「そこなおじさま、お皺の貫録がチャーミングね」
援助交際に間違われないよう頑張ろうな前置き。
えー、今回は禁飼育(http://agony.sakura.ne.jp/)さんところのフリーゲーム「この世で最も残酷なキス」「家畜おじさん」「枯れぬ黒薔薇」の感想をつらつら書きますね。
どれも一応乙女向けノベルだけど、エロシーンや展開はちょっと男性向け。つまり一般向けですね!(?)
「枯れぬ黒薔薇」のみR-18ですのでご注意ください。
「この世で最も残酷なキス」
誘拐されちゃった系ノベルゲーム。ヒロインちゃんの立ち絵が好みだったのでDLを決めました。誘拐という響きにハラハラしながら読み始めましたが、蓋を開けてみると意外にも切ない純愛ものでした。
特徴的なのは、男性にボイスがついていることでしょうか。突っ込み部分の叫びが全力で、大いに笑いました。なお声入りが苦手な方でもボイスの音量を調整できます。
キャラクターの設定等は公式サイトで確認できるので、プレイ後に見てみると色々面白いかも。友人設定の最後の一行が思いっきり当てはまってて笑いました。ようこそ!
「家畜おじさん」
おじさん拾いました系ノベルゲーム。
終始デフォルメ絵で進みます。シリアスもギャグも全てデフォルメ絵です。一部の展開は、きちんとした立ち絵だとリアルすぎて鬱要素が強くなっていたかもしれないので、むしろデフォルメで和めてよかったかも。
あと驚いたのは起動画面。クリックできちゃいます。すごい。わかっていつつも赤字の彼にはびくっとしました。クリアした後は、これもおまけの一種みたいに思えてじんわり泣いてしまうなど。
おじさんが喋れないぶん独特のコミュニケーションが成り立っていたのも萌えましたね~。くもりちゃんが敬語キャラだったので相乗効果でした。
時々刺されるような感じではあるものの、最後はじんわりあったかい作品です。
「枯れぬ黒薔薇」
一周目はほのぼのと互いの距離を詰めていく、あったか恋愛ストーリー。
二周目では選択肢で分岐が起こり、タイトル画面通りのR18な展開が楽しめます。
同作者様の「処女失格」をプレイした時も思ったんですが、ハッピーとバッドの絶妙な調和具合がたまりませんね。男性側の改心とその後の一抹の不安を含みつつ明るい希望も信じようと思えば信じられるみたいな。この後仮にざいじょーいん先生が解放されたとしても、またひと悶着起こりそうな気がしてなりません。
あと語っておきたいのはえっちぃシーンについて。コスチュームものが多めで、注意書きにある通り男性向け表現もありはしますが、心理描写もあるので女性も好んで読めるんじゃないかなと思います。不気味さや気持ち悪さと、欲におぼれる様やうっすらとした恋心がお互い深みを出し合って、ものすごく味のあるえろでした。あとあのやねこのグラはずるい。えろい。本当にありがとうございました。
やねこが内心ズバズバ言うように見えて、表に出てるところはかなり内気なんですよね。“キャラ”ってなると性格面が極端に描かれがちですが、このやねこちゃんはすごくリアルな性格設定されてたなあと思いました。幼少期の先生に対するトラウマとかひとりぼっちの境遇とか、色々と可哀そうながら萌える要素もあって、とっても好みなヒロイン。
一番の萌えポイントはざいじょーいん先生の一人称だと思います。
とまあ、こんな感じで。
変顔とときめくシーン、鬱シリアスとぶっちゃけギャグ、ヒロインの辛辣な内心と女の子らしい不安や無力感などなど、色んなバランス感覚に優れてる作者さんだなあと思います。
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