うそうさ〜第二号室〜

フリゲ・鬱展開・ヤンデレ 万歳!

フリーゲーム「斬首人が連れて行く」感想

「トップはたいてい無能なものだ」

ふんぞり返ってさえいれば良い前置き。

 

 

 

えー、今回は、*coelacanth*さんところのフリーゲーム斬首人が連れて行く」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

公式サイト、ゲーム本体共に18禁ですのでご注意ください。

 

概要としては洋館が舞台のR-18BLノベルゲー、エログロ鬱展開ありです。やったね。

攻略面は難易度高めですが、完全ルート分岐を載せて下さっているサイトも多いので詰まることはないかと思います。

 

あと、この記事を書いていた時期が例の如くかなり昔なので、アップした現在はサイト閉鎖&配布停止しております……。ご了承のうえご覧ください。

 

というわけでさっそく特徴的な点など。

 

 

 

ミステリ要素も持ち合わせるストーリー

 

主人公が常に感じる謎の視線、隔離されている兄との確執、館に隠された秘密等々。陰鬱な雰囲気に潜む様々な謎が気になって、ぐいぐいと読ませられるストーリーでした。バッドエンド分岐が多いぶん、あの惨劇の謎を解き明かしたいという気持ちが掻き立てられます。伏線の入れ方もさりげなく、特に回答編とも言えるEND1ルートはあっと驚かされる展開でした。

周囲との不和でぎこちない雰囲気や、それでも館に留まり当主とならねばならないという閉鎖感も魅力的です。いいですよねぇ、鬱々とした箱庭世界って。

どのエンドでも円満解決とはいかずどこか不穏さが残るのも、鬱展開好きとしては涎ものです。キャラ萌えだけでなく、一つの物語としても楽しめました。

 

 

 

過激なエログロシーン

 

さすが年齢制限がついているだけあってエロもグロも行為自体は過激なものが多いです。グロありだからこそできるコアな展開や、ニッチな性癖が満たされるシチュエーションがたくさんあって、大変潤いました。

と、過激と書いて逃げ腰になられてしまうのは本意でないので追記しておくと、描写自体はあっさり味です。グラフィックも流血表現があるくらいで、いわゆる局部やモツが出てくることはありません。なので耐性があるけど生々しいのは苦手……という方でも大丈夫なんじゃないかなあと思います。

 

 

 

オーディオ無し

 

こちらは惜しい点になりますが、BGMやSEが一切ありません。盛り上がるシーンや擬音の描写等もあることですし、せっかくなら音面の演出も楽しみたかったというのが本音です。

とはいえ、そういった聴覚演出がなくてもなおプレイしたい、全クリしたいと思わされるだけの構成力があるのは確かです。それこそノベルゲーですし、メインの文章ががっつりと楽しめるので、気にならない人は全く気にならないところかなとも思います。なんならこっちでクラシックでも流していれば雰囲気に合いそうですしね。

 

 

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

一部不明瞭なまま終わる設定等もありはしますが、そちらについては別作品「獄主に捧げる降霊術」で回収されるようです。勿論この作品単品でも本筋は完結しているので、あくまでスピンオフ程度に捉えておくと良いかもしれません。

というわけでそっちもプレイしてきます。

 

 

 

ネタバレ込みの感想は追記から。気になる方は下記よりどうぞ。

 

 

 

同作者様の他フリーゲーム感想記事↓

shiki3.hatenablog.com

shiki3.hatenablog.com

 

 

 

 

ネタバレ注意。

 

 

 

【キャラとエンドについて】

 

・シア

 

踊らされ役ナンバーワン。左右の設定には大変驚かされると同時に、伏線の上手さに感動しました。オーガスタスが部屋に来た時なんか、てっきり彼がわざと間違えたもんだとばかり。

刃物を持つと豹変するのは暗示みたいなものだと思っていたのですが……公式おまけページを見る限りだと血統によるものとも取れるのかな? どちらにせよ、色々と吸収が良さそうというか、皆がこぞって色々と仕込みたがるのもよくよくわかる良いキャラでした。

いやー、無自覚Mはすばらしい!

 

 

 

・エセル

 

主従逆転SMって最高ですよね!!! 従者はサーバントでサービスしなければならないのでSなのはある意味必然であり道理。つまり何が言いたいって彼のトゥルーエンド最高でしたありがとうございました。普段ツンツンで夜は(一応)優しい、王道ながら実に萌えますよね…!

 

 

 

・ライナス

 

しつこいねちこい変態の三拍子。嫌よ嫌よも好きのうちなケのあるシアとはある意味相性がいいのかもしれません。なんてったって兄弟だものね!

ハワードに~という台詞は勿論嫉妬や独占欲もあると思いますが、俺はああはならないという抑圧の反動もありそうだなあとも思います。避けられない業みたいなのがこう、萌えますよね。アナザーエンドの展開になったとしても、悲しいことに根っこの性癖が似ているせいで案外バレないまま終わってしまうのではないかなーと想像しています。鬱展開万歳。

 

 

 

オーガスタス

 

執念という意味では彼が一番気合い入っている気もします。

彼のトゥルーエンドは、ある意味依存みたいなものなのかな……?皆いなくなった今、あの悪夢の日を語りあえるのはオーガスタスだけだから、どうしようもないと知っていて彼を選ぶしかないみたいな。

公式おまけページで作者様もおっしゃっていますが、もうちょっとシア→オーガスタスの気持ちについて描写が欲しかったところです。あれもあれで妄想が捗りはするんですけどね。

 

 

 

・マリータ

 

某バッドエンドが可愛かったです! 特定キャラにだけデレデレ一途な子大好きでして。ほのぼの。展開自体は血なまぐさいはずなんですが、不覚にもきゅんときました。首斬り協会側の補足も見たかったなぁ。

立ち絵が二種類あるのも豪華ですよね。密かに嬉しかったです。短髪のほうが好み。

 

 

 

 

 

【BL的な萌えとか】

 

オーソドックスな言葉攻めに始まり、視姦、えろ本朗読、死に際射精などなど、コアな性癖を全力でカバーしてくれる良作でしたね!!

間接的な接触やフェチっぽい展開が好みなので大満足でした。特にエンド8おいしかったですねぇ。あの“黄金の鳥籠”設定本当素晴らしいと思います。発想の勝利。

余談ですが、エンド8では私が迷宮攻略前の“反転”という単語に引っ掛かり過ぎててっきりシアが女体化してしまったのかと勘違いしていましたw 女装ね。だよね。ごめんね。

元々、無自覚なMが好きなところもあったので、私にとってはまさに相性の良い作品でした。

 

 

 

 

とまあこんな感じで。

どんよりした雰囲気、BL萌え共においしい一作でした。