「推理がねじ曲がっていようと想いがまっすぐなら問題なし!」
勢いで意外となんとかしちゃえる前置き。
えー、今回は平星高校ゲーム制作部OBOGさんところのフリーゲーム「スターズ★ピース 恋愛応援⇒友達獲得ケーカク」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。
ジャンルは長編ノベルタイプのアドベンチャーゲーム。プレイ時間はだいたい25時間くらいでした。でも全然そんな長さは感じなくて、勢いに乗ってガンガンプレイしてたら気づけばもうおしまいってくらいのめり込める作品です。
そして、私はPCプレイをしましたが、なんとびっくりスマホでもできちゃいます。
ツイッターで「クラスメイトの男女をくっつけるゲー」との噂を聞いてDL。プレイしてみるとなるほど確かに噂通りでもありましたが、キャラだけでなくあちこちの完成度が高くて、もうどっぷりと楽しめました。
というわけで、さっそく魅力的な点など。
聞きこみと舌戦で進む日常ミステリ
ゲームの流れを一言で言うと“お悩み解決”!
恋愛させまくるゲーという評判だけ聞いていたので、てっきり乙女ゲー寄りかと思っていたのですが、ロンパや逆転裁判などを彷彿とさせるスタイリッシュ説得ゲーでした。恋愛だけでなくそのキャラ自身に踏み込んでいくような展開が多かったです。
お話のメインとなるキャラの秘密や、クラスメイト同士の関係性等々、あちこちに事件が仕込まれています。その事件もまた学生らしく、小規模かつ当人達にとっては超大規模なもので、等身大になって楽しめました。
日常ミステリ系が好みな人は特にピンと来るところがあるんじゃないかなーと思います。
膨大な選択肢とメインストーリーの分岐
メインの舌戦シーンは勿論のこと、決め台詞をチョイスしたり想い人を当てたり、様々なところでたくさんの選択肢があって、良い意味でとっても悩みました!
特に悩んだのは聞き込みシーンですねぇ。「この子と話したら情報が得られそうだけど、キャラとしてはあの子も好きだからイベントを見てみたい…!」みたいな葛藤をとくと味わえました。明らかに間違いな選択肢でも、反応が面白くってついつい選んでしまいたくなります。
また、メインストーリーも選択肢によって分岐することがあります。なのでこれからプレイをお考えの人は、是非とも2周して欲しい! ちょっと結末が変わるだけかと思いきや、1話分丸々変わったのには驚かされました。
これはないだろー、という意外過ぎる一言が糸口になることもしばしば。自分の選択で話がどんどん転がっていく楽しさを存分に味わえました。
ストーリーの演出として選択肢が上手く絡んでいる辺りも実に燃えます。クリックする手に気合いが入りました。
個性的なキャラ達と印象ぴったりのBGM
ポイントはもちろんストーリー以外にもたっぷりです。その中でも特に推したいのがBGMでした! どうやら全て自作、らしいです。素敵!
クラスメイト全員にそれぞれ専用のBGMがあって、それがまたイメージぴったりなんですよもう! プレイし慣れてくるとイントロが流れてきただけで「あの子だー!!」とテンションが上がってしまいます。BGM集やサントラが欲しくなっちゃいました。
個人的に好きなのは千々石さんのテーマと金森さんのテーマ。好きキャラだからこそ曲までまるごと好みになっちゃうっていうのもあるかもしれません。
動いて鳴って盛り上がるゲーム画面
そしてさらに触れておきたいのが演出面。画面揺れ、ドドンと飛び出る効果音、表情だけでなくポーズや衣装まで変化する立ち絵、漫画ちっくな表現とスチルの使い分け等々。とにかく視覚的な演出が凝ってます。
立ち絵の衣装替えまでもありまして、夏服にはそれぞれのキャラらしいワンポイントがついてるのも良かったですねぇ。みんなかわいい!
