「無色と透明の違いとは」
色は無くてもここに在る前置き。
えー、今回は時雨屋本店さんところのフリーゲーム「color:clear」の感想を書きますね。
感情を失った主人公が魔王と仲良くなりながら色集めするRPG。クリアだけを目指すなら早めに終わりますが、エンディングを全て回収するならかなりの長さになるかと。細かい分岐を試すならそれこそ何百回でも遊べちゃいそうな一作です。
結論、もう、ひっさびさにダダハマリする作品でした!
というわけでさっそく、魅力的な点をあげていきましょう。
生き生き喋るキャラクター
主人公は基本的に「はい」「いいえ」しか話せません。が、決して話から置いてけぼりにならないのがこの作品の魅力の一つだと思います。
とにかく会話が楽しい!これです!
冴えわたるボケと勢いある突っ込み、そしてひねくれた「いいえ」のコンボ――キャラクターの反応が楽しくて楽しくて、たった二つの選択肢でここまで味をつけれるのかと驚かされました。
突っ込み気質の魔王、飄々おちゃめな吸血鬼、瀟洒ながら言うことは言っちゃうメイドさんなどなど、メインキャラサブキャラ共に豊富です。誰がプレイしても一人はお気に入りのキャラができるんじゃないかなあと思ったり。私のお気に入りはまあ案の定というかシャンさんです!
話していくうちに、キャラクター同士の関係性やこの世界の歴史などがちらちらっと明かされるのもまたたまりません。キャラ萌え的な意味でも、情報収集的な意味でもおいしいです。
ギャグもシリアスも爽快に〆るストーリー
さて、前述や公式サイトのトップにあるスクショを見たらギャグ一辺倒と思われるかもしれませんが。実は冒頭から魔王討伐クライマックスシーンというハードなシリアスっぷりです。他にも、設定をよくよく考えると重たいものがいくつもあります。
が、それをスパーーーンと前向きに切ってまとめてくれるのは爽快の一言! 暗い展開が苦手な方も十分すっきり楽しめると思います。とはいえ勿論、私のようにシリアス好きなタイプなら素直にそのまま受け取れば良いし、ダーク展開好き大喜びなイベントもあります。
なんというかチープな物言いになりますが、幅広く色んな人が楽しめる一作だと思います。
とにかく、ギャグにしろシリアスにしろ、ノリと勢いが素晴らしい一作です!
豊富なエンド数と膨大な会話分岐
とにかく会話パターンが尋常じゃないくらい多いです。
しかも、選択肢は「はい」「いいえ」のみと前述しましたが、実はたまーに条件が合うと第三の選択肢が出てきてくれます。すっとぼけたボケが入ることもあれば、ドキっとする一言が飛び出ることも。これは選ばずにいられません。
会話パターンは主人公だけでなく、他キャラクターも多く設定されています。ランダム会話が豊富で、条件限定会話もたっぷり。特定の場所でサブキャラに合うと起こるイベントなどあって、とにかく盛りだくさんです。城を歩きまわるのがもう楽しくってたまりません。
さくっとプレイしたい人はふと現れる選択肢に「おっ」と思わされるでしょうし、もっとこの作品をやりたいって人はこの会話パターンを回収するだけでもかなりどっっっぷりとこの作品に浸かれると思います。一応6周ほどしたのですが、今でもとても全パターンコンプしたとは思えませんw
さらに加えて魅力的なのがエンド数!
特定のキャラのルートに入って特別なエンドを迎えられます。主人公の性別も選べるので、友情エンドと恋愛エンドの分岐も合わせればかなりのものかと。まだ未実装のキャラもいますが、それでも多種多様なエンドが楽しめます。
(どんより鬱エンドもあるよ、やったね同志!)
