「吐かれるばかりの種ならばと身を引いてみたらば」
撒かれ広がれと背を押すあなたがいた前置き。
えー、今回は夜宵空ノ果テ。さんところのフリーゲーム「シュレディンガーの西瓜」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。
1時間強くらいのアクション探索RPG。クリアだけを目指すのならもっと早め、のはず。
同作者様の他ゲー『シオン』『春壊譚~しゅんかいたん~』と絡む要素がありますが、諸々の思わせぶりな台詞を無視できるのなら、大筋は本作だけでも追えるつくりです。
というわけで、良かった点など。
アクション苦手はアイテムでカバー
アクション要素有の記事のたびに再三と主張しておりますが、当方は実にアクションが苦手です。追いかけっこイベントで大抵死にます。ガードがあっても使えない民です。
が、本作はアクション苦手でもなんとかなります。
アイテムや装備などいくつか救済措置があるのもありがたし。探索をすればそれだけバトルも易しくなっていくという構成も、ゲームとして好きですね。その他、同梱ファイルに戦闘の指南書もありますし、軽い攻略情報も記載されています。
同時押しは最悪Dキーと矢印キーだけですし、Xキーで疑似ポーズもできる仕様。私は通常攻撃中心に脳筋ガチャプレイで殴り勝ちましたが、アクションに自信のある方はスキルを多用してスタイリッシュに楽しんでこそ真髄が味わえるかと思います。
スキルを乱発してもいいように、早々にMPチャージ技を覚えられるところもポイントですね! スキル→チャージor攻撃でコンボ繋ぐ→スキルでテンポよく戦えるのが魅力かなと思います。……出来る方は!
夏を感じるマップ
夏を取り戻そう! ということで、マップやグラフィックは全体的に夏を感じさせるものばかり。清涼感だけでなく、祭りの屋台や髑髏などの納涼ホラー、暑さを感じさせる太陽など、まさに夏が盛りだくさん。
魅力をマップごとに切り取りながら、それぞれ違った夏のテーマを見せてくれるところが好きでした。
驚いたのが、NPCもマップにいるところ。OP的に話せる存在は主人公一人だけなのかと思っていたんです。淡々と探索するだけだとどうしても物寂しくなっちゃうので、色んな人がいてくれて嬉しかったなあ。お店やヒントとしても有用ですしね。
初めのマップの種が小粋な彼っていうのも良い構成だと思います。暗いマップだけど明るい。
次のマップへ移動する時の演出も好きです。どぷん、と深海へ飛び込む感じ。
探索すればするほど嬉しい装備
さて、これらマップはもちろん景観を堪能するだけでも十分に満足できるんですが、きっちりプレイヤーに実利としてのご褒美を用意してくれているのも嬉しい点です。
探索すればするほど装備が増え、使えるスキルが増えていきます。
欲を言えば基本的にSP2倍かエンカウント率調整で装備スロットが埋まってしまうので、スキル用にもう一つ装備スロットが欲しかったところですが……。エンカ調整をできるだけでも平伏して感謝を述べたくなるほどありがたいのでね。
閑話休題。ワープ機能のおかげでマップの行き来もやりやすいですし、ゲームとしても楽しい探索が多かったです。
わかりやすいマーク
加えてアピールしたいのが、探索ポイントのマーキング。
特定のアイテムを持っていると、アイテムが取得できる場所に矢印マークがつくようになります。これだけでもかなり探索が捗るってもんですよね!
そのうえ、とあるマップには隠しアイテムや種の置き場所を教えてくれるキャラがいます。取り逃したかも、という心配をしなくて済むのは大変ありがたい! 要求される対価もかなり安めで利用しやすく、さらには一捻り効いた演出もあって実にグッドでした。
こういう、色んな仕様やシステムが相乗効果で楽しさに繋がっている作品好きなんですよねえ。
合わなかったところ
最後に、合わなかった点。
まず、テキスト表示中のSE。耳に痛いタイプの音で続けて聞くのは辛かったです。
続いてゲームオーバー後について。タイトルロゴの演出をスキップできる機能が欲しかったです。あるいはコンティニューや会話スキップなど。特にラスボスは何度も挑み直したので、その度選択肢を選んで会話するのがちょっと手間でした。
ただ、あのタイトル画面の演出すごく好きなんですよね!! スタートロードエンドで背景が変わっていくのも美しいですし、タイトルロゴもオシャレですし。
アクションゲームとしてはイージーに作られている(はず?)ので、もしかするとリトライするような腕のプレイヤーがいることをそんなに想定されていなかったのかもしれません。
とまあ、こんな感じで。
夏を感じたい方、手軽な長さのアクションゲーをやりたい方にオススメ。
余談。
エンド分岐はありませんが、エンド前の演出が変わるので、全部集めるだけ集めきってからラストに進むのをおススメします。
レベルアップ画面の彼の立ち絵がすごく好き!
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フリーゲーム「Rerererebirth りりりりばーす」感想