「あけましておめでとうございましてこちらを捧げたく存じます」
今年も楽しく鬱病みゲーやっていきたい前置き。
えー、今回は言わずとも知れた鬱ゲーこと、Fuさんところのフリーゲーム「分裂ガール」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。
公式サイトは現在閉鎖中ですが、ベクターさんの方からDLできます。
ありがてぇ。
ツクール製のRPG、プレイ時間は4時間強くらいの中編よりな短編です。灰色の牢獄をふらつき、自分の過去を探りながら外を目指す素敵鬱ゲーでした!
というわけで、早速特徴など。
オリジナルのバトルシステム
とにもかくにもタイトル通り、分裂しないと始まりません。スキルの組み合わせで強力技が出せたり、行動値によって攻撃力が変わったりとなかなか凝ったシステムです。初めにしっかりマニュアルを見ておかないとよくわからないまま全滅も大いにありえます。
なら鬼畜ゲーかと聞かれればそうでもありません。システムさえ理解できれば頭のひねらせがいがあって楽しいですし、ザコ戦は熱血拳連打でなんとかなります。
がっつり理解してやりこむこともできるし、やればわかるでコツを掴みながら進むこともできる、良いバランスの戦闘でした。
恥ずかしながら属性値等は少々理解が及ばず、ちょ、ちょっと脇に置かせて頂くなどもしましたが……この辺しっかりわかってたらさらに手ごたえを感じるんだろうなー、なんて。
さりげなく多めの探索ポイント
通りぬけできる壁があったり、その辺に転がっている樽においしい効果の回復アイテムがあったりと、気づけば楽しい探索ポイントがところどころに設置されています。RPGはやっぱり宝箱探しがあってこそですよね!
開かずの扉、隠しボスなどのおまけ要素もばっちりで嬉しかったです。
よく動く謎のグラフィック
戦闘に気合いが入っているだけあって、バトル中のグラフィックも凝ってます。まず、仲間たちの謎の動き。なんか妙にツボにハマります。フィルデロさんは何故分裂しているんだろう。エルテが大人しめな動きなので、その分、他の皆さんの軽快な動きっぷりが楽しいです。
装備している武器によって攻撃時のグラフィックが変わるのも細かい!
色んなのが見たくてしょっちゅう武器を交換しながら戦ってました。
エグくもあり純粋でもあるテキスト
冒頭の文からしてすごく惹かれます。
なんだろう、俗っぽく言うと哲学的? 何か色々考えたくなる言い回しが多いです。博士の言う、柵の比喩も好きだなあ。ラスト、エルテと彼女との関係性も独特で良いです。そしてあのエンディング。ぞくぞくしますね!
詳しくはまあ、プレイして頂くとして。鬱展開と言ってもこう、言葉は悪いですが、胸糞悪い系に分類されるかなとも思います。私はあの手の悲愴壮絶な感じ大好きです。
ウィットに富んだ敵キャラ名
万歳!の子が一番印象に残ってます。おめでとう。
とまあ、こんな感じで。
あちこちに製作者のセンスが光る、世界観ばっちりの良ゲーでした。
ネタバレ感想や軽い攻略メモは追記に畳んでおきますね。
さて、ネタバレ注意。
自分用攻略メモ
博士:ウィキ通りにやって、2回話しかけて仲間になる選択肢が出れば成功
迷子の父親:イベントこなすとシャドーオーブゲット
消える床のアイテム:未回収 アクションは苦手だ
動く床のアイテム:メモリーキューブ×2、皮袋、大地の祈石
メモリーキューブ使うなら安全地帯に入ってすぐ
じゃないと床が崩れてアイテム取れないままやり直し
マスターキー関連
10F左:話の通じない子(敵)、倒したら天の輝石
右:自称勇者、未討伐
6Fだっけ、ピブーがいる階の細い通路:死神は強酸系で即倒すべし。
人物事典:エディニーベル下と金髪の娘下が???のまま。
どこ見逃したのかなあ。
ネタバレ感想
OPの時点で、「再び」過去を失うって気になるなあと思ってたんですよ。なるほどやっぱりエンディングからオープングに返ってくるパターンでぞくぞくしました。まあ、厳密に考えると再び投獄されたわけでもないでしょうし、時が遡ったというわけでもないとは思うので、あくまでテーマが繋がる感じというか……。
ラストが冒頭へ帰結するパターンの作品は大好きです。
ちなみにプレイ中はがっつり攻略見ました。ヘタレプレイヤー故。
メンバーは博士とピブーさんというガチな感じです。強酸強い。
メンバーがフルになっていると仲間になるかもしれないキャラの台詞も変わる、この細かさがまた魅力でした。
エルテとリュクリシアの、お互い言わずとも分かり合ってる感じが良かったですねぇ……。そこまで通じ合っているのに、大切なものを捨てないとお互い公平になれない。その公平ってのがたぶん、友情とか、言い争いとか、そういうのを指すんだろうなあと考えつつプレイしていました。3回負けたけど。ははっ。
悲惨なエンドではありましたが、手紙だけとはいえ、ある意味完全な悪がいる分、怨む相手に困らなくていいのかもしれません。しかしながら、ぶん殴りに行けないという用意周到っぷりにはいやはや。負けました。
印象的な、それこそどこかに引用して通ぶってみたくなるほど、言葉の響きが綺麗な一文が多くて、どきどきしました。鬱だけでは言い表せない魅力がそこにある。