周回プレイでもストレス一切なしのシステム
このように豊富なパターンの関係で、周回プレイをついしたくなるのがこの作品なのですが。驚くなかれシステム面も隅々まで手が行き届いています。
アイテム引き継ぎ、ステータス引き継ぎ、踏破したダンジョンのショートカット、共通イベントスキップ(分岐がある場合警告までアリ)、などなど。さらに周回すると、前の周でのエンドにちなんだアイテムがもらえます。
周回ゲーでここまでして下さる作品はなかなか見かけませんよ本当……。二周目プレイ時はあまりの有難さに涙出そうになりました。プレイヤーに優しいゲーム、本当助かります。
読み物好きにはたまらない蔵書っぷり
最後に取り上げておきたいのが書庫の蔵書量、世界設定の濃さです。
先に言ってしまえば、書庫を全然調べなくてもゲームはクリアできます。けれど素通りするのはもったいない! この世界の情報やキャラに関することが色々と書かれていて、読み物好き・設定好きの私にはたまらん場所でした。無理やり読ませるような要素は一切なく、興味を持った人だけに向けてさりげなく置いてあるのもとても良いです…!
実はこの作者さんの作品に触れたのはこの「color:clear」が初だったのですが、周回中に他作品にも触れてみたところ、この書庫に過去作に絡む情報が盛りだくさんで驚きました。他作品をプレイする良いきっかけにもなって嬉しかったです。
他にも、調合錬金システムや、ストーリー的にもバトル的にも絡む属性魔法の扱い、ダンジョン内でのちょっとした謎解き要素など、胸躍る要素が多いです。ほどよい長さの作品にこれだけの要素を詰めれるのも凄いなー、なんて。
根強いファンがいるのも納得の一作でした!
追記からはネタバレ全開の感想など。興味ある方は下記よりどうぞ。
同作者様の他フリーゲーム感想記事↓
攻略的な意味でも、ストーリー的な意味でも、ネタバレ注意です。
色んな意味でネタバレです。伏せ字なしです。ダイレクトです。
【攻略とか分岐メモとか】
まず、サブイベント回収等においてこちらのサイトにお世話になりました。この場を借りてお礼申し上げます。
他、色々私がプレイしてて発見してテンション上がったものを上げておきますね。既に存じておりますって方もいそうですがw
- 自室本棚でメッセージウィンドウ等の調整が可能
- ヴィゼールが食堂に居る時に移動魔法を使うと……
- 井戸の底、クリア後に移動魔法を使わず、一度地上へ戻ってみると……
- ライラとの街デートでのイベント戦、あえて負けると…… ライラハカワイイデスヨ
- 聖女の森のお墓を裏側から調べると……
- 性格「天然」で勇者戦前に「まおうめ!かくごしろ!」の選択肢出現
- 性格「優等生」でシャンと訓練「勉強を教えてもらう」の選択肢出現
ゲームクリアすると入れる音楽室にもちょこちょこイベント情報が載ってるので、聴きに行くのをオススメしときます。訓練場でのバトルBGMが超好き。
OP戦でヴィゼール倒せるかなーと思ってチャレンジもしてみました。ただ相手が固くて先に回復アイテムが尽きる自体に……とりあえず竜の血90個では足りない模様。
もしチャレンジする方いらっしゃったら、主人公以外の勇者パーティにもある程度生き残ってもらってクリティカルダメージを受ける確率を分散する戦法をオススメしときます。
性格はとりあえず、いろけ・ドS・天然・聖人・活発・優等生・悪人風・穏やか・悟り・甘え、まで確認。めちゃくちゃ多くて感動しますね。
炎風:天然または聖人 炎風氷雷:ドS 水雷火闇:天然
となりましたが、他はメモを忘れてます……。
余談ですがOPやラスボス戦後に見れるあの世界の聖書の一節?のようなものは、「ニーバーの祈り」なるものが元ネタのようです。あれを喋り出す演出震えたよね。
【キャラ・特殊エンディング】
・ヴィゼール
1周目は彼と夫婦漫才しながら世界救いました。やったぜ!
