「気分次第で変わる性格もあいつだからで許される」
まるっと受け入れてるうちに伝説のパーティができちゃう前置き。
えー、今回はゆきやどりさんところのフリーゲーム「イグノラントメイガス」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。
キャラの好感度による分岐はあるものの、大筋のストーリーは一本道のRPG。バージョンは1.04でプレイ。選択肢によるミニイベントと戦略の広いバトルが特にお気に入りポイントです。
というわけで良かった点など。
デフォ名まで選択できる、大量の会話分岐
初手で驚いたのは主人公の名前。
通常デフォルトネームは一つと相場が決まりがちですが、本作はなんと3つ&自由入力の中から好きな名前を選択できます。ボロンゴ・ゲレゲレ・プックル的なあれ。この発想を実際に起用しているゲームにはまだあまり出会っておらずとても新鮮でした。
そして選択肢の多さは勿論ここだけにとどまりません。主人公の応答セリフは基本的に3種類、しかもメインストーリーだけでもほどよく喋るタイミングがあって、選ぶのがすごく楽しかったです。
どれも選びたくなる選択肢なんですよー! かっこつけたものからギャグに特化したおちゃらけ選択まで。そりゃね、どれも言いたくなっちゃいますって。
私は基本ナンパ師っぽい選択肢を選びがちでしたが、他のプレイヤーさんだとどうなるのか気になる作品でもありました。
さりげない良点としては、選択肢を連打でスキップしてしまわないよう、効果音とウェイトでしっかり知らせてくれるところ。ウディタゲーは特に連打事故が起こりやすいので大変助かりました……!
ついつい寄り道自由行動
で、さらに上記の膨大な選択肢分岐を、生かしているのが自由行動。街中で自由行動を選択するとパーティメンバーがあちこちに散らばって二言三言お話してくれるんですが、ここでも会話分岐が起こるんです。もうね、大歓喜ですよ!
こういう会話分岐って、多すぎると逆に回収するのが目的みたいになっちゃうこともあってジレンマを感じるんですが、本作はある程度進むと行動制限がかかってくれるので助かりました。決まった枠の中で膨大に用意されてる会話をちまちま楽しむ感じが好き。
さりげなーくみんなの個性が伝わってくるところも好きなんですよね。ノノはいつも彼女と一緒にいるなあとか、ロアはタバコ吸うときはちゃんと一人になれる場所を選んでるんだなあとか。
あと単純に、キャラ達も各自で好きにやってるんだとわかると、なんか安心感があります。彼らには彼らのプライベートがあるんだなー、みたいな。
王道をしっかり固めていくほのぼのファンタジー
さて、では葉末ではなく根幹はどうかというと、ストーリーはドンと王道な印象でした。村の幼馴染たちがちょっとした冒険に出て、色んな人と出会って、そうこうしているうちにスケールがどんどん大きくなっていく――――そんな感じ。
キャラ同士がみんな仲良しなので、世界観も性善説で、前向きで明るい展開を無条件で信じられるような雰囲気が自然と出来上がっています。きゃっきゃと盛り上がってるうちに気付いたら色んな危ないこともなんとかなってた、この緩さがよき。
いわゆるお約束な展開もきっちりやり遂げてくれて、すっきり爽やかなプレイ感でした。
ほのぼのと対極のハードでディープなバトル
で、ほのぼのと穏やかに終わるだけでないのがこの作品の面白いところ。
特に熱中したのがバトルシステムです!
ATB? ゲージが溜まると行動でき、通常攻撃でSPが溜まるタイプのバトル。余談ですがこの手のバトルの通りが良い呼び名を教えて頂きたい。
キャラの固有スキルは無い代わりに、装備品である武器や紋章にスキルが付随しており、装備の付け替えで疑似的にキャラメイクができる印象です。加えて、陣形選択によってある程度キャラのステータスに補正がかかります。
一方で、レベル上げの恩恵はHP上昇くらい。脳筋戦法もできなくはないですが、特に序盤はどう戦略を立てて敵を殴り飛ばすかが問われる、かなりハードなバトルでした。
お金にそこそこ余裕ができる反面アイテムが一人4つの所持制限だったり、回復スキルのコストがそこそこ重かったり、ニクイところで縛りが入ってきてるんですよねぇ。バランス調整が上手い! ばっちりハマる戦い方に気付ければ意外とするっといけますが、そこに気づくまでの試行錯誤が試されているようなプレイ感でした。
具体的な戦略等々は追記に格納するとして。
勝利した時の興奮が実に気持ちいい、バトル好きも大満足の作品です。
ぴこんと吹き出しアイコン
最後に原点回帰して。ゆるっとほのぼのなストーリーに合わせてグラフィックもかわいい感じです。基本はドットの歩行グラのみなんですが、お話し中にぴこぴこ吹き出しが出てきてくれるので見た目は明るく賑やかな感じ。ステータス画面も情報量は膨大なのにすっきり見やすくて驚きました。
あと、戦闘時のオリジナル規格なグラフィックがとってもかわいくて好きなんですよ!