私自身が何かと集めたがり・溜めたがりな性質なので、男子女子の仲良しポイントが溜まっていくのも嬉しかったです。また、仲良くなると見れる一枚絵も予期せぬご褒美でした。絵師さんが複数いるとこういうところでも個性の違いを感じていいですよね。
しっかり細部まで“ゲーム”してる雰囲気を感じさせてくれるのが嬉しかったです。
学生らしさと青春のまっすぐさ
宝物が“おそろいのシャーペン”だったり、学祭で運動部がわりと暇だったり、球技大会は待ち時間中の他チーム応援のほうが盛り上がったり。さりげなく学生あるあるを出してくれるので懐かしい気持ちになりました。
懐かしい……私の学生時代は終わったんですよね……と書きながらダメージを受けてしまうなど……。
ともあれ。全力で学生やってる感が味わえてうきうきしました。
それと、一つ上げておきたいのがストーリーのバイタリティ。全体的に元気で勢いがあるので、どんなに辛くて切ない展開であっても「それでも彼らならひっくり返してくれるはず…!」という希望が持てます。
何を隠そう鬱展開やバッドエンドが大好きな私ですが、この作品に限っては常にハッピーエンドを求めていましたし、プレイヤーの選択次第によるところもありはしますがしっかりとその期待に応えてもらえたのが本当に嬉しかったです。本当、青春ってまっすぐ前向きでいられて、輝いてますよね。うらやましい!
とまあ、こんな感じで。
ウィンドウがアクティブになっていないと文章スキップもBGMも止まってしまう点だけは惜しいなーと思いましたが、気になるのは本当にこの1点のみで、操作性もストーリーもキャラクターも抜群に秀でた一作でした。
「最後はハッピーエンドで明るく締めたい!」
「青春時代を感じたい!」
「年頃の男女がくっつく様をにやにやしながら眺めたい!」
そんなプレイヤーさんには力強くオススメできる一作だと思います。もちろんトゥルーエンドは必見、あれを見るのと見ないのとでは作品の魅力が倍違うと思うので、是非頑張ってほしいところです!
追記ではネタバレ含む感想など。
ネタバレ注意。
何よりもまずチュートリアルですよね!!
「自分が恋愛する展開なんてそんな恐れの多いことは起きませんので心に留めておいてください」の文章がインパクトありすぎて惚れました。好きです。こういうノリが大好きです。
他にも色々と語りたいこともいっぱいあるのですが、書いてるとただ本編なぞっただけになっちゃいがちなので、一番の推しだと思うキャラクターについて焦点当てて感想書きますね。
【キャラクター】
特にお気に入りな子をチョイスして!
・高森
忘れられないこの男! 初対面のインパクトもさることながら、一発花火で終わらず最後までお話にしがみついてきてくれるのがとっても嬉しかったです。
そしてトゥルーエンドで彼が来てくれた時の涙といったらもう! 思わず「彼女にしてくれ!」と叫びかけましたが、直後に「やっぱりちょっと…」と思わせる残念さがまたたまりませんw
立ち絵の動きも好きで、ドヤ顔でズビシッと指差しするあのポーズが出るとついつい一緒にポーズを取りたくなってしまいます。
愛すべき馬鹿、憎めない三枚目。実に良いキャラでした。
・千々石さん
彼女の恋愛応援依頼のシーンが震えるほど好きなんです! 元々おしとやかなキャラは好きなので、「1話から好みな子が出てきてくれて嬉しいな~」とぼんやり思っていたのですが、あのシーンですっかり惚れてしまいました。
聖人君子な女神様かと思いきや、家事はおかあさん任せ等々、年相応の生活が見られるのもギャップ萌えです。
ポニテだったり服にレースがついていたりと、細かい衣装変化が特に可愛い子でもありました。
・北斗君
初めは名字で覚えていたはずが、千々石さんの呼び声が印象的で、今ではすっかり北斗くんなイメージです。千々石さん→→→北斗なのかと思えば、終盤だとアヤ呼びでお互い熱々バカップルしていてなんというかもう、幸せな結婚式を迎えてくれ!
