うそうさ〜第二号室〜

フリゲ・鬱展開・ヤンデレ 万歳!

フリーゲーム「せつなゆ魂」感想

「今日が明日に続くための証明を」

夜になると皆死ぬ民族の前置き。


 

えー、今回はシャイムの私目(http://www.eonet.ne.jp/~shime/index3.htm)さんところのフリーゲーム「せつなゆ魂」(http://www.eonet.ne.jp/~shime/setsunayu/

)の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

さて、この作品。唯一無二だなあというのが第一の感想でした。似た形式のゲームは滅多にお目にかかれない気もしたり。

何がどう独特なのか、プレイしてもらった方はわかるかと思うのですが。まあ、まずは初回の感想から。

 

 

 

・起動は証明の始まり

 

起動してまずポカーンとなった方、たくさんいるんじゃないでしょうか。

包み隠さず書くと、「ゲームスタート……あれ?」「操作説明で全然知らんキャラが出てくるんだけど」「医療用語わからぬ」等々が私の最初の感想です。

しかも最初に選ばされるルートは一本道のバッドエンド。専門用語も出てくるけど、正直頭に?がいっぱい。

……こんな書き方だと、さぞかし鬼畜でつまらんゲームだと思われてしまうでしょう。

しかしながら!!

例え初回がわけわからんばかりでも、もう一度起動して、別のルートを見てみようと思わされるパワーがこの作品にはありました。それを以下、もうちょっと具体的に述べましょう。

 

 

・スチルもりだくさんの漫画形式

 

あとがきで作者さん自身が「絵を見てもらうゲームです」と謙遜しておっしゃられていたように、もうスチルだらけです。これでもかってほどです。

画面も漫画風で、キャラの台詞は吹き出しで表示されます。でも、静止画だけに留まりません。タロットがよく出てくるんですが、下からしゅぱっと、それこそ抜き取ったような動きで出てきます。

他にもバトルシーンがあったりカットインがあったりそれからそれから。

要は、見飽きることがないんです。

中でもお気にいりは偽証明後の起動画面。二人の指差しQ.E.D.に、バトルのカットインです。決めどころはやっぱり印象に残りますねぇ。

 

そもそもキャラデザが好みなんですよー!

ナユタは片メカクレですし!アソウギは小悪魔ルックですし!好き!

 

 

・カガク×哲学×恋愛の熱いストーリー

 

そして見どころはもちろん、ビジュアル面だけではありません。ストーリーもかーなーりー濃密です。そして、冒頭で独特だと言いまくった理由がここにあるのです。

ヒロインは数学好きさん。ゆえに、本文でも数学の概念がいっぱい。文系だからこれは……となりつつ、なんとか読み進めていくと、おやおやおっと。これは面白いんじゃないか?と思い始める。そんでもって、ナユタの説明で最高潮。天国地獄をまさかこうやって表そうだなんて!

はい、ここで私は落ちました。コンプリートまでまっしぐらです。

というわけでですね、文系の人にも勧めたい数学カガク系ノベルです。

まだ私には理解しがたい概念も多かったんですが、なんとなくわかる、まではいけた……ような…気がします!たぶん!まあ、細かいところまで突きつめなくても、熱くて萌えて楽しかった!があれば良いんじゃないかなー、なんて。

 

ラプラスの悪魔は名前だけしか知らなかったので、これを機に知れて良かったなーと思いました。

一通りプレイすると、初めはとっつきにくかった「証明」「カガクする」なんて言葉がすごく、わくわくする魔法の言葉のように思えてきます。これも、プレイしてよかったと思える点だったり。

 

 

 

・ナユタの言い回し

彼は台詞がいちいちかっこいい。

バスケシーンのQ.E.Dに惚れました。

 

 

とまあ、こんな感じで。

ネタバレ全開の解説?考察?メモ書き?は追記に書くことにしましょう。

 

合う合わないは勿論ありそうですが、この求心力は流石というか、騙されたと思ってちょっとやってみてと言いたくなる一作です。

文系理系関係なく、少しでも興味を持たれたら、本当、試しにやってみてください!

 

 

 

 

 

 

 

 

ネタバレおーけー?

 

 

 

こっからは、作品の設定の自分なり再確認と考察です。

 

 

細かい設定は公式サイトの「舞台」の欄で確認できます。

で、特殊用語……というか、カガクによる再構成?がたくさんあるので、これを私の耳慣れた言葉に変換してみました。

はい、ナンセンスな試みです。でもそうしないと自分の中に取り込めないのです申し訳ない!

 

 

 

≪無限≫…冥府 ≪零≫…天国 Death…死神 Judgement…神

Death達の言うFool…神の蔑称

実数界…人間の世界

大きい数字は死神・悪魔側、小さい数字は神側。

 

 

で、このゲームのキャラクターは皆、上記の概念がファンタジーでも何でもなく、当然あるものとして受け入れているようです。この辺りをしっかり読んでなかったんで、初回はなおさら混乱しちゃいました。やっちまったー。

 

 

超越数…プレイヤー

メタ存在。世界だって作れちゃいます。

 

定数…ケイの死

変数…ケイの死を乗り越えられる存在

自動人形…運命通り(ケイの死のため)にしか動けない存在

 

 

ナユタは何回も世界をやり直し、そしてケイの死を回避できないまま――という状況にプレイヤーが介入し観測を始めるところからゲームが始まる、と考えました。

シュレーディンガーはもしやプレイヤーの暗喩かしらん。

 

アレフゼロの濃度…ケイが死ぬ世界線からの脱出?

ごめんアソウギたん、理解しきれなかったよぅ。

 

 

ネハン(天使側の偉いお姉さん)と人間がくっついてできた娘がセツナ。だから半神半人。

まさかセツナと百合エンドに行けるとは思ってもみませんでした。やったぜ。

 

バトルシーンでナユタに勝てない!って人はとりあえずアソウギを4回フルボッコすることをオススメします。あと、アソウギに負けても特にイベントはありません。

 

 

 

アソウギ……ヤンデレボクっこ。可愛い。お気に入り。彼女主役の作品求ム。いや超越数がアソウギかわいいな世界を作ればいいのかよっしゃ。

 

 

 

 

考察って言うか雑記だなこれ。しかもわりと自明のことしか書いてないな。

まあとにかく、色々考えたふりをしたくなるくらいには意欲が燃え上がる作品だったのです。