占い師さん曰く反抗的な子がお好みらしく、それまでの選択肢が従順だったのでショックを受けてしまうなんてこともあったりw 実際のところ選択肢はそう関係無かったようで安心しました。
ヴィゼールとお別れしかけるシーンで、主人公の性格が甘えだったので、なんだか色々と妄想を掻き立てられてはあはあしたのも良い思い出です。
ほどよく理性的で時たま魔王らしくて聖女の森イベントでは情熱的で、好きなところはいっぱいですが、何より切れ味の良い突っ込みが実に素敵でした!
余談。シャンさんから魔王様は血族揃ってヤンデレ気質と聞いて過去作品を漁る決意が出ました。おかげで色々な小ネタがわかってめちゃくちゃテンション上がりました。本を作者買いするノリで楽しんでます。ありがとうヤンデレ、素晴らしいヤンデレ……。
・シャン
僕口調ずるいですね!!!惚れざるを得ないじゃないですかー!かっこいいんだからもうー!
穏やかな口調で獰猛な本性持ってるキャラ、大好きです。おかげで吸血鬼さんのほうも読む気になりまして、いやーあちらも大変楽しめてなんというか最高でした。吸血鬼が理性を失うシーンは良きものです。
シャンのイベントはどれも印象深いですが、中でも夜のサブイベントは心臓バックバクでした。セーブデータ取って何度も見返してます。「よばいにきました」選択肢が最高です。
他にも、大聖堂で来てくれるなど何かとおいしいところを掻っ攫ってハートキャッチしにくるイメージが強いです。普段飄々としてるのに決めるところは決める、ずるいよーかっこいいよー。
でも実は、エンドは女口調版のほうが好きだったりします。こっちのエンドだけで使っている(はず)の「明日」って言葉がすごくあのエンドのテーマを象徴してていいな~と思うのです。
いや真のお姿も好きですけどね!!
・ライラ
過去話めっちゃ気になります。たとえ鬱展開だろうと。
街デートイベントでおろおろするのが、可哀そうながらも可愛く見えてしまって、なんというか申し訳なくなりました。でも好きなんですよねぇこういうトラウマイベント。
「お疲れの出ませんように」などなど、とても丁寧な敬語を使ってくれるのが好きです。お育ちが出てて素敵。
訓練場や二度寝など、何度か彼女と戦えるイベントがありますが、こちらが勝つと意外にも好戦的に返してきてくれるのもツボです。かわいいぜー。倒しちゃうんだぜー。
彼女の攻撃が常にクリティカルなのも、設定と絡んでて良い演出だなーと思います。
これは良い闇。
こういう闇堕ちっぽいルートのエンドがあるのって、ADVならともかくRPGには珍しいなーと思うのですがどうなんでしょう。他にもあるぜってダイレクトマーケティング頂ければプレイします。味方キャラでもルートによって刺せるような展開大好きなのでめっちゃテンション上がりました。
ドッペルの主人公の呼び方も好きです。皮肉が効いてて良い味だしてる。
・ヴェルノワール
彼のエンドも好きです。鬱展開ですがだからこそ好きです。このエンドの後にもらえるアイテムも闇を感じてぞくぞくします。この主人公はもしや今までの周回の記憶を全て保持しているからこそ序盤に感情と共に色々失わされているのではと深読みしたくもなります。
どうやら彼の話は次回作が絡む、らしく……?とりあえずDLだけしているのですが、今からプレイが楽しみです。
ヤンデレとお墨付きを頂いている彼の悲しみはさぞ壮絶なものなんだろうと思うとたまらなくなります。
・パール
いえ、別段彼女のエンディングがあるわけではないんですが、なんだかすごく気にいったキャラです。
見ようによってはただの融通聞かない悪人なのですが、大聖堂の隠し部屋や大聖堂での負けイベントを見るとこう、色々気になる点が出てきまして……。あと単純にシャンさんとパールちゃんとの絡みがとても好き……。
元々狂信者なタイプのキャラが好みなのもありますが、もしいつかのどこかでまた会えるなら是非とも攻略したい一人です。
とまあ、こんな感じで。
とにかくどっぷり楽しませてもらった一作でした!