「箒を使い掃くことで日々槍術の修業をしているのです」
意外とありそうな気がするな前置き。
えー、今回はプロキオンさんところのフリーゲーム「使い魔な日々RPG」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。
次回作が出る頃には配布終了します、との告知があったので慌ててDLして参りました。現在は配布停止中です。でも公式ページで一部のスチルやカットインは閲覧できるので、DLしそこねた!という方はそれだけでも確認しに行ってみると幸せになれるかと思います。
さてこちらの作品、公開日こそかなり昔ですが、動きまわるドット絵など、色々な面で最近の作品とも遜色ない出来で大変楽しめました。
女性向けの、一応恋愛要素もあるほのぼのRPG。プレイ時間は1時間~とあったのですが、私は色々収集したりルートをコンプしたりで歩き回ったので5時間かかってましたw というわけで、人によってプレイ時間はかなり変わってきそうです。
では、さっそく特徴的な点から。
とにかくよく動くドット絵と一目奪われるカットイン
初戦闘では目を見張りました! とにかくドットが可愛い! そしてめっちゃ動く! なんてこった!
味方キャラだけでなく、敵キャラもこっちに寄ってくる等の動きをするので、雑魚戦も見とれながら楽しくできました。ミモリの応援動作がかわいくてお気に入り。
そして条件を満たすとカットイン入りの技まで覚えられちゃいます。これがまたかっこいいのなんのって!ユーリの自信満々挑発的な表情が大好きです。
私はドット絵好きなのでつい先にバトル面のグラフィックを挙げてしまいましたが、もちろん、戦闘だけではなくノベルパートでの立ち絵やスチルもときめく逸品です。
ゆったり難易度と属性システム
バトル自体は基本的にものすごくゆるい難易度です。基本的に全体魔法をぶっぱなし続けているだけでさくさく進みます。なのでRPG苦手・初めてって人も楽に手をつけられるかと。
RPGではMP倹約家な私ですが、この作品は主人公ちゃんがMP補充の役割を果たしてくれるので思う存分魔法が使えて楽しかったです。ヒロインが守られる側でかつサポート役っていうのは、王道乙女ゲーに求める主人公のポジションそのままだったので、物語とシステムの噛み合いもお上手だなーと感じました。
一方で、終盤では敵の属性を考えないといけなかったり倒す順番を考えたり、RPGらしいバトル要素もしっかり出てきます。特におまけダンジョンの初ボスではなかなかギリギリの戦闘ができました。
ゆるゆるながらもRPGらしい戦闘を楽しめる一作、という印象です。
装備付け替えでのスキル習得システム
初期の段階で皆かなりたくさんのスキルを覚えていますが、装備を付け替えることでそれにプラスしてスキルを覚えたりステータスを上げたりすることができます。何度か戦うことでそれらを習得するのが特徴的ですね。
推しメンに色んな技を使ってほしい一心で雑魚を屠りまくっていた覚えがあります。
なお、上記の通りバトル自体はそう難しくないので、やろうと思えば初期状態のままでもクリアできると思われます。シンボルエンカウントで雑魚戦嫌いはとにかく逃げられるし、逆にこういったコンプ欲そそる習得システムが好きならどんどん狩りに行ける、プレイヤーの色に任せたプレイングができるバトルシステムだったなーと思いました。
ほのぼの王道なストーリーと意外に暗い設定
悪者からお姫様を助けに行く、という筋書きだけ見ればとっても王道なストーリーです。全体的な雰囲気もほのぼの寄り。Aキーでの仲間と会話できるシステムなども、ピクニックふうな雰囲気の一端になっている気がします。
乙女ゲーらしいちょっとしたときめきイベントもありますが、恋人関係になるほどの距離ではなく、エピローグもさらっとしたお味です。なので、べたつかず明るくほのぼのしたお話をお求めの方にぴったりかと思います。
さて一方で。
ところどころにほんのりと不穏さが感じられる言い回しがありまして。
コンプして見られる設定資料を読むと、想像以上のシリアスな設定に驚かされました。いやー、これはおいしい! この作品内ではそれらについてほとんど触れられませんが、どうもこれ自体が外伝で別の形で本編を製作する予定のようなので、そちらでおそらく語られるのでしょう。
なので、普段明るい人が実は…?みたいな展開がお好きな方にもオススメです。
周回要素とスキップ機能
2周目以降、データを引き継ぐとスチル閲覧できるアイテムがもらえます。上記でコンプ云々といっていたのはこのスチル集めのことですね。実は5周した経緯がここにあったりします。1・2周目は一つ目のスチルをうっかり取り逃がしたので……w
データ引き継ぎすると、アイテム・スキル・レベルは勿論のこと、一部のダンジョンや仕掛けもスキップできます。たぶんプレイ時間は初周の半分以下に収まるんじゃないかな?
