うそうさ〜第二号室〜

フリゲ・鬱展開・ヤンデレ 万歳!

フリーゲーム「chaos pastel orange」感想

「繰り返すことがすなわち記憶である」
忘れまいとする前置き。

 

えー、今回は、studioえんじゅさんところのフリーゲームchaos pastel orange」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。


このゲーム、制作は大型掲示板の有志達によるものです。とはいってもいわゆる2ちゃん要素はほとんどありません。なので、スレ系の作品が苦手な方でも、興味を惹かれたら試しにプレイしてみて欲しいなあと思います。


サイトのダウンロードページに書いてあることが全て、という感じもします。あれでピンと来たら是非ともDLして欲しい、クオリティの高い良作でした!

 

ただ、ちょっと私が誤解したところがあったので、念のため補足を。

サイト内の「ヒロインがなんと一人しか選べない」という表記についてです。これを見て何故か私は「記憶の関係する話らしいし、もしかして攻略対象を選択した時点でセーブデータが消されるのか!?」などと思い込んでしまったんですねぇ。いやいや、改めて見ると自分が馬鹿だったなあと言う話ではあるんですがw


単純に、徹頭徹尾メインヒロイン確定済みの一本道ノベルってだけです。ご安心を。

 

 

ってなわけで、ジャンルはノベルゲーム。プレイ時間は8時間程度の長編です。サスペンスがあるため、残虐な描写も含みはしますが、過度ではないので大丈夫。言うなら、画面に血しぶきが出るくらいです。

 

 

 

 

というわけで、さっそ感想をば。

 

 

ストーリー

ギャグは軽快に、シリアス展開ではドキドキハラハラさせられる――ギミックやシチュエーション自体は変わっているものの、流れはとてもギャルゲらしく読みやすい一作でした。
サスペンス部分では先を予想できない不気味さと、大事件での爆発っぷりがたまりませんでしたねぇ。日常パートの随所にさりげない伏線があって、それらがどんどん収束していくのは読んでいて気持ち良かったです。


ここだけネタバレになってしまいますが、かなり序盤でわかるので書いてしまうと、主人公はちょっと厄介な設定を持っています。キャラの顔が(かなり衝撃的な形で)判別できないという設定です。

 

ギャルゲなのにキャラの顔が見えないとはこれいかに!
果たしてどうやって恋愛していくのか?
事件が起こったとして、犯人はわかるのか?


どうでしょう、なんだか気になってきませんかね。
私はこれでがっつり心を掴まれました。

 

もちろんトリックはこれだけでなく、様々に散らばった謎が話をどんどん面白くしてくれました。チッピーのところは怖すぎてもう、ぞっとしたなあ……。
恋愛面ではもどかしいところも多かったですw そこはいっそ開き直って下さい、と感じることもしばしば。けれど、だからこそ、想いが通じるシーンがより輝くのかもしれません。

 

 

 

キャラクター雑感

 

高西:妙に鈍感なのはギャルゲ主人公の宿命か。いやはやしかし、自立してないヒーローが自分の足を使って立ち上がろうとする様はやはり見ていて燃えるものです。体質こそ珍しいものの、心の動きは共感しやすく、一緒になって怯えたり逆に心を奮い立たせたりできる主人公でした。

 

いろは:とにかくかわいい。でも、作中でも言われていたように純粋過ぎるがゆえにもやもやさせられるところも。というわけで、実は嫌いなとこと好きなとこが半々のキャラでもあります。一歩間違えると穏やかなヤンデレになりそうなのは、うん、萌えるね!

 

水城:独特の喋り方が印象的。初めこそ、なんだこいつは!と腹を立てていたものの、意外と漢な内面にすっかりときめきました。クリア後見れる立ち絵の衣装が可愛いんだこれが。色んな意味でMVPのキャラだと思います。

 

赤坂:がさつに見えて乙女な女の子は皆萌えるものです。気のあるそぶりは見せるものの、最後まで見事な支え役でいてくれる、とてもありがたい存在だなあと思います。

 

黄之瀬:ラストでの彼女の心情を考えると複雑な気持ちになります。責任感強めの子は自分を追いこんでしまう、典型的なパターン。慰めてあげたいような、気にするくらいならきっぱり自分の想いを言ってきなさいと叱咤したくなるような、一言で形容しがたい感じでした。

 

金田:わりとそんな気はしてた。どこまでも潔くてすっきりしました。こういう飄々とした友人ポジはやっぱりおいしいよなあ。屋上での「愛してる」は忘れられそうにありません。

 

紺野:メンバーが良い子ちゃんばかりの中で、がっつり自己中という異色なギャグキャラ。しかしながら、もやっとしていたところを彼が容赦なく突っ込んでくれる時もあって、なんやかんやで憎めないポジションです。

 

こうして見てみると、どのキャラも素直に好きというには癖があって、でもそこが魅力的でもある……陳腐な言い回しになりますが、リアルなキャラをしてるなあと思います。

 

 


システム

BGMの曲名表示、クイックセーブとロード、環境設定などなど至れり尽くせりで、最初から最後まで快適に進められました。ミニゲーム的な記憶整理パートのおかげでだれることもなく、複雑な事件を改めて見直せるのも助かります。
クリア後のさりげないおまけも嬉しかったなあ。犯人視点に悶えました。

 

 

グラフィック

設定の関係で特殊な描かれ方をしている立ち絵のちぐはぐ感と、スチルの綺麗さのギャップに初めはかなり戸惑いました。だからこそ、終盤の展開は鳥肌物。とりあえず、クオリティは高いですとだけ。

 

 

 


とまあ、こんな感じで。
サスペンスと言うのかミステリと言うのか、様々な謎と恋愛要素、一粒で二度おいしい良作でした!