「あなたのためにを疑わない、なぜなら視点はあなただけ」
第三者から見るとヘンテコに見えるかもしれない前置き。
えー、今回は水温25℃(すいおん25ど)さんところのフリーゲーム「鏡の国の姫君」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。
ややミニゲーム風の選択肢分岐有り、攻略対象一人の男女恋愛ノベル。乙女ゲ。
通りすがりの旅人に守られながら、別の国のパーティへと向かうお姫様のお話です。
というわけで特徴的な点など。
天然ワールドの繰り広げる少し不思議展開
全体的にふわふわほのぼのとしたグラフィックの本作。内容もその雰囲気に違わず、まったりふんわりなストーリーです。
なんだか不思議な生き物が飛び出してきたり、世間にスレたねこちゃんと出会ったり。
何より推したいのが、メイン二人のド天然さ!
二人でにこにこと大暴投していくので、うっかりプレイヤーの私まで「めでたしめでた……あれ?」と流されてしまうところでした。はっはっは。
お互いがときめいたシーンがわかりやすいのも微笑ましいところ。相手はそこに気付いていなさそうな点も含め、にこにこほのぼのできちゃいます。
複数経路と親切システム
本作の特徴ともいえるのが、旅路にどどんと据えられたミニマップです。
敵やら手掛かりやら、あるいはよくわからないものまで、経路を選んで色々なものと出会いながら旅が進行していきます。このゲームブックな感じ楽しかったですねえ。
起こったイベントがアイコン表示されたり、一度見たものは何が起こるかマップにメモされたり、プレイヤーにも優しい仕様。周回プレイでメモをしなくてもよいというのは大変助かるシステムでした。クイックスタートまで搭載、至れり尽くせり。
何より嬉しかったのは、セーブデータのデザインです!
アイコンも表示されるので特定のエンドを狙う時にすごくやりやすいんですよ。エンドのヒントもゲーム内に記載されていますし。それにそれに別経路でも既読のイベントはスキップできるとか……もうね、挙げ始めると止まりませんね! さりげなくプレイヤーのことを手厚く慮ってくれている、実に親切な設計でした。
わたしは私であなたは二人
続いてキャラと設定についてももう少し。
冒頭からアピールされるとおり、お姫様は二人います。それも瓜二つ、影武者でも姉妹でもなんでもなくただ、鏡の国のお姫様です。
ここの設定が私はとても好きでしてね!
もともとドッペルゲンガーやらレプリカやら、同じ人が二ついる、というシチュエーション自体にぐっとくる性質なんですよ。認知が狂う感じが好き。
で、本作ではどうだったかというと──専用のエンドはあるものの、やや消化不良。というのが正直なところかな。かなり意外性のある展開だったので、ここの設定や彼女の過去こそをメインに据えたお話が見たかった気持ちがありました。自己の決別、成長ということで、設定自体が物語映えする良質さですしね。
それに「私が二人いるの」というある意味有り得ないはずのことが、「なんだそうなのか」とあっさり流されていくので、プレイヤーとしては置いてけぼりになりがちだったのもあります。
といっても本作は、魔法が存在してよくわからないものがいる世界なのに加えて、公式サイトにも超展開寄りの旨明記されていますので。あくまでこれらは私の好みを言うなら、という点。お話の雰囲気は一貫していましたし、こうして前置きを置いてくださっていることにも好感の持てる作品でした。
鏡設定を深めず今後の展望のみ示したことで、むしろほのぼのの形を保ったまま綺麗に締めれた、と言えるのかも。
立ち絵好きもにっこりのクリア後要素
クリア後おまけも欲しいところが全て揃っていて、やっぱりそつなく完成度の高さを感じます。特に達成度、表示されてるとコンプした時に嬉しくなれて好き。へへへ。
特に驚いたのは、全身表示と立ち絵カスタムがあること。全身絵のままで表情変えれるのってかなり珍しい気がします。ランダム表示で遊べるのも嬉しい。
リズロットが頭の先から足の先まで全部ぽわぽわパステルカラーなところ、すごく好きでした。他のキャラは刺し色や濃い色もいっぱいあるから、なおさらリズロットのふわふわ感が目立つんですよね。ああ~かわいい!
そういえば、グラフィック面でいうと、ゾルガ。タイトル画面も立ち絵も右から見た構図なので、せっかくの左頬のペイントが目立たなくなっててもったいないなーって気になっていました。で、荒っぽさを隠す為なのかなあとか思ってたんですが、もしかすると剣の背負い方の関係なのかもと思うなど。左から見た構図にすると剣の柄が邪魔になっちゃう、みたいな?
ともあれ、キャラデザがすっごく好みな攻略対象で嬉しかったです。フェイスペイントいいよね! 巨大な剣を振り回す~とかも好きですし、あの特技にもニヤッとさせられました。せっかくならあの特技が生かされるシチュエーション、妄想しちゃいたいですね!
とまあ、こんな感じで。
ほのぼので独特のふわふわ感が楽しめる、メルヘン乙女ゲーでした。
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