レベルが高い状態だとザコ敵も自分から逃げてくれるのですいすい進めて助かりました。この辺りのシステムはプレイヤーに優しくてありがたかったです。
とまあ、こんな感じで。
攻略に関しては公式サイトでものすごく丁寧に書かれているので、詰まることはほぼないかと思われます。RPGとしても乙女ゲーとしても楽しめた一作でした!
追記では各キャラクターへの感想やおまけダンジョンについてなど。
同作者様の他フリーゲーム感想記事↓
ネタバレ注意!
・ミモリ
ストーリー上では、エピローグでばきっとフラグを折る展開にちょっと笑わせてもらったりw
内面は純粋無垢な感じのキャラで、ピュア系ヒロインを愛でたい自分としては癒されましたねぇ。あと、個人的にすごい好みな髪の長さでにやにやしました。
初めはヒントの通りサポートに徹してもらっていました。RPGでのサポートキャラは暇になりがちなイメージだったのですが、この作品ではMP補充するだけでも十分忙しかったので、充実感があったものです。
おまけダンジョンをクリアしてから改めて「どん!」を使ってみたら、想像以上の高ダメージを叩きだしてくれて大層驚きました。ミカエルより力あるぞこの子! 立派になったなぁ。成長っぷりが嬉しかったです。
・ミカエル
初めにルート入ったお人。お金大事。
堅物キャラな感じですが、姫様との法の話が素というか、天然入ってる感じでにやにやしました。
特におまけダンジョンではレダ?もユーリ?も神聖系の魔法がよく効くので大活躍。教会ダンジョンでも神聖ぶっ放してればよかったので、魔法面でもかなり頼れるイメージでした。
装備での状態異常耐性をあまり意識していなかったので、回復役なのに何かと焼かれたり魅了されたりして大騒ぎだった覚えが。ごめんよごめんよ。
・レダ
色々と匂わされていたところから察するに吸血鬼、でいいのかな。
立ち絵が一番好みです。金髪赤目の麗人な感じがたまらない……!
魔法の適性が低めという設定に則してか、MPは低めです。でも素殴りがめちゃくちゃ強いわけでもないので、手数で勝負するタイプかな。もう少し早くクロススラストの便利さを知っていれば、ミモリちゃんも楽できたかもしれませんw
・ユーリ
いやーかっこいい!本命です。だって明らかに闇が深そうなので……。あと唯一全てを託しても大丈夫そうな気がします。堕ちそうな気もしますが。
ミカエルと対照的に、素が読めなくてぞくぞくするタイプのキャラ設定のご様子。プレイ中はそんな様子はちっともなくてただただ好青年なので、妄想が掻き立てられます。
魔法にしろ殴りにしろとにかく高い威力で敵を屠ってくれるので、戦闘の要としても役立ってくれたキャラでした。
他、色々な要素
マップのオブジェクトがアイテムとして回収できたり、貴重な装備は脇道に隠れていたりと、RPGの探索要素もしっかりしてくれていて歩きまわるのが楽しかったです。
シンボルエンカウントだったので見かける敵は全員倒して進んだのですが、もしかするとぬるく感じたのはそのせいかもしれません……w ほどほどに逃げながら進むのが賢かったかも。敵強化アイテムを使用してちょうどいい難易度かなーと感じたくらいでした。
会話イベントが多いのも嬉しいですよねぇ。ほのぼのした会話に和ませてもらいました。
とまあこんな感じで。
ユーリに似合うのはイヌミミ!と信じてます。