲が選択できて楽しめるのは素晴らしいと思います。ティエス戦の曲が好きです。何より開発室ってのはどのフリゲでも心躍るものです。
が、残念ながらあの製作秘話は合いませんでした。キャラと作者の掛け合いってのがどうも苦手で……。あと、ゲストキャラとして別作品のキャラが出てくるのですが、そちらを私がプレイしていなかったせいもあるかもしれません。
でも本当、これは本当好みの問題だとは思います。私がこの形式に合わなかっただけです。といっても本編の余韻はけっこうぶっ壊れるので、おまけ部屋にいってセーブデータを作ったら、一度寝かしておくことをオススメします。
個人的に、グゼイドを完全否定するならエルミィも絶対に許しちゃいけないと思うんだけどなー。その結果あのエンドってことなのかも。

 

 

 

 

後半は辛口になってしまいましたが、やはりストーリーが熱く魅力的だったのは事実。キャラも立っている良作でした。システム面の多少の不便さが気にならないのであれば、プレイしてみるのをオススメします。


余談。pixivのエイプリルフールネタであった続編ネタが楽しみでなりません。2111年かー長生きしなきゃなー。

 

 

 

  • シリアスな雰囲気を楽しみたい方
  • オリジナルシステムが好きな方
  • 綺麗な女性の幼児退行シーンを見たい私のような妙な方
  • ストーリー性重視の方

特にオススメです。