戦闘時はどのスキルも魔法も固有の演出が走りますし、キャラもかなり動き回ってくれるので、かなり見ていて楽しかったです! ゆらゆらふらふらする彼女のモーションがほんっと大好き。
合わなかった点
と、絶賛しまくったところで合わなかった点もいくつか。
- レベルがばらけるパーティメンバー
- 入れ替えの操作感
- アクション要素
辺りですね。ここは少しネタバレになってしまうのですが、パーティ分断イベントがあるからにはレベルは自動的に統一してもらえたら嬉しかったかなと……。とはいえレベル差が20あっても意外にぎりぎりなんとかなる難易度なのはやっぱり凄い絶妙ですよね。
あと陣形を変えるのが楽しかったので、メンバー入れ替えに手間取ってしまうようなキー操作だったのはちょっと惜しかったかも。
アクションは、はい、例のあれです。やっぱりこれもプレイヤーが驚くほどアクション苦手だからというところはあります!
とまあ、こんな感じで。
この他にも用語辞典や絶妙な隠し通路など、RPGにあるととっても嬉しい要素がぎゅっと詰まっている作品でした。
他の人のプレイングが見たくなるゲーは良ゲーの法則。
追記にはネタバレ感想やバトルの語りなど。
気になる方は下記へどうぞ。
同作者様の他フリーゲーム感想記事↓
本作のキャラがゲスト出演する別ゲー↓
ネタバレ注意!
ダンジョン・ボス戦
一番苦労して、一番達成感があったボス戦はずばりキルベルト戦です!
さすがオーガですよね……初見時どうしようかと途方に暮れました。ふふふ。勝ってやったぜ。ガード重視の陣形でHPが半分まで減ったらボム畳みかけ、という(おそらく)正攻法で倒しました。ポルカがHP20くらいでたった一人生き残っていて、本当にギリギリの戦いでした……。
スキルのコストが低い方がいいかなあと思ってランディの武器を買っていなかったせいで思わぬハードモードになった気もします。やっぱり素直に武器防具は揃えるべきですね!
他は初見か二戦目くらいで倒せたんですが……
色々飛んでラストダンジョン。ここがまた手ごわくて燃えました。
それまで私のメインメンバーって、ランディ・ノノ・ステラ・ポルカだったんですよ。わかりやすい高火力紙耐久。二人が加入してからずっとこれで突き進んでたので、つまり、コノハとロアがまったく育ってなかったんですよね! そんな中の分断はなかなかに応えました。
それでも舌を巻くのが、例えレベル差が17程度あっても意外になんとかなっちゃうところなんですよ。直前にもらえる最強武器はコノハとステラでしっかり二分されてますし、他ダンジョンと比べて回復ポイントがすぐに何度でも使える便利な位置に設置されてますし。さすがにちょこっとレベリングはしましたが、アイテムをしこたま買い集めたのもあって、一応中ボスは屠れました。ふぃー。
からの、ラスボス戦!
もうね、今度こそ倒せる見込みが思いつかずにうんうん唸っていました。
で、本当はここでかっこよく倒す秘訣など語れれば良かったんですが……。
ランディを前線に立たせてポルカが回復しながらステラとノノが殴る。そう、脳筋こそがパワー。力こそ栄光。そんな感じに勝ちました。レベル45くらいだったかなあ。
他の方の知的な勝利も見たいところです。
裏ダンジョンの裏ボス自体はけっこうあっさり倒せました。1戦目は前哨戦ってことだったんでしょうね。クリア後要素のランディの武器がかなりよく効くのもあって、ラスボスより楽に倒せた気がします。戦法も一緒、回避率が上がってもステラとノノがゴリ押してくれました。ノノの必中スキルがここで活きてくれて実に気持ち良かったです。レベルは55くらい。
白い悪魔の倒し方も気づくとクスッとしますよね。必中って良い響きだ。
そうそう余談ですが、店売り装備品の上位互換が宝箱から~ということがなく、素直にスタメンの最強装備を揃えていったらOKだったのも嬉しいポイントでした。装備品を回し遣いできるので分断された時もなんとかなりましたし、やっぱり色々行き届いているなーという印象です。
キャラ
特にお気に入りの二人について。
ステラ
ゾンビっ娘ですよ! 性癖直撃ですよ! 好きにならいでか。
バトルモーションのゆーらゆーらする動きが可愛くて大好き。技名もかっこいいのにほにゃほにゃしててかわいい。
初めはホタルのほうにしてたんですが、魔法発動モーションを見て儚さよりも元気いっぱいさが印象的だなあと思ったのでちょこっとデータをロードしてステラに決定しました。
こっちが色っぽく口説こうとしたり、なんでもかんでも「あうー」で済ませようとしたりすると反応は芳しくないんですよね。伝わらないだけといえばそれまでですが、本質を見抜く力があるとも解釈できて、内側に根付く「僕」をほんのりと感じられる気もします。
月夜の決戦前イベントやエンドも彼女と一緒でした。嬉しい!
ノノ
球体間接ですよ! 好き!
初対面からかっ飛ばしてくるネガティブ要素につい惹かれるものを感じたのもあり、加入時からスタメン決定でした。
彼女も人によって使う紋章や動かし方がかなり変わりそうですよねぇ。ブレイブハート等でサポート役に回しても良かったんですが、やっぱり私は力尽きるまでひたすら殴りたいタイプなのでマナドライブで延々と秘剣を撃ってもらっていました。
この強くて脆い二人を生かしたいがために、ポルカに回復紋章、ランディに蘇生紋章で走り回っていました。やっぱり惚れた子と一緒に冒険したい!
とまあ、こんな感じで。
砂漠モードや独自メニュー画面構成などオリジナリティも光りつつ、王道どころに落とし込んであるRPGという印象です。ほのぼのだけど中身は熱い! とっても楽しかったです!