メイン回だけじゃなく他の話でも仲が進展している辺り、にやにやできて良いですよね。ふふふ。
彼に対してヘタレと叫ぶ瞬間が最高に気持ち良かったです。素敵な選択肢をありがとう。
・葉山冴さん
わぁい片目隠れの髪型大好き。というわけで初めは見た目にときめき、家と折り合いが悪いという辺りに鬱展開トラウマ好きの悪い性癖を突かれ、恋人成立イベントですっかり堕ちました。
百合だと信じて疑っていなかったのでなおさら、あの人とくっついたのは驚きでして。不意打ちのほうがパンチは効くものですね。今作の最萌えカップルだと思います。
彼の前では! 弱い女でいてもいい! もちろん最恐のままで街を牛耳ってもいい! 素晴らしいではありませんか……!
妹分とも仲が良さそうでほのぼのしました。3人で遊びに行くのが普通になって、デートとも家族付き合いとも言えそうな関係を築くようになったらいいのになー、なんて。
・金森さん
前進前進ぶつかってなお前進。そんな勢いがとっても魅力的でした。専用BGMがめちゃくちゃお気に入りで、イントロが鳴ると「来たー!」とテンション上がりましたねぇ。
ヤンデレ萌えとしてはストーカー半歩突っ込んでる感じもきゅんときたり。ヤンバカさんなのが可愛くって。好きが溢れて止まらないんだろうなあというのが余すところなく伝わってきて、微笑ましいです。ここまで愛されたら折れるしかないですねw
応援したい子ナンバーワン!でした!
・鷹取くん
プレイボーイ→ラノベ主人公、とイメージが変わったキャラです。ラノベの中でもやれやれ系ハーレム主人公。堅実な道を歩むと言いつつ、周りのせいか何かと渦中にいるため派手なキャラに見えていて興味深かったり。
自分のモテっぷりをわりと自覚しているところが良いですよね。水着だったかな、頼めば見せてもらえる~みたいなあの台詞には思わず吹き出してしまいました。
金森に対して「仕方がないなあ」って感じで苦笑する立ち絵に変わってくれる時が好きです。
・相坂くん
たこやきの中は彼だと思いながら進めていましたし、チュートリアルの注意書きをきちんと見たうえでなお、彼とひかりが結ばれるルートもあるのではとドキドキしていました。なかった!知ってた!でも相性は良いと思う!
ちょこちょこひかりのことを気遣ってくれたり庇ってくれたりなところに、ちゃらんぽらんと見せかけた彼の心根の良さを感じます。
クラスに一人はいるお調子者ってキャラですよね。こういうタイプが一人いるかいないかでイベント事の盛り上がり具合が変わる気がします。
・吉岡くん
彼はてっきり宮垣さんと結ばれるもんだとばかり思いこんでいました。特に宮垣さん関係の三角関係が解決した時はいよいよこの二人の話にいくものだと。いやー、クラスのゴシップってこういう風に出来上がっていくんでしょうかね。
過去の設定なども踏まえるとかなり達観しているのかな、と思いきや、男子高校生らしい下心をのぞかせる会話もちょこちょこあってなんだか安心した覚えがあります。
・那賀くん
ダークホース。想い人がバレた時の潔さには惚れました。
初対面では暗黒微笑な俺様キャラかと思っていたのですが、恐いのは初回だけでむしろめちゃ良い人。終盤になって一番印象が変わったキャラかもしれません。
しかも二周目に入るとわかる彼の怒りポイント。別に不機嫌だったわけじゃなくて彼女に集まる好機の衆目を散らしてあげたかったのかなー、なんて考え出したらもう妄想とにやにやが止まりません。
見えざるポイントのたわしねこ等、おちゃめな一面も含めて微笑ましいキャラでした。
トゥルーエンドの選択肢にはずいぶんと悩まされましたし泣かされました。好きだー!
ああいう、今までの仲間が勢ぞろいみたいな展開、わかっていても涙腺崩壊しちゃいます。本当好き。すかっと爽やかで気持ち良い一作でした!
実はたこやきCHANの中身はまだ推理しきれていないのですが……また思い出した頃に頑張りたい、です!